米Yahoo!がモバイル検索用の独自のアルゴリズムを保持している、と発言。

10月20日(米国現地時間)に、米Yahoo!はGoogleと3年間の契約を結んだことを発表しました。この契約は、検索結果と広告に関するもので、米Yahoo!がGoogleの検索結果や広告ネットワークを表示できるようになるといったものです。詳細はSearch Engine Landのこちらの記事に詳しく書かれていますが、これとは別にモバイル検索についての記事が掲載されていたので、ご紹介させていただきます。米Yahoo!のCEOである、マリッサ・メイヤー氏が質疑応答で明らかにしたとのことですが、モバイル検索においては独自のアルゴリズムに取り組んでいるとのことです。(今のところはモバイル検索結果の全てに適用しているわけではなさそうです。)検索市場の主役はモバイルに移りつつありますが、Yahoo!の取り組みがどういった影響を与えるか、見ものだと感じています。– SEO Japan

Yahoo!のマリッサ・メイヤー氏は、ユーザーに優れた検索体験を提供する、Yahoo!独自の検索アルゴリズムを保持していると述べた。

*リンク先は全て英語となっております。

昨日のYahoo!の収支報告の質疑応答の部分で、YahooのCEOであるマリッサ・メイヤー氏が、「Yahoo!はモバイルの検索結果には独自のアルゴリズムを走らせている」と述べた。

こちらの記録(書き写し)によれば、マリッサ・メイヤー氏が独自の”モバイルにおけるアルゴリズムによる検索(algorithmic search on mobile)”を保持していると述べたことになっている。こちらの文章には、”リッチなカードの体験(rich card experiences)”という記述があり、こちらの体験をモバイルの検索結果に追加する、とある。メイヤー氏はさらに、「モバイルの自然検索結果には我々独自の技術を用いる。我々は、この技術がよりリッチで、より行動指向となるモバイル体験を提供するものだと考えている」と述べている。

これにより、Yahoo!はGemini(Yahoo!の広告用プラットフォーム)を通じて、広告とモバイルにおける検索体験をマッチさせる取り組みを紹介したことになる。

Yahoo!は独自のナレッジグラフにも取り組んでいる。これらのデータは、彼らが長い時間をかけて構築したアルゴリズムによりクロールされ、使用許可を得たものかもしれない。

Webマスターは、Yahoo!の検索クローラー(ボット)である、Yahoo Slurpが、Webサイトを引き続き巡回していることに気がついていることだろう。このクローラーの巡回頻度は、Yahoo!が独自の検索結果への取り組みを中止した後、ゆっくりとしたものになっていた。しかし、Yahoo!はWebのクローリングを完全に止めることはなかった。検索結果に独自の情報を表示するために、Webサイトを巡回することを示していた。

下記に、マリッサ氏が検索アルゴリズムについて述べた部分を記載する。

そして、モバイル検索においては、ユーザー体験を向上させるものについて考えを巡らしている。リッチなカード体験をモバイル検索に追加することを紹介できることに、非常に興奮している。実際、今日において、モバイルにおける(我々が提供する)経験、我々の検索、我々の検索結果、自然検索結果の半数以上を、Yahoo!独自の技術を採用している。そしてその技術は、より行動指向となるモバイル体験を提供するものだと考えている。我々は広告をそれらと合致させることを望んでいる。我々は心からそうした経験を欲しているのだ。検索広告における素晴らしさの一つに、検索体験の向上とより良い結果をユーザーに提供することが挙げられる。そのため、Yahoo!は、Geminiを通して、広告をアプリやディープリンクに誘導するなどの行動を喚起するものにすることが可能であることを明らかにしたい。そして、Yahoo!独自のプラットフォームを持つことにより、そうした試みが可能となるのだ。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Yahoo Says It Has Its Own Algorithm For Mobile Search Results」>を翻訳した内容です。

昨日の提携のニュースは非常に大きいもので、SEO界隈に限らず、IT系のニュースでも広く取り上げられていたと思います。日々変化が起こることが当たり前の業界ではありますが、その中でもひときわ注目を集める内容でありました。日本のヤフーは米Yahoo!から独立しているため、(今のところ)実際には大きな影響が無いのかもしれませんが、今後も検証記事などが掲載されることが予想されるため、引き続き注目していきたいと考えています。

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米Googleで順位変動が起こっている模様。パンダアップデートか?もしくはゾンビアップデートか?

Search Engine Roundtableの記事によれば、9月の中頃から変動の話題はいくつかありました。(故テッド・スター氏にちなんだ名前もつけられていたようです。)もちろん、こうした変動についての話題は珍しいことではなく、うわさ程度の規模も含まれたりします。しかし、今回については、WebmasterWorldでの話題の規模も大きく、複数の順位測定ツールでも変動のサインを示しているようです。また、にわかに”ゾンビ・アップデート”という呼び名が浸透しつつあるため、忘れないようにしておくのもよいかもしれません。(意味があるかは別として。笑)パンダやペンギンの話題も少し前にありましたが、ご自身のサイト状況はいかかでしょうか?– SEO Japan

*リンク先は全て英語となっております。

Googleのアルゴリズムのアップデートと見られる兆候が10月にかけて頻繁に見られていた。直近でお伝えした時期は10月8日であったが、10月14日と15日とその数日前にも変動が見られていた。また、10月17日から本日にかけても変動が確認された。

下記に、このサイトのトラフィックのチャートを記載しておく。10月15日(木)に、通常よりも15%ほどオーガニックの数値が伸びている。

WebmasterWorldには多くのコメントが寄せられており、今回の変動を、”Googleのゾンビ・トラフィック(ZOMBIE Google traffic)”、もしくは、”ゾンビ・アップデート(ZOMBIE update)”と呼んでいるようだ。この話題は非常に大きいものとなっている。

下記に、10月14日に大きな変動を示すグラフを掲載したTweetを記載する。

【画像和訳】
10月14日あたりでアップデートが起こったのかな?

順位測定ツールも変動を示している。Mozcastは10月17日に急上昇を示し、 SERP Metricsは昨日(10月19日)急上昇している。Algorooと、新しく加わった、Accurankerも同様に変動を示している。SERPsadvancedwebranking.comは非常に安定しているようだ。

あなたのサイトは、先週あたりからアップデートの兆候を示していただろうか?

今回の変動は、非常に大きなものであったと思われる。パンダ・アップデートのロールアウトが継続中であることも、ゾンビアップデートであることも考えられる。Googleからの確認は得られないとも思うし、まったく別の何かが要因である可能性はある。

この件についてのWebmasterWorldのスレッドはこちら

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Update October 14/15th: ZOMBIE Update Or Panda Rolling?」を翻訳した内容です。

記事のタイトルを読んだ瞬間は「ハロウィン的な何かか??」とも思ってしまいましたが、パンダやペンギンの時点で仮装行列的な要素は含んでいるかと、一人納得していました。名前の由来はともかく、順位変動の話題があることは事実なようで、先日のハッキングサイトへのアルゴリズムのように、特定の分類に偏るものではないという印象です。もしも、直近で順位変動があった場合、その他多くの人も経験しているものであると言える状態であると思います。

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Pubcon 2015-Googleのゲイリー・イリーズ氏によるキーノート。ミレニアルズの特徴と彼らのニーズを満たすための戦略。

Pubcon2015の最終レポートは、Googleのゲイリー・イリーズ氏によるキーノートです。今回のPubconで、複数のスピーカーが強調していたトピックがありましたが、”ミレニアルズ”もその内の一つでした。日本でも、”ゆとり世代”(揶揄する意図はありません)など世代間の違いはよく話題となります。特徴についての差異はあるものの、これから台頭してくる世代への関心を示し、彼らを満足させるための戦略を構築する、といった考えは通じるところがありますね。Googleが新世代の特徴をどう把握し、どういった対応をしているか、それを理解するためのセッションと言えそうです。– SEO Japan

スピーカー:Gary Illyes(Webmaster Trends Analyst,Google)

イントロダクション

Googleに入社するとき、”無制限でコーヒーを飲む”、というオプションを契約書に追加してほしいと申し出た。もちろん、担当者は困惑した。一応、約束は取り付けたが、契約書に追加することはできなかった。さて、プレゼンテーションを始めよう。

3時間前までPRチームとこのセッションで何を話すかを相談していた。彼らは、モバイルを提案した。みなさんもそう思っただろうか?しかし、今日はモバイルについては話さない。ユーザーについて話す。

Generation Y

Y世代
Y世代についての事実をまとめよう。

  • 1980年から2000年の間に産まれた世代
  • テクノロジーの変化と供に育つ
  • 不安定さを伴う、直接の経験
  • 教育水準は高い
  • 常にインターネットと関わっている
  • 社会的

また、彼らの特徴は以下の通りだ。

  • 自己中心的
  • 独立志向
  • 自信がある
  • 変化を進んで受け入れる
  • 愛情を欲する
  • 忍耐強くない
  • 関心(集中力)が持続する期間が短い

彼らは自身の意見を過度に評価しているかもしれない。ソーシャルネットワークで様々なトピックに対し、自身の見解を散布している。

46%が自分で小さなビジネスを起こしたい考えている。また、雇用者でも35%が自分で何かのビジネスを始めている。

Y世代の3分の2が、自身のローカルな世界の中で良い影響を与えることができると考えている。また、40%がグローバルでもインパクトを残せると答えている。

彼らについての情報はInstagramやFacebookで全て手に入る。また、自撮りが大好きだ。

彼らの興味が持続する時間は、2000年には12秒だったが、2013年には8秒になっている。ちなみに、金魚の場合は9秒だ。

Generation Z

Z世代について
Z世代についての事実をまとめよう。

  • 1995(もしくは2000年)から現在にかけて産まれた世代
  • 危機的な期間に産まれている
  • 高い教育水準(見込み)
  • 常にインターネットと関わっている
  • 社会的とは言えない

彼らの特徴についてもまとめてみよう。

  • 自己中心的
  • 独立志向
  • 変化を進んで受け入れる
  • 愛情を欲する
  • 忍耐強くない
  • 関心(集中力)が持続する期間が短い

自己中心的でいつも自撮りをしている。高校生の72%が起業する意思がある。Wifiとバッテリーは重要。ノモフォビア(Nomofobia:モバイル依存症)という言葉をご存知だろうか?そして、彼らの関心が持続する時間は2.8秒だ。

上記の通り、Y世代とZ世代は非常に似ている。彼らに対し、どのようにアプローチすればよいのか?

新世代へのアプローチ

Y世代とZ世代へのアプローチ
彼らは特に深く考えずに、あなたのサイトから去ってしまう。彼らは自分が探しているものを正確に把握しており、彼らが探している情報をあなたが提供していない場合は、すぐにサイトを離れてしまう。また、彼らのユニークな個性に注意を払わなければ、すぐに別のサイトに行く。そして、あなたのサイトの読み込み速度が遅くても、彼らは去ってしまう。

Googleは常にユーザーの期待に応えようとしている。その結果多くの進化をしてきた。

最近の取り組み
ユーザーの期待に応えるために、Googleが行っている取り組みを挙げよう。

  • モバイル・フレンドリー・アップデート(モバイルゲドンではない!)
  • App-Indexing
  • Google Now
  • Now on Tap
  • 音声検索

Now on Tapとコンテクスト
Now on TapはAndroidで使用できる。アプリを使用している際、ホームボタンを長押しすることで、アプリを使用しながら(Googleがコンテクストを理解し)、欲しい情報が手に入る。

音声検索では、連続した質問を投げれば、前回の質問のコンテクストを理解し、回答してくれる。例えば、”エンパイアステートビルの場所は?”、”その写真がみたい。”、”高さはどれくらい?”、”誰が建てたの?”、”いつ?”と質問した場合、全て望み通りの結果が得られるだろう。(注1)

*注1:言語設定を英語に変更すれば日本からでも可能ですが、日本語のままだと未対応のようです。

位置情報の理解
例えば、あなたがあるレストランの前に立っていた場合、”開店時間は何時?”と尋ねれば、Googleは答えてくれる。Googleは、あなたがどの店の前にいるのかをわかっているのだ。Googleの目標は、パーソナルなアシスタントを構築することなのだ。

Z世代のユーザーを満足させるために
彼らが望む情報を記載している箇所は、ハイライトなどで目立たせるようにしよう。また、ユーザーは記事の全てを読むわけではない。そのため、ユーザーのニーズのみを満たす箇所を記載した、素早く読める短めの情報を記載しておこう。ユーザー一人一人を特別に扱い、自動入力機能などを実装し、彼らが快適にあなたのサイトで過ごせるようにしよう。

あなたがすべきこと、すべきではないこと

すべきこと

  • 注意を払いながら、オリジナルのコンテンツを作成する
  • ユーザーが素早く情報を発見できるようにする
  • 可能であれば、簡単に理解できる少量の情報を置く
  • コミュニティは残しておく

コミュニティについて、コメントやフォーラムやUGCは削除しないでおく。しかし、調整役はすべきである。UGCはスパムでない限り、あなたのサイトにとって良い影響を与えるだろう。上記の内容を行わなければ、Googleではなく、ユーザーからペナルティを受ける(サイトから去ってしまう)だろう。

すべきではないこと

  • 検索エンジンのためにサイトを構築する
  • 自分が持っていない情報を最適化する
  • 全てのユーザーを他のサイトへ送る(アフィリエイトサイトに言及)
  • 広く普及しているデータのみ使用する

自身に問う
一日の終わり自身に問いかける質問は、”どれだけの人が自分のサイトを訪れたのか?”ではない。”何人の訪問客を、私は助けることができたのか?”である。

質疑応答

Q1:パンダアップデートのペナルティ対策に、内容の薄いコンテンツを削除するべきか?

まず、パンダはペナルティではない。また、内容の薄いコンテンツを削除すれば、ランキングはさらに下がる恐れがある。全てのコンテンツを内容のあるものにするべきだ。もちろん、スパムなコンテンツであれば、削除しなければならない。内容が薄いかどうかに悩むのではなく、高品質なコンテンツを作成するために時間を使おう。

Q2:ローカルパックは頻繁に変更しているが、なぜか?

対応しているチームは、色々と実験をしている。ユーザーがあまり使わない表示は削除する、といったように。

Q3:Googleは、NAP(名前、住所、電話番号)の理解が未熟だと思う。コンテクストの理解は進んでいるはずなのに。ローカルSEOにとっては重要な要素だ。

非常に良い指摘だ。フィードバックとして持ち帰り、調べてみる。

Q4:ネガティブSEOは有効なのか?

多くのネガティブSEOと思われる状況を見てきた。しかし、実際に効き目のあることはなかった。もちろん、おかしいリンクが張られていれば、否認したほうがよい。

Q5:Search Consoleについて何か情報はあるか?

より便利に、タイムリーになるように取り組んでいる。インデックス数をより正確なものにし、より多くの例を表示しようとしている。

Q6:盗用コンテンツについては?

Googleはオリジナルのコンテンツとそうでないコンテンツを正しく理解していると考えている。しかし、うまくいかない場合もある。もし盗用されたコンテンツのページがあなたのページよりも上位に表示されていれば、時間があれば修正されるはずだ。もしくは、あなたのサイトに致命的な問題があるかもしれない。

Q7.マンスリー・ウェブマスター・アップデートはもうやらないのか?

多くの人が、我々の言葉一つ一つを分析し、そこから推論を立て、ランキングへの影響などを考えたりする。本当は全く影響もないのに。不要なことに時間を割いてしまうのだ。本来、検索はそれほど複雑なものではない。簡単なルールさえ守っていれば、ランキングはよくなるだろう。我々が情報を更新するとそうしたことが起こる。SEO担当者であれば、コンテンツのプロモーションに集中するべきだ。

非常にラフなスタイルで登場し、ちょっとした冗談からセッションを始めるあたりに、ゲイリー氏の”慣れ”を感じました。(上から目線。)ロード時間の向上とかいつまんだ情報の提示は、日本でもポイントとして挙げられることだと思います。どんなに優れたコンテンツであっても、届け方によっては読んですらもらえないことになると、非常に残念な状況になってしまいますね。顧客の特徴やニーズを把握することは、マーケティングの基本事項と言えるかもしれませんが、改めてこれらから台頭する世代に目を向けるべきなのかもしれません。

今回のレポートを持ちまして、Pubcon 2015のセッションレポートは最後となります。個人的には、キーノートを中心に、これからの施策への”気づき”が多くありましたので、参加する価値は高かったと感じました。今後もSEO Japanでは海外のカンファレンスのレポートを行っていく予定ですので、引き続き、よろしくお願いいたします!

続きを読む Pubcon 2015-Googleのゲイリー・イリーズ氏によるキーノート。ミレニアルズの特徴と彼らのニーズを満たすための戦略。

Pubcon 2015-モバイルSEOとApp Deep Linkingについての新しい戦略

気がつけばモバイルフレンドリーアップデートから半年ほど経ちますが、影響は少なかったとは言え、Googleのアプリ推しは健在です。また、App Indexingの話題が続けざまに出てきまして、今では無視できない状況となっています。実装には開発者の協力を仰ぎたいところですが、マーケターとしてのポイントは最低限押さえておくべきでしょうか。モバイル利用率の増加に伴い、アプリの利用率も高まっていく中、集中して勉強しておいても無駄にはならないと感じました。– SEO Japan

原題:Life after Mobilegeddon: New Strategies for Mobile SEO and App Deep Linking

スピーカー:Cindy Krum(MobileMoxie,CEO & Founder)

モバイルファーストなSEOを考えよう

モバイルフレンドリーアップデート
モバイルフレンドリーアップデートは重大だった。Googleがアップデートの日付を予告することはなかったから。2015年4月21日に実施された。今、モバイルを無視することはできない。クエリの半分以上はモバイルからとなっている。

Googleの目的
Googleのゴールはデータをユーザーのために最適に表示すること。モバイルでの最適化を目指そう。

モバイル検索に影響のある設定(状況)
設定や状況によってはモバイルの検索に変化が生じる。自分のスマートフォンで試してみよう。

  • ログインの状態か、ログアウトの状態か
  • Chromeか、Google Nowか
  • 位置情報をオンにしているか、シークレットモードか
  • Androidか、iOSか
  • ネットワーク状況

モバイルフレンドリーの確認
Googleで、”site:自分のサイトのドメイン”で検索をする。検索結果に、”Mobile-friendly(スマホ対応)”と表示されているか確認する。

また、モバイルフレンドリーテストも必ず行う。自分でコントロール出来る部分は修正する。JavaScriptやCSSをブロックしないように。

インタースティシャル
全画面のインタースティシャルを表示していると、モバイルフレンドリーのサイトと判断されなくなってしまう。しかし、バナー設置については問題がない。(コンテンツの大部分を隠さず、バナーの下部や上部にコンテンツが表示されるような状態にする。)

ユーザー体験のシグナル
モバイルでのユーザー体験を損なわずに。下記の項目を確認しよう。

  • ビューポート(View Port)の設定
  • フォントサイズと、タップ可能なサイズのボタン
  • Flashやその他のエラー

ページスピード
おそらく、次のアップデート時に要素として加わるのではないか?昔から言われていたが、今はさらに重要になっている。Googleはファーストページをすぐに表示するように求めているので対応しよう。下記を利用し、自身のサイトのスピードを確認する。

画像の最適化とページスピード
画像の最適化は重要だ。また、モバイルの場合はそんなに高品質でなくて良い。

モバイルファーストとユーザーインテント(意図)

ユーザーインテント
Googleはユーザーインテントの理解に努めている。例えば、デスクトップでは、検索クエリによって、ナビゲーションの順番が変わる。(”かわいい子犬”と検索すると”Web”の隣に”画像”が表示されるが、”Google Play”と検索すると順番が変わっている。)

モバイルの場合も同様で、クエリによって検索結果は変化する。ナレッジグラフやカードを表示する場合もあれば、電話番号のボタンや、動画などを表示することも。

ダイレクトアンサー
クエリに対しての答えを検索結果画面に表示する。また、表示方式も様々ある。これにはエンティティの理解が関わっているが、ダイレクトアンサーに適用されるとトラフィックが増えるという調査もある。

暗黙のキーワード
位置情報から判断し、答えを提供してくれる。例えば、”how tall is it?(この高さは?)”と検索するだけで、エッフェル塔の情報を提供してくれる。(その場所にいた場合。)また、”weather(天気)”と入力するだけで、その場所の天気予報を表示してくれる。

Schema.org
検索結果に表示される情報をリッチなものに。レーティングやレビュー数などを表示できる。

パンくずリスト
表記がユーザーにとってわかりやすいものになっているだろうか?例えば、”Scented Candle(香り付き キャンドル)”と検索した場合、3つのサイトで”mobile(モバイル)”、”family(ファミリー向け)”、”home-candle(家庭用キャンドル)”というパンくずが表示されている。どの表記が、ユーザーにとって好ましいだろうか?

モバイルファーストを継続させよう

Google+とローカル検索
NAP(Name, Address,Phone:名前、住所、電話番号)は必須。Eメールとお問い合わせ先も表示させるべきだ。モバイルでのEメール開封率は、ここ3年で180%も上昇している。

モバイルとPPC
PPCの表記もリッチになっている。”電話をかける”ボタン、レーティングの表記、アプリのアイコン、経路へのリンクなど。SEOにとっては脅威となるかもしれない。

スポンサード結果
クエリによっては、検索結果に表記される。映画名を検索した場合は動画サイト、店名を検索した場合はその店のアプリ、フライトを検索した場合は航空会社、と言った具合だ。

GoogleNow
搭乗券の情報、交通情報、マラソンなどの走行距離、次のアポイント先など、今後のユーザーの行動を予測した検索が表示される。非常にモバイル的と言えるだろう。また、今後はウェアラブルも考慮にいれるべきかもしれない。

アプリを活用してモバイルのトラフィックを加速させよう

スピーカー:Emily Grossman(MobileMoxie,Mobile Marketing Specialist)

Appパックスについて
検索結果にアプリが表示されるように。また、AndroidとiOSはアプリが違うため、検索結果も違う。下記に、表示形式をまとめておく。

  • APPパック
  • 単一表示
  • カルーセル表示
  • ディープリンク(アイコン)
  • ディープリンク

自社のサイトがアプリを保持しており、検索結果に表示された場合は非常に良いチャンスとなる。しかし、自社のサイトにアプリがなく、競合サイトがアプリを保持した場合、彼らにチャンスが与えられることになる。

App Storeの場合
メタデータがアプリ内のコンテンツの”プレビュー”を提供してくれる。ダウンロードするまでは、アプリ内に何があるかはわからない。また、App Stpre内の検索は、ロングテールに比べ、ブランドにかなりの大きさの比重が置かれている。

モバイル検索とアプリ
マリヤ・モエヴァ氏がSMX West 2015で語った内容はとても重要だ。彼女は、「Googleは、モバイル検索において、”高品質な”アプリはポジティブなランキング要素と考えるようになるだろう。」と述べていた。

Google App Indexing
GoogleのApp Indexing の実装方法を簡単にまとめる。

  • Step1.カスタムURLスキームかHTTP URLスキームを選ぶ
  • Step2.アプリ内でURLスキームをサポートする(AndroidとiOSでは異なる)
  • Step3.Google Play デベロッパーコンソールで認証を行う
  • Step4.App Indexing APIを実装する(ランキング要素にもなっている)

*robot.txtでGoogleボットのアクセスを許可しておく。

Google検索におけるランキング要素
ポジティブな要素とネガティブな要素に分けてまとめてみよう。

ポジティブな要素

  • アプリのインストール状況
  • きちんとした技術的な実装
  • Webサイトのシグナル
  • エンゲージメント(今後導入?)

ネガティブな要素

  • コンテンツのミスマッチやバックボタンのエラー
  • インタースティシャル

iOS9でのApp Indexing

Appleの検索
Appleの検索タイプをまとめよう。

  • Spotlight
  • Siri
  • Safari

高いエンゲージメントのあるアプリは、サジェストとして、iOS9でのSpotlightで表示される。

インデックスのソースとApp Indexingの方法
Appleの検索のソースは、デバイスインデックス(プライベート)とクラウドインデックス(パブリック)がある。また、App Indexing の実装方法は、CoreSpotlight、NSUserActivity、Web Markupとある。それぞれの特徴を見ていこう。

Core Spotlight

  • プライベートなデータを含むアプリをインデックスする
  • Webコンテンツは求められない
  • アプリにコードを追加する
  • デバイスインデックス(プライベート)
  • Appleのページはこちら

NSUserActivity

  • プライベートとパブリックのインデックスに対応
  • Webコンテンツは求められない
  • アプリにコードを追加する
  • デバイスインデックス(プライベート)かクラウドインデックス(パブリック)、もしくは両方。
  • Appleのページはこちら

Web Markup

  • Web上のミラーコンテンツであるパブリックなアプリをインデックスする
  • Webコンテンツは必要
  • Webにコードを追加する
  • クラウドインデックス(パブリック)
  • 認証ツールはこちら(Deep Linkingの確認ツールはこちら

Apple検索におけるランキング要素
ポジティブな要素とネガティブな要素に分けてまとめてみよう。

ポジティブな要素

  • アプリのインストール状況
  • 個人のアプリへのエンゲージメント
  • アプリのCTR
  • キーワードとタイトル
  • 全体的なエンゲージメント
  • Webの構造化データ
  • カノニカルApp ID
  • Web URLの強や、人気度

ネガティブな要素

  • 低いエンゲージメント
  • 過度なインデックス
  • 直帰率
  • キーワードスパム
  • インタースティシャル
  • ApplebotをブロックしているJavaScript(Webのみ)
モバイルフレンドリーアップデート後は、ランキングの推移や利用率の増加データなどの話しがメインであった印象があります。それ以降は、App Indexingについての話題が多くなり、多くの人が関心を寄せていることと思います。個人的にはまだまだ勉強中のみですが、今後に備えての準備は怠らないでおこうと思います。

続きを読む Pubcon 2015-モバイルSEOとApp Deep Linkingについての新しい戦略

Pubcon 2015-GoogleのCXラボからの調査報告。モバイルを取り巻く現状のデータとサイトデザインの25の原則。

Googleのカスタマー・エクスペリエンス・ラボのリーダーである、ジョー・ディマイク氏のセッションとなります。Googleのモバイル推しは誰もが感じるところだと思いますが(Bingのデュアン氏もモバイルの重要性を強調していました)、データに裏打ちされた事実を元に判断していることを改めて実感しました。正直な所、何度か見たことのあるデータもありましたが、興味深いデータも多く、また、サイトデザインのポイントも分かりやすかったです。サイトデザインについては2014年に行われた調査のレポートの紹介という形でしたが、レポートはこちらからダウンロードできます。英語の資料となりますが、ご興味のある方は併せてご確認いただければと思います。– SEO Japan

原題:Capture the Mobile Moments with Google

スピーカー:Joe DeMike(Head of the Google CX Lab,Google, Inc.)

モバイル・モーメント

モバイルの適用が変化を促進している。
あるデータによれば、60%の人間が朝起きてまずやることに、スマートフォンの確認を挙げているようだ。モバイルの普及についてのいくつかのデータを見てみよう。

  • 世界中でスマートフォンを所有している人の数は、10億5千万人
  • “常に電話を手元において置く”と答えたミレニアルズは、87%
  • モバイルを主要なデバイスで使用している人々は、50%
  • モバイル経由でこれからオンラインにふれる人の数は、50億人

我々にとって、オンラインの世界は訪れる場所ではなく、生活をしている場所だ。

モーメント・オブ・トゥルース(Moment of Truth)
今後おこるであろうことは、今、あなたが考えなければならないこと。P&Gが提唱したモーメント・オブ・トゥルースは非常に理にかなった考えであった。

お店で商品を手にする。これが最初(ファースト)のモーメント・オブ・トゥルース。買った商品を家に帰ってから使う。これがセカンド。その商品のファンになったり、ソーシャルでの共有などのエンゲージメントを行う。これがサード。

Googleはゼロ・モーメント・オブ・トゥルースを提唱した。これは、消費者が購買活動を行う前の調査段階を指す。実際に、多くの人が購入する前に調査しているのだ。

モバイルでの機会創出
最も影響のあるモーメントをモバイルで創出する。我々は1日に150回もスマートフォンを確認し、177分間操作している。いつでも、どこでも、あなたの消費者にリーチしよう。

人々とモバイル
時間別でモバイルの使用率は異なる。人々はモバイルで何かを視聴し、何かを知り、何かを発見し、何かを購入したいと思っている。また、ラジオ、テレビ、デスクトップなどと比べ、人々はモバイルではブランドとの関わりをより強く感じている。モバイルはユーザーとの距離が最も近いのだ。

動画は最もパワフルだ
動画コンテンツは非常に強力なコミュニケーションツールだ。80%のユーザーが、モバイルでブランドのコンテンツ動画を視聴した後、何らかのアクションを起こしたことがあると答えている。また、デスクトップやテレビに比べ、1.8倍もコンテンツを共有する傾向がある。モバイルは、テクノロジーではなく、行動なのだ。

モバイルサイト作成における25の原則

目的と調査方法
モバイルでの露出がかつてないほど重要になっているが、良質なモバイルサイトを決定づける要因とはなんだろうか?Googleはこれについての調査を行い、モバイルサイトデザインのベストプラクティスを作成することを目標とした。これから25のポイントについて説明するが、以下の5グループに分けられている。

ホームページとサイトのナビゲーション

デスクトップの場合は様々な情報を表示することができるが、モバイルの場合はユーザーが探している情報にフォーカスするべきだ。

#1.行動を喚起する箇所(Calls-to-Action)は画面の中心に設置する
モバイルではユーザーがメニューを見落としやすい。そのため、行動を喚起する箇所はユーザーが見えやすい場所に設置しよう。デスクトップとは設置箇所が異なることもある。

ポイント:主要なCalls-to-Actionはサイト内の最も目立つ箇所に設置しよう。

2.メニューは短く、スウィートに
詳細なメニューはデスクトップの場合は有効かもしれないが、モバイルユーザーは長いリストから何かを探すことを好まない。そのため、最少のメニューを記載できるかどうか、検討してみよう。

ポイント:はっきりとしたカテゴリーの短いメニューはモバイルユーザーを案内しやすい。

3.ホームページ(トップページ)へは簡単に戻れるように
ユーザーはあなたのサイトを回遊した後、ホームページへ簡単に戻る方法を探すものだ。また、ロゴをタップすればホームページへ戻れると考えている。

ポイント:ロゴをホームページへ戻るためのナビゲーションとして利用しよう。

4.プロモーションや広告がコンテンツを隠さないように
プロモーションや広告がコンテンツを隠してしまうと、ユーザーがタスクを完了することが難しくなる。隠されたコンテンツに重要な情報があった場合、ユーザーがそれについて知る機会を失わせてしまう。

ポイント:プロモーションや広告がナビゲーションを妨げないようにし、Calls-to-Actionにはっきりとした区別をつける。

サイト検索

サイト検索は、ユーザーが探している情報を素早く探す助けとなる。

5.サイト検索を目立たせる
ユーザーは特定の情報を探すときにはサイト内検索を行う。そのため、サイト検索はユーザーがあなたのサイトでまず初めに見えるものの内の一つとするべきだ。

ポイント:サイト検索をホームページの上部付近に設置しよう。

6.サイト検索の結果の関連性を確かめよう
ユーザーはサイト検索で返って来た最初の情報をベースに判断する。そのため、検索結果の最初の画面を強力なものにしよう。

ポイント:最も強力な検索結果を最初に返し、オートコンプリートや入力間違いの修正機能などをつけ、スマートな検索を実装しよう。

7.サイト検索のユーザビリティを高めるためにフィルターを実装しよう
ユーザーは検索結果を絞り込む場合、フィルターをよく使用する。また、絞り込みができない場合は、途中で諦めてしまう。

ポイント:フィルターを実装し、彼らが検索結果から求める情報を手に入れる手助けをしよう。

8.より良い検索結果へユーザーを案内しよう
多様なセグメントがあるサイトの場合、ユーザーが検索を行う前に質問を投げることが役に立つ。例えば、大規模な靴の販売サイトの場合、検索の前に性別やサイズなどを尋ねている。

ポイント:あなたがサイトで提供しているものが、セグメントによって簡単に絞れる場合は、より関連性のある結果を表示するために、ユーザーに幾つかの質問をしよう。

コマースとコンバージョン

カスタマージャーニーはより複雑となっているが、ユーザーを上手くコントロールし、コンバージョンを拡大しよう。

9.ユーザーが決断する前に猶予を与えよう
登録ボタンをサイトに訪れてからすぐに表示してしまうと、コンバージョンに悪影響を与えてしまう。個人情報を求める場合などは、ユーザーにサイトを回遊させ、あなたのサイトがなにを提供しているか理解する時間を与えよう。

ポイント:ユーザーがアカウントの登録をせずに、あなたのサイトを使えるようにしよう。

10.ユーザーがゲストとして買い物ができるようにしよう
商品を購入しようとしたとしても、アカウントの作成に同意するとは限らない。ゲストとして購入する際に求められることは、”便利で”、”シンプルで”、”簡単、且つ、素早い”ことだ。

ポイント:ゲストとして購入できるオプションを用意し、具体的な利益を提示した上で、登録を促そう。

11. 利便性を最大化させるために、既存の情報を利用しよう
既に登録をしているユーザーのために、登録内容を事前に埋める機能を実装しよう。新規のユーザーのためには、彼らが既に使用している可能性のあるサードパーティー製のサービスを提供しよう。

ポイント:あなたが既に持っている情報を最大限活用し、サードパーティ製の支払いサービスを使うことで、可能な限り簡単にコンバージョンを行えるようにしよう。

12. 複雑なタスクの場合は、”お電話はこちら”ボタンを使用しよう。
複雑であったり、ユーザーにとって公にしたくない情報の入力を求める場合は、”お電話はこちら”ボタンを設置しよう。具体的な例を挙げると、金融系のサイトなどだろう。

ポイント:個人的で複雑な情報の入力が必要な際は、”お電話はこちら”ボタンを目立つように設置しよう。

13.別のデバイスでもコンバージョンが完了できるようにしよう
全てのユーザーがモバイルでコンバージョンを行うことを快く思っているわけではない。そのため、別のデバイスでもコンバージョンを行えるようにしよう。

ポイント:モバイルユーザーは後ほど別のデバイスでコンバージョンを行いたい場合もある。Eメール送信、ソーシャル共有、保存機能などをつけるようにしよう。

入力フォーム

ユーザーのコンバージョン体験は可能な限りシームレスであるべきだ。効率的な入力フォームでそれを叶えるようにしよう。

14.効率的な入力方法
郵便番号や生年月日など、数字を入力する場合は、数字の入力画面を自動的に表示しよう。また、事前に入力した情報がある場合は、自動的に表示できるようにしよう。モバイルでは、キーボードの切り替えを頻繁に行うと、煩わしく感じてしまう。

ポイント:数字を記載する場合は数字の入力画面を表示し、既に入力した情報を自動的に表示しよう。

15.最も簡単な入力方法を提供しよう
〇〇月などの限定されたオプションの中から選択する場合は、ドロップダウンリストから選べるようにしよう。タップする箇所は大きく、見やすいように。

ポイント:ドロップダウンが最適な場合は全て適用し、簡単にタップできるようにしよう。

16.日付の選択の際は、カレンダーを表示しよう
ユーザーは常に”来週の日付”を覚えているとは限らない。日付を確認するために、あなたのサイトから去ってしまうことが無いようにしよう。

ポイント:日付選択にカレンダーを表示することでユーザーをサイトにとどまらせよう。

17.ラベル付けとリアルタイムの修正を行うことで、入力エラーを最小化させよう
ユーザーが情報を入力している間も、それが郵便番号なのか、地域なのか、何を入力しているかわかるようにラベルが見えるようにしよう。また、結果を送信する前に、リアルタイムで入力エラーを修正できるようにしよう。

ポイント:はっきりとしたラベルを表示し、リアルタイムのエラー修正ができるようにしよう。

18.効率的な入力フォームをデザインしよう
ユーザーが同じ情報を繰り返し入力することがないようにしよう。また、自動入力機能を活用しよう。複雑なプロセスの場合は、上部に進捗情報を表示し、次になにが来るかわかるようにしよう。

ポイント:入力フォームの数を最小化し、自動入力を可能な限り活用しよう。また、進捗情報をはっきりと表示しよう。

ユーザビリティとフォームの要素

モバイルユーザーはあなたが提供するささいな配慮に感謝する。ユーザーのユニークなニーズを満たす工夫を凝らそう。

19.サイト全体をモバイルに最適化しよう
明らかなことだが、デスクトップ表示のサイトよりも、モバイルに最適化されたサイトの方が簡単に操作することができる。また、デスクトップ表示とモバイル表示が混合したサイトは、全てがデスクトップ表示のサイトよりも、ユーザーに困難を与えてしまう。

ポイント:全てのページがモバイル用にデザインされていれば、ユーザーは簡単に操作することができる。

20.ピンチやズームをさせない
ピンチやズームが必要な場合は、ユーザーを苛立たせるだけでなく、重要な情報を見落としてしまう可能性も発生させる。ユーザーがサイズを変更する必要がないようにデザインしよう。

ポイント:ズームが必要な場合はCalls-to-Actionを見落としてしまうかもしれない。

21.商品画像は拡大可能に
ユーザーは自分が購入する物を詳細に確認したいものだ。リテールサイトの場合は、高解像度の画像が見られるようにしておこう。

ポイント:商品の写真などは高品質な画像を用意しておこう。

22.最適な画面の向きを伝えよう
特別な提案がない限り、ユーザーは同じ向きで画面を操作し続ける傾向がある。縦向きで使用しているユーザーに、横向きのオプションを提供したとしても、重要なメニューやボタンは明確に表示しておこう。

ポイント:特定の向きが最適である場合はユーザーにそれを知らせ、どの向きでも重要なメニューやボタンはわかりやすく表示しよう。

23.単一のブラウザ表示で済むようにしよう
スマートフォンでウィンドウを切り替えると問題が生じることもある。また、ユーザーが元の画面に戻れなくなってしまうこともある。新しいウィンドウを開く必要がないようにしよう。

ポイント:Calls-to-Actionは同一のウィンドウにとどめよう。

24.”全サイト”という表示は避けよう
“全サイト”と”モバイルサイト”という表示があった場合、ユーザーはモバイルサイトでは全ての情報が表示されていないと感じてしまう。”全サイト”の代わりに”PCサイト”のような表記にしよう。

ポイント:切り替えが簡単にできるようにするべきだが、”全サイト”という表記は避けよう。

25.位置情報を求める場合は理由を明確にしよう
ユーザーは、なぜあなたが位置情報を尋ねているか理解すべきだ。位置情報は、デフォルトでは空欄にしておこう。

ポイント:ユーザーの位置情報を尋ねるときは理由を明確にし、位置情報を提供することでどのような影響があるかを伝えよう。

最後に
ユーザー体験とは、ユーザーへの贈り物である。

*デザインの原則の部分は、Googleが行った調査に参加した方からのデータを元にしています。記事では一貫して”ユーザー”と表記しましたが、その中にはスピーカーが”参加者”と表現していた部分も含めております。

*デザインの原則についてはGoogleがレポートを提供しており、こちらからダウンロードできます。(英語の資料となります。)

モバイル利用の利用率の増加は、発展途上国でのモバイルの普及率の増加が大きく関わっていると思います。PCと併用しているのではなく、モバイルがインターネットを使用する唯一のデバイスという状況もあるかと思いますが、そういった場合はモバイル・ファーストではなく、モバイル・オンリーとも言えそうです。日本国内でビジネスを行っている企業ももちろんですが、グローバルに展開している企業にとって、モバイル対応の必然性はますます高まっていくのではないでしょうか?

続きを読む Pubcon 2015-GoogleのCXラボからの調査報告。モバイルを取り巻く現状のデータとサイトデザインの25の原則。

Pubcon 2015-リンクビルディングに役立つツールと戦略をご紹介します。

先ほど掲載したランド・フィッシュキン氏の記事は非常に濃かったですが、今回の記事はあっさり目の内容です(笑)。リンクビルディング用のツールと戦略を紹介しています。ペナルティ対象にならず、あの手この手でリンク構築目指すような形ですが、リンクの重要性を逆に証明しているとも言えそうです。戦略についてはコンテンツマーケティングとも捉えられなくはないですが、中にはあっと驚く戦略もあるかも!!??– SEO Japan

原題:Linking 2015:Post Panda Mortem
スピーカー:Russ Jones(Moz, Principal Search Scientist)

*リンク先は全て英語となっています。

我々のツールボックスの中身

#1.Brokenlinkbuilding.com
対象のサイトをクロールしてSEO関連の色々な情報を持ってきてくれる。ブロークンリンク(リンク切れ)も発見してくれる。すでに機能していないページや、そのページに向けられているリンクの抽出など。データはテーブルで表示。

完璧にホワイトハットなリンクビルディングを目指そう。

#2.Grepwords.com

どんなトピックや用語が人気があるのかを確認できる。どのキーワードを最適化するべきかは、非常に悩ましい分野であるが、このツールは便利。APIで使える。

アンカーテキストを調査し、リスク管理をしよう。

#3.peek(peekerboo)

キーワードベースであらゆるサイトを検索。検索基準はサイトのタイプ(ブログなど)でフィルタリングできる。また、コンタクトメッセージがあるサイトのみ、といった検索も可能。さらに、それらのサイトのバックリンク数などの情報も取得可。

重要なサイトを発見し、そのサイトのリンクの増減なども確認できる。また、”おすすめインテリアのTOP10”のようなコンテンツを作成し、インフルエンサーに知らせる、といった使い方も。

#4.SEMrush

ランキングやビジビリティなどのデータを取得。PPCにおける価値を自然検索のキーワードに置き換えることも可能。

リンクビルディングの機会を発見するために使っている。

#5.nTopic

ページに含めるべきフレーズを調査。また、既存のコンテンツに追加すべき内容などを発見できる。コンテンツと対象キーワードを入力した後、関連性を%で出す。

具体的なキーワード(例:”SEOツール”)が入っていなくても、コンテンツの内容から関連性があると判断している。コンテンツを修正し、再度関連性を計算し、よりトピックに近いコンテンツの作成が可能。

#6.SpiralDB.com

KerbooMajesticAhrefsSEMrushのデータからサイト全体の状況を確認できる。無料で利用でき、Chromeのプラグインでも使用可。

  • ツールの種類は本当に多い。どんなツールが必要かは、君が何をやりたいかによる。基本的には無料のツールを使用している。(Gareth)
  • 僕は何かをしなければならない時にツールを買う。その時だけしか買わない。(Russ)

リンク構築のための3つの戦略

スピーカー:Gareth Hoyle(Kerboo,Co Founder)

#1.ディスカウント・メソッド(The discount method)

“.edu” や”.gov”のドメインからのリンクを獲得する方法。割引のキャンペーンを企画して、大学などのWebサイトにリンクを依頼する。”〇〇大学の学生限定の割引クーポン”のような形で。とあるサイクリング屋さんはこの方法で、数十のリンクを1日で得た。

掲載を依頼するサイトは大学の比較サイトなどでもよい。また、企業のWebサイトも対象にできるだろ。”〇〇企業に努めている方は〇〇%オフ”のような形で。

掲載を依頼する場合は、キャンペーンページのPDFを添付し、Eメールで送信。この際、iPhone(スマホ)からのメールで送ることがコツだ。iPhoneから大量のメールを送っているとは思われないだろうから。

#2.エモーショナル・プレイ(The emotional play)

過ぎ去った日々を回顧させる手法。大きなファンがいる、趣味になるような業界が特に有効。感情に訴える方法と言える。

ボウガンを最初に打った日をおぼえてる?という質問からコンテンツを作成した。また、ドリームプロジェクトと題し、金額を無視して女の子に夢のようなファッションを買ってもらう、ということもした。

コンテンツの作成後は、その内容に興味がありそうなブロガーを探し、コンテンツのことを伝える。さらに、そうしたブロガーの大体がコミュニティに属している。サイドバーあたりにあることが多いが、そのコミュニティ先のリンクをクリックし、同じことに興味のある人を沢山探すことができる。

#3.コンペティター・リンク・スティーリング(Competitor link stealing)

競合サイトのコンテンツとリンクを調査し、彼らからリンクを奪う方法。まずは、競合のコンテンツよりも多くの情報を載せたコンテンツを作成する(競合はA、B、Cの商品を紹介。でも、自分はDの製品を含めているといった具合)。その後、競合にリンクを張っている人にコンタクトし、その人に自分のコンテンツを紹介する。自分のコンテンツの方が優れていれば、こちらにリンクを張ってくれる。

#3-1.Webアクセシビリティ(Web accessibility)

障がい者に対応したサイト作り。競合サイトと同じテーマだが、障がい者に対応したサイト作りにする。Googleも好むサイトだろう。

WAVEというツールで測定してくれる。エラーを修正し、改善していこう。

ディスカウント・メソッドについては、少々グレーなところを感じてしまいますが、アイデアとしてはありかもしれません。女の子に好きなだけ服を買ってあげるという内容は夢がありますね。ツールについては、日本語サイトの対応が難しいとは思いますが、Webアクセシビリティについては試してみたいと感じました。Googleが重視するユーザビリティの向上に一役買ってもらえるかもしれませんし、より多くの人に見てもらえる機会が増えそうです。

続きを読む Pubcon 2015-リンクビルディングに役立つツールと戦略をご紹介します。

Pubcon 2015-Mozのランド・フィッシュキン氏によるキーノート:2つのアルゴリズムの世界におけるSEO

SEO界のヒップ・スター(勝手に命名)、ランド・フィッシュキン氏の登場です。SMX Advancedでのセッションにも参加しましたが、今回のキーノートはその主流を汲みつつ、より深く解説しているといったイメージです。内容は、”さすが”の一言。”2つのアルゴリズム”という表現をしていますが、検索エンジンとユーザーの両方の最適化を図ることが何よりも重要だということを、改めて確認できました。また、記事中にロングクリックやショートクリックなど、クリックのタイプについての言及がありますが、SEO Japanのこちらの記事でも解説しています。– SEO Japan

原題:SEO in a Two Algorithm World
スピーカー:Rand Fishkin(Moz,Founder)

*記事中のリンク先は全て英語となっています。

Googleの進化

ランキング要素の進化
思い出してみよう。かつて、我々の仕事は非常に単純だった。ページを最適化すればよかったのだ。この頃はGoogleのサーチクオリティチームが、ランキングシステムの要素に何を含めるかを決定していた。そして、彼らはコンテンツよりもリンクを重視していた。

2007年まで、リンクスパムはいたるところにあった。2012年でも、Googleはホワイトハットの世界に嘘をついていたと思う。しかし、この3年間で変わった。Googleは古きSEOの慣習を排除したのだ。

Googleは意図的なリンクやコンテンツを対象とする効果的なアルゴリズムを導入した。さらに、ペナルティに対する不安と不確かさを、Webマスターへ与えるようにもなった。

検索意図(インテント)の理解の進化
こうした変化の中、Googleは別の側面でも進化してきた。検索意図(インテント)の理解だ。幾つか例を挙げてみよう。

  • 例1:検索意図(インテント)の理解

    クエリ:best beef in seattle(シアトルでベストなビーフ)
    Google:”beef”という言葉が沢山あるページを探しているわけではないだろうな。
    検索結果:グルメサイトのステーキハウスの特集ページなど

  • 例2:キーワードではなく、言語の理解
  • クエリ:movie where they make fun of star trek(スタートレックをおもしろおかしくしている映画)
    Google:お、この映画は知ってるぞ!
    検索結果:ギャラクシー・クエストの映画のページなど

  • 例3:情報の新鮮さの理解

    クエリ:best marketing conferences(ベストなマーケティング・カンファレンス)
    Google:これについての古いページは必要ないだろうな。
    検索結果:これから行われるカンファレンスの案内ページなど

Googleはナビゲーショナル(案内型)クエリをインフォメーショナル(情報収集型)クエリから区別できるようになっている。また、エンティティをトピックやキーワードと結びつけるようにもなっている。その間、ブランドはエンティティとしての形をとるようにもなった。

こうした取り組みにより、Googleは自身が公にしている主張に、より合致したことを行うようになっている。彼らが主張している内容の大部分が、今日の検索マーケティングにおけるベストプラクティスと合致しているのだ。

マシンラーニングの導入
上記のような改良を行う間も、Googleのサーチクオリティチームが変革を起こしていた。マシンラーニングである。初期の段階では、Googleはマシンラーニングをランキングアルゴリズムに使用することを否定していた。

しかし、Googleは2012年にマシンラーニングを広告のCTRの予測に活かす論文を発表した。エンジニアは”SmartASS”と呼ばれるシステムの構築に取り組んでいた。その後、Googleは公の場でマシンラーニングと自然検索についての話しをし始めた。2013年のPubconで、マット・カッツ氏も説明している。

マシンラーニングとランキング
マシンラーニングの導入により、ランキングの根幹が変化することになる。Googleは画像認識の分野でこの技術を活かす方法を発表したが、ランキングアルゴリズムへの応用も可能だろう。

直帰とショートクリック(注1)の値が低い場合、その検索結果は良いと言える。逆に、ロングクリック(注2)が少なく、すぐに別のクエリで検索するユーザーが多いと、悪い検索結果といえる。こうしたトレーニングデータを学習プロセスに投入し、アルゴリズムに活かすのだ。

  • 注1:ショートクリックは、検索結果からサイトをクリックし、その後すぐに検索結果に戻ってしまうこと。短ければ短いほど、良いシグナルとは言えなくなる。
  • 注2:ロングクリックは検索結果からサイトをクリックし、その後再び検索結果に戻るまでの時間が長いこと。長ければ長いほど、良い。

ディープラーニングはさらに優れている
そう、今我々は、アルゴリズムを構築するアルゴリズムの話しをしている。そしてそれは、人間の介在を必要としない。言い換えると、Googleの社員がランキングファクターをアルゴリズムに入力する必要がなくなるということだ。マシンが自身で決定できるようになるのだ。

ディープラーニングはSEOにとって何を意味するのか?

アルゴリズムの変化
Googleの社員でもランキングの仕組みがわからなくなる。その代わり、クエリの成功度が問題になる。ロングクリックやショートクリック、エンゲージメント、他のクエリの検索、などの要素だ。ユーザーが良い検索結果を示すデータを生み出し、そのデータが検索結果を向上させるのだ。

その結果、我々はタイトル内のキーワード、アンカーテキスト、コンテンツの独自性などに目を向けなくなる。逆に、検索のアウトプットを最適化するようになる。

現在における影響は?
これらは未来の話だろうか?今日における影響はどうか?先日のSMX Advancedで、Googleはクリック数をランキング要素に使用しないと述べた。ノイズが多すぎるからである。

検証テスト
しかし、私はロングクリックとショートクリックの影響を測るテストを行った。1.特定のクエリを検索し、2.1位のサイトに訪問した後すぐに直帰し、3.4位のサイトに長く滞在する、という行為を多くの人に行ってもらった。(ランド氏自身がTwitterで呼びかけた。)

その結果、4位のサイトの順位が上昇し、結果的に1位表示された。しかし、このサイトの順位は後に下降し、同様の現象の再現は難しいことは覚えていて欲しい。自身のサイトへは絶対に行わないでくれ。

未来のSEOの形
ベストなSEOとはGoogleが向かう場所へ最適化することだ。今我々に必要なことは、旧来の要素と新しい要素のバランスをとることである。リンクやアンカーテキストの効果は今でも見られる。その一方で、今後伸びてくる要素を考えるのだ。旧来の要素の重要性が低くなることはない。あたらしい要素が台頭するだけである。

5つの新しい要素

1.今の順位の平均以上のCTRを目指す
タイトルやディスクリプションを最適化しよう。キーワード対策としての意味以上に、多くのクリックを獲得することを目指す。ブランディングも忘れずに。

2.エンゲージメントを高める
ポゴスティッキング(注3)やロングクリックは重要な要素だろう。ランキングと、そのランキングに居続ける期間に影響を与える。下記に、エンゲージメントを高めるための確認項目を記載する。

  • 注3:ポゴスティッキングは検索者が複数の検索結果で、いくつものサイトを行ったり来たりすること。
  • 検索者が気がついているニーズと気がついていないニーズの両方を満たす
  • スピード、スピード、そしてスピード
  • 全てのブラウザでベストなユーザー体験を提供する
  • ユーザーをサイトの奥深くまで誘導する
  • 訪問者を苛つかせたり、諦めさせたりする要素を避ける

New York Timesで、家庭の年収と子どもの大学進学についての記事がある。グラフでその関係性を示しているが、そのグラフには読者が線を引ける仕組みとなっている。良いエンゲージメントを生み出す好例だ。

3.訪問者の知識のギャップを満たす
Googleはそのページが検索者のニーズを満たしているかどうかを判断するシグナルを探っている。その目的はマシンラーニングによって叶う可能性がある。マシンラーニングは、特定のワードやフレーズを含むページが、より最適な検索結果に値すると判断できる可能性があるのだ。

例えば、ブルックリンやロングアイランドについての言及がないページは、ニューヨークについての情報を網羅していない、という判断ができるということだ。検索者はニューヨークについての知識がないため、その知識のギャップを埋める(ブルックリンやロングアイランドの記載もしっかりとある)ページに高いランキングを与えるだろう。

マシンラーニングの観点から自身のコンテンツを確認するために、Alchemy APIMonkeyLearnを使用してみよう。

4.訪問毎により多くのシェア、リンク、ロイヤリティを獲得する
結局読まない記事を共有することが多々あるため、Googleがソーシャルでのシェア数をそのままランキングに活用することはないと思う。しかし、Googleはロイヤリティと再訪問を導くシェアを確認したいことだろう。そのため、以下の項目が新しいKPIとして有効だと考える。

#1.ユニークな訪問÷シェア数+リンク数
#2.トータルのセッション÷再訪問者数

“優れた”コンテンツなどは必要ない。”10倍優れた”コンテンツが必要とされている。そして、旧来の戦術では、これを達成することはできないのだ。

5.検索者のタスクを満たす
タスクとは、検索者がクエリを投げた時に完了したいと思うものだ。Googleは検索者がタスクを完了できるサイトへ、すぐに連れて行きたいと思っている。クエリを満たすだけでは不十分で、検索者のタスクを満たす内容でなければならない。

2つのアルゴリズムの世界におけるSEO

2015年現在、2つのアルゴリズムが存在している。

  • アルゴリズム1:Google
  • アルゴリズム2:コンテンツに関わる人々

エンジンのためではなく、人々のためにページを作成しよう。

最後に、検索エンジンと人々に分けて、重要な項目をまとめる。

検索エンジン

  • キーワードターゲティング
  • 品質と独自性
  • クロールフレンドリー
  • スニペット最適化
  • マルチデバイスでのユーザー体験

人々

  • 相対クリック率
  • ショートクリックとロングクリック
  • ギャップを満たすコンテンツ
  • 再訪問率
  • タスク完了の是非
今回も相変わらずのハイテンションでオーディエンスの興味をぐいぐい惹きつけていました。大量の情報を提供しているにもかかわらず、お腹にもたれないように調理する技術はさすがの一言です。SEO業界でコンテンツが注目され始めた頃、”良いコンテンツとは何か?”という議論がよくされていましたが、彼のプレゼンテーションを聞くと、それに対する答えがつかめたように思えました。Googleの進化のスピードの速さは恐ろしく、キャッチアップするのは大変ですが、時流に乗り遅れないようにしておきたいものです。

続きを読む Pubcon 2015-Mozのランド・フィッシュキン氏によるキーノート:2つのアルゴリズムの世界におけるSEO

Pubcon 2015-インハウスSEOに必要なツールと課題の解決方法

インハウスSEOの方にとって、日々の作業の効率化は常に図りたいことだと思います。また、環境の変化やビジネスの内容により、あらゆる課題が日々生まれていることでしょう。今回のセッションはインハウスSEO担当者を対象としたセッションですが、弊社パートナーのクロスフィニティ株式会社が提携している、seoClarity社からもキース・グッド氏がスピーカーとして登壇しています。彼らからの情報が日々の作業の助けとなれば幸いです。– SEO Japan

原題:In-House Tools and Tricks

このセッションは以下の3部構成となっています。

*リンク先は全て英語となっています。

ソリューション、プラットフォーム、そしてインハウスSEOの成功の秘訣

スピーカー:Keith L. Goode(seoClarity,Chief SEO Evangelist)

インハウスのSEO担当者が費やす時間
彼らが実際にどのような作業に時間を費やしているのだろうか?

  • データの集約(33%)
  • レポート(22%)
  • リサーチや分析(22%)
  • 施策作業(17%)
  • 教育(6%)

インハウスのSEO担当者が費やすべき時間
それでは、彼らが本来行うべき作業はどういったものだろうか?

  • 施策作業(70%)
  • 教育(14%)
  • リサーチや分析(10%)
  • レポート(5%)
  • データの集約(1%)

いつプラットフォームが必要だと気づくだろうか?
データの集約は時間の無駄だ。MOZ、SEMrush、Screaming Frog、など大量のツールからデータを集約する作業は困惑を産む。

適正と学習曲線
ツールやプラットフォームは、自分にあったものを使用した時に初めて利用価値がある。また、人間は習慣の生き物であるため、既に獲得した習慣を変更することには困難が生じる。

この課題に対する解決策として、レポートが鍵となる。成功体験と教育のデモンストレーションを行うのだ。そのため、上司への報告に上限を持たすべきではない。同僚へのレポートは適した内容にカスタマイズする。個人レベルでのセッションも積極的に行おう。

ROIの証明
多くの管理者は時間短縮のメリットについて興味を示さない。彼らは新しい収益を見たいのであり、オペレーションに問題がある場合に節約が問題になる。

この課題に対しては、自身でビジネスモデルを構築することが重要だ。ツールやプラットフォームの価値をビジネス上のニーズに合わせて説明するのだ。ツールに対してのコスト対利益の説明しなければならない。

組織の合意と選定プロセス
予算の確保、KPIの設定や合意、見積り依頼の作成なども課題だ。

この課題に対しては、プロセスの管理が鍵となる。どのKPIが最も重要かを判断し、そのKPIを説明するためのデータを選定する。承認を得るための入り口を構築し、定期的にコミュニケーションを取り、情報をアップデートする。

データの検証
APIキーの失効、IP毎に違うデータの表示、内部と外部のファイヤーウォール、などが課題だ。

この課題に対しては、自身の役割と他者への依頼を上手く組み合わせることだ。あなた一人でデータの検証を行い、寝ずの番をする必要はない。他のメンバーのほうが詳しい課題もあるため、彼らの協力を仰ごう。

SEOを成功に導く7つの習慣
インハウスSEOで成功するために習慣としておきたい内容を挙げる

  • データをキチンと保管する(ランキング、コンテンツの変更、ログファイルなど)
  • 対人交渉を上手く使う(協力を得るため、開発者にはビールをごちそうしよう)
  • 組織内でSEOに取り組む(コンテンツ、PR、開発室なども巻き込もう)
  • アラートを設定する
  • リポーティングする相手を知る
  • レポートをシンプルにする(1つのレポートにつき、KPIは2-3個)
  • クロールを行う(多くのSEOが自身のサイトの構成を把握していない)

もう一つ付け加えたい習慣
自分自身をアップデートしよう。そう、あなたは勉強すべきなのだ。ブログを読む、テストを行う、そして、他のSEO担当者と交流し、自身のアップデートを怠らないようにしよう。

ツールを活用したエクセレントで持続的なSEO

スピーカー:Brian Mcdowell(President,SERP Strategies, Inc)

少ない作業で多くを産む
可能な限り自動化しよう。自身の予算を分析し、それをベースに計画を立てる。

2016年の投資先
来年、あなたの予算を投資するべき箇所は以下の通りだ。

  • データ
  • 教育
  • 人材

データには最も投資すべきだろう。ROIを証明するために、どのようなデータが必要だろうか?また、現在はどのようにして集めているだろうか?

教育も重要だ。人数は揃っているかもしれないが、しっかりと”ノウハウ”は伝えられているだろうか?知識の集約のための投資を行おう。

あなたの組織を成長させるために必要な人材は揃っているか?現実とのギャップはどこで生まれ、どう埋めようとしているだろうか?

自身のサイトの調査
自サイトの精査や調査に使用するツールを紹介しよう。

Screamingfrog
まあまあといったところか。アメリカでは最も安いツールかもしれない。もちろんデータにリミットはある。

DEEPCRAWL
クラウドでデータを保管することが可能。大量のデータを管理することができる。

URI Valet
非常に便利なツール。ユーザー・エージェント毎の表示確認、タイトルやメタデータなどの情報、ダウンロードタイムなどを取得できる。

ANNIELYTICS
コンサルティングを頼む場合は、彼女がベストだ。資料も公開している。

大企業向けのツール
エンタープライズ向けのSEOは各種ある。その中かからなにを選べばよいのか?Search Engine Land のこちらの記事が役に立つ。またDIGITAL MARKETING DEPOTに、フルガイドが載せられている。

ランキング調査
ランキング調査で使用するツールは以下の通りだ。

全てをダッシュボードにいれよう
Geckoboardをお勧めする。ダッシュボードを作成でき、様々なツールに対応している。設定も楽。私はモニターを複数使い、時期別にデータを表示している。上司に報告ときは大きいモニターを使用しているが、ダッシュボードに予めいれておけば非常に便利だ。

教育について
Evatoではさまざまな技術を持った人材がコミュニティを形成している。教育目的のコミュニティもあるので、このコミュニティに登録している人材に教育を依頼することも可能だ。

ニーズを特定しよう
TOP20の都市でSEO関連の仕事は18%も増えている。アメリカでのSEO関連の仕事が探しやすい地域を紹介しよう。

自身のサイトがどう構築されているか
built withを使おう。技術的な情報に加え、マーケット情報やグローバルのトレンドも確認できる。

SEOの成熟度を査定し加速させよう

スピーカー:Alex Volk(Search Marketing Director,Microsoft)

SEOにおける課題
SEOに関連する課題は複数ある。また、マイクロソフトでは様々なサービスを提供している。マイクロソフトは集約化された組織ではないため、色々な部門とコラボするのは難しかったりする。そのため、組織のゴールをまとめる事が重要となっている。

“ハイブリットSEO”によるアプローチ
マイクロソフトでは中心的なSEOチームを設置し、そのまわりに各種サービス(Office、Skype、Surfaceなど)が関わっている。プラットフォームの設置も重要で、マイクロソフトの場合はBright Edgeを使用している。ここで重要となるポイントを挙げてみよう。

  • よく設計されたSEOの指針の設定
  • SEOのターゲットの特定とレポーティング
  • ターゲットキーワードのカテゴリ別のリスト
  • 技術的なSEOの優先順位付け
  • マイクロソフト流のソーシャル共有の戦略の採用
  • Bright Edgeの活用
  • iCrossingやその他のエージェントの活用

SEOの成熟モデル
マイクロソフトの場合のため、スモールビジネスの場合は違うかもしれない。それぞれのステージにゴールを設定することがポイント。例えば、SEOの技術の習得→計画の策定→戦略の構築→他メンバーの指導、などをそれぞれの分野で策定している。

自身のSEOの成熟度
さらに、個人レベルでも設定することが大事だ。ポイントを幾つか挙げよう。

  • 組織の習熟度と個人の習熟度との比較
  • 他グループや他社に対するベンチマーク
  • 習熟度のスピードを上げる取り組み(全員が上手くできるわけではない)
  • 戦略的に行い、リターンを最大化する

コミュニティ
コミュニティは非常に大事だ。コンテンツをパッケージ化し、コミュニティ内で共有しよう。我々にとってのコミュニティの一例は、Search Engine Land、Moz、
Yammer Communityなどだ。

業界の情報収集
何が起こっているかを把握し、新しい物事をキャッチアップする。水平的に情報を把握する。

レポーティング
対象にわけて、定期的に行う。自分の場合のパターンを見つけて、一貫して行う。(一貫して行わないと、ブレてしまう。)

  • 週次(自動ツールのレポート、現場レベルの情報)
  • 月次(トレンドや更新内容のまとめ、重要事項のハイライト、関連部署に広く送付)
  • 3ヶ月毎(上層部へ報告、業務上の影響や重要な出来事、今後の展望やプロジェクト)
  • 適時(大規模なサイトや業界などのニュースやイベント)
海外のカンファレンスに参加する度に思うことが、インハウスSEO担当者の数とツールの利用率の違いです。参加者と話してみても、小規模な会社からの人も多いですが、SEO担当というポジションがしっかりとあるようです。小規模なサイトの場合は人手の少なさ、大規模なサイトの場合は対象の数の多さ。それぞれの課題があると思いますが、それらの作業を簡易化するためにツールを使用している、というイメージを持っています。今後、日本でもいわゆるSEOツールの普及率が高まるかはわかりませんが、可能な限り自動化してアウトプットを最大化することは大事なことになってきそうです。

続きを読む Pubcon 2015-インハウスSEOに必要なツールと課題の解決方法

Pubcon 2015-Bingのデュアン・フォレスター氏によるキーノート:なぜ、あなたは未来に目を向ける必要があるのか?

今回の記事はBingのシニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーである、デュアン氏によるキーノートです。SEOに限らず、マーケティング全体として、これから考えていくべき事柄を披露しています。いくつかのトピックに分かれた構成のセッションでしたが、その中でも、モバイル関連のトピックに多くの時間を割いていました。また、次世代のユーザーがどのようにモバイルと関わっていくか?という内容を強調していました。検索を中心とした技術を軸に、今後の展望を探ります。– SEO Japan

原題:Why You Look Forward

今後10年から15年で何が起こるか?

ミレニアルズ
ミレニアルズ(Millennials:1982年から2004年の間に産まれた世代。現在は10歳から34歳)が主要な世代になる。市場規模は7兆ドルになり、これは、世界中の旅客機の約半数分の金額に値する。彼らについて知ることが重要だ。以下に特徴をまとめよう。

  • 商品(Products)ではなく、経験(Experience)に価値をおく
  • 組織に属するよりも、独立志向が強い
  • 多くがインターネットがなかった時代を知らない
  • コード・カッティング(ケーブルテレビではなく、インターネットで番組を見る)
  • ブランドとの関わりは求めるが、ロイヤリティーは低い

キーワード調査で彼らを満足させることは可能だろうか?

バイヤーを知る
ミレニアルズに商品を売ろうとしても、うまくいかないだろう。彼らには経験を売らなければならない。世代によって好みは違う。現実的でなければならず、違いを知らなければならない。

デルタ航空のストーリーがいい例だ。ソーシャルで有益な情報を流しているが、ある時乗り継ぎの方法がわからない客がいた。運用チームがSNSグループと連携し、ソーシャルで乗り継ぎの方法を教えていた。この顧客にとって、非常に素晴らしい経験だっただろう。バイヤーを幸福なままにさせておくのだ。

モバイルについて

モバイルファースト
モバイルファーストについて、再度考えてみよう。具体的には以下の通りだ。

  • モバイルのクエリ数はデスクトップ以上
  • コンテクストが鍵
  • レスポンシブデザインが必須
  • モバイル用のアルゴリズム

モバイルの時代は、”今”だ。もしもあなたが、今後大きくなるだろうと考えているなら、その時点であなたは既に後れを取っていると言える。人々は6秒間に1回、モバイルを操作している。これが、モバイルの行動だ。

Project Arcadia
スマホをパソコンに差し込み、AndroidとiOSのアプリを、Windowsのデバイスで使用できるようになる。将来はこうした使い方が主流になる。

モバイルとスターバックス
スターバックスはモバイルでの勝者と言える。彼らが提供している内容をまとめよう。

  • お店では全体の11%の決済がモバイルで行われている
  • アプリのユーザー数は1千万人
  • お店の検索
  • ギフトカードの利用

個人的に、私はスターバックスが提供する数々のプロセスが好きだ。顧客との素晴らしいモーメントを創り出している。

Apply Payとその他のモバイル決済
モバイルでの決済が進んでいる。例えば、空港などでは現金での支払いは煩わしい。特徴をまとめてみよう。

  • 決済毎にランダムで一回きりのIDが使われるため、安全
  • モバイルはいつでも手元にある
  • 簡単に使え、トラッキングも楽
  • レジ係りにクレジットカードを見られなくて済む
  • 信頼性の構築とPOSシステムのアップデートが必要な点は障害と言える

お財布のいらない、自由な世界へ
ウェアラブルが広がれば、自分の時計で支払うことも可能だ。クーポン券をお財布に沢山入れる必要もない。モバイル決済では、アフィニティプログラムを通して、顧客にリワードを与えることが可能だ。これにより、ブランドと顧客との結びつきをより強いものにすることができる。

前述のスターバックスに加え、Amazonプライムも良い例だ。Amazonプライムのメンバーのうち、Amazon以外のサービスで買おうとする顧客は、1%にも満たないのだ。

忘れてはならないこと
実に様々なことをモバイルで行えるようになっている。私はパワーポイントをモバイルに入れている。しかし、モバイルの画面はあくまでも小さい。そのため、モバイルで表示する内容については、我々はしっかりと考えなければならないのだ。

モバイルとファネルの影響
モバイルが検索に影響を与える事柄をまとめる。

  • 検索を行うロケーション
  • 物理的に小さい画面
  • 表示される検索結果の数は少ない
  • 検索におけるあらゆる側面で高品質な結果が求められる

上記がモバイル用のアルゴリズムが必要な理由だ。検索の経験を再定義していると言える。ここでは、コンテキストと経験が重要な要素となっているのだ。

自動運転

今後の拡大
5年後には一般道で見られると思う。体験したが、自動運転車は素晴らしい経験だと感じた。アメリカでも許可が下りた州の数は増えている。イギリス、ドイツ、フランス、イタリアなどでも法整備は進んでいる。

ローカルビジネスでは”運転をしないドライバー”へのリーチが可能になり、車の中で広告を流すことや、エンターテイメントのビジネスへのチャンスも広がる。

データについて

データのシグナルはいたるところに
“データは新しい石油だ。”世界中で最も価値のある商品となっており、拡大し続けている。また、アメリカでは一人につき、3,000のデータポイントがあると言われている。モバイル、銀行、車、ウェアラブル。さまざまな方法でデータは集められている。

情報とデータの成長
5エクサバイト(10の18乗バイト)を作成されるまでの日数を計算してみよう。

  • 2010年では2日かかった
  • 2013年では10分以内に
  • 2015年ではコーヒーを注文している間に完了する

これ以上Webに無駄な情報を流さないでくれ(笑)。

マシンラーニング

マシーンラーニングの実例
“今後20年でマシンラーニングはモバイル以上のインパクトを与えるだろう。(by Vinod Khosla)”検索エンジンは世界の意味を理解しつつある。マシンラーニングのいくつかの例を挙げよう。

  • Bingはユーロビジョン(ヨーロッパの歌のお祭り)の勝者をピックアップできる
  • How-Old.netは人物を特定し、性別と年齢を測定する
  • Googleのマシンラーニングシステムは、その方法を伝えられなくても、顔を特定する方法を学ぶことができる

マシンラーニングを用いることで、様々な情報をどうつなげるか?という問題を解決し、ナレッジグラフを作成する。

検索の未来

今後の検索は?
進化し続ける検索の特徴をまとめよう。

  • ユーザーのインテントと経験の懸け橋となる
  • 単純にキーボードに文字を入力するのではなく、ユーザーがより自然な方法で自身を表現できるようにする
  • より多くのデータを集約し、実行可能な結果を提供する
  • 関連した情報を提供するデバイスを連携するためのシステムとなる

人々は、少量の作業でより多くの結果を手にしたくなるだろう。また、インスタントアンサーの発達により、今問題になっていることにより多くの時間を過ごせるようになる。

エージェントとしての存在

あなた専用のエージェントへ
検索エンジンはあなた専用のエージェントのような存在になる。彼らがあなたのためにしてくれることを幾つか挙げよう。

  • コンサートチケットを探して買ってくれる
  • 飛行機の安いチケットを調べ、目的地を選んで、予約してくれる
  • あとでクーポンなどを使うかもしれないから検索してくれる

仮に、旅行先で充電コードが必要になったとしよう。あなたの電話の種類、必要なコード、滞在先のホテル、などは全て理解しており、コードをホテルまで届けてくれる人を検索してくれるのだ。

最後に

SEOにとっては?
SEOは終わってはいない。しかし、少々複雑になっている。成功までに行うべきものが非常に多いのだ。またデスクトップはいずれ終わるかもしれない。

*画像が不鮮明ですが、SEOの成熟モデルの画像で、成熟するまでに必要なスキルや分野をまとめています。

まとめ

  • データは重要(共有し、消費し、理解する対象)
  • もしも、”モバイルはやってきている”、という考えならば、すでに遅い(モバイルはすでにある)
  • 次世代のモチベーションとなるものを知る
  • 伝統的なオンラインマーケティングは、今、変化している
  • “道路を運転する”という考えをやめる
  • “訪問者のタスクを完了させる”ことを考える
今に始まったことではないですが、SEOに求められる知識やスキルが広範囲になっていると、改めて実感できた内容でした。個人的には、全てを一人で行うのではなく、チームとして取り組むことが求めらるのだろうと考えていますが、それでも基本的な知識は必須となりそうですね。検索を始め、様々な技術が身近になることで生活がより豊かになっていくことは喜ばしいことですが、同時に自身にも新しい経験や考え方が求められるようになります。願わくば、こうした変化を楽しみながらWebと関わっていきたいものです。

続きを読む Pubcon 2015-Bingのデュアン・フォレスター氏によるキーノート:なぜ、あなたは未来に目を向ける必要があるのか?

Pubcon 2015-2015年のSEOにおける変化についてまとめます。

Pubcon 2015のセッションレポート第二弾は、Stone Temple Consulting社のエリック・エンジ氏によるセッションです。SEO Japanでもたびたび同氏の記事を紹介していますが(下部のコメントにリンクを記載しています)、2015年に主要なトピックとなった出来事をまとめてくれています。セッションの構成も簡潔で説明も丁寧なため、とてもわかりやすい内容でした。少々気が早いかもしれませんが、今年起こった出来事を振り返り、来年からの施策を見直すための参考となれば幸いです。– SEO Japan

原題:What Happened in SEO in 2015?

*記事内で”ダイレクトアンサー(アンサーボックス)”についての言及があります。Googleは”フィーチャードスニペット”と呼んでいるようですが(細かく言うと、”ダイレクトアンサー”の1種ということになりますが)、スピーカーは”リッチアンサー”と表現していましたので、そのまま”リッチアンサー”という表現を使用しています。

セッション概要

このセッションではOn-Page SEOとOff-Page SEOにおいて、2015年に変化があった内容を伝える。On-Page SEOで取り上げる項目は以下の通りだ。

On-Page SEO:1.モバイル検索(とその他)

モバイルゲドン
モバイルゲドンが起こったが、ファーストリアクションは”何も起こらなかった”、である。その後、調査を行った。4月17日の週に15,235クエリを調査し、5月18日に再度調査した。TOP10のランキングをモバイルゲドンの4週間後に確認したのだ。結果は、モバイルフレンドリーではないサイトの46%が下落していた。個人的には非常に大きな変化であったと思う。

App Indexing
App Indexingについての4つのステップを確認しよう。

  • HTTPディープリンクをサポートする
  • App Indexing SDKを追加
  • 実装の確認
  • 検索におけるパフォーマンスを促進

App Indexingによって、検索結果にアプリのコンテンツを直接表示させる機会を得るのだ。

A/Bテスト
リニューアルした内容はランキングに影響するか?ランキングだけでなく、CTRに影響するかもしれない。A/Bテストをシステマティックに運用する体制を整えよう。トリップアドバイザーは頻繁に行っている。テストを積み重ね、実装を繰り返すことによって、全体のパフォーマンスを上げる。

Hreflang
同一言語が複数の国で使われている場合や、複数の言語が同一の国で使われている場合などがある。設定の際は、言語のみの設定か言語と国の設定にすること。言語の設定は”ISO 639-1”のフォーマットを使用し、国の設定は”ISO 3166-1 Alpha 2”のフォーマットを使用する。また、それぞれのページにリンクを相互に張ること。

On-Page SEO:2.TwitterとSEO

ツイートとインデックス
GoogleがアクセスできるTwitterのリソースは限られている。我々はGoogleの検索結果における、ツイート数の調査を行った。138,000ツイートを対象とし、2015年2月と6月に、つぶやいてから7日以内のインデックス数を測定した。結果、6月のインデックス数は、2月と比べ、466%(0.6%→3.4%)も増加していた。

フォロワー数とインデックス
Googleはオーソリティのあるユーザーのツイートをインデックスする傾向があるようだ。フォロワー数が多ければ多いほど、よりGoogleにインデックスされていた。もしあなたのアカウントがインフルエンサーでなければ、インフルエンサーにツイートしてもらうようにすると効果的だろう。

On-Page SEO:3.リッチアンサー

リッチアンサーの表示機会
“iPhoneのリセット方法”などの質問形式のクエリで検索し、リッチアンサーが表示されるかどうかの調査を行った。サイドバーでの表示と、そうでない表示(検索結果に含まれる表示)に分けて計測した。2014年12月と2015年7月の表示数を比較したところ、二つの表示で増加していた。(サイドバー:30.4%→38.9%、サイドバー以外:22.6%→31.2%)

オーソリティとトラフィック
また、リッチアンサーとオーソリティの関連性は低いと思われる。例えば、
”What is a rfp(request for proposal)”というクエリでリッチアンサーとなっている元のサイトのDA(Domain Authority)は47だ。トラフィックは、リッチアンサーに表示されると増加し、表示がなくなると落ちた。タイトルタグがリッチアンサーに含まれ、そこから流入があったのだ。

別の例では、DAが38で検索結果では5位のサイトがリッチアンサーになり、
”More items…”が表示される形式だった。こちらの例でもトラフィックは増加している。共通して言えることは、クエリに対してシンプルなアンサーを掲載したことだ。

リッチアンサーとして表示されるために
では、どうすればリッチアンサーに取り上げられるのか?実験をしてみた。まずは、一般的なクエリ(How to ○○)をリスト化する。その答えとなる動画を公開。説明文もしっかりと記載する。また、How to以外にも価値のある情報も含めた。Google+でシェアし、
Search ConsoleでURLを送信。結果、3日後にリッチアンサーとして取りあげられた。

リッチアンサーになるためには、付加情報を記載するのが非常に重要だと思う。また、TOPページにアンサーを載せなければいけないというわけではない。それについての証拠はない。サイト内でアンサーを設置する箇所は関係ない。また、構造化データのマークアップとの関連性も見られなかった。

Off-Page SEO

ここからはOff-Pageについて。以下の項目についてお話する。

Off-Page SEO:1.ソーシャルメディアとSEO

ソーシャルからのデータ
ソーシャルプラットフォームからのリンクはNoFollowのリンクだ。また、ソーシャルからのデータは検索エンジンにとって重要なのだろうか?Chartbeatのデータによると、ソーシャルシェア数とシェアしたユーザーが実際に記事を読んだか、についての関連性はない。ノイズも多い。シェアとエンゲージメントの関連性はほぼないだろう。つまり、検索エンジンにとって信頼できる値ではないのだ。

ソーシャルの効果
しかし、ソーシャルメディアでの共有はリンクを発生させる可能性がある。シェアされることでトラフィック、リンク、新しい購読者をもたらす。しかし、保証されたものではない。

ペイド・ソーシャル
ペイド・ソーシャルの場合は、ターゲット性は高くなる。そのため、メディアへのコンタクトリストを作成しよう。どのメディアが自分のターゲットをカバーしているか、それを把握するのだ。

Off-Page SEO:2.コンテンツのタイプ

コンテンツの種類
MozとBuzzsumoのリサーチプロジェクトは興味深い。コンテンツの長さ別に、シェア数とリンク数の関係性を調べた。結果は、コンテンツの量が多いと、シェア数とリンク数が多い傾向となった。

シェアされやすく、リンク数も獲得しやすいタイプのコンテンツとはどういったものか?上記のMozとBuzzsumoの調査によれば、以下の3つのタイプのコンテンツがそれに該当する。

  1. 意見を伝える、ジャーナリズムのある内容
  2. 調査によって裏付けの取れている内容
  3. 長文のコンテンツ

Off-Page SEO:3.コンテンツマーケティングのエコシステム

コンテンツマーケティングの仕組み
コンテンツがSNSでシェアされ、さらに他の媒体へと流れる。リンクビルディングはもはやゲームとなってしまった。エコシステムを打ち負かそうとする考えは捨てるべきだ。

ソーシャルでのシェアはオーディエンスを構築する。そして、オーディエンスが多ければビジビリティが増加する。インフルエンサーはオーディエンス数が非常に多いため、このプロセスをを加速させる存在と言える。

インフルエンサーとの接触
つまり、インフルエンサーとの関係性を構築できれば非常に有利に働くと言えるが、どうすればよいだろか?彼らにリーチする方法をまとめてみた。

  • 彼らが書いた記事は全て読む
  • ソーシャルメディアで彼らをフォロー
  • 交流を開始
  • 相手を急がせない(忍耐強く)
  • あなたのことに気が付いてくれるまで待つ
  • 関係性が深まってきたら、彼らとコラボできる提案する

無事にインフルエンサーとの仕事ができれば、あなたの強力なパートナーとなるだろう。

個人的にはTwitterのインデックス調査が非常に興味深かったです。簡単に結論付けるのは間違いかと思いますが、Webページにおけるリンク数のように、Twitterのフォロワー数もカウントしている可能性はあるかもしれません。今回の内容の一部は別記事でも紹介しているため、ご興味のある方は、ぜひそちらも確認していただければと思います。(リッチアンサーについてコンテンツについて1コンテンツについて2

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Pubcon 2015-ガイ・カワサキ氏によるキーノート:あなたのマーケティングをパーフェクトにする10の方法。

2015年10月5から10月8日かけて、ラスベガスで行われたPubcon 2015に参加してきました。今回の記事は、ガイ・カワサキ氏によるキーノートのレポートになります。AppleやGoogleでも活躍した同氏が、ソーシャルメディアを活用したマーケティングを行う上でポイントとなる内容を披露しています。自身への評価が一瞬のうちに下されるソーシャルの世界で、自身をブランド化するためにはどうすればよいのか?これを読めば、あなたもガイ・カワサキ氏のようになれるかも!!??– SEO Japan

原題:How to Perfect Your Marketing

*リンク先は全て英語となっています。

自己紹介

AppleやGoogleなどでマーケティングに関わってきた。また、多くの本を執筆している。ソーシャルメディアを活用したマーケティングが非常に重要になっているが、今回はあなたのマーケティングを完全なものにするための10個のアドバイスを送ろう。

#1.ソーシャルメディアへの認識をパーフェクトにする。

ソーシャルメディアの活かし方を説明するために、オンライン・デーティング
(online dating:ちょっとニュアンスが異なることもありますが、いわゆる”出会い系サービス”)を例に出そう。eHarmonyTinderが有名だ。前者は、登録をする際に個人の好みなどを細かく入力し、どういった人と相性が良いかを伝えることができる。後者は、登録者の写真から直感的な、素早い判断が下される。

ソーシャルにおけるマーケティングの場合、Tinder方式が圧倒的に採用されているのだ。

#2.アバターをパーフェクトにする。

写真や画像から判断されるため、最適なアバターを作成しよう。優れたアバターを作成するために、以下のポイントを伝えることが大事だ。

  • 感じがよいこと
  • 信用できること
  • 有能であること

写真の特徴として、”顔だけを撮る”、”非対称”、”正面からの光”、”一貫性”、が挙げられる。一貫性とは、同一のアバターを、(他のサービスを含む)全てのプロフィールで使用するということだ。また、実際の人物とあなたは同一でなければならない。(”演出”を行わない。)

#3.カバーフォトをパーフェクトにする。

カバーフォトの役割は、あなたが何に興味を持っているか、あなたのブランドは何を表しているか、それを伝えることだ。カバーフォトのポイントは以下の通りだ。

  • 物語を持つ(写真でストーリーを伝える)
  • 最適なサイズ(各サービスに最適な大きさ)
  • 黒の背景(花の色などはすごい映える)

幾つかの悪い例を見てみよう。デフォルトのカバーフォトは最悪だ。顔が見えないロングの写真、犬の写真、映画のスクリーンショットなども良くない。ストーリーを何も伝えないからだ。家族の写真は、愛する家族がいるというストーリーになる。しかし、赤目に写っている写真は好ましくない。

ポルシェは会社のロゴを使っているが、背景に白のスペースが多すぎる。SNSでは非常に小さく表示されてしまうだろう。ベンツの場合は、ポルシェよりもずっと良い。黒の背景にロゴが光っていて映える。

また、全てのプロフィールは、プロフェッショナルな内容であるべきだ。他者があなたのプロフィールを見つけたとき、その人はあなたを雇ってくれるだろうか?その判断基準は
Tinder方式だ。一瞬の内に判断されてしまい、プロフィールが個人的なつながりのための内容かプロフェッショナルな内容か、考えている時間などはない。

#4.カード(名刺)をパーフェクトにする。

名刺を最適化するためのポイントを紹介しよう。

  • 大きめのフォント(10ポイントが最小)
  • スキャンに対応(多くの人が名刺をスキャンして管理している)
  • 携帯電話の番号を記載

携帯電話の番号を記載することについて、「いつでもかかっててきてしまうのでは?」と思うかもしれない。私は多くの人にカードを配ってきたが、いつでもかけてくる人など、実際にはいない。リスクはない上、携帯電話の番号はビジネス上非常に便利だ。メールはめんどくさい。ただ電話するほうが良い。僕だったらそうする。

まずは、自分の名刺をEvernoteに取り込むか、写真を取ってみよう。他者にとって便利な内容だろうか?名前と会社名はしっかりとわかりやすく写るか?コンタクトインフォメーションは細かく、内容も多いので、しっかりと確認してみる。

また、Eメールのシグネチャーやロゴにも、名刺と同じ内容を含めよう。自分のメールアドレスを加え、自身を表す内容になっているか確認し、それらをパッケージ化しておく。ちなみに、Evercontactはおすすめ。

#5.スライドをパーフェクトにする。

マーケターとして、セッションなどで使うこともあるだろう。また、SlideShare用の最適化とも言える。

  • 10スライド(これがマジックナンバー)
  • 20分間
  • 30ポイントのフォント
  • 16×9のサイズ
  • 黒の背景

スティーブ・ジョブズのスライドを見てみよう。(対比として、ビル・ゲイツのスライドを紹介。)

また、デモの内容もパーフェクトに。“1枚の写真は1,000の言葉の価値がある。しかし、デモは1,000枚のスライドの価値がある。”ジョブズもプレゼンテーションにデモをよく取り入れていた。初代マックにフロッピーを入れるところを、実際に見せていた。

#6.写真をパーフェクトにする。

写真を撮るときのポイントをまとめよう

  • 写真は水平(横向き)
  • 光の具合
  • トリミング
  • 寸法を合わす

高い建物を撮る時でも、横向きの方が良いだろう。場合によってはトリミングを行うことを忘れずに。光の具合は重要だ。背景が明るいと顔がしっかりと映らない。顔がしっかりと写っている方が、ストーリーが伝わる。対象を明確にするためにトリミングを行い、不要な情報を含めないようにする。また、各サービスに合わせてサイズを変更しよう。Canvaは全てのソーシャルサービスごとに最適化している。

#7.ポストをパーフェクトにする。

今日はSNS=マーケティングと言える。そのため、投稿内容の最適化は必然だ。

  • NPR(National Educational Radio Network)のモデルを参考にする
    NPRは毎年資金調達のキャンペーンを行っている。人々が資金を提供する理由は、
    NPRが優れた価値を提供しているからだ。スポンサーはNPRでのコンテンツを配信している。つまり、SNSをマーケティング・プラットフォームとして活用しているのだ。
  • 共有のテストを行う
    レストランでチップを与えるように、コメントや共有はあなたの評判を伝える行為だ。どれだけクリックされているか?自分のコンテンツがどれだけリツイートされているか?非常に大事に見ること。
  • 画像を追加する
    グラフィックがあるだけで、エンゲージメントはかなり高まる。リツイートの時にも表示されている。ただのリンクではなく、画像がある方が目立つ。ベンツはクールな写真を併せてつぶやいている。ストーリーをより伝えることになる。
  • Facebookへはネイティブ動画を投稿する
    YouTubeのコンテンツを貼り付けても自動再生されない。Facebookからすれば、他社のサービスをプロモートしたくはないだろう。同じ動画を投稿しても、自動再生の方がリーチ数が圧倒的に多い。一手間かかってしまうことになるが、その手間をかける価値はある。

#8.頻度をパーフェクトにする。

同じ投稿を複数回行うことは良くない、という人もいるだろう。実際に、ツイート数が多いというコメントを受けることもあるが、それは無視するようにしている。

私は、同じ内容を8時間の間隔を空けて3回行っている。異なるタイミングの投稿で異なるユーザーがクリックするからだ。もちろん、誰かの不満を買ってしまうかもしれない。しかし、そこに重要性があるのであれば、複数回の投稿はするべきだろう。

#9.”ピン”対応をパーフェクトにする。

PinterestをGoogleのように活用している人が増えている。例えば、レシピなどを検索する場合だ。あなたが投稿した画像が、”ピン”できるようになっているか、Pinterestのエクステンションを使って確認しよう。

この前、ある写真をピンしようとしたら広告が出てきた。何回もクリックしてやっとその画像をピンすることが出来た。こうしたことは無いようにしよう。

#10.メソッドをパーフェクトにする。

Facebookでリンクボタンを押してシェア。これは、ミニマムな行為。そうではなく、コメント、リンク、質問、を加える。すると共有数が全く違う。誰かが何かを共有した際、ただのリンクの共有と、コメントを併せた共有である場合、あなたはどちらをクリックするだろうか。

以上、様々なポイントを紹介したが、それらを実際に試すことであなたのメソッドはパーフェクトになる。画像ありとなしの投稿、名刺のスキャンなど、すぐに試せるものはトライしてみよう。また、Canvaをデザインを容易にする。SNSやスライドや名刺に画像を使う時、Canvaは非常に便利だよ。

まずは、非常にカッコイイ方だなぁというのが感想です(笑)。プレゼンテーションでの話し方、表情、ジェスチャー、色々なところに気を使われていて、自分がどのように見られているかを常に意識されているように感じました。ソーシャルでの露出の重要性は論を待たずといったところだと思いますが、それらの一つ一つに可能な限りの最適化を行うことで、自身のブランド化を最大限にする。今回はその中でも重要な10個のポイントの紹介でしたが、思いつく限りの最適化を試してみてはいかかでしょうか?

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オーサーシップのマークアップはそのまま残しておいたほうが良い、とゲイリー氏が発言。

昨日の記事に続き、ニューヨークで行われているSMX Eastについての記事となります。Googleのゲイリー・イリーズ氏が登壇しましたが、アップデートについての報告もあったようです。①パンダ・アップデート4.2はロールアウト中であること、②近い将来(おそらく年内)にペンギンアルゴリズムのアップデートが行われ、リアルタイムバージョンになること(SEO Japanの記事はこちら)、の2点が報告されたようです。今回の記事はオーサーシップについての記事となりますが、サプライズを伴った内容でした。– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっています。

Googleはオーサーシップのマークアップを再度使用するようになるかもしれない。1年以上前に廃止しているとはいえ。

ゲイリー・イリーズ氏がSMX Eastのセッションに登壇し、Webマスターとパブリッシャーはオーサーシップのマークアップを自身のページに残しておくべきだ、と発言した。

Googleは2014年6月に検索結果上に著者の画像を表示することをやめ、8月にはオーサーシップのサポートを完全に廃止している。

しかし、ゲイリー氏は皆が驚く内容を発表した。ソースコード上にオーサーシップを活かしたままにしておくべきだ、と述べたのだ。Search Engine Landのダニー・サリバン氏を始め、会場にいたオーディエンスも驚く内容であった。

Googleのジョン・ミュラー氏は以前、オーサーシップのマークアップをサイト上から取り除くほうが安全である、という発言をしている。しかし、今回、ゲイリー氏は残したままにすべきだ、と述べたのである。

残しておくべき理由とは何か?Googleの検索チームが再びオーサーシップのマークアップを使用したいと思うようになるかもしれないが、その時がいつになるかを誰も知ることはできない、とゲイリー氏は述べている。皆様のお気持ちはわかる。これは非常に悩ましいことである。

個人的には、Googleがオーサーシップとオーサーランクを”in depth articles“の選定の際に使用していると確信している。おそらく、ゲイリー氏がオーサーシップのマークアップを削除すべきでないと発言した理由は、そこにあるのではないか?

