Dott(ドット)は中央ヨーロッパ時間4月20日、新たに8500万ドル(約91億9000万円)のシリーズB資金調達を完了した。今回のラウンドは、エクイティと資産担保デットファイナンスを組み合わせたもので、ベルギーの投資会社Sofinaが主導した。Dottは、ヨーロッパの都市で見かけるカラフルな電動キックスクーターで知られるマイクロモビリティのスタートアップだ。
同社は、5カ国で3万台の電動スクーターを運用している。ユーザーはモバイルアプリをダウンロードすると、アプリを通じてスクーターのロックを解除できる。同社は、ロック解除料と1分ごとの料金を徴収している。
Dottは設立当初、自らを資本効率が高く、持続可能な電動スクーター企業と位置づけていた。Dottは、Bird(バード)やLime(ライム)に比べて資金調達額が少なく、運営面でも異なるアプローチをとっている。
例えばDottはこれまで、車両の充電や修理を行うための倉庫を自社で保有してきた。同社はサードパーティのロジスティクス業者とは提携していない。Dottは、ロジスティクス担当従業員の自社チームを独自に採用している。
また、Dottはスクーターの修理、再利用、リサイクルを可能な限り行っている。交換可能なバッテリーと電気トラックにより、同社は事業を展開する都市でのCO2排出量を可能な限り低く抑えようとしている。
その結果Dottは、パリとリヨンで入札を経て営業許可を獲得した。全体では、フランス、イタリア、ベルギー、ドイツ、ポーランドの十数都市で事業を展開している。欧州の競合企業であるTier(ティア)はより積極的に事業を拡大しており、2020年11月に2億5000万ドル(約270億2000万円)を調達した。
Sofinaに加え、EQT Ventures、Prosus Ventures、Aberdeen Standard Investments、Estari、Expon Capital、Felix Capital、FJ Labs、Invest-NL、McRock Capital、Quadiaなどの新規および既存投資家が今ラウンドに参加している。
このたびの資金調達により、同社は電子スクーターにとどまらず、新たにバイクシェアサービスを展開する予定だという。Dottはすでにそのeバイクの画像を公開している。このサービスは2021年夏に開始される予定だ。
またDottは、スペインや英国を皮切りに他の都市や国への展開も計画している。このように、Dottは一度に100の都市でサービスを立ち上げようとは思っていない。徐々に新しい都市でのサービスを展開している。現在同社は、すべての都市でEBIT(利払前・税引前利益)黒字となっており、Dottはおそらくその状態を維持したいと考えているのだろう。
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