ホテルの客室料金設定サービス「MagicPrice」を提供する空は5月28日、ユーザベースグループのUB Venturesから第三者割当増資による資金調達を実施したことを明らかにした。
調達金額は非公開とのこと。2018年7月に発表された1.7億円のシリーズAラウンドに「UB Venturesがさらに強力な株主として加わる」形となる。
空は、TechCrunch Tokyo 2017の「スタートアップバトル」で最優秀賞を獲得した企業だ。同社が提供するMagic Priceは、ホテルが客室料金を検討する際に必要な予約状況などのデータを自動収集・分析し、AIが適切な販売料金を提案するプライシングサービス。簡単な操作で客室料金設定ができ、旅行予約サイトへの料金反映も自動で行える。
2018年12月に市場分析サービス「ホテル番付」と名称を統合し、デザインやAIを改善するリニューアルを実施したMagicPrice。ワシントンホテルやベストウェスタンホテル、三交イン、フェリーチェなど、提供先ホテルも順調に拡大している。
今回の資金調達により、空ではプロダクト開発、サービス向上による、ホテル業界へのより手厚い支援を図る。また、UB Venturesがサブスクリプションビジネスに特化したファンド(UBV Fund-I 投資事業有限責任組合)を運営していることから、「SaaS事業成長ノウハウを学び、さらなるビジネス拡大を目指す」としている。
一方、UB Venturesは、空が「プライシングの会社」として、データ分析による価格最適化サービスを営み、ホテル業界以外への展開も視野に入れている点を評価しているようだ。
UB Ventures代表取締役の岩澤脩氏は出資にあたり、「空の長期にわたるチャレンジは、レベニューマネジメントの効率化に留まらず、PriceTechやパーソナルプライシングという新しい概念を創造することにある。 強みであるカスタマーサクセスやデータの集合知を活かし、あらゆるモノ、サービスの最適な値決めが、空のプロダクトの上で行われる。その未来の実現に貢献をしていきたいと思っている」とコメントしている。