販売・請求管理SaaS「Scalebase」(スケールベース)を提供するアルプは2月9日、第三者割当増資により総額12億5000万円の資金調達を行なったことを発表した。引受先は、グロービス・キャピタル・パートナーズ、DNX Ventures、GMO VenturePartners、電通ベンチャーズ。累計調達額は19億円となった。
調達した資金は、Scalebaseの機能強化と新サービスの開発、採用・組織体制の強化にあてる。また、将来的にScalebaseの導入を検討しているスタートアップ企業を対象に、特別プランの提供を同日より開始している(期限・諸条件・審査あり)。
Scalebaseは、SaaSやサブスクリプションビジネスのほか、あらゆる継続収益型モデルのビジネスに特化した販売・請求管理SaaS。顧客ごとに異なる契約条件を柔軟に設定でき、複雑化しがちな請求業務を誤ることなくスムーズに行える。MRR(月次経常収益。Monthly Recurring Revenue)やチャーンレートといった重要指標も可視化し、販売戦略の意思決定と実行をサポートするという。2019年のサービス開始以来SaaS事業を展開するスタートアップから大手企業まで、70社を超える企業に利用されているそうだ。
アルプは、今回調達した資金をScalebaseの開発、採用・組織体制の強化に充当し、ユーザー層の拡大とさらなる提供価値の向上を目指す。これまでScalebaseは、SaaS企業をはじめとしたBtoB企業を中心に利用されてきた。しかし、情報通信サービスやインターネット広告、メディア事業、リース・レンタルサービスなど、顧客と継続的に取引するあらゆる「継続型収益モデル」のビジネスでも、同様の価値を発揮できるものとの手応えを得たという。今後は複雑な事業構造や大規模なトランザクションにも対応できるプロダクトとして柔軟性と汎用性を高め、多様な事業領域および事業のステージごとに異なるニーズにも対応にしていきたいという。
またアルプは、販売実績や収益性、利用状況、顧客とのコミュニケーション状況などの相関性を分析して収益最大化を支援する新たなサービス「Scale Analytics(仮称)」の提供を2022年内に予定している。
Scale Analyticsは、継続型収益モデルの知見と収益拡大のノウハウを持つデータサイエンティストらが企業の各種実績データを横断的に分析し、アップセル・クロスセルの機会を抽出することで事業の収益成長をサポートする。アクションの効果測定や継続的実施のためのダッシュボードを提供し、サービス終了後も社内で改善し続けられる仕組みを構築する。