我々はこの件に関して、Googleからの説明を得ようと試みている。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google: Leave Your Authorship Markup On Your Page」を翻訳した内容です。

パンダ・アップデートとペンギンアップデートについて、Googleからの報告という形で発表されたことになります。オーサーシップについては、詳細情報が待たれるところです。ちなみに、来週から行われるPubconにSEO Japanは参加する予定ですが、ゲイリー氏のセッションもあるため、直接質問してみたいと思います。その他のセッションのレポートもさせていただきますので、ぜひご確認いただければと思います。

続きを読む オーサーシップのマークアップはそのまま残しておいたほうが良い、とゲイリー氏が発言。

Googleが新しいAPP IndexingのAPIをランキング要素に追加すると発表。

9月29日から10月1日にかけて、SMX Eastがニューヨークで開催されています。昨日のセッションで、GoogleからApp Indexingについての発表がいくつかあった模様で、Search Engine Landが速報記事を掲載しています。Googleのモバイル&アプリ推しは、Httpsと並んで非常に強く感じるところですが、今後もしばらく続くかもしれません。– SEO Japan

GoogleがAPP Indexingを新しいランキング要素として使用することを発表した。また、iOS用のプロトコルとSearch Consoleの幾つかの機能も新たに発表している。

GoogleのWebマスター・トレンド・アナリストである、マリヤ・モエバ氏が本日のSMX Eastで発表した。Googleが2015年2月26日に公表しているアプリ用のランキング要素に加え、新しいApp IndexingのAPIを実装したアプリに対し、ランキングへの恩恵を与えるようだ。

マリヤ氏の説明によると、アプリがこの新しいAPIを実装した場合、Googleはそのアプリからより重要なデータを取得できるようになり、そのアプリがどれだけユーザーにとって有益であるかを判断する手助けとなるとのことだ。

Googleはこの件に関してのブログでの発表を行なっていない。マリヤ氏によると、この件に関する変更(おそらく”報告”の意)は非常に素早く行える、ということが理由のようだ。また、App IndexingのAPIがランキング要素になることに加え、GoogleはApp Indexingに関する新たな情報をSMX Eastで発表している。

iOS用のインデキシングについての新しいドキュメント

GoogleはiOS用のApp Indexingについての一連のドキュメントを新たに発表した。新しいドキュメントは、こちらに掲載されており、iOS9のオペレーティングシステムに対応している内容だ。

App Indexing関連のSearch Consoleの新しい機能

ベータ版ではあるが、GoogleはSearch Consoleでの新しい機能を実装した。App Indexingのデベロッパーが使えるようになる新しい機能は、以下のとおりだ。

(1)検索アナリティクス内で、検索結果でのクリックをベースとしたデータと、インストールされたアプリ内のボタンでのクリックのデータを区別する機能。

(2)Google Playで発行されたバージョンのAPKファイルを使用した方法に加え、非発行のAPKファイルをアップロードすることにより、Fetch as Googleを直接使用することができる機能。

(3)Fetch as Googleの結果が、タイトル、ディスクリプション、APIのURLやその他の情報を含んだAPIの情報を表示することができる。

本日はApp Indexing関連の情報がGoogleから幾つかもたらされている。

ベータ版のテスターになりたい場合は、下記のURLから必要事項を記入し、応募できる。

https://docs.google.com/forms/d/1zDuiWyoRhkmxBaUlkv_VlJGwDg6bMYs4k-54vgTbwBU/viewform

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Adds Additional Ranking Boost For Using App Indexing API」を翻訳した内容です。

ランキング要素に使用することについての発表はGoogleのブログではまだされていないようですが、新しいAPIの説明ドキュメントの和訳もまだされていないようです。また、どの程度の”ブースト”になるかについても情報はないようです。近年、Googleからのランキング要素の公表が多く行われていますが、技術普及の側面も含まれているのではないでしょうか?速報的な内容でありましたが、Googleからのより詳細な情報を待ちたいところです。

続きを読む Googleが新しいAPP IndexingのAPIをランキング要素に追加すると発表。

Googleのナレッジグラフに、該当サイトのURLとハイパーリンクが表示されるように。

検索結果画面ですぐに情報を得ることができるナレッジグラフですが、簡単な調べ物などの場合は非常に重宝しています。サイトへの流入を奪うという意見もありますが、今回Googleはナレッジグラフ内に該当サイトのURLを記載するようになったとのことです。いわゆる”ナビゲーショナルクエリ”が該当されるようですが、「訪問するWebサイトが既に決まっている」というユーザーの意図に合致している変更ではないでしょうか。– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっています。

上記の画像のように(クリックして拡大表示)、Googleはナレッジグラフ内で言及されているサイトのURLを追加している。クエリが、ナビゲーショナルクエリの場合に表示されるようだ。

例えば、”fox news”、”pbs”、”yahoo”、”bp”のようなブランド名で検索すれば、URLが記載されているナレッジグラフが表示される。

また、”neil young“のように、著名なミュージシャンやアーティストも、公式サイトへのリンクがナレッジグラフ内に記載されている。

個人的には、GoogleがこうしたURLを追加してくれたことを好ましく感じている。いわゆる、スイス製アーミーナイフが、より良いものになったと感じるのだ。

これについては、既にSearch Engine Landで記事にしている。また、Bluepost Digitalのラウル・ミストリー氏からのアドバイスを得て作成したものだ。

この件に対してのTwitterはこちら。

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Knowledge Graph Adds Web Site URL & Hyperlink」を翻訳した内容です。

記事内のリンクをクリックしていただければお分かりいただけると思いますが、言語設定を英語にしないと表示されないようです。また、”Mr Children”のように、英語表記の日本のミュージシャンを言語設定を英語にした状態で検索しても、公式サイトへのリンクは表示されませんでした。そのため、現段階では英語対応のみだと思われますが、日本語でも表示されるケースがあれば、ぜひお知らせいただきたいと思います!!

続きを読む Googleのナレッジグラフに、該当サイトのURLとハイパーリンクが表示されるように。

リアルタイムバージョンのペンギンアルゴリズムは年内には開始か。

リアルタイム更新の報告がされて以来、実際はまだ動きのないペンギンアップデートですが、先日行われたハングアウトでこの件についての話題がありました。Googleのジョン・ミュラー氏が質問に回答していますが、明確なローンチの時期については、まだわからないとのことです。パンダアップデート4.2のロールアウトも完了していない模様ですが、ペンギンアップデートについてはどういった状況なのでしょうか?– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっております。

去る6月に、Googleはペンギンアップデートの更新は、少なくとも数か月後になると発言していた。Googleはこのアルゴリズムをリアルタイムにするよう取り組んでいる。つまり、ペンギンアップデートの影響がすぐに表れるようになり、手動での開始作業を必要としなくなるのだ。

今朝、Google+でのハングアウトにて、ジョン・ミュラー氏がペンギンアップデートについての質問に答えている。28:25あたりで言及しているが、ペンギンアルゴリズムのローンチの正確な時期はまだわからないということだ。しかし、おそらくは年度末までには行われ、それはリアルタイムバージョンとなるようだ。

ジョン氏の発言を下記に記載する。

将来の出来事について言及することは好ましくはない。なんとか予測しようとしてみるが、非常に難しいことだ。

内部の情報が全て出そろっており、2日か3日の内にローンチすることができ、あらゆることが上手くいくこともある。そんな中、急に問題が浮上し、その修復に取り掛からなければならなくなる、といった場合もある。また、一部のデータに不備があり、それが原因で数日か数週間の遅れが発生する場合もある。こうしたことは、起こりうるのだ。それに対しての対応が迫られることになるし、なにより、完璧な状態でないものをロールアウトすることはできないのである。

こうしたことから、1か月以上先のことについて、我々は何らかの情報を与えることはできないのだ。

もちろん、Googleは以前にリアルタイムバージョンのペンギンアルゴリズムをローンチしようとしていた。実際には行われなかったが。個人的には、ペンギンアルゴリズムについての何らかの情報が今後もたらされる場合は、リアルタイムバージョンのペンギンアルゴリズムのローンチの報告であると考えている。

しかし、時がたてばわかることは明らかである。

下記に該当の動画を掲載しておく。

この件についてのGoogle+はこちら

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: The Real Time Penguin Algorithm May Launch Before Years End」を翻訳した内容です。

以前と比べ、積極的に情報を開示しようとするGoogleの姿勢がうかがえる今日この頃ですが、アルゴリズムについての情報はやはり気になるところです。(動画を見る限りは、ジョン・ミュラー氏も本当にわからないように見受けられますが。)パンダアップデートに並ぶ大規模なアップデートですが、現段階ではGoogleからのアナウンスを待つほかなさそうです。

続きを読む リアルタイムバージョンのペンギンアルゴリズムは年内には開始か。

コンテンツマーケティングが上手くいく仕組みと、その理由。

先日、「コンテンツマーケティングのはじめの一歩。」という記事を紹介させていただきましたが、今回の記事もエリック氏の記事となります。前回の記事は具体的は方法を紹介していましたが、今回の記事は基本概念に絞った内容となっています。あくまで基本的(もしくは、理想的)な流れを紹介していますが、まとめられたポイントについては納得感があります。コンテンツマーケティングをこれから始める方も、既に始めているが見直しが必要という方にも、一つの参考となっていただければ幸いです。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

効果的なコンテンツマーケティングキャンペーンは、間違いなく、自然検索におけるトラフィックを増加させる。寄稿者のエリック・エンジ氏による、確かなコンテンツマーケティング戦略を実施する方法をお届けしよう。How and Why Content Works

“コンテンツマーケティング”という言葉は、使う人によって異なる意味を持つ。一般的な概念を理解しているマーケターは沢山いるが、彼らはコンテンツマーケティングの仕組みの基本的な要素を見落とし、その結果、その効果を十分に活かしきれていないように感じている。

そこで、この記事ではコンテンツマーケティングの計画を適切に実施するための、基本的な方法をお伝えしようと思う。

まずは定義から見直してみよう。

Definition of Content Marketing

【上記画像和訳】
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを作成し、配布し、共有する一連の行為であり、その目的は、あなたのブランドに対する評判の構築と発見性を高めることである。

この定義には、何か欠けている気がする方もいるのではないだろうか?上記の定義の中に、リンクの獲得についての言及を含めなかったのだが、それに気がついただろうか?

良質なコンテンツマーケティングキャンペーンは、多くの質の高いリンクをもたらす。しかし、リンクをコンテンツマーケティングの目的の中心に据えると、方向性を見失ってしまう可能性があるだろう。評判と発見性を優先することにより、副作用として、最高のリンクを獲得することができるのだ。

今回の記事では、SEOのメリットにはほとんど触れていない。しかし、勘違いはしないで欲しい。効果的なコンテンツマーケティングキャンペーンは、ランキングの上昇、および、自然な検索トラフィックの増加をもたらす原動力となり得るのだ。

リンクはSEOにおいて今でも重要だが、先ほども申し上げた通り、コンテンツマーケティングを旧来のSEOの考えに基づいて実施してしまうと、失敗につながる可能性がある。

この投稿では、主にセールスファンネルの上層部に新たな顧客候補を呼び込む効果に注力して、話を進めていく。

とは言ったものの、あなたの製品を全く購入しない人達との関係を構築してしまうことも、多くある。しかし、彼らがそのコンテンツを広めてくれることもあるため、彼らとの関係性にも大きな価値があるのだ。

また、既に交流を行っている人達をセールスファンネルの後半の段階に導くためのコンテンツは、この記事で扱うコンテンツの性質とは大きく異なる点を予め指摘しておく。

関係性と発見性の観点からコンテンツマーケティングを考える上でベストな方法は、あなたのブランドの認知度を高めることに、最初のうちは注力することだ。

Content Marketing Can Raise Awareness

【上記画像和訳】
認知度
顧客候補
問い合せ
提案/販売
新しい顧客

プッシュマーケティング vs プルマーケティング

Webの誕生がもたらした偉大な変化の一つに、ブランドと顧客の間で交わされる会話を、顧客がより直接的にコントロールすることができるようになったことが挙げられる。

Webが誕生する以前は、コミュニケーションは主にTV、印刷媒体、そして、ラジオを介して行われていた。相互の交流は不可能であり、顧客が望む望まないにかかわらず、コマーシャルのメッセージを受けなければならなかった。

Webがこの状況を変えた。望まない宣伝に消費者が耳を傾けなければならない理由はなくなったのだ。別のWebページにアクセスするか、あるいは、単純にコンテンツを見なければ済むためだ。

Push Marketing Has Been Replaced by Pull Marketing

時間の経過とともに、この変化の影響はより濃く現れるようになる。賢明なブランドは、顧客候補となる人々を魅了し、彼らの生活に役立つコンテンツを作成する必要性に気がついたのである。

このコンセプトは、TVのCMにも浸透するようになった。現在、娯楽的な価値をCMに付加する動きが強まっており、それ故、CMもコンテンツマーケティングの一つとして考えられるようになっている。

顧客候補となる人々がいる場所に向かえ

コンテンツマーケティングを理解する人が増えるにつれ、コンテンツマーケティングに利用することが可能なWeb上のチャンネルの数も増えていった。自身のサイトでコンテンツを配信することも、第三者のサイトでコンテンツを配信して顧客との関係を築くことも、あるいは、ソーシャルメディアプラットフォームを活用することも可能だ。

しかし、多数のソーシャルメディアの選択肢があり、また、コンテンツを配信することが可能な第三者のウェブサイトの数も多い。そのため、大半のビジネスは少数の選択肢に絞らなければならない。こうした理由から、最も価値をもたらしてくれるチャンネルを選ぶことが重要になる。

手を広げ過ぎるべきではない。つまり、あくまでも”顧客候補となる人々がいる場所に向かう”ことを目的とするのだ。この目的を達成するために、ターゲットとなるオーディエンスが望む時に、そして、望む方法でコンテンツを消費できるようにすべきなのだ。

Go to Where Your Prospects Are

【上記画像和訳】
左から時計回り:関連する業界のウェブサイト1 業界内の主要メディア 関連する業界のウェブサイト2 ソーシャルメディア&ネットワーキングチャンネル
下: コンテンツマーケティング 顧客候補がいる場所に向かう

ソーシャルメディアとコンテンツのプロモーション

強固なソーシャルチャンネルを構築することができれば、強力なメリットを得られる。あるいは、有料のソーシャル広告を用いて、より多くのオーディエンスに見てもらう手もある。

多くのブランドが、この取り組みの恩恵を受けてきた。例えば、下の図で示したように、ソーシャルプラットフォームを通じて強力なコンテンツをシェアすることで、大きなメリットを得ることができるのだ。

Synergy Between Publishing Great Content and Social Media

【上記画像和訳】
トラフィック、リンク、新たな購読者
ソーシャルメディアでシェアされると
新たなファロワー、ファン、シェア、+1がもたらされる

ご覧のように、どちらの側にもメリットはある。良質なコンテンツは、あなたのソーシャルメディア上の存在感を強める。ソーシャルでの露出が高まれば、ビジター、購読者、そして、リンクをもたらす機会が増え、あなたのコンテンツにおけるROI(投資利益率)を高めてくれる。

つまり、ソーシャルメディアを担当するチームとコンテンツを担当するチームが力を合わせることが、何よりも重要だと言えるだろう。

ソーシャルが全てではない

さらにコラボレーションを発展させてもらいたい。コンテンツマーケティングは、あなたの会社の評判と可視性の拡大にとって不可欠な存在であるため、PRチームにも協力を求めるべきだ。 PR部門は、あなたが作成したコンテンツの宣伝に役立つネットワークを、多く持っている可能性がある。

また、あなたが行うコンテンツのプロモーションと、PR部門が通常業務として行うプロモーションとの間に、衝突がないように配慮しよう。

さらに、(信じ難いかもしれないが)以下の図でも説明している通り、プレスリリースは今でもコンテンツの可視性を高める上で役に立つのだ。

Press Releases Can Be Beneficial

【上記画像和訳】
左上から時計周り
プレスリリース ワイヤーサービス 他者のオーディエンス あなたのコンテンツへ向かうリンク

PRチームと協力する理由は沢山ある。彼らをチームに招くことを忘れずに。

その他の巻き込むべき人達

(ターゲットのオーディエンスだけではなく)その他にも引き寄せるべきタイプの人達が存在する。

  1. メディア関係者とブロガー(メディア)
  2. インフルエンサー

メディア関係者は、あなたのコンテンツに対する記事を書いてくれるかもしれないし、彼らのサイトであなたのコンテンツの一部を配信してくれることもある。いずれのケースにおいても、オーディエンスにあなたのコンテンツを見てもらえる機会は増えるだろう。

インフルエンサーもまたメディア関係者の場合が多いが、そうだとも限らない。例えば、大勢のソーシャルメディアのフォロワーを抱える人物は、ブログやメディアサイトを運営していなくても、インフルエンサーに該当する。

こうした人々にコンテンツをシェアしてもらえると、大きな利益を得ることになるだろう。多くのメディア関係者にあなたのコンテンツを見てもらえるようになるかもしれないし、記事で取り上げてもらえるかもしれない。インタビューを申し込まれる、あるいはゲスト投稿の機会を与えてもらえる可能性もある。

あるいは、あなたの存在をメディア関係者に知ってもらうことだけでも大きな違いがある。今後彼らと実際に話す機会があれば、あなたが書いた別のコンテンツの話しができるかもしれない。以前あなたのコンテンツを読んだことで既に相手の中で信頼感が芽生えていれば、より有益な対話が行われるだろう。

以下の図は、インフルエンサーがマーケティングミックスにおいて担う役割を説明したものである。

Influencers Can Accelerate Your Content Campaigns

【上記画像和訳】
上から右回り: トラフィック、リンク、新たな購読者
ソーシャルメディアでシェア 新たなフォロワー、ファン、シェア、+1
シェアがプロセスを加速化 リンク フォローする/直接的な接触

目的は関係の構築

評判と可視性を築くことを目指すコンテンツマーケティングは、製品やサービスを宣伝するために実施するのではない。コンテンツを消費する人に、価値を与えることが目標なのだ。

継続的にこうした取り組みを行うことで、直接交流しているわけではなくても、オーディエンスはあなたとの関係が構築されていると感じるようになる。そして、”良い人だ”というイメージがつきはじめる。こうしたイメージは、あなた自身、そして、あなたの発言に対する信頼につながるため、是非、手に入れておきたいところだろう。

関係性の構築が主要な目的である点を考慮し、コンテンツを作る際には以下の点を考慮していただければと思う。

  1. あなたの製品やサービスの宣伝をしない。
  2. 新しく、独自の価値を与えるコンテンツを作成する。
  3. 会話を促し、質問を投げ掛ける。
  4. 投稿した記事、ソーシャルメディアなどで直接コメントに対応する。
  5. 接触してきた人々を助ける方法を探す。

この方針を徹底することで、あなたと読者/視聴者との関係は育まれていくのだ。

まとめ

大半の組織は、上記プロセスの内のいくつかでつまずいている。彼らが直面している共通の問題は以下の様なものだろう。

  1. リンクの獲得に比重を置いてしまう。
  2. ソーシャルメディア/PR部門とのコラボレーションが欠けている。
  3. 利益をあげることが目的でないコンテンツを作成することに消極的であること。
  4. ターゲットとするチャンネルが適正でない。
  5. キャンペーンを立ち上げる前の計画が不十分。
  6. インフルエンサーとメディアへの注力が乏しい。
  7. ターゲットオーディエンスとの関係性の重要度を理解していない。

