二年に一度行われるOpenStack Foundationのカンファレンスで、OpenStackによるクラウドを管理するアドミンの資格認定プログラムが発表された。
OpenStackは多くのサブプロジェクトで構成されているので相当複雑であり、このソフトウェアフレームワークを使ってクラウドを構築しようとする企業にとってはとくに、有能なアドミニストレータを見つけるのが難しい。
数年前に当Foundationは教育訓練のマーケットプレースを立ち上げ、そこにRedHat、MirantisなどのベンダやLinux Foundationのような団体が提供するコースを陳列した。Foundationの事務局長Jonathan Bryceは今日のキーノートで、このコース紹介は非常にうまくいったが、しかしそれでもまだ、十分な数の有能な人材は育っていない、と述べた。
今回の資格認定事業は、Foundationが多くの企業(Canonical, Cisco, HP, Mirantis, Rackspace, SuSEなど)の協力を得て開発したもので、これがOpenStackアドミンの基準になることをねらっている。
認定が欲しいアドミンは、まず地球上のどこからでも受けられる認定試験を受ける。最初の試験は同FoundationとLinux Foundationの協力により、2016年に行うが、その試験勉強のためのコースはおよそ20社の教育訓練プロバイダから提供される。受験料などは現段階では未定だ。
OpenStack FoundationのCOO Mark Collierが今日の記者会見で語ったところによると、今後はデベロッパをはじめ、OpenStackのエコシステムを構成するそのほかの主要ロールについても、このような資格認定方式を導入するそうだ。
OpenStack Foundationは今日(米国時間10/26)、資格認定〜教育訓練事業のほかに、Project Navigatorという情報閲覧ツールをローンチした。このサービスもやはり、OpenStackの複雑性対応の一環で、ナビゲータは今のOpenStackを構成するおよそ25あまりのサービスやサブプロジェクトの一つ々々について情報を提供する(それらの成熟度、パッケージング、ドキュメンテーションなど)。Project Navigatorは、OpenStackが最近行った‘構造改革’の成果を前面に打ち出している。それは構成サブプロジェクトを「コア」(コンピューティング、ネットワーキング、ストレージ)と、そのほかの「オプション」の二つに分ける、という構造だ。
“サブプロジェクトを「コア」と「オプション」の2グループに分けた目的は、OpenStackによるクラウドの構築とデプロイを単純化するためだ”、とCollierは述べる。“Project Navigatorはその単純化された構造を分かりやすく視覚化して表現し、ユーザがOpenStackクラウドの構築に取り組むとき、必要な部位の選択を容易にできるようにすることが、ねらいだ”。