Paxos(パクソス)はOak HC/FTがリードしたシリーズDラウンドで3億ドル(約326億円)を調達した。これによりPaxosの評価額は現在、24億ドル(約2612億円)だ。同社は顧客に暗号資産(仮想通貨)プロダクトを提供したい法人顧客のためのインフラ構築とホワイトラベルのサービスを手がけてきた。
中でも、Paxosは暗号資産機能でPayPal(ペイパル)と提携した。2020年10月以来、PayPalの顧客はBitcoin(ビットコイン)、Ethereum(イーサリアム)、Bitcoin Cash(ビットコインキャッシュ)、Litecoin(ライトコイン)の購入、保持、売却ができる。PayPalの子会社Venmo(ベンモ)はちょうど数日前に同じ暗号資産機能を加えた。
関連記事:PayPalが仮想通貨の売買サービスを米国で開始、Paxosと提携
PaxosのシリーズDラウンドにはDeclaration Partners、PayPal Ventures、Mithril Capital、Senator Investment Group、Liberty City Ventures、WestCapが参加した。
Paxosは暗号資産取引や決済、管理、トークン発行能力などさまざまなプロダクトを提供している。専門とする顧客はRevolut、Crédit Suisse、Société Générale、StoneXなど主に大企業だ。
Paxosは可能な限り規則を順守しようとしている。そしていくつかの国や分野の規制に引き続き従うつもりだ。
例えば同社はPaxos National Trust Bankを立ち上げて米国の証券取引委員会の清算機関登録に申し込む計画だ。シンガポールでは、主要決済機関ライセンスに申し込んでいる。この規制関係の取り組みは、安全な暗号資産の機会を求めているより多くの法人顧客との提携を育む。
同社はまた、Paxos Standard (PAX)という自前のステーブルコインも立ち上げた。ステーブルコインはBTCやETHのような暗号資産だ。しかしPAXの価値はUSD(米国ドル)で示される。いつでも1PAXは1USDだ。他の人気のステーブルコインとしてはTetherとUSDCがある。
Paxosはまた、独自ブランドのステーブルコインの発行も可能にしている。例えばBinanceは自社プラットフォームでBUSDを発行するのにPaxosと協業した。想像がつくだろうが、1BUSDの価値は1USDだ。
Paxosは金に支えられたデジタル資産であるPAX Goldでも知られている。Ethereumブロックチェーンで機能する限り効率的であるはずの金ETFの代替だ。
最後にPaxosはitBitという自前の暗号資産取引所を持っている。CoinMarketCapによると、itBitは一握りのものだけを扱う。消費者向けではなく、Paxosの他のプロダクトを動かしている。
カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Paxos、資金調達、暗号資産
画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images
[原文へ]
(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi)