Twitter(ツイッター)は、リアルタイムの「トレンド」セクションをわかりやすくする取り組みを進めている。先週同社はトレンドのページに、トレンドに関するより詳しい情報を提供する代表的なツイートをピン留めすることを発表し、近日中のさらなる変更も明らかにした。米国時間9月8日、同社はいくつかのトレンドについても見出しや説明文の記述を開始したことを明らかにした。利用者は「Explore」タブに表示されている理由や、トレンド自体をタップしたときに表示されている理由をよりよく理解できるようになるだろう。
これらの変更が、すべてのトレンドに適切かつ完全に展開されていたら、Twitterのトレンドセクションがニュースリーダーのように感じられたかもしれない。例えば、この記事を書いている時点ではラッパーの「Travis Scott」がトレンド1位になっていることだけを表示するだけでなく、「彼とマクドナルドがコラボしたメニューが発売されたばかりなので、彼がトレンドになっている」ことを見出しと短い要約で説明している。特に有名人の名前は、彼らが亡くなったり、何かとんでもないことを言ったときにしばしばトレンド入りする傾向があるので、これは便利な機能だろう。
残念ながら、最近のアップデートにもかかわらずTwitterのトレンドに適切な注釈をつける機能はまだ完全ではない。なぜなら、いまだに説明が提供されないいトレンドがあるから。例えば本日だと「#IJustDontBelieve」がそうだ。このハッシュタグは、ユーザーがツイートの残りの部分に自分の意見を書き込むことで、信じていないことをツイートするという意味だ。また、K-POPグループのBTSのファンが使っているロングハッシュタグ「#BTS2ndNo1ONHot100」も注釈なしのままになっている。BTSファンがTwitterを多用していることや、Twitterの空白を埋めるミームの人気に慣れていない人にとっては、この種のトレンドは混乱を招く可能性がある。
トレンドに注釈がないほかの場合では、Twitterは関連するニュースの見出しを追加を試みる。多くの場合、トップトレンドのいくつかは、その日のニュース記事に関連しているので。、Twitterが提供する要約と見出しの代わりに、代表的なニュース見出しのリンクがトレンドの横に表示されるのだ。
例えば「Proud Boys」は記事執筆時点で全米17位のトレンドだが、Twitterは極右のProud Boysとその抗議者たちの暴力的な衝突について言及した「Daily Beast」サイトの記事にしかリンクを張っていないが、この記事が米国中で起きている多くの暴力事件の1つを詳述しているのかを説明しようとしているのではない。おそらくユーザーは、記事自体が多くの注目を集めていると推測するだろう。しかし実際には、Twitterユーザーは暴力的な攻撃やスタンドオフの動画を含むさまざまなコンテンツを「Proud Boys」トレンドの下でツイートしている。
このように、人々が必ずしも記事自体について話しているわけではないのにたった1つのニュース記事のリンクを張ることでサービスに悪影響を与えている側面もある。具体的には、目撃した直接の映像や、一般的に増加している暴力についての意見を共有しているのだ。
一方Twitterは、Harry Styles(ハリー・スタイルス)の新デザインのトレンドなど、あまり重要でないニュースを要約するためのキュレーションチームも投入している。
現在、米国のTwitterのトレンドセクションには、29のトレンドのリストが掲載されているが、現時点では見出しや説明文がTwitterによって書かれているのは5〜6本しかない。
Twitterは先週にこれらの変更を発表した際、キュレーションチームが書いた説明は「なぜ何かが『いくつかの』ツイートでトレンドになっているのかについて、わかりやすく明確な情報源を提供することを目的としている」と説明していた。しかし、どうにもはっきりないのは、Twitterがどのような判断基準でどのトレンドに注釈を付けているかだ。
Twitterがこのサービスにもっと多額の投資をすれば、同社のトレンドについてさらに多くの情報を提供できるだろう。例えば、あるトレンドがブレイクしているとき、表示されているツイートの速度と数、トレンドに関する社会的感情、発信元の位置ツイートなど、データを生成できるサードパーティーのTwitter APIパートナーも存在する。しかし、残念ながらこの種のデータをTwitterは直接参照できない。
Twitterの広報担当者は、「なぜトレンドの一部だけにTwitterからの注釈があるのか」という質問に対し、「Twitterは追加情報が必要だと思われるトレンドだけに注釈を付けるている」と説明した。
「トレンドワードが特にわかりにくく、多くの人が話題にしている場合、ピン留めされたツイートや説明が表示されることがある」と広報担当者は説明する。つまりTwitterは、注釈が最も必要とされているときに簡単な説明を付け加えるという決定を下しているわけだ。
例えば、ある抗議活動に関するツイートの大半が、そのイベントを支持しているか、嫌悪しているかのどちらかであったとしたら、Twitterのデータを使ってその傾向を文脈化できると信じられないほど役に立つ。しかし、Twitterはそのような難しい課題には挑戦していないようだ。
Twitterの広報担当者は「Twitterは時間をかけてより多くのトレンドに文脈を追加していきたいと考えています」と付け加えた。
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(翻訳:TechCrunch Japan)