ジャックフルーツを使った代替肉の普及を目指すjack & annie’sが約26.3億円調達

jack & annie’sの創業者アニー・リュウ氏(画像クレジット:jack & annie’s)

ジャックフルーツ(パラミツ)を原料にするサステナブルな代替肉ブランドJack & annie’sが、米国時間12月14日に2300万ドル(約26億3000万円)のシリーズBの調達を発表した。

ラウンドはCreadevとDesert Bloomがともにリードし、Wheatsheafと既存の投資家Beta AngelsおよびInvestEcoが参加した。同社の創業者でCEOのAnnie Ryu(アニー・リュウ)氏は、TechCrunchに対して、以前のラウンドは発表しなかったし、これまでの総調達額も公表しないが、今回は「これまでのラウンドの合計より大きい」と語った。

ジャックフルーツの製品化のアイデアを思いついたのは10年前、リュウ氏がハーバードの医学部大学院の学生時代だった。彼女は弟と一緒に会社を起こし、インドでジャックフルーツを知った。

リュウ氏はこの果実が干ばつに強くて収量も多いことを知ったが、現地の人たちが好きなだけ食べても70%が未使用であることもわかった。世界の健康が研究テーマだったリュウ氏は、この果実の利用量を増やすことで地域の貧困を終わらせたいと考えた。今日では彼女のブランドは1000戸の農家と協力して、彼らの収入の10〜40%を提供している。

その後、リュウ氏は「ジャックフルーツ最大のサプライチェーンの開拓」を始めた。最初に作ったブランドは2015年に厚い果肉を利用し、コクのあるフレーバーでタンパク質や食物繊維など栄養価も高かった食品を提供した。現在、The Jackfruit Co.は約10種類の製品を、主にベジタリアン向けに販売している。当初はWhole Foodsが販路だったが、その後、拡大している。

2020年にローンチしたjack & annie’sは、リュウ氏によれば「とても親しみやすい」ブランドだという。同社は10種類の冷凍食品をそぼろやミートボール、ナゲットなどの原料として売っている。小売価格は、冷凍製品が4.99〜5.99ドル(約570〜約680円)、冷蔵製品が6.99ドル〜7.99ドル(約800〜910円)となっている。

ジャックフルーツを原料とする植物性の代替肉食品を扱う企業がいくつか登場している。2020年はシンガポールのKaranaが170万ドル(約1億9000万円)を調達して、植物性の豚肉代替食をこの果実で開発している。UptonのNaturalsThe Very Good Butchers、そしてNative Forestなども、この果実を使った代替肉食品を作っている。

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しかしリュウ氏のブランドは1年足らずで1500ほどのリテイラーに広がり、その中にはWhole FoodsやSprouts、Meijer、Wegman’s、Hannaford、Target、Giantなどもいる。同社はまた、植物性代替肉の冷凍製品では3番めに大きいブランドだ。また自然食品の流通チャネルでは同社は、SPINS Natural Channelによると、10月3日までの12週でナゲットのトップだった、とリュウ氏はいう。

同社の売上は前年比で倍増というペースを続けており、今度の資金はパートナーシップの構築の継続と、新たなイノベーション、各店におけるシェルフスペースの拡大、総流通量の拡大に投じられる。

リュウ氏によると「ジャックフルーツはビーフやポーク、チキン、シーフードなどのようにしやすため、これまで行ってきたことは氷山の一角にすぎないでしょう。リーダーとしてやるべきことは、多くの顧客のイノベーションパートナーであることです。彼らがジャックフルーツの肉のような食感を利用し、素性がわかる良質な原料だけで美味しい製品やメニューを開発しているときは、私たちがボウルダーにあるR&Dセンターを利用して協力することができます」という。

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

投稿者:

TechCrunch Japan

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