Windows 10のリリースに関するMicrosoftの先月の発表はMicrosoftウォッチャーにさえわかりにくいものだった。 今朝(米国時間7/2)、Microsoftはベータ・テスター、一般ユーザー、大規模ユーザーに対してどのようにリリースが行われるのか、もうすこし詳しい計画を発表した。
まず今回のアップグレードの規模だが、Microsoftによれば、現在Windows Insiderプログラムに参加しているベータ・テスターは 500万人いるという。5月の発表では370万だった。またWindows 10アップグレードの予約者も「数百万に上る」としている。どちらの数字も納得のいくいものだ。
MicrosoftはWindows 7、Windows 8、8.1の正規ユーザーに対してWindows 10をリリース後1年間に限り無料で提供する。これにより、2、3年後には「十億台のデバイスにWindows 10をインストールさせたい」としている。いささかおおざっぱだが、巨大な数字であることに変わりはない。
さて、それではユーザーがWindows 10を入手するには具体的にどうしたらよいのだろう? 現在Windows 10のベータ・テストに参加しているユーザーは勝ち組だ。製品版を誰よりも早く入手できる。先日Microsoftのナンバー2に昇格したTerry Myersonはこう説明する。
われわれは7月29日からWindows Insiderのメンバーに対してWindows 10を提供を始める。その後、事前に予約登録をしているデバイスに対し、ゆっくり規模を拡大しながら順次アップデートを実施する。リリース開始後もわれわれは日々ユーザーからのフィードバックに耳を傾け、改良を続け、ただちに他のWindows 10ユーザーの製品もアップデートされる。
Windows 10にもっとも強い関心を抱いているユーザーがいちばん早くWindows 10を受け取るというのは理にかなっている。他のユーザーは落ち着いて待つことになる。ボリューム・ライセンスのユーザー(読者の大部分は違うだろう)がWindows 10を受け取れるのは8月1日になる。
Myersonによれば、
OEMパートナーが発売準備中のデバイスにWindows 10のイメージを搭載できるよう、われわれは近くWindows 10のビルドを提供し始める。OEMメーカーが現在開発中のWindows 10デバイスは素晴らしいものだ。ユーザーからのフィードバックを早く聞きたいと願っている。
その後、われわれは世界中の小売店にWindows 10のビルドを提供する。これにより小売店はWindows 8.1のイメージを搭載したデバイスを顧客の要望によりWindwos 10にアップグレードして販売することができる。
ということだそうだ。Windows 10の製品版を最初に入手するのはやはり各種のコンピュータ・オタクたちのようだ。最初に出回るのがRTM〔Release To Manufacturing=量産向けリリース〕版と呼ばれるのは理由のあることだ。Myersonの言葉でそれより重要なのは「近く」だ。ベータ・テスターにコードが配給されるのが7月29日だというのだから、この「近く」は「すぐにでも」と考えたほうがいいだろう。
今回の発表でMicrosoftは「対象となるすべてのデバイスが正常にアップグレードできるようになるまでわれわれはユーザーをWindows 10に移行させることはない」と強調した。これは一つにはメディアのネガティブ・キャンペーンに対する予防線だろう。今日も「Windows 10が学校のサーバーをダウンさせ、子どもたちが給食を食べられなかった」などというニュースが出回っているが、これはMicrosoftの責任ではない。同時に膨大な数と種類のデバイスでWindows 10を作動させるという決意の表明でもある。
なにしろ10億台が目標だ。
目が覚めたばかりのところに飛び込んできたニュースなので今はこのくらいにしておく。Windows 10のリリースについては引き続きフォローしていく。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)