「このアプリは雑多になりすぎた」。Facebook Messengerの責任者、David Marcusは今日(米国時間1/16)2018年の計画を発表し、「今年はMessengerを大幅に簡素化して整理する」と宣言した。Messenger Dayやストーリー、Snapchat風ARカメラ、ボット発見セクション、ゲーム、等々、Facebookはアプリに詰め込んだ数多の機能を人々に思い出してもらうために、”M Suggertions” という人工知能まで作らなくてはならなかった。
Marcus(写真右)の言う通り、Messengerは、電話番号を使わずにデバイスを横断して人々と簡単にチャットする手段としての立場を逸脱しつつある。
「過去2年間、数多くの機能を開発してきた結果、相互のつながりが絶たれてきたことに気づいた。ニーズに合致したものもあれば、そうでないものもある」とMarcusは言う。
下に挙げたのは、2016年以来13億人のユーザー体験を改善することなくMessengerに浸食してきた様々な機能のごく一部だ。
シェアしたり閲覧したりする場面がInstagraemやSnapchat、Twitterなどのアプリへと移りつつある中、多くの人々のFacebook体験はMessenger中心になりつつあることを踏まえると、機能を整理することは賢明な行動だ。
Messengerはコミュニケーションに専念すべきだ。他の機能を全部やめる必要はないが、Storiesなどのコンテンツ配信が、メッセージスレッドのトップで目立っているべきではない。
ゲームやボットといった分野がタブを一つ占領する必要もない。オフラインやオンラインで友達と顔を合わせる方法を増やすために使った方がいい。
しかし、Marcusの発表の他の部分を見ると、最も好かれていない機能のいくつかはなくならないようだ。彼の言う2018のMessengerの「トレンド」を以下に挙げる。ぼんやりとしか書かれていないので、どのように製品に反映されるかのヒントを私が追加した。
- リアルタイム・コミュニケーション —— 「特別な瞬間を逃したい人などいない。リアルタイム・コミュニケーションは災害時にもわれわれをつないでくれる」。Marcusは「自然災害時の友人の安全確認」にMessengeが役立つことを期待している。
これはMessengerがFacebookの安全確認機能をもっとプライベートでパーソナルな形で実現する可能性を示唆している。現在の安全確認のしくみでは、報告のない人のことが心配になる。
- グループ・チャット —— 「グループ・チャットはオンラインでもオフラインでも、友達と一緒に時間を過ごすことを容易にした。しかし今年はまだ何かがでてくる」とMarcusは言う。
私の予想では、Facebookの画面分割ビデオチャットアプリのBonfireがスタンドアロンアプリとしてのテストを終え、何らかの形でMessengerに組み込まれるのではないか。あるいは、Down To Lunchのように、チャットだけでなくオフラインで会えそうな友達を探すアプリが組み込まれるのかもしれない。
- ビジュアル・コミュニケーション —— Messengerでは2017年全体で、170億回ビデオチャットが行われ(前年の2倍)、5000億個の絵文字と180億本のGIFが送られた。そしてMessengerのストーリーズはプレスに嫌われ、WhatsAppとInstagramの3億人に対して。毎日利用している人は11月時点でわずか7000万人しかいなかった。それでも、これも不評のFacebookストーリーと同期する新バージョンが残るかもしれない。
「ビジュアル・メッセージング…は業界が目指している方向でありわれわれも振り返るつもりはない」とMarcusは言う。しかし、おそらくMessengerはブロードキャストよりも会話型のメッセージングに焦点を当て、ストーリーはスレッドの一部にしてアプリのトップに固定するのをやめるだろう。
- カスタマーサービス —— 企業にメッセージなんか送りたくない、と思うかもしれないが、電話より間違いなくいい。「カスタマーサービスでは今も電話が主流だが、ブランドや企業はさまざまな新しい方法で顧客と接する方法を提供し始めている…われわれは2018年にMessengerを真のカスタマーサービス・チャンネルへと進化させる」とMarcusは書いている。
おそらくMessengerは、タイプするより話す方が楽な時のために通話とチャットの両方を利用できるようにするだろう。ほかにもっと優れたメッセージング手段が採用されるかもしれない。
- Messageマーケティング —— 今年Facebookは受信箱にディスプレイ広告を注入し始めたが、これは少々わずらわしい。マーケターがフィルターやARマスクを作れるようにする方が、あまり邪魔することなく会話の一部に入り込めるかもしれない。「リッチなメッセージング体験を、大企業だけでなく、クリエイティブで競争力を高めたい地元のスモールビジネスにも提供するつもりだ」とMarcusは書いた。
これはMessenger広告のセルフサービス機能を強化して、本誌がプロトタイプ版を報じたMessenger Broadcast のような方式になるということかもしれない。
シンプル化と追加したい新機能の数々を、Facebookがどうバランスさせていくか注目したい。
もし、イライラしたユーザーが増えたり、たとえ数人でもMessengerで返事をしない友人が出てくれば、負のスパイラルに陥る。しかし、AppleのiMessageも肥大化し、Snapchatの成長が減速し、Googleのメッセージングシステムが混乱状態にある今、Facebookがチャット分野を支配する可能性は今も高い。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )