Facebookが困窮者のために食料や衣服などを集める新機能「Drives」を米国限定で開始

Facebook(フェイスブック)は米国時間11月24日、米国在住のユーザーが食料や衣服やその他の生活必需品を生活に困窮している人たちのために収集できる新機能をスタートさせる。これは「Drives」(ドライブズ)という名前のサービスで、同社がすでに提供しているCommunity Help hub(コミュニティヘルプハブ)の中で利用できる。そこでは、地域コミュニティでの要望と支援の仲介を、フェイスブックを軸に行えるようになる。

コミュニティ支援ハブは、気象災害からテロ攻撃に至るまで、人為的な事件、事故、自然災害などの危機に際して、フェイスブックユーザーが資源を一括管理できるようにと2017年(Facebookリリース)に立ち上げられた(未訳記事)。だが2020年、フェイスブックによる新型コロナ対策の一部としてこの機能の範囲が広がり、コミュニティ支援の1つの機能が、新型コロナ感染拡大の影響に苦しむ世界中の人たちを助ける目的で拡大された。

現在、米国では新型コロナウイルスのパンデミックによる経済危機の影響で、数百万人が職を失い、CARES Act(コロナウイルス対策法)による助成金の期限切れのために2020年12月で1200万人の失業手当が打ち切られる(CNBC記事)恐れがある。食糧不安(Facebookリリース)、家賃や住宅ローンなどの滞納、加えてその他さまざまな家計費が多くの人たちにのしかかっている(CBPPレポート)。

Drivesを使うことで、ユーザーはフェイスブック上で独自の支援活動を立ち上げ、共有し、困っている人たちのための物資の調達が可能になる。たとえばCanned-Food Drive(缶詰ドライブ)は、地域の避難所に届けるための物資の調達を計画している。またClothes Drive(衣料品ドライブ)など、どの活動でも救援のための物資集めに人々が奔走している。

画像クレジット:Facebook

ドライブの作り方はこうだ。フェイスブックで「Community Help」を検索すると、コミュニティヘルプハブへのショートカットが示される。ハブに飛び、「Request or Other Help(リクエストまたは支援する)」ボタンをクリックして表示されるボタンから「Create Drive(ドライブを作成)」を選択する。後は記入フォームに必要事項を書き込み、目標とする品物の収集量を設定する。ドライブを公開したとき、人々はその目標量に対する現在の量を見て、いま何がどれだけ不足しているのかを確認できるようになる。ドライブができると、それを作った人のニュースフィードとタイムラインに通常の投稿と同じように表示されるが、同時にCommunity Helpにも現れる。

この機能は本日から利用可能になるが、フェイスブクの事前ブログ記事には、全国で利用できるようになるまで「数週間」かかると書かれていた。これには失望した。年末休暇に合わせて、このハブで休暇関連のドライブを立ち上げて、困っている家族にホリデー用の食事やおもちゃを支援したいと考える人たちがたくさんいるからだ(この記事を公開すると、フェイスブックはブログ記事を「今後数日」と訂正し、年末休暇に間に合うように急ぐとTechCrunchに電子メールで伝えてくれた)。

フェイスブックは、ドライブを含むコミュニティヘルプのすべての投稿は、同社の「コミュニティ基準」または「コミュニティヘルプ製品ポリシーに違反していなか審査されると話している。これらの規約では、無神経な販促コンテンツ、スパム、信ぴょう性のない投稿、または18歳未満のユーザーからの投稿などを禁じている。規約違反と認められた投稿は削除されると、同社は話している。

ドライブのほかにも、フェイスブックが本日発表した年末休暇シーズンに向けた取り組みがいくつかある。同社は、12月1日のギビングチューズデー(米国の感謝祭明けの火曜日)には700万ドル(約7億3000万円)にのぼる税控除対象となる寄付金を米国の非営利団体に贈ること、そして「Peace Through Music: A Global Event For Social Justice」(音楽を通じた平和:社会的公正のためのグローバルイベント)と題したフェイスブック限定のチャリティーライブイベントを開催するとも述べていた。このイベントは米国東部標準時間12月1日午後12時(日本時間12月2日午前2時)から始まり、Aloe Blacc(アロー・ブラック)、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)、Becky G(ベッキー・G)、Carlos Santana & Cindy Blackman Santana(カルロス・サンタナ&シンディー・ブラックマン・サンタナ)、Killer Mike(キラー・マイク)、Ringo Starr(リンゴ・スター)、Skip Marley(スキップ・マーリー)などが出演する。収益はPlaying for Change Foundation(音楽教育で社会変革を目指す団体)、国連人口基金Sankofa(社会的公正を求める人権団体)、Silkroad(音楽でよりよい世界の構築を目指す団体)、The Rock & Roll Hall of Fame Foundation(ロックンロールの殿堂財団)に贈られる。

一方、Instagram(インスタグラム)も、間もなく新しい資金調達ツールを公開する。現在、Instagramのユーザーは、ストーリーズやInstagramライブでステッカーを使って資金集めができるが、新しいツールでは、自分のフィードに資金調達のための投稿ができるようになる。だが、いつ使えるようになるかをフェイスブックは明言していない。

関連記事:Facebookは新型コロナの感染爆発に対応してコミュニティヘルプ機能をグローバルに拡大

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook寄付

画像クレジット:Facebook

原文へ

(翻訳:金井哲夫)