フェイスブックの投稿やノートをGoogleドキュメントやBlogger、WordPress.comに転送する新機能が登場

米国時間4月19日、FacebookはユーザーがFacebookの投稿やノートをさまざまな他社サービスに書き出せる新機能を発表した。Facebookに投稿した情報をダウンロードするツールはかなり前から提供されていたが、今回公開されたツールは投稿やノートをGoogleドキュメントやBlogger、WordPress.comなどの人気サービスに書き出すもので、データを保存する手段としてはこれまで以上に実用的だ。

この最新機能は「設定」の「あなたのFacebook情報」にある「あなたのFacebook情報のコピーを転送」から利用できる。画面に表示されたステップに従って設定し、自分のデータを目的の転送先にコピーする。

他の書き出しと同様に、転送が開始される前にデータ保護のためユーザーにパスワードの再入力を求めるという。また他社サービスとの間で転送する際にデータが暗号化されるとFacebookは説明している。

FacebookがニュースレタープラットフォームのSubstackと競合するサービスを開発していると報じられた中で、テキストベースのコンテンツの書き出しに対応したことは興味深い。Facebookはニュースレター業界の成長の勢いに乗ろうとしている。ニュースレター業界では最近、トップの書き手の多くが有料ニュースレターを通じて読者と直接つながろうと大手の発行元から去っている。Twitterもニュースレター企業のRevueを買収し、同様のゴールを目指している。Facebookは今回発表した書き出し機能が今後のプロダクトに含まれるかどうかについては言及していないが、Facebookが新しいサービスを展開するとなったらこの書き出し機能はあらゆる反競争的な主張に対する有効な防衛手段だ。

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今回の新機能はFacebookが参加しているData Transfer Projectの一環だ。Data Transfer Projectはテック大手企業の共同プロジェクトで、ユーザーが異なるサービス間で自分のコンテンツを移動する手段を増やすことを目的としている。このプロジェクトの成果として、例えば2020年にFacebookは写真やビデオをGoogleフォトに書き出す機能を公開した。現在は写真やビデオをBackblazeやDropbox、Koofrに書き出すこともできる。

Facebookは今回の発表とともに、データポータビリティの分野における規制についても主張している。同社は、どのデータをポータブルにするか、転送後のデータの保護に関して誰に責任があるかを定める法律が必要だと述べた。さらに、2020年にFTCに提出したコメントやデータポータビリティツールの開発に関するプライバシーの問題を研究したホワイトペーパーにも言及した。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookGoogleドキュメントBloggerWordPress.comData Transfer Project

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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