懐かしのWinampはそう簡単に消えないかもしれない。昨日(米国時間11/20)、AOLはWinampを終了させると発表した。AOLがこのWindows向け音楽プレイヤーを開発元のNullsoftから買収したのは1999年で、 価格は8000万ドルだった。
しかし今日(米国時間11/21)、Techcrunchが入手した情報によると、AOLはWinampとこれもNullsoftから買収したストリーミング・サービスのShoutcastの売却をめぐってMicrosoftと交渉中だという。なおAOLはShoutcastについても来週に終了を発表する予定だという。
この件についてAOLはコメントを避けた。Microsoftにも問い合わせているがまだ回答はない。情報源によれば、価格をめぐって交渉は継続中だという。サービスが両方共生き残る可能性は低いようだ。
AOL側に立ってみれば、WinampとShoutcastを閉鎖する理由も、売却できるものなら売却したい理由も明白だ。
AOLは両サービスについて一度もはっきりした戦略を立てたことがない。その間に他のデジタル音楽サービスは着々と地歩を固めてしまった(もっとも先週われわれも報じたようにRdioはレイオフしている。デジタル音楽ビジネスも競争が激しい)。AOLは事業の主力をウェブ・パブリッシング(現在、TechCrunch、Engadget、HuffingtonPostなど多数のサイトを所有)に移行する過程の一環として他の音楽関連の事業を閉鎖したり売却したりしてきた。 大量のトラフィックを有するネットワークの運営者として、AOLはますますオンライン広告とその効果を改良するテクノロジーの開発に力を注ぐようになっている。
なるほどその戦略の中には音楽も含まれていいわけだが、音楽事業の立て直しには巨額の資金が必要になる。
一方、Microsoftは音楽であまり成功を収めていない(Zuneの霊よ安かれ)。最近はXbox Musicにすべてを賭けている感がある。これは有料および広告入り無料の音楽サービスで、Xbox 360、Windows 8、Windows RT、Windows Phone 8、iOS、Androidの各デバイスをサポートしている。
それではMicrosoftの戦略のどこにWinampやShoutcastが収まるのだろう? Winampについてはまだ不明だが、Shoutcastはプラットフォームとして5万以上のオンライン・ラジオ局をネットワークしている。現在こうしたパーソナル・ラジオ局機能を欠いているXbox Musicの強化のためにこの資産はMicrosoftにとって魅力的なのかもしれない。
Image: Flickr
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)