ネット通販歴10年の経験で学んだECサイトSEOの8つの教訓

今年頑張って更新頻度を高めにしてきたSEO Japanですが6月は色々あって更新控えめで恐縮です。とはいえ、公開する記事はその分濃い目で、ということで今回はサーチエンジンランドからECサイトのSEOに関する有益な記事をどうぞ。 — SEO Japan

前回のコラム「SEOでEコマースの収益を2倍に増やした具体例」(日本語)のコメント欄で、クライアントのサイトに対して、実際に適用することが可能な具体的なeコマースSEOの手法を求めるコメントが寄せられた。

今回の記事では、eコマースサイトのSEOに10年以上携わった経験から得られた、貴重な教訓を紹介していく。以下の8つのeコマースSEO向けのアドバイスには、あらゆるオンラインビジネスに変化を与え、収益を後押しする手法が凝縮されている。

1. インフォメーションアーキテクチャ & URLの構造のSEOへの影響を理解する

E-Commerce SEO Tip #1

大半のSEOコンサルタントと同じように、ウェブサイトの開発プロセスの最後の段階、つまり、インフォメーションアーキテクチャとURLの構造が決定されてから、仕事を依頼されることがよくある。通常、サイトはほぼ完成している – あるいは、既にローンチされている状態である。

これはSEOにとって最悪の状況である。コンテンツの作成は終了し、製品カタログのインポートも終了している。検索エンジンはクロールとインデックスを終えている。既に顧客候補がサイトを訪問している。しかも、- SEOの観点から見て – 内部の構造が劣悪と言わざるを得ない状態になっている。

適切にURLの構造化を行っていない場合、内部のページは、サイト全体を強化するのではなく、お互いに競合してしまう。URLのパラメータ、セッション ID、そして、プリンタフレンドリなバージョンのおかげで、コンテンツが重複する問題がまん延している。ユーザーエクスペリエンスを強化する意図を持つ高度なフィルタリングと検索機能は、この問題を悪化させている。

通常、eコマースサイトのオーナーは、第三者を雇い、サイトの肉付けを行い、特別な機能の実装 & コーディングを行い、完成したサイトをアップロードする – これは、全てプロジェクト自体が完了する前に行わる。その後、様々な問題が発生する – そして、ある段階でサイトのオーナーは、コンサルタントに声をかけて、「SEOマジック」を期待する。SEOは、トラフィックを増やす上で効果があると言う噂を聞いたためだ。少しでもプラスに働くことは積極的にチャレンジする。

これは、SEOコンサルタントを最も困らせる状況(日本語)である。依頼するのが遅過ぎるのだ。多くの調整やコーディングのやり直しが求められる。それでも、ウェブサイトを一から作り直さなければ、マーケットのニーズを満たすことが出来ないサイトもある。このプロセスには、時間とコストが大幅に費やされる。

eコマースSEOのアドバイス #1: ウェブデザイナー、インフォーメーションアーキテクト、そして、SEOコンサルタントを初めからグループで作業させるべきである。すると、ウェブサイトは、より効果が上がり、より最適化が進み、そして、顧客候補が容易に利用することが出来るようになる。

仲間のコラムニスト、トム・シュミッツが、ウェブの構造と内部リンクに関して、SEOに最適なサイト構造と内部リンクの全て(日本語)の中で、適切なアドバイスを提供しているので参考にしてもらいたい。私自身もこの件を詳しく調査し、コンテンツをeコマースサイトに対して構造化する方法に関して実用的な提案を幾つか行っている。

2. 重複するコンテンツの原因を認識し、解決策を探す

新たなクライアントのためにサイトを分析する際、重大な重複するコンテンツの問題に遭遇することがよくある。全体のデザインとコードを修正することなく、この問題を解決するのは容易ではない。

コンテンツが重複する問題の原因は、不十分な計画、軽率なインフォメーションアーキテクチャ、そして、非直観的なウェブサイトの構造が該当することが多い。

eコマースサイトでは、URLパラメータ、セッション ID、そして、プリンタフレンドリなコンテンツのバージョンの利用が、この問題を発生させている犯人である可能性が高い。コンテンツ階層の通常の場所に加え、複数のカテゴリ[キャンペーン]や[オファー]で同じコンテンツが配信されている場合、さらに問題は悪化する。それぞれのシナリオを認識し、計画の段階で予防しなければならない。

eコマースSEOのアドバイス #2: コーディングを始める前に、ディベロッパーに重複するコンテンツの可能性と問題の解決策を把握させる。

デザイナーとディベロッパーは、高度な検索やフィルタリング、robots.txtファイル等の関連する問題、そして、メタディレクティブやロボットの除外の関連するメリットやリスク(利用するべきではないケースを含む)を熟知している必要がある。ページネーションもまたコンテンツの重複を生み出す可能性がある。また、グーグルに対して、正確なページネーションの属性を実装することも重要である。

3. 効率の良いリンク構造を用いて、リンクオーソリティを保つ

eコマースSEOプロジェクトにおいて、効果的なリンク構造は、インフォメーションアーキテクチャ、URLの構造、そして、製品の分類および整理の仕組みに左右される。論理的なカテゴリやサブトピックを割り当てるのではなく、場当たり的に製品を分類している場合、リンクのアーキテクチャは、SEOの観点から見て、効率が悪いと言わざるを得ない。

eコマースSEOのアドバイス #3: コマースサイト内の製品を、トピックおよびサブトピックに応じて、URLの階層に反映されるように、カテゴリとサブカテゴリに分類する。

こうすることで、eコマースサイトの最適化は強化され、人間のビジターに対するユーザビリティは改善される。新たに製品がサブカテゴリに加えられると、ブレッドクラムのナビゲーションが、URL階層内の各レベルに新しいURLを確保し、カテゴリページとホームページに遡る。サブナビゲーションメニューを特定のカテゴリに採用すると、高い階層に位置する、その他の関連するカテゴリにリンクを張ることが出来るようになる。

良質なキーワード分析を行い、完全一致のテキストを計画することで、事実上、内部リンク構築を自動的に実行させることが出来るようになる。新たに製品ページを加える度に(新しいランニングシューズ等)、URLの[shoes/running-shoes]を促進するだけでなく、同時にリンクジュースを高い階層にある[shoes]カテゴリにも送り込むことが可能になる。

関連するカテゴリにリンクを張ったセクション/カテゴリレベルのメニューを用いると、グーグルのクローラが、サイトの全てのセクションにアクセスし、その他のコンテンツとの関連性を考慮してページを確認して、容易にランクを決定させる効果が見込める。

一方、フラットなURL構造をもたらし、サイトの関連性の薄い部分にリンクを張ることがある、大きなメニューとドロップダウンメニューは避けておいた方が無難である。オーソリティ、パワー、そして、ページランクが漏れてしまうためだ。

4. SEOの自動化は(時折)有効

SEOに関して言えば、「自動化」と言う用語は、ネガティブな意味を持つことが多い。事実、私自身がSEOの「自動化」を回避する方針を持っている。しかし、自動化を促すことが有効に働く、例外のケースがある。例えば、プログラマーにオンサイトの要素(タイトルタグ等)をSEOのコンサルタントが決定したフォーマットを基に自動化してもらうケースが考えられる。

大量の製品を掲載するeコマースのストアでは、この取り組みは便利である。タイトルタグ等の要素を自動化して、適切なターゲットのキーワードを含めつつ、ユーザーフレンドリーな情報を提示させることが出来るためだ。

eコマースSEOのアドバイス #4: 大規模なeコマースサイトに関しては、新しいページに対して、SEOフレンドリーなタイトルタグとメタディスクリプションを作成する作業を自動化する方法をディベロッパーに伝える。

こうすることで、長期的に見ると全ての関係者の時間と手間を省くことが出来る – そのため、タイトルタグに通常費やす時間よりも長くかかっても、適切に実行することが肝要である。サイトワイドに展開される点を忘れないでもらいたい。タイトルタグとメタディスクリプションをeコマースサイトの製品ページに表示するコンテンツに応じて、言葉を選ぶ仕組みを技術者に対して、明確に指示する必要がある。

個別の製品名やタイトルをH1タグとタイトルタグで利用するだけでよい。ディベロッパーは、容易に、そして、速やかにプログラミングすることが出来るはずだ。また、ページのコンテンツ自体からテキストを集めて、製品ページに対するメタディスクリプションを動的に作成することも可能である。

