ウェアラブルさく乳ポンプやケーゲルトレーナーのヘルステックElvieがシリーズCで約106.4億円調達

コネクテッドさく乳ポンプやスマート骨盤底面エクササイザーを開発した女性向けヘルステックのパイオニアであるElvie(エルビー)は、今夏初め(7月)に発表したシリーズCを上積みし、1270万ポンド(約19億3100万円)を追加して、資金調達額を7000万ポンド(約106億4000万円)に引き上げた。

2013年に設立されたこの英国のスタートアップは、2019年に4200万ドル(約46億3000万円)のシリーズB、そして2017年に600万ドル(約6億6000万円)のシリーズAを調達していたが、当時はフェムテック系スタートアップが今よりずっと珍しい時代だった。女性主導のスタートアップ各社が道を切り拓き、フェムテックにかなり大きな市場があることを示したことで、女性のために(そして多くの場合は女性により)デザインされた製品は、ここにきて大きな勢いを得ており、投資家も機会を逃すまいとしている

アナリストたちは今では、フェムテック業界は2025年までに500億ドル(約5兆5130億円)の市場になると予測している。

Elvieによると、今回のシリーズCエクステンションラウンドは、食品・健康分野に特化したプライベートエクイティ企業であるBlume Equityの共同設立者がスポンサーとなっているファンドに加え、既存投資家であるIPGL、Hiro Capital、Westerly Windsからの資金も含まれている。

7月に第1トランシェ(5800万ポンド、約88億1600万円)を発表した際にElvieは、シリーズCはBGFとBlackRockが主導し、Octopus Venturesを含む既存投資家が参加したと述べていた。

このシリーズCは、地理的な拡大(新規市場への参入を含む)や、女性の人生における他の「重要なステージ」をターゲットとした製品ポートフォリオの多様化など、さらなる成長のために使用されるとのこと。

これはつまり、製品開発をサポートするための研究開発費を惜しまないということだ。物理的なガジェットとソフトウェアを融合させたコネクテッドハードウェアは、依然として強いフォーカスとなりそうだ。また、さらなる規模拡大に備えて、オペレーションとインフラを強化していく予定だ。

現段階でElvieが販売している製品は、コネクテッドケーゲル体操トレーナー、ウェアラブルさく乳ポンプ(に加え電気を使わないポンプも2つ)の4つだ。

同社が製品の面で次に何を開発していくのか、注目したいところだ。

創業者兼CEOのTania Boler(タニア・ボーラー)氏は、声明の中で次のように述べている。「Elvieは、次の成長段階へ行く準備ができています。当社はすでに事業を展開しているカテゴリーに革命を起こしていますが、新しい領域で女性のためのよりよいテクノロジー製品やサービスを生み出す、未開拓の膨大なポテンシャルがあることを知っています」。

Elvieの目標は「あらゆるライフステージにおける女性の健康のための頼れる目的地」を作ることであり、ターゲットとなる女性消費者に「洗練された、的確で、パーソナライズされたソリューション」を販売することだと同氏はいう。

Elvieは製品販売による売上を明らかにしていないが、同社のさく乳ポンプ事業は米国で過去12カ月間に倍増しており、米国のAmazo(アマゾン)ではさく乳器のSKUで最も高い収益を上げているとのこと。

また、欧州事業の成長率は前年比139%と「好調」であることも同社はアピールしている。英国市場では、過去12カ月間で前年比31%の成長を達成したという。

画像クレジット:Elvie

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。