Microsoftが今日(米国時間9/2)、同社のAzureクラウドコンピューティングサービスの二つのアップデートを発表した。ひとつはパフォーマンスが最適化されるGクラスのVMに新しいタイプを導入、もうひとつは計算力に重点を置くDクラスVMを値下げしたことだ。
GクラスVMはAzureクラウド上のもっともハイエンドのマシンで、したがって料金ももっとも高い。Windowsが動き、最高月額は7180ドルにもなる。今度からこのGクラスのマシンに、高仕様ストレージを伴うGSというタイプが新たに導入され、そのストレージの最大仕様は64TB、毎秒80000I/O、最大スループットが2000MB/sとなる。
これまでのGシリーズと新しいGSシリーズはともに、VMが帯域20Gbpsのネットワーキングをサポートする。そのスループットは、競合他社の倍、だそうだ。
担当マネージャCorey Sandersによると、この有料ストレージオプションを導入したのは、顧客の要望による。Gシリーズのユーザは、大きなデータベースを必要とすることが多いのだ。
“そういうワークロードが増えているから、ストレージのスループットの増大を求める声が頻繁に聞かれるようになった”、と彼は語る。彼によると、GSシリーズのVMはMySQLやMicrosoftのSQL Serverなどだけでなく、MongoDBのようなNoSQLデータベースも高いスループットで利用できる。
Sandersによると、Azureの顧客の一部はデータウェアハウスや、あるいはExchange、Dynamicsのようなエンタプライズアプリケーションを稼働するためにこれらのマシンに着目している。
今回のアップデートでMicrosoftは、DシリーズVMの最大27%の値下げを行う。このVMはWebアプリケーションのフロントエンドや、メインのデータ処理/供給層で使われることが多い。Sandersが説明する値下げの動機は、このDシリーズをいわば、Azure利用の入り口と位置づけ、今後なお一層のユーザ増を図りたいためだ。値下げは、10月1日から有効となる。
さらに今後Azureから、メッセージングサービスService Busを利用できるようになり、より高いアップタイムと、より予測可能なパフォーマンスが約束され、VMの診断能力も提供される。