インドのバンガロールでは、Uberとインド拠点の強力なライバル、Olaとの決戦が始まろうとしている。この街で両社が共にオートバイによるオンデマンドタクシーサービスを開始する。
設立4年のOlaは、Tiger Globalの支援を受け、Lyftを始めとする世界のUberのライバル会社と提携して、昨夜パイロットサービスを開始した。一方Uberは今日(米国時間3/2)午前にタイで先月デビューしたUberMotoのバンガロールへの到来を発表した。
「インドの大きな弱点は渋滞である」とOlaのマーケティング・コミュニケーション責任者、Anand SubramanianがTechCrunchのインタビューに答えた。「オートバイは個人の移動手段として非常に人気が高い。インドには道が無数にあり、A地点からB地点へ行くためにはもっと早い方法がある」。
Olaの東南アジアのパートナーであるGrabは、オートバイタクシーを1年以上運営しており、そのことが、準備に「数ヵ月」を費したというOlaのサービスへのアドバイスに役立ったとSubramanianは言った。
Subramanianは具体的な数字を明かさなかったが ― サービスは開始したばかり ― 需要はすでに高いと語った。また、Olaは3~5分で乗客を迎えることを目標としており、乗客にはで運転手からヘルメットが標準で貸し出されることを付け加えた。当初Olaは、「訓練を受けた」登録オートバイタクシードライバーを使っているが、近いうちにそれ以外のドライバーにもサービスを開放する計画だ。
Uberはすでにバンガロール市内の関心のあるオートバイ所有者たちにサービスを開放しており、それが先行利益になるかもしれない。Olaのサービスがバンガロール全域で利用できるのに対して、Uberは当初市の中心部のみで運用される。
先月タイのバンコクで開業した際、同社もOla同様、乗客にヘルメット着用を義務付け、乗客には通常の自動車と同じく保険が掛けられると話した。
現時点で両サービスの価格に選択の余地はあまりない。Uberの最低料金は15 INR[インドルピー]で、基本料金の15 INRの後、1 km毎に3 INRまたは1分毎にINRが追加される。Olaは、1 kmあたり2 INR、毎分1 INRで、最低料金が30 INRだ。
この利益率の低さから、同サービスは大規模で運用されることを前提としているとSubramanianは言った。
「そこには何百万人もにリーチできる可能性があり、オートバイはインド10億の人々の移動性を高めようとするわれわれのミッションと一致している。オートバイの運用コストは自動車よりずっと低く[ただし乗車料金は安い]、利益は規模と共にもたらされ、規摸拡大の可能性は著しく大きい」と彼は説明した。
オートバイタクシーの集団からどんなサービスが想起されるだろうか?Subramanianも、Uberに先月UberMotoについて聞いた時も、具体的なことは言わなかったが、多数のドライバーが運送レイヤーとして機能すれば、オンデマンド配達等の非乗客サービスを全国スケールで行うことができる。
Olaはすでに食用雑貨や食料オンデマンドサービスを実施しているが、主要都市に限定されており、― ある報告によると ― 少なくとも食品雑貨サービスは終息する可能性がある。多数のドライバーを待機させておくより、はるかに利益率は高く、サービス応答時間も速くなる。同じくUberも、世界でオンデマンドサービスを提供しているがインドではまだなので、多数のオンデマンドオートバイが、この国で新たな機会の鍵をあけるかもしれない。
インドネシアは、オートバイタクシーサービスにとって最大の目標だ。Sequioaが支援するGo-Jekは、しばしば「オートバイタクシーのUber」と呼ばれ、20万人以上のドライバーを有して、ジャカルタの混雑した道で乗客を運ぶだけでなく、食料品、雑貨、および文書配達のサービスも提供している。それは、目まぐるしく、密集したアジアの巨大都市、ジャカルタ、バンコク、バンガロールでは著しく有用なサービスだ。
インドネシア拠点のGo-Jekは、食料品をはじめ様々な商品の配達サービスを提供している
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)