FacebookがMessenger APIでInstagramもサポート、ソーシャルショッピングを強化

Facebook(フェイスブック)は2020年9月にMessengerをInstagramとの連携を強化した。これに続いて米国時間10月19日、Messenger APIをアップデートし、企業が自社アプリ内で顧客との会話にMessengerと同時にInstagramを効果的に利用できるようにしている(Facebookリリース)。

これまで企業はInstagramアプリ内からの顧客からの問い合わせに対し、フェイスブックの統合された受信箱を利用してきた。これはスモールビジネスの場合にはあまり問題がなかったが、問い合わせ数が膨大となる大企業の場合、効率的な管理が難しかった。今回のアップデートで企業は自社のオンラインショッピングシステム内に設けたコミュニケーション機能にInstagramを統合できるようになった。特に、写真写やリンクなを含むリッチメディアの処理ができるようになったことは大きい。

企業のショッピングアプリで、Messengerからの問い合わせに対して顧客データベースを起動し過去の購入履歴など顧客プロフィールを即座に検索する機能を追加できる。今回のアップデートでInstagramについても同様の機能が得られる。CRM(顧客管理)システムを持つ企業であれば、問い合わせに対して詳細な顧客情報を即座に引き出して回答に利用することができる。

フェイスブックによれば、企業はこのAPIを利用して自社のInstagramのプロフィール、ショップ、ストーリーを管理できるという。

画像クレジット:Facebook

今回のアップデートはInstagramがショッピング機能を中心に据える努力を背景としている。新しく登場したInstagramショップはアプリのビジュアルを大きく変えショッピング体験を前面に打ち出している。

フェイスブックによれば、MessengerとInstagramにおける企業と顧客の会話は前年比で1日当たり40%以上増加しているという。

今回のAPIのアップデートで、フェイスブックは企業がInstagramを通じたFAQに属する質問にアルゴリズムで自動的に回答すると同時に、必要ならライブでサポートを続けることができる機能を追加した。フェイスブックのパートナー企業であるClarabridgeではアルファ版のテストでInstagramによる問い合わせに対する回答率が55%アップしたという。

新しいMessenger APIは一部のパートナー企業に対しベータテスト公開中(Facebookリリース)だ。Adidas、Amaro、Glossier、H&M、MagazineLuiza、Michael Kors、Nars、Sephora、TechStyle Fashion Groupその他の大手消費者ブランドがベータテスターとなっている。同時にフェイスブックのパートナーとなっているデベロッパーに対しても公開されていた。本日の発表以降、一般企業デベロッパーも後期ベータテストの待機リストに登録できるようになった。

最近のInstagramとMessengerのアップデートで最も重要な部分は無料アプリ間通信機能だが、これは今回のAPIのアップデートにはまだ含まれていない。顧客からのメッセージは、顧客が利用しているアプリに応じて企業のMessengerかInstagramのどちらかの受信箱に表示される。ただし「この点は今後改善していく」とフェイスブックは約束している。APIのMessengerとInstagramのアプリ間通信機能のサポートは今後のアップデートを待つ必要がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook