米国規制当局、Teslaの死亡事故の調査を開始

screen-shot-2016-06-30-at-4-58-21-pm1

Teslaは今日(米国時間6/30)、最近同社のModel Sがオートパイロット作動中に起こした死亡事故について、国家道路交通安全局(NHTSA)が調査を開始したと発表した。

同社はこの件について、「悲劇的な損失」と題したブログ記事を今日投稿し、事故が、中央分離帯のある幹線道路で起きた「極めて稀な状況」であったことを詳しく説明している。

Teslaの説明は以下の通り、

オートパイロット、運転者のいずれも、明るい青空の下でトレーラートラックの白い側部に気付かず、ブレーキをかけなかった。トレーラーの高い車高と道路を横切る位置の組み合わせによって、極めて稀な衝突が生じ、Model Sはトレーラーの下に入り、トレーラーの底部がModel Sのフロントガラスに衝突した。

同社によると、Model Sがトレーラーの側部ではなく、前部あるいは後部と衝突していれは、衝突安全装置が作動していたという。Teslaは、未だにベータテスト中のオートパイロット機能のために、これまで苦労して安全手順を見直してきた。

Teslaは事故や運転手について詳しいことを発表しておらず、「Teslaの友人」であり、EVや技術コミュニティー一般に関わってきた人物であるとだけ伝えた。

被害者は、オハイオ州カントンのJoshua Brownと思われ、5月7日にフロリダの国道で起きた衝突事故で、自分の車の天井が引きはがされた際に死亡した。トラックの運転手に怪我はなかった。Teslaは、プライバシーへの配慮から公式には運転手の身元を明らかにしていない。

Brownは、顧客満足テクノロジーのスタートアップ、Nexu Innovationsのファウンダーで、今年4月に、合流してくるトラックとあわや衝突しそうになり、オートパイロットが作動してよけ切ったところのYouTubeビデオを公開して話題になった。

Screen Shot 2016-06-30 at 6.34.03 PM

NHTSAはTechCrunchに、事故に関わったのは2015年のModel Sで、フロリダ西部のウィリストンという小さな町で、トレーラートラック交差点を曲った時に起きたことを正式に伝えた。調査の結果、最終的に車両の安全が確認できなければ、大がかりなリコールを要請する可能性がある。

同局の主席報道官、Bryan Thomasは「NHTSAの不具合情報調査室は、事故当時作動していた自動運転システムの設計および性能を検査する。予備的調査にあたり、NHTSAはこの事故や他の自動運転システムに関連する情報の追加データを収集する」と話した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。