暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年2月7日~2月13日の情報から。
NFT(Non Fungible Token。ノン・ファンジブル・トークン)活用のブロックチェーンプラットフォームサービス「GO BASE」を展開する「スマートアプリ」は2月10日、シンガポール拠点のMatic Network(マティックネットワーク)とプラットフォーム事業およびNFTマーケットプレイス事業に関してパートナーシップ契約を締結したと発表した。
これによりスマートアプリは、GO BASEおよび今春リリース予定のクリプトアーティスト登録制NFTマーケットプレイスについて、Matic Network提供のPolygon(ポリゴン。旧Matic Network)に対応させていく。Polygonは、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーンのレイヤー2ソリューションにあたる仕組みで、今回の取り組みは、Ethereumの高騰するトランザクション手数料(GAS代)問題を解決を狙ったものとなっている。
Ethereumのレイヤー2ソリューション「Polygon」
DAppsなどEthereumブロックチェーン上のアプリケーションは、昨今のEthereum自体の価格上昇やDeFi(分散型金融)の普及によりトランザクション発行数が大幅に増加し、GAS代が高騰。これが、DAppsやDeFiの動作にも影響をおよぼすほどの問題となってきている。
スマートアプリが提供する主要サービスもEthereumベースであることから、GAS代高騰はサービス継続の上でも大きな課題であり、避けては通れないという。
これら問題を解決すべく、トランザクション発行時にGAS代を安価に実行できる技術としてEthereumのレイヤー2ソリューションやスケーリング技術が注目を集めており、そのひとつがMatic NetworkのPolygonだ。
Polygonは、サイドチェーン技術のPlasma技術とPoS(Proof of Stake)のバリデータを使用した、レイヤー2と呼ばれるEthereumのセカンドスケーリングソリューション。Ethereum互換のブロックチェーンネットワークを構築し接続するためのプロトコルとフレームワークとなっている。
Plasmaを応用し、トランザクションをオフチェーンにて処理することで、セキュリティを担保しつつGAS代を安価に抑え、スケーラビリティ問題を解決するという。内部テストネットのサイドチェーンでは、最大7000トランザクション/秒を達成しているそうだ。
Polygonは、2020年6月にメインネットをローンチ。プリセットのブロックチェーンネットワークをワンクリックで展開できる仕組みや、カスタム・ネットワーク開発向けに豊富なモジュール・セットを用意しており、Ethereum開発者向け開発フレームワークのひとつとして注目されている。
クリプトアーティスト登録制NFTマーケットプレイスは今春リリース予定
GO BASEは、既存ウェブブラウザーやスマホゲームをブロックチェーンに対応させられるIP・コンテンツ事業者向けのプラットフォーム。Ethereum系トークン(Ethereum上で発行されたトークン)を管理できる同社ウォレットアプリ「GO! WALLET」の各種機能をオープン化し、ブロックチェーン対応時に必要となる機能を提供している。
GO! WALLETは、個人情報を一切登録せずに利用可能なEthereumを管理できるウォレットアプリ。秘密鍵をスマートフォン端末アプリ内のみに保存するため、高セキュリティという。GO! WALLETでは、Ethereum基盤のブロックチェーンアプリ類があらかじめメニューに登録されており、直接それらサービスにアクセスし起動できるようになっている。
また、クリプトアーティスト登録制NFTマーケットプレイスは、今春リリース予定として開発中。Ethereumのブロックチェーン上で発行されたNFTを取引可能で、国内外の様々なアーティストやクリエイターが参加できるという。同社は、Polygonが発行するMaticトークンに対応すると説明している。
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