これは驚くべき権力委譲である。GoogleのCEO Larry Pageは、様々な中核プロジェクトの作戦参謀としての役割を、副官のSundar Pichaiに譲り渡す。著名なGoogle幹部のひとりであるPichaiは、既に指揮をとっているChromeブラウザー、Chrome OS、Google AppsおよびAndroidに加えて、Google+、検索、マップ、インフラストラクチャー、および広告を彼のポートフォリオに加える。
Pichaiが、GoogleのAndy RubinからAndroidを引き継いだ時、TechCrunchはこの交代を、 AndroidとChromeの新たな統合への兆候であると歓迎した。
Chrome OSとAndroidの両方を別々に持っていることは、急速なスクリーンの巨大化と共に意味をなさなくなっている。
より多くの製品グループをPichaiの下に置くことで、様々なプロジェクトの調和が高まることは容易に推察できることであり、可能であれば統合を進めていくことは明白な目標だ。
Chrome OSとAndroidは今も別々だ。タッチファーストのモバイルに優しいOSを、デスクトップ版と協調させようとしているのはGoogleだけではない。Googleの立場が奇異に感じるのは、そのデスクトップ版が、タッチファーストでモバイルに優しい、二分化されたOS〈たち〉から直接生まれ、配布されているからにすぎない。
Appleも同様の動きを見せ、デスクトップ中心のOS Xと、モバイルファーストのiOSが互いにやり取りできるようにしている。さらに極端なのはMicrosoftで、タブレット優先のユーザーインターフェースを劣化版Windows 7の上に詰め込もうとして、誰ひとり魅することができなかった。その会社はWindows 10というOSで過去の罪を償おうとしている。
Googleが単一のOSと製品ラインを望むであろう理由は明らかだ。OSの関係がスムーズになるほど、ユーザーを様々なデバイスカテゴリーに呼び込みやすくなる。そうすればGoogleの中核サービスである検索やマーケットプレイスの利用が増え、会社に直接あるいは間接的に売上がもたらされる。
念のため言っておくが、モバイルは未来の一部ではない。未来〈そのもの〉である。そしてGoogleのChrome OSプロジェクトは、Androidの端末の数とモバイルOSのデファクト標準であるという事実を踏まえれば、Androidという大きな枠の中で捉えざるを得ない。
Pichaiは、Googleが世界中で使われるテクノロジーを征服するために作ったツールのほぼすべてを、手中にできる立場を得た。果たして彼がどうやって、数々のハードウェア、ソフトウェア、およびサービスから、統合された何かを作り上げるのかは、未知の物語だ。
ささいな皮肉だが、Pichaiの名前はMicrosoftのCEO候補として上がったことがある。代わりに内部の候補者がその座を射止め、Pichaiはほぼ同じ規模の昇進を自社で果たした。
Googleの次期CEOが誰かに賭ける人はいるだろうか? もちろん、もしPichaiが責務に成功すればの話だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)