ホンダの米国法人であるAmerican Honda Motor Co.(アメリカン・ホンダモーター)は、同社にとっては北米で初のフル電動SUVを2024年初頭に発売すると発表した。これは、2020年代半ばまでにガソリン車からの脱却を目指す同社の取り組みの一環だ。「Prologue(プロローグ)」という車名は、ホンダが「新しい電動化時代」と呼ぶものの序章を意味している。
Prologueは、ゼネラルモーターズ(GM)の「アルティウムセルズ」EVプラットフォームとバッテリーパックを採用した、今後発売される2車種のホンダ車のうちの1つだ。もう1車種はAcura(アキュラ)ブランドの電動SUVで、2024年にデビューする予定。GMはOEMメーカー2社の間で長年続いているパートナーシップの一環として、これら2車種を北米の同社工場で製造する。
ホンダは価格やクルマの外観などを含め、これらの新型SUVの重要な詳細については今のところ口を閉ざしている。しかし同社は、Tesla(テスラ)の「Model Y(モデルY)」、Ford(フォード)の「Mustang Mach-E(マスタング・マッハE)」、Volkswagen(フォルクスワーゲン)の「ID.4」などのライバルに対抗し、競争の激しい電動SUV市場に参入することになる。
ホンダは、GMやVolvo(ボルボ)を含む他の自動車メーカーとともに、北米地域での野心的な電動化目標を設定している。同社の三部敏宏社長は2021年4月、バッテリー式・燃料電池EV販売の割合を2030年までに40%、2035年までに80%まで引き上げ、2040年までに内燃エンジン車の販売を全廃するという目標を掲げた。その一環として、ホンダは独自の新EVプラットフォーム「e:Architecture(e:アーキテクチャー)」を開発し、2020年代後半に発売するEVモデルに採用する計画があると発表した。
また、ホンダは米国時間6月28日、Battery Resourcersとの間で、ホンダとアキュラのEVに搭載されたバッテリーをリサイクルする契約を締結したと別途発表した。これらのバッテリーは、まずマサチューセッツ州ウースターにあるリサイクル会社のサイトで処理され、その後、2022年に稼働する予定の商業規模の工場で処理されるとのこと。Battery Resourcersは最近、新工場の開設を含む事業拡大のために2000万ドル(約22億1000万円)のシリーズBを調達していた。
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カテゴリー:モビリティ
タグ:Honda、電気自動車、GM
画像クレジット:Geoff Robins / AFP / Getty Images
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)