暗号通貨スタートアップのPhantomがマルチチェーンウォレット拡大のためa16zから資金調達

2021年、個人投資家がビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)を購入することに慣れてきた一方で、分散型アプリケーションの世界では、主流のユーザーベースを取り込むことに関してまだ多くの仕事が残っている。

Phantom(ファントム)は、暗号資産スタートアップの新しい層の1つだ。ブロックチェーンベースのアプリケーションを合理化するインフラを構築し、暗号通貨の世界をナビゲートするための、よりユーザーフレンドリーなUXを提供することを目指す。開発者ではなく、利用者にとって空間全体をより親しみやすいものにしようとしている。ユーザーは、Phantomウォレットをブラウザにダウンロードすると、アプリケーションとのやりとりやトークンの交換、NFTの収集などができる。

この暗号通貨ウォレットメーカーはシリーズAラウンドで900万ドル(約10億円)を調達した。ラウンドはAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、a16z)がリードし、Variant Fund、Jump Capital、DeFi Alliance、Solana Foundation、Garry Tanも参加した。今年の夏の初めにクローズしたこのラウンドは、市場全体の不安定な状態が続いているにもかかわらず、暗号資産の未来を受け入れるベンチャーキャピタルが出てきたことを意味する。a16zは先月、22億ドル(約2420億円)の暗号通貨ファンドを発表した。これは業界に特化した同社の投資ビークルとして最大だ。

画像:Phantom提供

CEOのBrandon Millman(ブランドン・ミルマン)氏、CPOのChris Kalani(クリス・カラニ)氏、CTOのFrancesco Agosti(フランセスコ・アゴスティ)氏の共同創業チームは、いずれも暗号資産インフラのスタートアップである0xから移った。

Phantomは現在、Solanaコミュニティーで最もよく知られており、そのブロックチェーン上のアプリケーションとして最適なウォレットとなっている。ミルマン氏がTechCrunchに語ったところによると、同社はより広範なネットワークとのインターフェースに取り組んでおり、現在、イーサリアムとの互換性を構築している。また、他のブロックチェーンの準備もしており、「マルチチェーンの世界」のための製品を目指している。

Phantomは、他のネットワークへの対応を進めると同時に、より洗練されたDeFiメカニズムをウォレットに組み込み、ユーザーが暗号資産に賭けたり、ウォレット内でより多くのトークンを交換したりできるようにしたいと考えている。

Phantom社によると、既存のウォレット製品のユーザー数は約4万人とのことだ。

人気の高いイーサリアムのブロックチェーン上で存在感を示すのは難しいことだが、Phantomの最も大きな課題は、新しい種類の暗号資産に興味のあるユーザーが、主流になるにはまだ長い道のりを必要とするアプリのネットワークにアクセスできるようにすることだ。

「この分野全体が『開発者が他の開発者のために作ったもの』という状態に陥っています」とミルマン氏は話す。「ハードルの高さはそのまま放置されていました。より高いハードルを目指す人はいませんでした」。

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画像クレジット:Phantom

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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