申し分のない滑り出しだが、他にもやらなければならないことはある。リッチスニペットは、検索結果ページのCTRを高める効果がある。SEOコンサルタントが支援することで、ディベロッパーは、SEOの知識がなくても、素晴らしいタイトルやメタディスクリプションを提供することが出来るだろう。

5. 小さな反復プロセスは非常に効率が良い

計画に失敗すると、プロジェクト自体が失敗する。SEO戦略は全て重要だが、戦略および実装を行う際、ある要素が他の要素よりも重要になることがある – ここで「小さな規模でスタート」する方針が鍵を握る。

eコマースサイトのオーナー達は、全てを一度に変えようとする傾向がよく見られる。サイトを変身させ、全てのページをグーグルで上位にランクインさせようとするサイトのオーナーが後を絶たない。必要以上に変更を加え、効果が不確かな状態で、過剰に大きなリスクを取ってしまうのだ。

eコマースサイトSEOのアドバイス #5: サイトの一部に焦点を絞った小規模なプロセスを実施すると、飛躍的な効果が見込める。

変更をテストする必要がある。効果がある点を確認するのだ。何をするべきか、そして、どうするべきかを理解したら、サイト全体で変更を展開する。最も重要な変更点から手をつけよう。大半のディベロッパーやデザイナーは、仕事の時間が限られている。そのため、作業を第三者にアウトソースする際、スクラム、または同等のシステムを採用する可能性が高い。この際、重要になるのがタイミングである。一度に一つのタスクを割り当てる方が、通常、結果的に作業は捗る。

6. eコマースのトラッキングシステムを実装する

多くのウェブサイトのオーナーは、トラフィックの増加を、正しい方向に向かっており、賢く、効率的な取り組みを行っている良い兆候と見なす。しかし、トラフィックが売り上げにコンバートしていなくても同じことが言えるだろうか?

eコマースSEOのアドバイス #6: グーグルアナリティクスでeコマーストラッキングを有効にして、クライアントが実際に稼ぎだしている収益を把握する。

私のクライアントのほとんどは既にグーグルアナリティクスを利用している。コンサルタントとして、私は早い段階でeコマーストラッキングが設定/実装されていることを確認する。こうすることで、SEOの改善により、増加した収益の額が明らかになる。ページビュー、クリック数、あるいは、ランキングの増加よりも、実際の金額で成果を見せる方が効果的である。金額に勝るものはない。

サービスの価値を常にアピールしなくても済むなら、クライアントとの仕事は大幅に楽になる – エネルギーと集中力をより優先順位の高いアクティビティに投じることが出来る状況の方が、クライアントにとってもプラスに働くはずである。また、eコマーストラッキングは、クライアントのオンライン(またはオフライン)のマーケティングにおいて、効率的ではないセクション、または、ビジネスに十分な価値を与えていないセクションを素早く特定することが出来る。

データで武装することで、単なるグーグルの仲介者ではなく、eコマースビジネスの収益にとって有益な人物として認めてもらえるようになる。すると、採用期間が長くなる。私を雇う時間数について、クライアントが気にしなくなるのだ – 高いROIが実証されているためだ。SEOコンサルタントにとっても、クライアントにとってもお互いにメリットがある。

1年間で収益を100%増加させる計画を策定し、グーグルアナリティクスで進歩を共有しながら、計画を実行に移していくことで、提案した計画を実施し、最後まで実践する上で必要な支援と承認を得ることが出来るようになる。たった、10万ドルで1000万ドルを稼ぎだすことが出来るなら、反対する人などいるがない。抵抗ゼロで予算を確保することが出来るだろう。

7. 従来のSEOは今でもeコマースSEOに有効

従来のSEOは今でも十分に効果がある。eコマースサイトでは、製品ページのパフォーマンスが低いケースがよく見受けられる。コーディング、テキスト、そして、その他のコンテンツが原因になっている。また、製品の情報が少なすぎる、固有のコンテンツが欠けている、または、サイトの別の場所に同じアイテムが掲載されていることが、パフォーマンスを落としている可能性もある。

eコマースSEOのアドバイス #7: 製品に関すテキストが存在しないなら、上位にランクインすることも、検索トラフィックをサイトにもたらすことも不可能である。

コンテンツが必要である。イメージ、動画、そして、適切なキーワードのターゲティングが欠けているなら、競争の激しい分野で勝負するのは不可能に近い。ガイドチェックリストを使って、適切な取り組みを行ってもらいたい。

まずは、サイトの別の場所、または、別のオンラインのリソース(競合者のウェブサイトやベンダーのウェブサイト)に掲載されているコンテンツを再び配信する行為は慎むべきである。重複するコンテンツはグーグルの怒りを買う可能性があり、上位にランク付けしてもらえなくなる。

8. ダッシュボードを作成し、金額を報告する

派手な写真やカラフルなグラフやチャートを用意するだけでは、クライアントを説得することは出来ない。ビジター数、クリック数、ページビュー数についてアピールするだけでは、疲れるだけで、厳しい表情の経営者達を納得させることは不可能である。何が言っているのか分からない人も多いはずだ。つまり、信頼してもらうため、そして、予算を確保するために、さらに労力を費やさなければならなくなる。

eコマースSEOのアドバイス #8: グーグルアナリティクスでダッシュボードを作成し、SEOの取り組みを介して得た金額を明確に示す。

その他のマーケティングミックスの取り組みと比較しよう。SEOの取り組みが利益をもたらしている点を証明することが、契約の続行を勝ち取る上で鍵を握る。ダッシュボードを作成して、最も重要な数字を提示するのだ。

金額に焦点を絞るべきである。これはクライアントからの信頼を高める上で効果がある。クライアントは、SEOコンサルタントのことを食物連鎖の高い位置にいる存在であり、優先する必要があると考えるようになる。「単なるSEOに詳しい人」と過小評価されることはなくなるだろう。

優れたSEOコンサルタントは、優れたウェブアナリストでもある。しかし、クライアントはこの点を理解していない。ダッシュボードを利用することで、クライアントに自分の価値を分かってもらうためのスライドやスプレッドシートのプレゼンを作るために時間を無駄遣いしなくても済む。すると、クライアントの収益をさらに増やすアクティビティに時間を注ぐことが可能になる。

その他の教訓 & 収穫

  • SEOは飾りではない。初期の段階で盛り込む必要がある、重要な材料の一つである。
  • そのまま利用することが可能な、既成のSEOが施されたeコマースプラットフォームは存在しない。SEOフレンドリーなプラットフォームは、インストール後にSEOのエキスパートが調節および最適化を実施することが可能である。
  • SEOは応急措置ではない。この考え方に固執すると、多くのセールスを逃してしまうだろう。

今回の投稿では、多くの大規模なeコマースサイトにSEOを実施した経験から得られたアドバイスを紹介した。今度は皆さんの意見を聞かせて頂きたい。

  • 今回のアドバイスに関する感想を聞かせてもらいたい。
  • 皆さんにとっての最も効果的なeコマースSEOのアドバイスは何だろうか?
  • SEOコンサルタントとして、eコマースのSEOを担当した際に、特にどのような問題に苦労させられただろうか?
  • 最後にその他に何か質問はあるだろうか?

