近くMacBook Proが大幅にアップデートされる。Appleが準備しているノート・パソコンはretinaディスプレイを装備したMacBook Proの13インチ、15インチモデルだ。BloombergのMark Gurmanによれば、Macbook ProはTouch IDセンサー、ファンクションキーを代替する OLEDミニ・スクリーンを始めとしてすべての面で新しくなるという。
MacBook Proに関する噂に関心がある読者には必ずしも驚くような内容ではないかもしれないが、KGI Securitiesの情報通のアナリストのMing-Chi Kuoと9to5macが報じていた内容をBloombergのGurmanが確認した。一言でいえば、MacBook Proのアップデートは非常に大幅なものになる。
まず外観から検討してみよう。新MacBook Proは現行モデルより薄く、軽くなる。しかしMacBook Airや12インチのretinaモニターのMacBookと違ってくさび形ではない。モニター周辺のベゼルは細くなり、デバイスの筐体も小型化される。
MacBook Proの筐体デザインがMacBook Airのようなくさび形ではないというのはグッド・ニュースだ。現行MacBook Proに装備されているポートに多様な機器を接続しているユーザーは多い。新モデルにも1つ以上のポートが装備されるはずだ。現行のUSB、MagSafeはType-C USBに置き換えられる。USB-CはThunderboltプロトコルをサポートするのでThunderboltポートも廃止されるかもしれない。Appleは内部のスペースを稼ぐためにHDMIポートとSDカード・スロットを廃止するかもしれないが、今のところはっきりしたことは言えない。
チップに関しては AppleがIntel Skylakeプロセッサーを採用しているのはほぼ確実だ。これによりパフォーマンスと省エネが一段と進む。Wi-FiとBluetoothのチップも新型に置き換えられるだろう。
しかし新MacBook Proで最大の改良点は本体のキーボードの上部に設けられた細長いOLED画面だ。これは現行のファンクション・キーや物理的なボタンを置き換えるタッチスクリーンだ。この新機能は誰も予想しておらず、Appleがこのタッチスクリーンにどんなタスクを割り振っているのか正確なところはまだ不明だ。いずれにせAppleはこのタッチスクリーンにアプリ別のショートカットや各種情報を表示させることができる。
またAppleはTouch IDセンサーを組み込み、MacBook Proを起動するためにキーボードからパスワード打ち込む必要をなくす。さらに重要な点だが、Touch IDセンセーには指紋データをデバイス内に安全に保管するsecure enclaveという仕組みが組み込まれている。セキュリティーが非常に高いため、デベロッパーはTouch IDによる認証を他の目的、たとえばパスワード管理ソフトの起動などに使うことができる。またmacOS SierraでApple Payを安全に利用することできるようになった。
最近各方面からMacBook Proはどうしようもなく時代遅れだという批判が聞かれるようにあった。実際、前回のメジャー・アップデートは2012年の7月で、retinaと新しいデザインの筐体が導入されている。
もう忘れているユーザーも多いが、MacBook Proに1枚のアルミ板から成形されたユニボディー筐体が採用されたのは、retinaアップデートからさらに4年をさかのぼる2008年だった。つまりAppleはノートパソコンのメジャー・アップデートを頻繁には行わないということだ。もちろんその間にも内部の各種コンポネントのアップグレードは何度も行われている。
もっとも、そうであるならSkylakeプロセッサーの採用はもっと早くてもよかったはずだ。Gurmanの観測によれば、9月7日になる可能性が高いiPhoneのアップデート・イベンドで新しいMacBook Proが同時に発表されることはないだろうという。AppleがMacBook Proの新モデルを発表するのは10月になるらしい。このスケジュールは納得できる。
〔日本版〕 iOS 9以降を導入したデバイスでTouch IDをサードパーティー製に交換するとデバイスは無効化され、復活させる方法はない。これはユーザーの指紋データがApple純正センサー内にのみ保管されるため。secure enclaveの記事内リンク先に詳しい情報あり。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)