9.7インチiPad Proは12.9インチiPad Proよりわずかに遅い

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Appleはスペックについて語りたがらない。しかし、実は私のボスMatthew Panzarinoは、新しいiPad ProとiPhone SEのレビュー機を既に持っている。だから、この新デバイス上でわれわれがGeekbenchを走られせることを誰も止めることはできない。結果はいずれも、興味深く驚きのないものだった。9.7インチiPad Proは兄貴分と同じA9Xチップを塔載しているが、クロックはわずかに遅い。

下のGeekbenchの画面にあるように、チップ上のシステムは2.16GHzで動作している。一方12.9インチiPad ProのA9Xは2.24GHzで動いているため、Geekbenchスコアで上回っている。Appleが自社製プロセッサーをアンダークロックしたのはこれが初めてではない。例えばiPad miniではよくやっている。小さなiPad Proはバッテリーも小さいので、プロセッサーのクロックを遅くするのはバッテリー節約の良い方法だ。

RAMに関しては、9.7インチiPad ProのRAMが2GBで、大きいiPad Proの4GBより少ないのにはちょっと驚いた。iPad Air 2は既に2GB RAMを積んでいて、マルチタスクを多く使ったりSafariで複数のタブを開いている時等に感じることがある。他に細かい点では、9.7インチiPad ProのLightningポートはUSB 3のスピードに対応していない。標準のLightningケーブルはUSB 2ケーブルだが、カメラアダプターを使って大きなビデオデータをLightning経由で移動したい人には、12.9インチiPad Proの方が良い選択肢だ。

ただしこれは、9.7インチiPad Proが大きいiPad Proより悪いiPadだと言っているのではない。良いカメラと、良いディスプレーと、統合されたApple SIMが入っている。12メガピクセルのカメラは、iPhone 6sと同じもののようだ。Live Photoや4Kビデオを撮影できる。自撮りカメラも良くなっている。

多くの人たちが、テーブルに9.7インチiPad Proを平らに置けるかどうか心配していた。カメラの出っぱりがあるからだ。答は:大丈夫。がたついたりしない。

ディスプレイには新しい4チャンネル周辺光センサーが付き、周囲の明るさを正確に測ってホワイトバランスを調整する。また、iPad Air 2よりも25%明るく、40%反射が少なく、色域が広い。500 nitsはiPadの画面で最も明るい。そしてLTEバージョンの9.7インチiPad Proには、Apple SIMが内蔵されているので、旅行の際にはデータプランを契約できる。nano SIMカードスロットもまだ付いている。

そして、ソフトウェアキーボードはiPad Air 2と同じだ — Appleは12.9インチiPad Proにある追加キーを付けなかった。

iPhone SEは、RAM 2GBでiPhone 6sと同じだ。つまりAppleはこの小さなiPhoneでケチらなかった。ただし、高速のTouchIDセンサーではない ― iPhone 5sや6のと同じTouchIDセンサーだ。

iPhone SEは驚くほど有能なデバイスのようだが、iPad Proのラインアップは少々混乱を招く。ある面では9.7インチiPad Proの方がパワフルで、別の面では12.9インチモデルの方が優れている。12.9インチiPad Proの方が9.7インチより明らかに大きいので、結局は何をするか次第だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook