雪の多いスウェーデンに本拠を置くPolestar(ポールスター)は、現地時間2月2日、電気自動車「Polestar 2(ポールスター2)」に極寒環境向けの装備と性能向上を施した特別仕様車を発表した。
このPolestar 2 Arctic Circle(北極圏)は、前後にモーターを搭載する(4輪駆動)Polestar 2 Long range Dual motor(ポールスター2 ロングレンジ・デュアルモーター)にPerformance Pack(パフォーマンスパック)を追加した仕様をベースに、さらにエンジニアは車高を30mm引き上げ、特別に製作されたスタッド付き冬用タイヤを装着した。専用にチューンされたÖhlins(オーリンズ)製ダンパーは、30%ソフトなスプリングと組み合わされ、車体のフロントとリアには、ねじり剛性とステアリングの反応を高めるストラットブレースを追加。2基のモーターの合計出力は300kWから350kWに、合計トルクは660Nmから680Nmに向上している。
そしてもちろん、Arctic Circleは本物のラリーカーのように、4つの巨大なStedi Quad Pro(ステディ・クアド・プロ)LEDライトと、カーボン製スキッドプレートが装備されている。
昔から自動車メーカーは、性能を誇示したり、人々の興奮を高めたりするために、ワンオフのコンセプトカーを使ってきた。これは、顧客の興味を判断するための効果的なツールであると同時に、自社のエンジニアに何か楽しいものを作らせる機会を与える。Tesla(テスラ)からGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)まで、すべての自動車メーカーは、最終的な市販仕様に先駆けて車両を公開し、量産が近づくにつれて、評判(および道路法規や生産上の制約)に基づいて調整を施していく。
このArctic Circleは市販される予定はないものの、将来的にポールスターがこのクルマのパーツを販売することは考えられる。4輪駆動のデュアルモーターはすでにラインアップにある。向上したパワーは、ポールスターによると、2022年中に無線アップデートで顧客に提供される予定だという。調整可能なダンパーもすでに購入可能だ。スタッド付きタイヤやバケットシート、スキッドプレート、ライトなども、サードパーティのベンダーから販売されている。
このクルマの開発を主導したのは、ポールスターのチーフシャシーエンジニアであるJoakim Rydholm(ヨアキム・ライドホルム)氏で、同氏は余暇にはラリーに参戦し、数々のトロフィーを獲得しているという。それを聞くと疑問が頭に浮かんでくる。かつてラリーで活躍したPorsche 911 Safari(ポルシェ911サファリ)のように、次は車高を引き上げたポールスター2のラリー仕様車が登場するのではないだろうか?
画像クレジット:Polestar
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(文:Matt Burns、翻訳:Hirokazu Kusakabe)