今や立派なビジネスになりつつあるジェイルブレーク

新しいiOS製品のジェイルブレークは大事件だ。最初のころのチームは、ジェイルブレークやSIMのアンロックに成功するとお祝いのための休日を楽しみ、何百万という待ち焦がれていたユーザがその最新のソフトウェアに殺到した。今でもその興奮とジェイルブレーク人気は変わらないが、変わったのは、ジェイルブレークがビッグビジネスになったことだ。

たとえばEvasi0nの場合は、iOS 7のジェイルブレークがリリースされると、ユーザは言語を中国語にセットしたコンピュータの上で、そのジェイルブレークプログラムがTaiG(Tai-GiまたはTai Chi)という名前のプログラムを自動的にインストールすることを知った。それは中国語のアプリを提供する中国のアプリストアだが、しかしただ者ではない。何ページにもわたって、大量の、クラックされて海賊版にされたゲームが載っているのだ。

そのジェイルブレーキンググループは中国語版のiPhoneにTaiGを載せて、およそ100万ドルを稼いだという。その金額の正確さはともかく、噂では、なにしろそれは、途方もない額の料金だそうである。

Evasi0nのチームは、海賊版のアプリストアをユーザのスマートフォンに載せて金をもらったという非難に、こう応じた:

たしかにわれわれは、ジェイルブレークコミュニティのほかの人たちと同じく、自分たちの仕事から経済的な利益を得ている。われわれのジェイルブレークはユーザにとってつねに無料だが、しかしわれわれには、倫理的な方法で報酬を得る権利があると思う。その点は、ほかのデベロッパと同様である。しかしわれわれの場合は、コミュニティの関心がつねに最優先する。ジェイルブレークをリリースするとき、コミュニティの関心を支える組織への寄付を約束した。われわれは今、心ならずもコミュニティを困らせたことに狼狽しており、その修復に努めている。

彼らは上記に続けて、“そのスポンサーのストアに海賊行為が見つかったことに、非常に困惑している。それは受け入れられないことなので、彼らは今、問題の誠意ある修復に努めており、われわれの目にとまったものをすべて削除した”、と述べている。

“ジェイルブレークには実用性があるのだから、人びとはそれを使うべきだ”、とCydiaを作ったJay Freemanまたの名saurikは言う。Cydiaは人気の高い“フィーチャーストア”で、iPhoneのOSのいろんな部分改造やアップデートを売っている。

Freemanは、“TaiGが困るのは大量の海賊版があることだ。でも、ジェイルブレークと海賊行為が結びつけられていたのは過去のことだ。今ではまったく違うが、しかし人びとの心にはそんなイメージが残っている”。

Saurikの生活はジェイルブレークされたiPhoneに彼のアプリをインストールすることで成り立っているし、Evasi0nのチームなどは今回の例のようにアプリ内のスペースを企業に売ってお金を稼いでいる。孤独なハッカーがひまな時間にiOSをクラックするというジェイルブレークのイメージは過去のものとなり、今ではジェイルブレークは立派なビジネスなのだ。

今回のTaiGとのパートナーシップのような例は、このニュービジネスに対して、今後長期的にはほとんど影響を及ぼさないだろう。今では、初期のジェイルブレーカーとして名を馳せたEven George Hotzまたの名Geohotでさえ、自分のジェイルブレーク技術を某企業に35万ドルで売ろうとしたぐらいだ。つまり今や、ジェイルブレーク、イコール、ビジネスなのだ。

結局は、Evasi0nのようにジェイルブレークを無料で提供するのが主流になり、ジェイルブレークそのものを売る、というタイプは過去のものになるだろう。そのスペースを買ったスポンサーがたまたま海賊版ストアだったことは、ささいな事故にすぎない。重要なのは、今後はますます、このような形で、ジェイルブレークがビジネスになっていくことだ。ビジネスとして永続するためには、海賊版ストアは当然、お呼びでないものになる。

FreemanもEvasi0nについて、“いい仕事をしてるから、お金を稼いで当然だね”、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))