基本的なコンセプトを正しく理解しておくと、コンテンツマーケティングの取り組みから、より多くのメリットを得られるようになる。また、上の問題のリストに挙げられている問題を複数抱えているなら、一つずつ解決していこう。前へ踏み出すその一歩一歩が、成功へとつながるのだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「How And Why Content Marketing Works」を翻訳した内容です。

前回の記事でも述べられていることですが、コンテンツマーケティングはリンク獲得の手段ではない、という点を改めて解説しています。ソーシャルでの露出が増えることで多くの人の目に触れ、リンクを獲得する機会は増えることにはなります。しかし、最初からリンク獲得を狙ったコンテンツを作成しても、多くの人の目に触れることは難しいかもしれません。結果、すぐに効果がでる取り組みではないとは思いますが、地道にコツコツとやることが、一番の近道となるでしょう。

続きを読む コンテンツマーケティングが上手くいく仕組みと、その理由。

iOS9により、AppleのSiriとSpotlight検索はより優れたものになる。

本日、Appleの新しいオペレーティングシステムであるiOS9の配信が開始されました。いち早くベ-タ版を利用していたダニー・サリバン氏がレポートを掲載しています。検索についての言及は少なくなっていますが、文中に紹介されているエミリー・グロッスマン氏の記事で詳しく書かれています。(近々、SEO Japanで掲載予定です。)今後の検索行動に影響を与えるかもしれない新機能を、自身の見解とともに伝えてくれています。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

この新しいリソースは、引き続き、GoogleをApple独自の検索システムの端に追いやる。しかし、Google Nowは予測機能でさらに先を行っている。

Appleの最新のオペレーティングシステムが本日リリースされる。iOS9だ。iOS9はAppleのパーソナル・アシスタント機能であるSiriとSpotlight検索に改良を加えている。今回変更された内容の要約を記そう。

Spotlight。Apple製の検索エンジン。

昨年、Spotlight検索はあなたのiPhone内の情報以外を検索できるように改良された。画面をプルダウンすれば、”Spotlight 検索”を呼び出すことができる。

今年の初め、ジェイソン・カラカニス氏が非常に優れた記事を書いている。内容は、SpotlightがどのようにしてGoogleを破滅させるか、についてだ。記事内容には非常に同意している。実際にGoogleを破滅させることができるかはわからないが、Appleが今後進むであろう方向と非常に合致していると感じている。つまり、Appleは”核反応”のようにGoogleを破壊するのではなく、ゆっくりと時間をかけて、Googleを”閉じ込める”つもりなのだ。

私が2012年に書いた記事の内容を以下に抜粋する。

もしあなたがAppleであれば、あなたは何をするだろうか?あなたはSiriを、他の検索パートナーと伴に、成長させるだろう。Googleを閉じ込め、検索という領域を勝ち取ることを狙うのだ。

最終的には、あなたはApple製の検索エンジンをローンチすることになる。Webベース版のSiriだ。おそらく、あなたはSiriという名前はそのままにしており、Siri.comを通じて利用できるようになっている。限定されたプロバイダーから、よく検索される情報を取得し、それに対しての答えを提供できるように、ゆっくりと、成長していく。さらに、”バックアップ”の検索エンジンを変更する可能性もある。最終的には、パートナーを必要としない状況になるだろう。ちなみに、GoogleはBingに取って代わられている。ひっそりと。

あなたがAppleであれば、上記の内容がGoogleと戦う術であるはずだ。爆弾は一つも落とされない。消費者は、戦争をしていることにすら、気が付かないのである。

“閉じ込め”の戦争は、Spotlightによって継続されている。しかし、奇妙なことに、Spotlightという名前が表示されなくなっている。下記に、iOS8(左側)とiOS9(右側)の画像を掲載しておく。(私はベター版のiOS9.1を一般公開前に使用することができている。)

Spotlight検索を行う際、あなたは何かに気がつくはずだ。Siriの新しい機能である、”アプリ・サジェスト”が使えるようになっているのである。これは、Siriの”前衛的な”機能であり、これについては後ほど述べたいと思う。

Spotlight内のBingとその他の検索結果

Spotlight検索は、以前と比べ、より多くの情報を提供している。よりリッチな検索結果を表示するようにもなっており、スポーツなどについては”カード”形式の結果を表示しているのだ。例えば、”angels”を検索した場合は下記のような違いがある。左側がiOS8であり、右側がiOS9の検索結果だ。

iOS9の場合は、特定の試合のスコアが表示されていることに気がつくだろう。南カルフォルニアのオレンジカウンティのアナハイムに位置する、ロサゼルス・エンゼルスの試合結果だ。さらに、別の例を記載しよう。

こちらの例では、”Web動画”というエリアが新しく表示されている。Twitterよりも上位に位置し、Bingについてはさらに下に追いやられている。さらに、別の例を記載しよう。

上記の例では、両方のケースでWikipediaをソースとする検索結果が1位に表示されている。奇妙なことに、Notes機能からのコンテンツは合致しないことになっている。Notes機能を同期しているのにも関わらずだ。iOS9ではWeb動画のエリアが表示されている。また、両者ともに、Bingの検索結果は下に追いやられている。

あなたのSpotlightでの検索結果は、インストールしているアプリによって異なるし、逆を言えば、インストールされているアプリのコンテンツはより多く表示されるようになるだろう。これについて(Googleによる同様の取り組みについても)は、エミリー・グロッスマン氏とシンディ・クラム氏が非常に優れた記事をSearch Engine Landに投稿している。下記にリンクを記載しておこう。

GoogleはSafariに留まる

Spotlight検索はBingを去年から採用しており、これについての変更はない。Appleの検索システムからGoogleが閉めだされた格好だ。

しかし、Safariにおいては、Googleは引き続き採用されている。AppleとGoogleの長期に及ぶ契約が数カ月前に満了しているにも関わらずだ。Googleは5月に、この契約についての話し合いは引き続き行われていると発言している。個人的な見解ではあるが、この契約は、実はひっそりと再契約されているか、6ヶ月か12ヶ月ほどの一時的な延長が合意されていると考えている。

Spotlight内のBingのように、Googleは検索エンジンの最終兵器である。デフォルト設定では、Safariはあなたが入力した内容をサジェストするため、Spotlightから内容を引っ張ってきている。検索結果には他のソースからの情報も含まれる可能性があり、スポーツのスコアや天気予報などの場合は、カード形式の情報が表示される場合もある。

下記に、天気予報の表示をiOS8とiOS9の場合で比べた画像を掲載する。iOS8では天気予報のアプリをサジェストする表示となっている。

Siriは前衛的であろうとしている

Apple独自のデジタルアシスタント機能であるSiriは、検索に用いることも可能だ。今月末に登場するiPhone 6sとiPhone 6s Plusでは、”Hey Siri”と呼びかけることで稼働する機能を実装している。ハンズフリーで用いることができ、プラグインの設定も必要ない

さらにSiriは新しい機能を実装している。Appleによる、Siriの新しい機能の一覧はここで確認することができる。その中の一つを取り上げると、特定の場所で撮影した写真を見つけるよう、尋ねることができる機能だ。Appleフォト内の写真の中で合致したものを探してくれるのだ。その他では、マップで特定の場所、例えばグロッサリーストアなどを選択し、”ピクルスを買うことを忘れないように”と伝えることができる。そして、該当のお店に到着した時にその内容を伝えてくれるのだ。この機能は、マイクロソフトのCortanaに似ている。

Siriはあなたが尋ねる前に、あなたが望むものを予測しようとしている。Google Nowが行っている試みと同様だ。この”前衛的”な機能は、Google Nowに追いつこうとする機能だろう。道のりは非常に長いと言える。なぜなら、Siriの場合は、検索やブラウジングの履歴やメールの内容などを参照せず、非常に限定的な方法を採用しているからである。

もちろん、Siriはあなたのメールの内容を参照している。しかし、Cortanaと同様、あなた自身のデバイス内のメールのみを見ているのであり、クラウドに保管されたメールは見ていない。しかも、あなたが、Appleのメールアプリを使用してい場合のみ、該当するようになっている。あなたのメールの内容から学習した内容は、ローカルの場所に保管される。Googleはクラウドに保管されたあなたのメールを見ており、その内容をクラウドベースの場所に保管している。

iPhoneの画面を左側にスワイプすることで、Siriの詳細な予測機能を確認できる。ここでは、Siriがあなたが好むであろう内容を予測し、それについての情報を記載している。良く使用するアプリや、ニュース速報、”近くの〇〇”といった情報だ。

この画像は、上記のページが表示するアプリやニュース速報や近くの〇〇の違いの例だ。昨日の夕方、近くの〇〇はレストランとバーを表示している。今朝の場合は、ランチとコーヒーの場所を表示している。

いずれかをタップするとAppleマップが表示され、関連する情報も併せて表示されている。下記は、私がいた場所の近くのレストランとバーのリストを表示している画像だ。

この機能は、Googleが最近追加したGoogleマップ内のExplore機能に似ている。どちらも非常に優れている機能だ。

Siriは、スケジュールをカレンダーに追加していれば、フライトやアポイントメントの時間を知らせてくれる。また、メールの内容からもお知らせをしてくれるだろう。私がベータ版を3週間試したところ、まだこの機能は動いていないようだ。しかし、いずれ使えるようになるだろう。

最後に、Siriはあなたがアプリを使用している時、よりスマートな機能を提供してくれる。例えば、ヘッドフォンを使用している時、あなたが最後に行ったことを判断してくれる。オーディオブックを聞き、音楽を流していた、というような具合だ。

プライバシーポリシーにおけるジレンマ

概して、追加された機能は非常に優れたものと感じている。Appleは引き続き、Googleを自身の検索の領域の端へと追いやっている。しかし、予測機能の観点からすれば、新しいSiriの機能は、Google Nowと比べ、非常に限定的と言えるだろう。

例えば、Siriはニュース速報を表示してくれるが、あなたが一般的に興味がある分野に限られている。Cortanaも同様だ。しかし、Google Nowはあなたの検索履歴を参照しており、その結果、あなたが興味のある特定の分野のニュースや関連情報を表示することができる。それに対し、ユーザーが特別に何かをする必要はない。

これは非常に優れた機能と言えるだろう。しかし、プライバシーの問題も常に存在している。あなたはGoogleを信用しなければならないし、あなたについての情報がクラウド内に保管されていることも、信用しなければならない。こうした状況を好まないユーザーにとっては、Siriはより魅力的な手段として映るだろう。しかし、同時に失わなければならないものがある。予測機能の精度は、諦めなければならない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「With iOS 9, Apple’s Siri & Spotlight Search Get Smarter」を翻訳した内容です。

記事内でも強調されているSiriとGoogle Nowの比較については、非常に同意です。それぞれの哲学というか、考え方に違いが見られますね。検索における影響は、Appleでも採用を始めたディープリンキングが主になるかと思いますが、上記で述べたとおり、別記事で紹介したいと思います。日本では圧倒的な人気を誇るiPhoneですが、SEOの観点からも色々と考えさせられる記事でした。

Googleは構造化データのマークアップをランキング要素として使用するようになるかもしれない。

Httpsと同様、Googleが普及に力を入れていた分野である構造化データですが、将来的にランキング要素として使用されるかもしれない、といった話題です。Webサイトの内容を正確に検索エンジンに伝える技術となりますが、Googleとしてもサイトの内容を把握するうえで大きな利点があります。(正確に理解することで最適な検索結果を提供する、という意味でユーザーにもメリットはあると言えます。)テストツールの提供など、Googleも普及に向けての努力を行っていますが、ランキング要素として使用されれば一気に普及が進むかも!!??– SEO Japan

*リンク先の記事は全て英語となっております。

この話を聞いたとき、非常にショックを受けた。なぜなら、Googleはリッチスニペットと構造化データのマークアップは検索結果のランキングを上昇させるための手段にならないと、何度も述べていたからである。しかし、Googleのこの件に対する姿勢は、将来的に変更するかもしれない。

Googleのジョン・ミュラー氏が今朝行われたハングアウトでヒントを与えてくれた。21:40頃からこの話題に触れているが、Googleは、いつの日か、構造化データのマークアップをランキングアルゴリズムに組み込むかもしれない、と発言したのである。

ジョン氏は、”徐々に、構造化データのマークアップはランキング要素のような形で扱われるようになると考えている”、という発言をしている。さらに、氏が言及した内容を下記に記載しよう。

例えば、車を探しているユーザーがいて、Googleはそれを認識していたとする。Googleは、車についての構造化データをマークアップしているサイトはここにあります、とそのユーザーに提示できるようになる。そういった意味では、キチンとマークアップされたサイトは非常に便利であると言えよう。なぜなら、Googleはそのサイトのページが車について書かれているかを推測する必要がなくなるからだ。

ジョン氏はGoogleのランキングアルゴリズムの担当であるわけではないが、Googleが構造化データについてどのように考えているか推し量ることができる。氏は、こうした場合にランキング要素として、”構造化データを使用することは確実に理に適っている”、とも述べている。彼が言及した内容を下記に記載しよう。

長期的に見れば、多くのWebマスターが、構造化データをWebサイト上に適切に配置するものであると考えるようになることは、必然であると思う。しかし、構造化データのマークアップを実装したからといって、自動的にランキング上昇を意味するということにはならないだろう。つまり、我々は、技術的な要素を適切に実装しているサイトと、非常に優れたコンテンツを掲載しているサイトの違いを、適切に区別するように努めているのである。

技術的に優れているサイトは、技術的には優れていないがユーザーが求めているコンテンツを掲載いているサイト、と同程度にユーザーとの関連性を保証されるものではないのだ。

下記に該当の動画を掲載しておく。質問が出始めたあたりは飛ばしてもかまわないと思うが、ジョン氏が発言を開始した辺りからの動画を掲載しておく。

この件に関するGoogle+はこちら

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: Structured Markup May Become A Ranking Factor」を翻訳した内容です。

モバイルフレンドリーやHttpsなど、Googleがランキング要素の内容を周知する流れがあるとも言える今日この頃です。しかし、こうした際に留意しておくポイントとして、①SEO目的ではなくユーザー体験の向上を目的とすること、②実装したからといって順位上昇が約束されるものではないこと、が挙げれられるでしょうか。GoogleがWebマスターとのコミュニケーションを強めてくれる流れはありがたいですが、アルゴリズムに左右されるばかりでは元も子もないと、改めて確認したいと思います。

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SEOにおける新たな領域。あなたのアプリを見つけてもらおう。

以前からその重要性は叫ばれていましたが、今年に入ってからは特に、モバイルとアプリに関する話題が多くなってきたと感じています。SEOが検索に伴う技術であるならば、新たな検索場所(モバイル)と検索対象(アプリ)は確実に考慮すべきでしょう。多くの方がすでに認識されていることだとは思いますが、”そもそもなぜ重要なのか?”が上手くまとめられた記事となっています。– SEO Japan

かつて、検索エンジン最適化(SEO)といえば、その全てがWebページを対象とするものであった。しかしながら、当ブログのコラムニストであるジャネット・ドリスコール氏が指摘する通り、事態は大きく変わっている。モバイルの成長とともに、SEOの領域はアプリをインデックスさせる役割も含むようになったのである。

apps-mobile-smartphone-ss-1920

ついにこの時が訪れた。モバイルの時代がやって来たのだ!Google検索の多くは、デスクトップではなく、モバイルで行われるようになり、SEO担当者は、対象をモバイルにも拡大しなければならなくなった。ただし、Webサイトをモバイルフレンドリー化すれば、それで済むような話でもない。Webサイトのみならず、モバイルアプリも考慮に入れなければならない。

SMX West 2015で、ジャスティン・ブリッグス氏は、構造化データについてのプレゼンテーションを行い、SEOの未来に対する奥深い見解を語っていた。彼は、ユーザーのニーズを把握するために検索エンジンが獲得しなければならない知識についての説明を行い、それに関するデータを披露した。さらに、構造化データとモバイルアプリケーションを結びつけるために必要な作業についての説明も行っている。こうした動きは、Google Now On Tap“micro-moments”のメッセージからも、Googleがこの方向に進んでいることを読み取ることができる。

もちろん、すべての会社がモバイルサイトとモバイルアプリを用意しているわけではない。しかし、Criteo社が実施した最新の調査によると、小売業界と旅行業界においては、モバイルサイトよりも、モバイルアプリの方がコンバージョン率が高いという事実もある。

mobile retail conversion rates app desktop criteo

モバイルでのコンバージョンにおいてアプリがどれほど重要な役割を担っていたとしても、ウェブサイトと同様に、アプリを見つけてもらえなければダウンロードしてもらうこともできない。その結果、コンバージョンにも貢献することもない。ここで登場するのが、SEOの新たな領域とも言える、アプリの発見性を高める取り組みである。

Google Playストアは、2015年2月の時点で、140万点以上のアプリを提供しているようだ。これほど多くのアプリが存在するなかで、どのようにあなたのアプリを見つけてもらうのだろうか?

アプリを宣伝する手段は、広告、アプリストア用の最適化、自身のWebサイトに掲載するなど、多数存在する。しかし、Googleは、オーガニックにモバイルアプリを見つけてもらいやすくする新たな手段を追加している。SEOの取り組みを実施しているなら、総合的な最適化のプロセスにおいて、是非ともこの新たな手段を検討するべきである。

Google モバイル検索でのアプリ

モバイルアプリは、以前からGoogleのモバイル検索結果に表示されていたが、モバイルデバイスに既にインストールされているアプリのみが対象であった。

しかし、検索クエリと関連する場合は、モバイルの自然検索結果に新しいアプリのインストールを提案する表示も含まれるようになると、Googleが発表している。つまり、アプリ内のコンテンツが、従来のウェブページと同じように、自然検索を介して見つけてもらえるようになり、新しいユーザーにアプリのダウンロードとコンテンツの利用を促すことができるようになったのである。

Google Now On Tap

2015年5月に行われたGoogle I/Oにて、Googleは、Google Now On Tapの告知を行った。Now On Tapは、AndroidデバイスのGoogle Nowをパワーアップさせたものであり、ホームボタンをホールドするだけで、スマートフォンでどんな機能を利用していても、”その瞬間に”助けてもらえるサービスだ。Googleは、次のようにNow On Tapを説明している。

例えば、新作映画のトゥモローランドを見に行かないかとEメールで友達から誘われた場合、そのEメールアプリを閉じることなく、Google Nowを呼び出し、その映画に対する評価を確認したり、予告編を見たり、チケットを購入することが可能です。その後、即座に今まで実施していたタスクに戻ることができます。

Google Now On Tapは、ディープリンクの設定が有効になっているアプリで動き、今年の後半に発表される予定のAndroid MのOSと共にローンチされる。Google Now On Tapは、ユーザーのデバイスに既にインストールされているアプリに加え、まだインストールされていないアプリに対して、さらなるビジビリティや露出の面で、大きなチャンスをもたらす。さらに言えば、通常のアプリストアとモバイルの検索結果以外における発見性を高めることになる。

App Indexingにより、あなたのアプリの発見性を高める。

アプリをGoogle Now On Tapやモバイルの自然な検索結果に表示させたい場合、App Indexingを実装しなければならない。App Indexingを実装することにより、検索エンジンのクローラーが、ディープリンクを介してアプリのコンテンツをインデックスすることが可能になる(App Indexingを実装するには、アプリのコンテンツに対応するウェブページを用意する必要がある)。

現在、App Indexingは、Androidのアプリを対象としているが、同時にGoogleは一部のiOSアプリに対するテストを開始している(Googleは、このテクノロジーをできるだけ早い段階で公開することを目指しているが、iOSアプリの開発者には一足先にこの技術を利用する特権が与えられている)。当然ながら、Google NowはAndroidのスマートフォンでのみ稼働する。

つまり、SEOを生業としているものの、このテクノロジーをまだ活用していないのであれば、アプリの発見性をタスクの一部に盛り込むことを検討してみるとよいだろう。SEOはウェブサイト限定の取り組みではなく、データの置き場所がウェブサイト内であれ、モバイルアプリ内であれ、ビジビリティを高めるため、より包括的なアプローチを考慮するべき時代に差し掛かっているのだ。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Emerging Role Of SEO In App Discoverability」を翻訳した内容です。

記事中にも触れられている通り、全てのWebサイトがアプリを必要としているわけではありません。そのため、対象者という意味では限定的な取り組みとなってしまいますが、アプリが生命線とも言えるサービスもあるわけで、注目度は高いと言えます。アプリの表示に限らず、Twitterやその他の表示も含まれているため、Googleがいかに最適な検索結果を提供するか、改めてその部分が注目されると感じています。

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検索エンジンの最適化から、検索体験の最適化へ。

2012年にマット・カッツ氏が、先日のSMXではミト・ガンジー氏が、また、その他の方からもちらほら聞かれるSearch Experience Optimization。明確な定義はありませんが、検索エンジンに特化した施策ではなく、ユーザー(検索)体験の最適化を目的としたアプローチです。記事中のクリック率とランキング要素の関係については賛成しかねるところはありますが、目的としている部分は正しいのではないでしょうか?– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

future-search-box-ss-1920

2015年以降のSEOを成功に導くために、我々は何をすれば良いのだろうか?今まで何度となく耳にしてきた以下の指摘は、今まで以上に真実味を帯びてきている。

“優れたコンテンツを作る”

“コンテンツは何よりも重要だ”

“品質の高いサイトを構築する”

しかし、そもそも何をもって”優れた”と言うのだろうか?どのように”品質”を計測すれば良いのだろうか?

ユーザーの期待を考慮せずに、コンテンツの品質を評価することはできない。ユーザーの期待を満たさないのであれば、どれだけ巧みに文章を綴っても意味はない。検索の観点において、質の高いコンテンツを提供するためには、Search Engine Optimazation(SEO:検索エンジン最適化)を超え、Search Experience Optimization(SXO:検索体験の最適化)に発展させることが必要となる。

検索体験はGoogleに始まり、Googleで終わる

通常、ユーザー体験(UX)の最適化は、成功を判断する基準が設定されている。ユーザーをバイヤーにコンバートする、Eメールアドレスを集める、ページビューを増やす、あるいは、ユーザーに広告をクリックしてもらうことなどが、そうした基準に該当する。

また、それらはGoogleの基準ではなく、あくまでも、あなた自身の基準であるはずだ。さらに言えば、基準となる対象はあなたの顧客であり、Googleの顧客ではない。一方、SXOにおいては、Googleの顧客に焦点をあてることとなる。この体験は、Googleに始まり、Googleで終わる体験なのだ。

自分自身の基準に従えば、全ての基準にアクセスすることができる。その中には、明確な基準(購入決断など)もあれば、曖昧な基準(直帰率など)もある。しかし、Googleの基準(彼らが検索結果に対しでどのように計測を行っているか)に関しては、非常に情報が少なくなってしまう。それは、底の見えないブラックホールのようなものだろう。検索体験を最適化するためには、この明らかにされていない箇所にいくばくかの光を当てる必要がある。

あなたが望むものを、あなたはいつでも得られるわけではない

買う意欲のある、予約する意欲のある、購読する意欲のあるなど、自身のビジネスにとって有益な行動を起こす意欲のあるユーザーを私達は求めている。次のチャートは、仮説に基づいたものも含まれるが、検索エンジン経由のビジターによるサイトの利用の内訳を表している。

UserActions

【上記画像和訳】
・シングルページ(直帰)
・エンゲージメント(コンバージョンには至らず)
・Eメールアドレスを残す
・購入

上記のチャートによると、ユーザーの60%はなにも行動を起こしていないことになる。そうしたユーザーは、欲しいものを手に入れることができたのだろうか?また、どのような人達なのだろうか?そして、なぜあなたのサイトにやってきたのだろうか?

(自身のサイトにとって)成功と見なすことができる行動(登録や購入)を取ったのは、10%に過ぎなかった。残りの90%のユーザーはどうだったのだろうか?直帰しなかったユーザーは何をしていたのだろうか?フラストレーションを抱えてサイトを去ったのだろうか?それとも、満足してサイトを後にしたのだろうか?

我々は、自身が望むビジターを常に得られるわけではない。SXOは、我々が望むようなユーザーはもちろん、我々が実際に獲得したユーザーの体験を最適化する取り組みである。それは、Googleの望みと一致しているだけでなく、全てのユーザーをより良く理解することで、我々のビジネスの目標達成にも有効に働くものなのだ。

Googleが望むことは答えを提供すること

ナビゲーショナル検索(特定のサイトに訪れたいという意思が既にある場合の検索)を除き、たとえその形式を成していなくとも、基本的に全ての検索は質問である。非常にシンプルなことではあるが、Googleはそうした質問に対する答えの提供を望んでいるのだ。検索結果で提供されるダイレクトアンサーの数が増加していることが何よりの証拠と言えるだろう。

下記に記載する検索について考えてみよう。

search-intent-examples

【上記画像和訳】

ハイアット リージェンシー ユーザーは価格、アクセス方法、レストラン情報などを求めている可能性がある。
ダイソン ホームズ 家の価格は?学校のシステムは?自分の家の価値は?
ニューバランス 433XB 購入するサイトを探している?レビューを読みたい?製品の詳細な性能を知りたい?
アメリカン エアーラインズ 航空券の予約、出発時間、ポリシーの確認、など。

Googleは、答えを提供する点に関しては成功を収めている。しかし、Googleはどのようにして、成功しているかどうかを判断しているのだろうか?とりわけ、クエリが質問形式ではない場合は。

Googleによる評価方法

Googleが独自の基準を用いて、検索結果の品質を計測していることは明らかだろう。我々にとっての自身のサイトと同様、Googleはユーザーがクリックした結果を元にしたメトリックスをもっているはずである。事実、Googleは先日この点を認めている

Googleがクリックの結果を分析する方針は理にかなっている。Googleが確認している可能性が高く、また、頻繁に話題になっていることも考慮に入れると、下記の要素を見ているはずだ。

  • ショートクリック(Short click)
    ショートクリックは、ウェブサイトからすぐにGoogleに引き返す行為を指す。当然だが、すぐに引き返されてしまう場合、良いシグナルとは言えない。
  • ロングクリック(Long Click)
    ロングクリックには、ユーザーがGoogleに引き返すまでに長時間を要するクリックが該当する。その時間は長ければ長いほど良い。
  • ポゴスティッキング(Pogosticking)
    検索エンジンのユーザーが、複数の検索結果を行ったり来たりする行為を意味する。
  • クリックスルー率(Click-through rate)
    検索結果に表示された頻度とユーザーがクリックした頻度の比率(%)で表現される。
  • ネクストクリック(Next Click)
    ポゴスティック後、ユーザーが次にするクリック。(既存の検索結果、もしくは、新しい検索を実行した後のクリックも含む。)
  • ネクストサーチ(Next search)
    ユーザーが新しい検索に移行したケース。
  • 2回目の検索のクリック率(Click rate on second search)
    パーソナライズ検索や過去にクリックされたことにより、前回のページの順位が上がる。

ネクストクリック

Googleにおいて最も重要なシグナルは、”ネクストクリック”だろう。Googleがクエリに対する答えを提供したいのであれば、ユーザーが次にクリックする結果は、ユーザーが何を知りたいかをGoogleに伝える上で重要な指標となる。例えば、ユーザーは、New Balanceのランニングシューズを買う場所を見つけたのだろうか?ナパのB&Bのレビューを探しているのだろうか?

もしユーザーが同じクエリで異なる検索結果に対し、クリックと”戻る”を繰り返しているのなら、また、Googleに継続して訪問し同じクエリを繰り返しているのなら、ユーザーは既存の検索結果に満足していないことを意味している。反対に、ユーザーが検索結果ページに戻り、まったく異なる検索を新たに実施した場合、ユーザーは検索結果に満足したと考えられる。

Googleは、ユーザーがクリックする行動がランキングに直接影響を与えることを認めてはいない。しかし、影響を与えるとしか私には思えない。仮にランキングに影響を与えないとしても、アルゴリズムの評価と変更に影響を与えている可能性は高いと思う。いずれにせよ、Googleの検索結果にあなたのサイトが表示され、Googleの基準数値が改善されるのであれば、あなたにとって良いことづくめだと言えるだろう。

検索を完了させる

従って、検索ユーザー体験を最適化するためには、ユーザーによる(それ以上の)探索を止めさせ、検索という行為を完了させる必要があるのだ。

ユーザーがGoogleの検索結果に戻り、さらに答えを探す理由がない状況を作り出さなければならない。我々が具体的なネクストクリック後の訪問先を知る手段はない。しかし、ユーザーを理解することで、ネクストクリックに影響を及ぼすことは可能だ。

“検索を完了させる”ためには、ユーザーがなぜ自分のページにたどり着いたかを理解する必要がある。どんな疑問を抱えていたのか?そもそも、どんなニーズがあってGoogleを訪問したのだろうか?

ユーザーが特定のホテルを検索するケースを想定してもらいたい。

  • 最も安い価格を探しているのか?
  • レビューを探しているのか?
  • ドライブのルート情報を必要としているのか?
  • アメニティグッズを調べているのか?

もっともらしい推論を導くことは可能ではあるが、さらなる上を目指してみよう。

キーワードデータ

まずはキーワードのデータをチェックしよう。キーワードのデータをWebmaster Tools(現在はSearch Consoleに名称を変更している)で精査し、検索意図を明らかにするために修飾語句を探そう。まずは、特定のページのタイプ、および、トラフィックが多いページに対するキーワードを確認する。

曖昧で、意図が明らかでないキーワードが多いだろう。例えば、旅行のサイトを運営している場合、修飾語句がない”Hyatt Regency”で100回の検索、”レビュー”、”ルート”、”場所”などの修飾語句がある検索が20回、といった具合になるはずだ。こうした修飾語句とその出現回数は、ユーザーがあなたのサイトを訪れた際に抱く疑問を明らかにする材料になる。

これはあくまでも初めの一歩に過ぎない。 おそらく、あなたが知り得ないクエリも多くあるはずだ。なぜなら、そうしたクエリでは、あなたのサイトはランクインしていないからである。そこで、SEMrushやGoogle キーワードプランナーなどのキーワードツールの登場となる。また、UberSuggestを使ってユーザーのマインドセットを把握する方法もお薦めだ(クエリの量は多くなくても、その他のツールでは盛り込まれていない多くのバリエーションを知ることができる)。

UberSuggest

キーワードデータは、ユーザーの考えていることを把握する上で良い出発点となる。しかし、あくまでも出発点である点を忘れないでもらいたい。それでは次のステップに進んでいこう。

SEO調査

ユーザーがあなたのサイトにアクセスした理由を明らかにするための調査を行おう。私自身、SurveyMonkeyやQualaroo等のツールを使って、長年SEO調査を実施してきた。 当然だが、調査自体はユーザー体験にマイナスの影響を与える。そのため、統計的に有意な値を得られるまでの期間に限定している。通常、100名からレスポンスを得られれば十分だと私は考えている。以下に、調査をする際の注意点を挙げていく。

  1. 検索を基にユーザーを分類する。これはSEOの調査であり、検索エンジンを経由したビジターのみが対象となる(その他のセグメントのユーザーに拡大する価値も、もちろん、ある)。
  2. この調査の目的は、ユーザーがサイトを訪れた理由を知ることだ。 ユーザーを検索に駆り立てた疑問や問題は何だったのだろうか?
  3. 間髪入れずに調査を行う。 待ち過ぎてしまうと、すぐに検索結果に戻ってしまうビジターを対象にする機会を逃してしまう(このタイプのビジターこそ最も調査に含めたい)。
  4. ページのタイプごとに調査を分類する。 例えば、ホテルの施設に関するページにアクセスしたユーザーは、街やホテルを紹介するページにアクセスしたユーザーとは大きく異なる動機を持っている。トラフィックの多いコンテンツに対しては、個々のページで調査を実施したいところだ。
  5. 調査の領域は、SEOトラフィックの大部分である必要がある。

ユーザーに”本日、このサイトを訪問した理由をお聞かせください”と尋ね、理由の選択肢を幾つか用意しよう。その際、”その他”を用意し、あなたが思い浮かばなかった理由を逃さないようにしてもらいたい。例えば、住宅を販売する不動産業者のサイトの場合、以下のような質問が効果的だ。

  • 購入目的
  • 賃貸
  • 家の価格
  • 近郊の学校の情報
  • 見積もり
  • オープンハウス
  • 地図

調査で得たデータに基づいて、ユーザーのニーズに優先順位をつけることが可能となる。予想外の結果が出ることが多いが、それがそのままチャンスに結びつくこともある。例えば、不動産サイトの販売ページにアクセスしたユーザーに対して調査を行い、そのうちの20%が、実は、賃貸も検討している点が判明した、といった具合だ。これはクロスマーケティングを行う絶好の機会となる。

統計的に有意な値

あなたはユーザーを満足させたいはずだ。しかし、全てのユーザーに喜んでもらうことは不可能である。そのため、改善すべきアイテムに優先順位をつけ、できるだけ多くのビジターのニーズを満たすようにしよう。

例えば、レストランのページにアクセスしたビジターの25%が、予約したいと望んでいるものの、予約ができない状態であれば(予約機能が提供されていない、もしくは、ユーザビリティの問題が存在するなどの理由で)、それは大きな課題となるはずだ。仮に、アクセス方法を知りたいと思っているビジターが全体の1%程度であれば、アクセス方法の提供の重要度は遥かに低いことになる。

猶予は10秒間のみ

UXのエキスパートとして名高いヤコブ・ニールセン氏は、数年前にMicrosoft Researchの調査の分析を行っていた。こちらの分析によると、サイトにアクセスしてから10秒以内に最も多くのビジターがサイトを去ることが判明している。そのため、10秒を過ぎると、当該のユーザーがサイトに留まる確率は高くなる。下記に挙げる要素をユーザーに提供する必要があるが、その猶予は10秒間しかないということだ。

  • ビジターが持つ疑問の答えがサイトに存在すること
  • 信頼に値する答えを持っていること
  • その答えを簡単に得られること

これは非常に難易度が高い。あなたは、多くの競合する優先度にバランスを与えるページデザインを作成しなければならない。効果的なランディングページをデザインするためには、ビジターがどんな疑問を持っているのかを知る必要がある。

SEOユーザビリティテスト

ユーザビリティテストは、ユーザーがどの程度、彼らの目的を達成したかを判断する、非常に優れたツールである。現在、ユーザビリティテストはSEOの取り組みの一環として捉えるべきだと思う。UXチームやプロダクトチームがこのタスクに失敗しているのであれば、彼らとともに取り組み、あなたの視点(SEO観点)がユーザービリティテストに含まれているか確認しよう。もしも含まれていないのであれば、彼らにテストから得られた結果を含めてもらうよう、依頼すべきだ。

ユーザビリティに馴染みのないSEOの担当者には、Rocket Surgery Made Easyに一度目を通すことを薦める。 また、非常に有益で迅速にテスト結果を提供してくれるオンラインサービスも存在する。個人的にはUserTesting.com(より本格的なテストに向いている)とFiveSecondtest.comを実際に使ったことがあるので、お薦めしたい。下記に、SEOユーザビリティテスト特有のアドバイスを挙げておこう。

  • SEOのユーザー・シナリオを作成する。背景と目的を設定しよう。検索結果でテストをスタートさせ、検索結果からランディングページへの移動を観察しよう。
  • 最も多くのトラフィックを獲得するページのテンプレートを用いて、ランディングページに焦点を絞る。
  • キーワード分析と調査で明らかになった使用事例や問題に焦点を当てる。

一貫性のあるタイトルとメタディスクリプション

すべての検索が質問であるならば、検索結果ページでは答えが提供されているべきだ。サイトのタイトルは、そのサイトが提供する情報を正しく表現できているか、確認すべきだろう。

あなたの製品の内、半分しかレビューがないのであれば、レビューがある製品の場合のみ、その内容をタイトルとディスクリプションに記載しよう。さもなければ、ユーザーは好ましくないクリックを行うことになり、結果として不満を抱えてしまうだろう。また、”無料”という言葉を使うのであれば、”無料!”としたほうが良いだろう。

ウェブ製品の改善

SEOの役割は広がり、ビジターの問題を理解し、解決することまで求められるようになった。スキルを増やし、今までとは違った領域に踏み込む必要があるため、SEOの担当者にとっては大きなチャレンジとなるだろう。しかし、リンク構築と比べ、遥かに面白く、また、遥かに大きなやりがいを得られるはずである。

もっと言えば、SEOの役割は、あなたの組織内でより厳しい目で見られる可能性もある。なぜなら、学習し、改善することでウェブサイトに大きな利益を与えるようになり、従来のSEOの範疇を超えた影響を与えることになるからだ。”Search Engine Optimization”から”Search Experience Optimization”への移行の素晴らしいところは、サイトへのトラフィックを増やすだけでなく、ウェブ製品自体を改善する効果が見込める点である。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「From SEO To SXO: Search Experience Optimization」を翻訳した内容です。

SEOの対象範囲は広がる一方であり、従来の範囲を元にすると”SEO終了説”もささやかれたりします。(個人的には、人々が検索という行為をやめない限り、SEOの必要性はあり続けると考えていますが。)それでも、目線やアプローチや施策内容は刻々と変化していきますので、有益なサービスを提供できるよう、頑張っていきたいものです。

続きを読む 検索エンジンの最適化から、検索体験の最適化へ。