考え、提案、そして、コメントを聞かせてもらいたい。効果的なeコマースSEOについて熱い議論を交そうではないか。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「8 E-Commerce SEO Tips Gathered From A Decade Of Consulting」を翻訳した内容です。

10日ぶりの記事にふさわしい?、中々に充実した記事だったのではないでしょうか。私も現在、2つのECサイトを運用中ですが、ここに書かれた内容はどれも100%実用的&参考になりますし、改めて実践しきれてないと思うものもあり、早速担当者に伝えようと思った所です・・・(担当者さん、仕事増やしてごめんなさい)。 — SEO Japan [G+]

今後のリンク構築に求められること

大きな話題となっていたペンギンアップデート2.0も意外と地味な着地をした様子ですが、Googleのアルゴリズムがどれだけ進化するにせよ、リンク構築の重要さと難しさは当面変わることはありません。今回はSEO Bookがこれからのリンク構築の在り方について深く語った記事を。 — SEO Japan

常識では考えられないリンクに関する被害妄想がまん延している。「不自然なリンクの通知」が飛び交うにつれ、もともと神経質なSEO業界は、最近、新たな境地に足を踏み入れている

リンクの一部(サイトの規模が大きいため、数百本に達する)が、グーグルのアルゴリズムにおいて、サイトにダメージを与えているのか気になって仕方ない。外部サイトへのリンクを「rel=”nofollow”」に変えようかと思っている。出来れば変えたくないんだけど … 」

跪き、リンクスパムを行ったことを認め、許しを請おうとするサイトのオーナー達が続出している。しかし、謝罪しても、サイトをSERPに戻してもらえないケースが多い。復帰を認められるものの、ランキングとトラフィックは回復しないサイトが存在する。その一方で、同じようなリンクを持っている多くのサイトが、ペナルティを免れている。

これは、グーグルに決定権を与えるデメリットだと私は思う。

リンクの削除

サイトのオーナーが、リンクに問題があることをグーグルから告げられると、フォーラムに姿を現し、状況を説明するため、効果が数倍に増す。

グーグルは、わざわざ「不自然なリンク通知」と言う茶番をなぜ演じているのだろうか?

グーグルがあるサイトへ向かうリンクに問題がある点に気づいたなら、ウェブマスターにリンクを削除するよう促すレポートを送るのではなく、単純に削除する、あるいは、価値を軽減すればいいのではないだろうか。そして、リンクの価値を考慮しない点をウェブマスターに伝えることも出来るはずである。

グーグルの戦略はPRであり、リンクの買い手と売り手の間に爆弾を落とすための取り組みだと仮定する人もいる。なぜ、そんなことをするのだろうか?リンクはリンクでも、グーグルは、自分達が気に食わないリンクを見極めることに苦労していると思われる。

そこで、グーグルは助けを得る。

再掲載リクエスト付きのリンクの否認ツールの提供は、賢明な策だと言えるだろう。リンクを買ったことをサイトのオーナーに認めさせ、リンクを買っている場所を指摘させる、もしくは、コストをかけずに質の低いリンクのデータベースを構築することが出来るなら、これ以上優れた労働力をアウトソースするシステムは他には考えられない。

サイトを運営しており、大量のリンクを削除する必要がある場合、その作業は容易ではない。大変であり、時間がかかり、また、最終的にその努力は無駄に終わる。

多くのサイトのオーナーがリンク否認リクエストに群がり、リンクの削除に対する費用を要請する事態に発展した。リンクのオーナーを確認し、リンクを見つけ、削除し、サイトをアップデートするには、時間と労力が必要とされるため、気持ちは分かる。

明らかに辟易しているディレクトリのオーナーは次のように正直な気持ちを吐露している:

脅迫?脅迫しているのはグーグルだ。料金を払って掲載してもらったディレクトリが脅迫しているわけではない。大事なことを言っておこう。削除してもらいたいなら、私は削除料金を要求する。この作業に価値がないと思うなら、付きまとうのは止めて、これ以上eメールで無料でリンクを削除して欲しいと頼まないでくれ。

リンクを探し、削除して、削除されたことを確認し、eメールを送信して確認する。5分間で終わる。そのためには29ドル支払ってもらう。それが嫌ならeメールを送らないでくれ。一分たりとも無料で働かなければいけない義務はない。29ドルと言う料金設定が脅迫に近いと指摘するeメールが送られてきたことがある。そのため、29ドルではなく – 新たに109ドルを要求することに決めた – これが脅迫だ。

念の為に言っておくが、グーグルのランキングを操作することを理解して、料金を支払ってディレクトリにリンクを掲載してもらい、今度は、自分のグーグルのランキングを再び操作するために、料金を支払ってディレクトリから抜け出す。自分で決定を下した点を忘れないでもらいたい。誰かのせいにして不満を言うのは筋違いだ。自分の失敗の後始末は自分一人でつけてくれ。

なるほど。

いずれにせよ、当該のリンクが実際にサイトにダメージを与えているなら – 議論の余地はあるが – 次の展開は誰にでも読めるはずである。サイトのオーナー達は、ディレクトリに対して、大量に、そして、迅速に競合者のリンクを投稿することになる。

それでは、ネガティブSEOについてマット・カッツ氏に語ってもらおう….


回復する保証はない

多くのサイトは、どんなことをしても、グーグルのペナルティから回復することが出来ないだろう。

どれだけ懺悔しても、印が消えることは永遠にないと考えられる。グーグルは、アドワーズで過去の行動を考慮に入れている。そのため、同じような印が自然な結果でも永遠に残ると考えても、決して飛躍し過ぎているとは言えないはずだ。

サイトが現在推進している取り組みではなく、過去に推進した取り組みが要因になっている。
なぜグーグルは過去の取り組みを恨んでいるのだろうか?恐らく、何年も前に、アフィリエイトがかつてドメインをかき回し、葬っていたやり方を問題視しているのではないだろうか…

これが、一部の回復したサイトが、以前よりもランクが落ちている理由なのかもしれない。永遠にマイナスの印を背負っていかなければならない可能性がある。

しかし、実際にサイトがSERPに復帰した際に、ランキングとトラフィックが落下していたとしても、それが質の低いリンクや過去の行動と全く関係がないこともあり得る。ランク付けにはその他にも多くの要素がある。また、グーグルのアルゴリズムのアップデートは、じっとしているわけではないため、原因を突き止めるのは容易ではない。

SEO業界が妄想に走っているのはこのためだ。

ブランドは逃げられるのか?

マット・カッツ氏は、大きなブランドもペナルティーの対象だと明言している。Interflora UKの件を覚えているだろうか?

グーグルは確かに大きなブランドにも罰を与えているのかもしれないが、無名のサイトに対して課される罰とは全く異なる罰が与えられているようだ。ユーザーが期待するサイトがSERPに存在しない場合、グーグルの立場が危うくなるため、大きなブランドは、容易に復帰することが出来る。

BBCが – 楽しそうに – 説明したこのレポートが典型的な例である:

私はBBCのサイトを代表する立場にある。土曜日、BBCは「検知された不自然なリンクの通知」を受けた。BBCのサイトは巨大であり、また、個々にサブセクションが乱立し、大勢のオーサーやエージェントが関与している。そのため、当該の「不自然なリンク」が存在する場所のヒントを教えてもらえると有難い。

私がBBCのウェブマスターだったら、通知を無視するだろう。グーグルはBBCのサイトのランクを落とすことはない。なぜなら、自分達のイメージが悪くなるからだ。BBCに向けられたリンクの一部を問題視しているなら、グーグル自身が問題を解決するべきである。

辛抱して、前に進め

アグレッシブなリンクスキームに関わったなら、ゲームの仕組みを理解していたはずである。関連性を人為的に押し上げることを望み、そして、リンク構築を行った結果、SERPでのランクの上昇を勝ち取ったのだ。

これは、被リンクを考慮するグーグル、つまり検索エンジンが“デザイン”した仕組みを操作していることになる。グーグルは意図的に多くのリンクが向けられたサイトを少ないサイトよりも上位にランク付けする。

サイトのオーナーは、あまりアグレッシブな手法を利用しない競合者を傍目に、この成果を存分に味わった。この取り組みの短所は – どんな取り組みにも弱点は付きもの – 関連性において、グーグルに人為的な後押しを見つけられたら、ドメインを葬られるリスクがある点である。

これもゲームの一部である。

抗議を行うウェブマスターもいるが、グーグルは全く関心を持っていない。そのため、最初からこのリスクを考慮しておく必要がある。

戦略的な面で、主に2つの視点でこの“ゲーム”を見ることが出来る:

モグラたたき: 負けを見越してアグレッシブなリンク構築を行う。叩かれたら、それはこの試みを行う代償だと考える。様々なドメインを運営し、異なるリンクグラフを用意する。常に一部が生き残り、ゲームに切れ目なく参加することを願う。一部のドメインが打撃を受けたら、我慢する。復活させる試みを行うものの、うまくいかなかったら諦めて前に進む。

グーグルを無視する: グーグルの存在を無視してサイトを運営すれば、グーグルからペナルティを課される可能性は低い。ただし、成功の保証はない。いずれにせよ、ペナルティと低いランキングは、結果においては同等の意味合いを持つ。

一歩離れて状況を見てみよう。グーグルのランキングにビジネスを依存している場合、これも立派なリスクである。背負う価値のあるリスクではないと指摘しているわけではない。あくまでも、ビジネスにとって負う価値のあるリスクかどうかは、当事者にしか分からない。

モグラたたき戦略が自分のビジネスに向かず、グーグルの逆鱗に触れるリスクを減らしたいなら、トラフィックを得る手段を多様化して、トラフィックのソースが一つなくなっても、ビジネス全体を失わないように工夫する価値はある。長期的にビジネスを運営するつもりなら、ブランドを確立し、トラフィックを多様化し、そして、自然なSEOのトラフィックをボーナスとして対処する方針を検討してもらいたい。そうすることで、グーグルへの依存度が大幅に減るため、グーグルが何をするにせよ、あまり心配しなくて済む。

2つの戦略を同時に用いるサイトもある。これはリスク管理の手法として理解できる。大半のサイトのオーナーは中間に位置し、最善の結果を期待する。

前進するリンク構築

グーグルの恐れ、不安、そして、疑いをベースとした戦略により、怯える、または、混乱する、あるいは、その双方に該当する数多くのサイトのオーナーが続出するだろう。

何が許容されているのだろうか?

問題は、現在許容されている行為が、来週には許されない可能性がある点である。サイトのオーナーが、あるリンク戦略を採用したら後戻りするのは不可能に近く、また、数年後に何が禁止されているのか誰も分からない。

当然ながら、リンク戦略の目的が“ランキングを高める”ことなら、グーグルはサイトのオーナーに「リンク戦略」を考えてもらいたくないはずである。この点に関しては、グーグルの方針は変わっていない。

リスクの低いアプローチを望むなら、グーグルのトラフィックをおまけとして考えた方が得策だ。ウェブマスターワールドを設立したブレット・タブキ氏は、「検索エンジンは存在しないものだと思え」、または同じようなメッセージが綴られたステッカーをモニターに貼っていた。SEOを超えた戦略的な思考を促されるため、今こそこのステッカーが役に立つのではないだろうか。グーグルからサイトが消えても、ビジネスを引き続き運営することは出来るだろうか?その答えがNoなら、戦略を考え直すべきである。

妥協案は考えられるだろうか?

時の試練に耐えられる可能性があり、グーグルの気まぐれな行動にも負けない戦略を組み込んだ、リンク構築に対するアプローチを幾つか紹介する。全てのアプローチにおいて、リンクの価値の一部がランクの高さであれ、SEO以外の理由でリンクを獲得する点が鍵を握る。

1. パブリッシャー

オーディエンスにとって関連する、有益なコンテンツを配信する。

あるトピックに関する情報を掲載したページを投稿するだけでは不十分であり、情報の実用性を証明する必要がある – 要するに、他の人達が情報を有益であると見なし、参照し、アクセスし、そして、話題にしている必要がある。資金をリンクの購入に費やす代わりに、コンテンツの作成、そして、オーディエンスへの宣伝に資金をつぎ込もう。 するとリンクが自然に集まる可能性が高くなる。受動的にリンクを獲得するのだ。

このタイプのリンクが集まってくる分には、リンクグラフは自然に見え、要な特徴にはならないため、問題視されないだろう。その他のシグナルがこの特徴を打ち消し、インパクトを抑えてくれる。

固有で、質の高い情報を基にしたブランドを構築し、複数のチャンネルを介して売り込むことで、リンクが集まり、その結果、グーグルのランキングが引き上げられる傾向が見られる。何よりもハイレベルな実用性を証明するべきである。

このモデルの問題点は、その他のサイトに容易に実用性を盗まれてしまう点だ。これは大きな問題であり、質の高いコンテンツへの投資を躊躇させている。この問題を回避する方法として、一部のコンテンツを客寄せ目的で使って、残りを有料線にする手が考えられる。十分な量のコンテンツをオーディエンス、そして、グーグルに公開し、そして、残りを見たい人に登録を求めるのだ。

コンテンツの全てをクローラーに与える見返りについては慎重に考える必要がある。「コンテンツ」ではなく「実用性」を与えることを重視してもらいたい。

2. 差別化

リンクの獲得に関しては、先発者利益が大きい。

新しい分野が開拓され、誰よりも早く、または、早い段階でその分野に進出すると、比較的に簡単に信頼できるリンクグラフを構築することが出来る。分野が拡大し、新たな層のアクティビティが活発化し、- ブロガー、メディア、そして、その他の情報のキュレイターがコンテンツの作成を始める。あらゆるニッチに共通することだが、スタート地点では、話題になる人数が限られるため、早く行動を起こすと全てのリンクを手に入れることが出来る。

分野が成熟していくと、マイク・グレハン氏が巧みに表現しているように「汚れたリンクが増加」する。

ウェブの新しいリンクは既に多くのリンクを持つサイトに向かう傾向があり、基本的にこの構想は新しいページや知名度の低いページとって不利である。検索エンジンが、人気の高いページを毎回上位にランク付けすると、このページを発見し、リンクを張るユーザーが増えていく。

早い段階でこのように全てのリンクを獲得したサイトは、結果の上位に掲載されるため、時間の経過とともに更にリンクの本数を増やしていく。今の行動を続けていればよい。何か常識を超えた行動に出なければ、後に参加したサイトが古株のサイトに打ち勝つことは難しい。常識を超えた行動とは、本質的に、新しいニッチへのシフト変更を意味する。

競争の激しい分野に遅れて参加しているなら、差別化について本気で知恵を絞りだす必要がある。その他のサイトとは異なり、何を提供することが出来るのだろうか?このような分野では卓越したコンテンツが要求される – 取り上げる価値のあるコンテンツが求められているのだ。

当該の分野は新たな方向に向かって動いているだろうか?もしそうなら、この方向に狙いを定め、誰よりも早く動きだすことが出来るだろうか?ニッチの現在の場所ではなく、今後向かう場所を察知し、予めその場所に向かうのだ。

「ありきたり」のコンテンツは、リンクを張ってもらえず、興味を持ってもらえず、上位にランク付けしてもらえず、話題に上げてもらえない – 当然だ。ウェブは、コンテンツには不足していない。ウェブには無数のコンテンツが存在し、グーグル等の企業が対処可能な10本のリンクに縮小し、大儲けしている。

3. ブランド

ブランドはグーグルから身を守る究極の戦略である。

ブランドだからと言って、グーグルのペナルティから逃れられるわけではない。実際に、ブランドもペナルティを科されている。しかし、科される量刑に差がある。ブランドの規模が大きければ大きいほど、量刑が少ない、もしくは短い。なぜなら、ウォルマートやアメリカ政府がどれだけグーグルをスパムしても、グーグルはこのようなサイトを表示せざるを得ないのだ。この2つのサイトがアグレッシブなSEOの戦略を採用している、または、その必要があるわけではないが、確実にグーグルに掲載してもらえる。

大きなブランドである必要はない。ただし、固有のブランド名に関してある程度の量の検索が行われている必要はある。当該のニッチで十分に知られているなら、- つまりタイプインの検索が十分に行われているなら、グーグルはブランドをSERPに表示させなければならない。さもなければ質の低い検索結果だと思われてしまう。

だからと言って、低俗な行動を取っても許されるわけではない。しかし、タイプインのトラフィックが多ければ多いほど、グーグルにかかるプレッシャーは大きくなり、上位に格付けしてもらいやすくなる。

ブランドネームに向かうリンクは、フッターの「オンラインで激安価格の薬を購入」等のリンクと比べ、無理やりリンクをを張っているようには見えない。リンクを張る側はブランドの名前を知っており、- 自然に – 名前を使ってリンクを張り、名指しで話題に取り上げている。

サイトが包括的であればあるほど、弱くなる。なぜなら、包括的なキーワードの用語に合わせている場合、当該のスペースを自分のものにするのが難しくなるためだ。常に若干 – あるいは大いに – 無理やりリンクが張られているように映ってしまう。

キーワードが掲載されたリンクを得ても構わないが、固有のブランドを確立する取り組みも忘れずに行ってもらいたい。そうすることで、当然ながらリンクグラフは自然に見えるようになる。質の低いリンクが数本あったところで、多くの自然なブランドリンクが作り出す良いシグナルを踏みにじる結果にはならないだろう。

4. エンゲージメント

ウェブは“場所”である。

この場所には大勢の人々が存在する。そして、人と人の間には関係が存在する。ウェブ上の人と人の間の関係は、リンクとして表現されることが多い。フェイスブックのリンクかもしれないし、ツイッターのリンクかもしれない。コメントのリンクやブログのリンクの可能性もあるが、リンクであることに変わりはない。クロール可能かどうか、no-followかどうかに関わらず、リンクは関係を表す。

グーグルが生き残るためには、この関係を理解しなければならない。

だからこそ、- ネガティブSEOを除く – 全てのリンクは価値を持つ。実際の関係のシグナルが多ければ多いほど、客観的に見て関連性が高いため、より上位にランク付けされる*べき*である。

そのため、関係とエンゲージメント(交流)を育む方法を探してもらいたい。ゲスト投稿かもしれないし、別のサイトにコメントを投稿する行為かもしれない。フォーラムに寄稿することだって出来る。インタビューを実施する手もある。インタビューを受ける側に回っても良い。会社との関係を構築することも可能だ。チャリティーへの貢献かもしれない。カンファレンスの参加なのかもしれない。影響力を持つ人物への接触がこの方法に該当する可能性もある。

全てに共通するのは、ネットワーク作りである。

そして、ネットワーク作りを行うと、副産物としてリンクが付いてくる。

しかし、気をつけてもらいたい点がある:

長い – 400ワード以上 – の固有の記事を提供する必要がある。リンクを張ってもらい、読者に没頭してもらい、コンテンツファームではなく、オーディエンスが実際にアクセスするサイトに掲載する必要がある。

実用的かどうか」自分自身に問いかけてもらいたい。

5. ニーズを満たす

このポイントは、差別化に似ているものの、若干焦点が絞られていると言える。

ある分野でオーディエンスが抱えている問題について考えてみよう。解決するのは困難な問題だ。「how to」、「ヒント」、「アドバイス」等々。

難問を解決すると、とりわけ本来ならば料金を支払わなければならない場合、オーディエンスは、義務感を持つようになる。この義務感をリンクの獲得に結びつけることが出来るなら、都合がよい。例えば、「この記事/動画が役に立ったとしても、料金を支払う必要はありません。その代わりに、リンクを張る/ツイッターでフォローしてもらえると嬉しいです」等のメッセージを送る手が考えられる。ここまであからさまに訴える必要はないが、時には露骨なアピールが求められることもある。こうすることでエンゲージメントは促され、ネットワークが作られ、リンクは構築されていく。

リンクに結びつくコール・トゥ・アクションを盛り込む方法を考案してもらいたい。

最後に

ちなみにシーザーズパレスはグーグルを拒否したようだ :)


この記事は、SEO Bookに掲載された「Link Madness」を翻訳した内容です。

SEO Bookらしい記事でしたが、大局的にSEOやリンク構築を理解するために考える要素が色々詰まった充実の内容だったと思います。月曜朝一にしては濃すぎましたが時間がある時にじっくり読み直したい記事でした。 — SEO Japan [G+]

GoogleのSEO責任者が語るSEO業界の3つの誤り

マット・カッツが最近積極的に行っているSEO関連のビデオ映像シリーズでちょっと面白い内容があったのでご紹介。 — SEO Japan

cutts-google-seo-misconceptionsグーグルの検索スパム対策を統括するマット・カッツ氏が、「SEO業界の誤り」と題した動画を新たにリリースした。この5分間の動画では、カッツ氏は次の3つのトピックを取り上げている。

(1) SEOの関係者はデータの更新とアルゴリズムのアップデートを混同している。

(2) パンダ & ペンギンアルゴリズムの意図は、短期的にグーグルにより多くの利益をもたらすことではない。

(3) SEOは、リンク構築に余りにも多くの時間と労力をつぎ込み、検索エンジンについてばかり考えている。

以下に当該の動画を掲載する。その下に概要を紹介する:

アルゴリズムのアップデートとデータの更新:

マット・カッツ氏は、SEOの関係者は、よくデータの更新とアルゴリズムのアップデートを混合しており、これは大きな間違いだと指摘している。この点に関しては、少なくとも一度はこのサイトでも取り上げた(日本語)ことがある。要するに、アルゴリズムのアップデートとは、検索結果のランク付け、インデックス、そして、フィルターの仕組みを変更する取り組みであり、一方、データの更新とは、アルゴリズムを動かすデータをアップデートする取り組みである。例えば、先日、ペンギンアップデート(日本語)が行われたが、これはアルゴリズムのアップデートであった。アルゴリズムが動く仕組みに変更が加えられていたからだ。その前のペンギン 2(日本語)は基本的に単なるデータの更新であった。

パンダ & ペンギンアップデートは利益を得るための取り組みではない:

SEO業界の中には、パンダアップデートやペンギンアップデート等のアルゴリズムのアップデートは、グーグルが短期間で収益を増やすために導入されていると考えている人達が大勢いる。

カッツ氏は、過去の業績レポートを持ち出し、グーグルの収益が今後の四半期で伸びない理由として挙げられている点を紹介している。要するに、パンダはグーグルの収益に対して、短期的にマイナスの影響を与える可能性があるのだ。これは、パンダが、主にアドセンスを介して収益化を行う質の低いコンテンツサイトを追放することを目標にしているためだ。

そして、マット・カッツ氏は、長期的な目標は、検索エンジンのユーザーを満足させ、再びグーグルに戻って来てもらい、検索を行ってもらうことだと説明している。ユーザーがデータを得て、去るための手段をグーグルは提供している。カッツ氏は、グーグルが短期的に収益を増やすことを目標に据えているわけではないと何度も強調している。

これは明らかにPRだが、カッツ氏自身は、この主張を心の底から正しいと感じているように思える。

SEOはリンク構築 & 検索エンジンばかりに気を取られている:

マット・カッツ氏は、最後にSEOの関係者が労力を必要以上に注いでいる取り組みを話題に挙げていた。SEO業界は、リンク構築、そして、ユーザーではなく検索エンジンを重視し過ぎているようだ。同氏は、ソーシャルメディアやその他の分野にもっと力を入れて、サイトの認知度を高めるべきだと指摘している。

その後、カッツ氏は、優れたサイトは、通常、デザインとユーザーエクスペリエンスを優先していると述べている。こうすることで、ユーザーは満足し、その他のユーザーに薦めるようになる。例えば、クレイグズリストは素晴らしいサイトだが、ユーザーエクスペリエンスの質は高くないと加えていた。つまり、多くのスタートアップサイトが、ユーザーエクスペリエンスにおいてクレイグズリストを打ち負かし、一部のニッチにおいて同サイトから覇権を奪っているようだ。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s Matt Cutts On SEO Industry Misconceptions: Updates, Revenue Goals & Link Building Obsession」を翻訳した内容です。

本音と建前が混じった内容と思う人もいるかもしれませんが、まぁ、SEOに関していっていることはその通りではあるとは思います。どんなSEOをするにもまずはGoogleの公式意見は大事ということで、ここに書かれていることを理解しつつ、その裏にあることまで考えた上でSEOに取り組みたいですね。 — SEO Japan [G+]

Googleは世界を壊滅状態に追い込むか?

骨太のGoogle論が魅力のSEO Bookが、米国で最近出版され話題になっている本「Who Owns the Future?」をベースにGoogleと世界の関係について書き下ろした熱い記事を。検索エンジンからメール、各種サービスまで、私含め多くの人々が様々な恩恵を受けておりそれなしには生活できない存在になっているGoogleですが、Googleをはじめとするネット技術の革新と普及により失われていったものも数多くあります。「IT技術が人の仕事を奪う」という話は日本でも昔からいわれてきた議論ですが、その現状と未来について改めて考えさせられる内容です。 — SEO Japan

当初は、目立たない存在であった。

街の郊外に一店あるのみであった。大きな、一体型の店舗であった。この店は、主に輸入された製品や委託された製品等、大量の安価な品物を売りさばいた。従業員の給与、そして、納入業者の利鞘は限界まで抑えられていた。

そして、この小売店は数を増やしていった。

規模を拡大するにつれ、この店は大通りの空洞化を招いた。大通りの店舗と巨大な店舗との力の差は歴然としていた。巨大な店舗が市場に与える影響には、歯が立たなかった。巨大店舗が持つ莫大なデータを分析することで得られる独自の情報には、太刀打ち出来なかったのだ。

ご想像通り、この巨大な店とは、ウォルマートである。

好き嫌いは別にして、ウォルマートは、人々が求めるものを与えた。しかし、そのために、アメリカの中流階級に大きな打撃を与えた。多くの小売店が廃業に追い込まれ、メインストリートの店が姿を消していった。中流階級に安定した収入を与えていた、小規模な家族経営の小売店が消えていった。

どこに行ってしまったのだろうか?

数を減らしたのは、小規模な個人営業の小売店や町工場のメーカーだけではない。この効果はその他の分野にも波及していった。このような中小企業が利用していた地域の会計士、弁護士、広告会社、金融会社、そして、中流階級の経済を調整していたサービスプロバイダーに対する需要が減った。

その結果、やはり彼らも姿を消すことになった。

ウォルマートで仕事を見つけた人もいるだろう。無職になった人もいるはずだ。事業を閉鎖し、早く退職した人もいる。仕事を変えた人もいれば、顧客が多い土地への引っ越しを余儀なくされた人もいるのではないだろうか。

それがインターネットとどのような関係があるのだろうか?

インターネットでも同じ現象が起きているのだ。

零細企業を経営しており、インターネット版の大通りと言える場所に事業を展開している、または、零細企業のビジネスのオーナーに収益が左右されるなら、この記事を読み進めていってもらいたい。

テクノロジーはミドルクラスを壊滅状態に追い込むのか?

ジャラン・ラニエ氏が綴った本「Who Owns The Future」をたった今読み終えた。この本を読むと、インターネットを利用しているなら – そして、少しでも中流階級に該当するなら、自分達の現在および未来について切実な疑問が脳裏をよぎるはずだ。

次の指摘について考えてもらいたい。

写真用品会社のコダックは、全盛期に14万人もの従業員を抱え、280億ドルの価値があると言われていた。コダックは初めてデジタルカメラを販売した企業でもある。しかし、コダックは破産した。そして、現在、デジタル写真の分野において頭角を現しているのがインスタグラムである。フェイスブックに10億ドルで売却された際、このサービスを運営しているのは、たった13名であった。

インスタグラムにとっては最高の状況だが、コダック、そして、コダックの元従業員にとっては、最悪の結果であった。しかし、進化には代償が付きものだと主張する人もいるだろう。コダックのビジネスモデルは廃れ、テクノロジーに飲み込まれてしまったのだ。

これは真実である。そして、進歩である。あらゆる行動が結果をもたらすと言う主張も的を射ている。ラニエ氏によると、革新的なテクロノジーが現れ、大きなテクノロジー企業が価値の多くを保有する場合、中流階級を破壊する結果をもたらす可能性があるようだ。

ラニエ氏は、テクノロジーの進歩は、奪う仕事の数ほど新たな仕事を生むわけではなく、また、仕事を失う人の中では、ミドルクラスに属する人達が増えつつあると指摘している。

(多分)政治とは無関係

この記事では政治を巻き込みたくない。ただし、全ての変化には、本質的に政治が絡んでいる。それでも、政治的な側面には触れないつもりだ。この問題は、政治の範囲を超えている。テクノロジーがもたらす空想的なアイデアやメリットには異論はなく、また、技術革新を反対する時間もない。

しかし、テクノロジーによってもたらされる富と力においてシフトチェンジが行われた結果、そして、インターネットの価値連鎖の中にいる人達が、労力に対して十分な価値を得ているかどうかは、熟慮に値する。

資本主義の本質とは異なり、価値が全体に流れなくなると、一部の人達しか利益を得られなくなる。以前よりも家の中で過ごす子供達は長生きしているだろうか?同じ仕事量をこなすため、以前よりも長い時間働いているだろうか?価値連鎖は壊れてしまったのだろうか?修復するには何をすればいいのだろうか?とラニエ氏は問いかけている。

インスタグラムは本当に10億ドルに値するのか

ラニエ氏は、インスタグラムは10億ドルに値しないと指摘している。なぜなら、非常に優秀なスタッフが素晴らしい仕事をしているためだ。

インスタグラムの価値はネットワーク効果によって算定されたものだ。

インスタグラムを利用する大勢のユーザーがインスタグラムのネットワークの価値となっている。このユーザーベースがなければ、インスタグラムは単なる写真アプリに過ぎない。

最終的に誰が得をするのだろうか?ネットワークに価値を与えるユーザー達ではない。上でネットワークをまとめるほんの一握りの人達 – 「サイレンサーバー」を所有する人達だ:

権力は、ラニエ氏が「サイレンサーバー」と呼ぶ – ユーザー達が無償で提供し、また、一部の飛び抜けた裕福な人達によって、金銭的なメリットとして、許可なく利用されている、生活に関する情報を保有する巨大な企業のレポジトリに存在する。

価値は、ネットワークを構成する全ての人達によって作られるものの、その多くはデジタル処理ツールと言う形で価値のひとかけらを受けるだけである。メリットを得るためには、自分でサイレンサーバーを所有するか、あるいは、サイレンサーバーとの距離を縮める必要がある。

同様に、グーグルの価値の大半もユーザーのネットワークによって生み出されている。グーグルのユーザーは、単純にグーグルを利用することで価値を与え、その結果、グーグルにコンスタントにデータを提供しているのだ。これがグーグルの価値を高める仕組みである。提供するサービスにおいてはグーグルとビングの間に大きな差があるわけではないが、オーディエンスのサイズの差によって、価値に大きな違いが生じする。Orkutよりもフェイスブックの価値が高い理由も同じである。

価値を与えているのはユーザー

グーグルはユーザーからデータを得ている。ウェブパブリッシャーは、無償でグーグルに作品を提供し、グーグルのネットワークに価値を与えている。その後、グーグルは収集した情報のそばに広告を掲載するために、スポンサーに広告料金を請求する。

なぜパブリッシャーはこんなことをするのだろうか?

パブリッシャーは、トラフィックを得られると期待し、このトラフィックからメリットを享受するため、作品をグーグルに提供している。一部のパブリッシャーは実際に収益を得ており、住宅、食べ物、洋服等、現実世界の経費を賄っている。しかし、大半のインターネットパブリッシャーは、この非公式の取引から収益を得ていない。一部のパブリッシャーは大儲けしている。インターネットパブリッシングにおいて、ロングテールは非常に長い。富と権力の大半は、ヘッドに集中している。

同様に、グーグルのユーザーは、個人情報をグーグルに贈呈している。

グーグルを利用する度に、ユーザーはグーグルに価値のある個人情報を提供している。検索クエリ、閲覧パターン、eメールでのやり取り、連絡先のネットワーク。この情報をまとめて、パターンの分析を行い、パッケージに詰めて、その後、グーグルは広告スポンサーに販売する。

グーグルはユーザーにどんな見返りを与えているのだろうか?

ウェブサービスだ。

価値をフェアに取引していると言えるのだろうか?

ラニエ氏はフェアではないと指摘している。グーグル等の企業が籍を置くエコシステム – ミドルクラスの仕事量、そして、支出の選択肢 – そのものを破壊する可能性があるほど、不釣り合いな価値の交換が行われている。パブリッシャーが妥当な生活費を稼ぐことが出来ないなら、配信される作品の質は下がる、あるいは、作品自体が姿を消すことになるだろう。

オフラインを含め、その他の方法で収益を得ることは可能である。しかし、ウェブが既に多くのオフラインのビジネスに影響を与えている点を忘れないでもらいたい。音楽業界は、10年前と比べてみても、かつての盛況ぶりが嘘のように衰えている。音楽業界での中流階級の仕事は大幅に減っている。小規模な小売店は、オンラインストアに負けている。そのため、小売店の仕事の数も激減している。報道業界はほとんど収益を上げていない。出版社にも同じことが言える。オンラインアグリゲータが価値連鎖を断ち切ったため、上述した業界は苦戦を強いられているのだ。

次に、こういった業界を支える業界を考慮してほしい。 そして、健康、図書館、学習等、近いうちに影響を受ける業界についても考えてもらいたい。ミドリクラスを主に採用している会社は廃業、縮小、あるいは、価値の多くをインターネットに奪われてしまう。

当然ながら、中流階級の生活を破壊することがグーグルの目的ではない。私は反グーグルを訴えているわけではなく、単純に行動と結果に注目しているだけである。テクノロジー、特に、大きなウェブ企業はどのような影響をもたらしているのだろうか?その多くは、密かな、私有の場所にユーザーを出来るだけ閉じ込めておく行為に取りつかれているように見える。

グーグルの目的は、世界中の情報をインデックスし、公開することである。素晴らしい目標だ。便利であり、無料で利用することが出来る。しかし、ラニエ氏は、中流階級の骨抜きは再コンテキスト化の副作用であり、その結果、情報の価値が低下すると主張している。情報は無料の方が好ましいかもしれないが、情報を作成する人達は報酬を貰えないことになる。報酬を得ている人達の多くは、組織が弱く、事業の運営を維持するために、作品の質を落とすことを厭わない可能性がある。既に吟味されていなプレスリリースをメジャーなニュースサイトが配信している。今後の展開が気になる。

「共有」- つまり「贈呈」- を促すメッセージが至る所で見られるが、共有は大きなテクノロジー企業自体には及んでいないようだ。

クリックごとに料金を請求している。

robots.txt

グーグル、または検索エンジン全般を嫌いなら、検索エンジンをrobots.txtを使ってブロックするべきだと言う意見がある。これは、都会が嫌いなら、山の中に引っ越せと言っているようなものだ。実際に引っ越すことは可能だが、都会をもう少し住みやすい場所に変え、活気を与え、その中で成功したいのが本音である。

グーグルは便利なツールを提供している。私はiPhoneを利用するようにグーグルを利用している。取引の内容を理解しているし、情報を提供する代わりに利便性を手に入れている。しかし、この取引は、基本的にグーグルによって決められたものだ。ラニエ氏は、個人、そして、零細企業だけでなく、大きな情報サービス自体にもメリットを与える解決策を提案している。

循環するマネー

テクノロジーの改善は、成功をもたらし、強固な中流階級を生み出した。しかし、現在のテクノロジーの改善においては、商品化されているものが情報そのものであり、これが違いをもたらしている。 情報に対するインターフェースとして動作するソフトウェアによる管理が進む世界では、情報を商品化すると、その他の全ても商品化されることになる。

情報を作る人達が報酬を得られない場合、質が下がる、もしくは、量が減少する現象が起きるだろう。現実の世界で購入するものが減り、その結果、グーグルやフェイスブックの広告スポンサーにとって、アピールするオーディエンスが少なくなることを意味する。

ある社会的な概念から全てが始まった。21世紀の代わり目にグーグルのセルゲイ・ブリン氏によって、全ての情報サービスを提供し、その一方で広告から報酬を得ることで、情報を無料で公開しつつ、資本を流通させることが出来ると言う考えが生まれたのであった。しかし、通常の経済の決まりごとを守っていないと言う問題点が存在する。また、非常に範囲が狭いため、参加することで自滅する資本主義とも言える。勝者が全てを獲得する資本主義であり、これでは長続きするはずがない。

確かに長期的に維持することは出来ないだろう。一人の勝者が全てを得るシステムでは、富と力を頂上にいる一部が握りしめ、その他の人達はロングテールに群がる。グーグルは、AP、AFP、そして、その他の欧州の報道機関等の大型のパブリッシャーと手を組んでいるが、この契約は小規模なパブリッシャーには適用されていない。スポーツの世界にも同じことが言える。トップの選手はとんでもない大金を得ているものの、少しレベルが下がると、スズメの涙ほどの収入しか貰えず、家賃さえ支払うことが出来ない。

それでも、テクノロジーによって新たな仕事の機会が生まれているのではないだろうか?コダックを解雇された人達は、別の職を探せばいいのではないだろうか?

高度なテクノロジーのイノベーションが立て続けに起きているものの、過去の技術の進歩ほど多くの仕事が生まれているわけではない。フェイスブック等の象徴的なベンチャー企業は、例えば、ゼネラルモーターズのような大企業と比べ、採用する人数が圧倒的に少ない。 要するに、物々交換と評判で構成される非公式な経済に一般人の生産力の大半を導き、その一方で、抽出した富を自分達で独占しているのだ。デジタルネットワーク上で行われる全てのアクティビティは鞘取りの対象となり、ある意味、リスクはコンピュータの利用が少ない人達に向かう。

このような環境で力を発揮することが出来る人達は、グーグル等、ビッグデータを保有する企業に雇用される可能性がある。あるいは、起業および適応する能力を持ち、データを持つ企業 – ウォルマート、グーグル、フェイスブック、あるいは、大きな金融企業 – に貢献する、または利用することが出来る可能性がある。しかし、ラニエ氏は、このような企業が生まれた仕組みで社会を維持するためには、単純に仕事の数が少なすぎると指摘している。

ラニエ氏は、この状況は、あまりに多くの人々から、あまにりも早く生活の権利を奪ってしまうと主張している。この現象が起きると、ネットワークを保有する成功を収めたオーナーを含む、あらゆる人々にとばっちりが及ぶ。必要とされる情報の活性化を可能にする価値への見返りを渋ることで、貧窮していくのだ。ごく一部の人しか利益を得られない状況では、購入意欲が鈍るのは致し方ない。

検索エンジンであれ、ソーシャルネットワークであれ、保険会社であれ、あるいは、投資信託であれ、ネットワークは情報を使って、力を集中させている。ラニエ氏は、こういった企業は同じ仕組みで動いており、全て似た者同士だと指摘している。このような企業はネットワーク効果を利用して、ビッグデータを掘り出し、分析を行い、その結果、小規模な競合者、そして、その周りに存在する経済を犠牲にして、成長していく。

意図が何かは関係ない。テクノロジーは中流階級の繁栄を妨げる可能性があり、この現象が起きると、最終的に全体が損をすることになる。

どのような解決策が考えられるのか?

数日前、グーグルのスパム対策を統括するマット・カッツ氏が、動画で今後のグーグルの変更についてサイトのオーナーに情報を提供していた

グーグルは、ペンギン 2.0と呼ばれるウェブスパムの変更を行うと発表した。ペンギン 2.0は、アドバトリアル、記事広告に“目を光らせる”と言われており、このタイプの配信形式に対して“強硬な措置”を取るようだ。また、リンクスパムの効果を弱めるため、“上流に上る”とグーグルは指摘している。 

当然、グーグルがこのような動画をリリースすると、ウェブマスターのコミュニティは激震する。グーグルは変更を加え、この変更によって、ウェブマスター達は得をする、または、ピンチに追い込まれることになる。

この点に関して最も興味深いのは、力の関係だと私は思う。グーグルの検索結果で上位にランク付けしてもらいたいなら、交渉する余地はない。グーグルの命令に従わなければ、大負けするためだ。グーグルの言いなりになったものの、負けを見ることもある。富と力はパブリッシャーに分配されるのだろうか?

その答えはノーだ。

最近、グーグルは、リンクネットワークを再び葬った

その後、カッツ氏はさらに同様のネットワークを追うと警告している。富と力はリンクの買い手や売り手にもたらされるのだろうか?

答えはやはりノーである。

検索エンジンの価値を下げると感じたサイトを削除、または、低く評価する方針自体は間違えていない。グーグルは検索の仕組みを確立した。しかし、検索は、トピックが外れたジャンクを使って結果を容易に操作されるようになった12年前に終わっている。この問題の解決策の利益がグーグルに流れこむようになったのだ。

グーグルのような企業に余りにも多くの富が流れこむことで、グーグル自身の経済の大半を破壊してしまうのではないかと言う疑問が存在する。グーグルは、単なるプレイヤーではなく、非常に影響力が強いため、中心として計画を立てている。 マット・カッツ氏は製品の品質管理を行っているが、顧客はパブリッシャーではなく、スポンサーである。

また、グーグルの動画が指摘していない点に注目してもらいたい。カッツ氏が登場する動画は、ビジネスがより大きな成功を収める方法を紹介するものではない。グーグルがより大きな成功を収めるために、グーグルの望み通りにパブリッシャーを動かそうとする魂胆が丸見えである。意見が合う、合わないは問題ではない。なぜならグーグルに逆らうことは出来ないためだ。

これが取引である。

ウォルマートの懸念材料が町の小さな子売り店ではないように、グーグルの懸念は、ウェブマスターではない。グーグルが重視しているのは、企業の目標を達成し、株主に対する価値を強化することである。影響はグーグルやウォルマートのせいではない – グーグル、そして、ウォルマート自体が影響なのだ。

グーグルが目標を達成しようとする影響は、パブリッシングの価値をえぐり出し、その結果、多くの中流階級の価値をくり抜く。グーグルの自動運転する自動車のプロジェクトは、- グーグルが焦点を絞る傾向が見られる – テクノロジーの観点では確かに魅力的に映るが、少なくとも公の場では、このテクノロジーの導入によって影響を受ける人達、具体的に名前を上げると、タクシードライバーや配送業者のドライバーの身に何が起きるのかを全く考えない人達にとっては、さらに魅力的に映るのかもしれない。通常、移民がこの層に当たる。貧しいものの、将来性が豊かな人達だ。

この社会的な影響はグーグルには気にならないようだ。

それでは誰が懸念を持つべきなのだろうか?

やはりグーグルが重視するべき問題である。なぜなら、長期的な視点でみると、グーグルにプラスに働くためだ:

現在、ギターメーカーはグーグルを介して広告を行っている。しかし、ギターのデザインが3Dプリンターで行えるようになり、ギターのデザインが“無料”になったら、誰も広告を買わなくなる。しかし、グーグルにとって、無料で提供するこの情報は生命線である。この情報をグーグルのサーバーは整理している。長期的な視点で考えると、現在のグーグルのビジネスモデルには落とし穴があると言わざるを得ない。

ラニエ氏は、マイクロペイメントを介して、全ての関係者に報酬を分配し、ウェブパブリッシャーに価値に対する見返りを与えるべきだと主張している。コードであれ、写真であれ、音楽であれ、あるいは、記事であれ、自分が所有する作品を保有している限り、支払いは継続される。

例えば、ブログで記事を作成し、誰かが記事の一部を引用した場合、小額の支払いを受ける。引用される回数が増えれば増えるほど、適切な存在と見られるようになり、その結果、より多くの報酬を受け取るようになる。検索エンジンにページをインデックスされると、見返りが与えられる。誰かがページを閲覧すると、マイクロペイメントを受け取る。同様に、誰かの作品を見たら、料金を支払う。検索を行う場合、グーグルのコードを利用することになるため、グーグルに対価を支払う。支払いは、一つ一つを見ればごく僅かだが、塵も積もれば山となる。

このシステムを作る上では大きな技術的な問題が存在するが、ヘッドからテールに金銭を流す効果は見込める。他人が作った無料のコンテンツで帝国を築くのは難しくなるだろう。つまり、コンテンツの作者にお金を返すのだ。

また、こうすることで海賊版の問題も解決される。コンテンツのプロデューサーは、より多くの人々にコピーしてもらい、リミックシしてもらい、再配信してもらいたいはずだ。それだけ支払われる金額が増えるためだ。また、ラニエ氏が提案する双方向のリンクメカニズムを導入することで、所有権とクレジットを記録し、誰がコンテンツを利用しているのかを把握することが可能になる。

情報は無料ではなくなる。しかし、広義において、手頃な価格で得ることが出来る。また、製作に対する見返りを与えるメカニズム、そして、最も適切な情報に最も多くの見返りを与えるメカニズムも存在する。インターネットへの貢献度が高ければ高いほど、コンテンツを利用する人が多ければ多いほど、より多くの収益を得られる。僅かな金額の支払いだが、徐々に増加し、継続的に行われる。

興味深い疑問

今回紹介した疑問が気になったのなら、ジャレン・ラニエ氏が執筆した「Who Owns The Future」を読んでもらいたい。時折、まとまりのない主張が続き – 良い意味で – 脱線することもあるが – 良い意味で – それでも、とても知的で、思慮深い人物である点は十分に伝わってくるはずだ。ラニエ氏は、とても重大で、適切な質問を投げ掛けている。そして、その答えは粗く、異議、主張、議論の対象となるべきであり、そして、詳しく説明してもらいたい。

大きなテクノロジー会社が、世界を変えるような難問に立ち向かうためには、全ての知力、富、そして、力を、奪い去るよりも早いペースで、エコシステムを豊かにするために活用する必要がある。


この記事は、SEO Bookに掲載された「GoogleMart」を翻訳した内容です。

軽く感想を書くのもおこがましい重くハードなテーマですが、今日世界で台頭してきた世界を代表する巨大ネット企業、従来企業と比較して時価総額や売り上げと比較して雇用の数が少ないのは確かです。さらに彼らが提供する世界や技術革新で仕事を奪われた、今後奪われるであろう人々の行先は?Googleクラスの存在になればそこまで考える責任も、社会的にもまた自らが成長し続けるためにも、また出てくるのでしょうか。

ウェブマーケティングの世界一つとっても、かつて人が行っていた作業の多くがプログラムやツールに置き換わられていますよね。企業にとっては効率的であり経済的であり今日の世界で勝ち残るためには必要なことではありますが、そこで仕事を奪われてしまう人も一定数いるのもまた事実です。以前、日本の無駄な仕事の仕方や仕組みについて雑談していた時に、「日本はこんな狭い国に億を超える人が住んでいるんだから、無駄な仕事を適度に作らないと皆が生きていけないんだ」と話した人がいてナルホドと思ったことを思い出しました。日本もグローバル競争の中で既に一億総中流の幻想は完全に消え去っているわけですが、さて今後も進化し続けるであろうIT、ネット社会の行く末は私たちのどれだけに幸せな未来を提供してくれるのでしょうか? — SEO Japan [G+]

GoogleはWavii買収でウェブ検索の未来を買ったのか?

Googleリーダーの終了も残り一か月、乗り換え先の検討&決定はできているでしょうか?とりあえずFeedlyが無難なようですが、その一方で次世代ニュースリーダー争いもまた活発になるということで、Google・Yahoo!共に新種のニュースエンジンを最近買収しています。今回は特にGoogleが買収したWaviiを元にGoogle検索の未来について考えてみた記事をSEO by the Seaから。 — SEO Japan

グーグルは、4月に3000万ドルと少しを投入し、Waviiと言う会社を買収した。当時、ウェブのニュースをまとめるSummlyを買収したヤフー!に対抗して、グーグルはWaviiを買収したと言う噂が出回っていた。

Part of the announcement on the wavii domain about the acquisition by Google.

Waviiもまた、ウェブ上でニュースを取得 & まとめるアプリである。事実、Waviiがデビューした際、キーワードよりもトピックに的を絞った、パーソナライズされたニュースアグリゲータとして注目を浴びていた。しかし、先程紹介したテッククランチの記事を読む限り、このアプリは、グーグルに買収されたことを受けてサービスを閉鎖しており、ニュースアグリゲーションサービスを提供するのではなく、グーグルニュース、ナレッジベース、そして、グーグルグラスの原動力として陰で支えているようだ。

それでは、Waviiは、どのようなテクノロジーを利用しているのだろうか?

オーレン・エチオーニ氏が2011年にNatureに寄稿した記事で、グーグル、ビング、ウルフハラムアルファ、そして、検索の未来の限界(pdf)を指摘した際、Waviiが単なるアグリゲータではないと示唆していた。検索の未来とは何を意味しているのだろうか?次の動画で概要の説明が行われている:

動画内のグーグルとグーグルのナレッジベースの比較、そして、次の発言には刺激を受けた:

次世代の検索エンジンを作ることが目標だ。

グーグルが買収した際にWaviiが保有していた特許を調べた結果、ウェブからの公開情報の抽出(pdf)がWaviiに付与されていたことが分かった。

この特許、そして、申請中の補足の特許を以下に挙げる:

ウェブからの公開情報の抽出(付与された特許)
ウェブからの公開情報の抽出(続きの特許。新たに項目が加えられている)

発明: マイケル J. カファレラ、マイケル・バンコ、オーレン・エチオーニ
付与先: ワシントン大学 センター・フォー・コマーシャリゼーション
米国特許番号: 7,877,343
付与日: 2011年1月25日

概要

公開情報抽出を実装するため、新たな抽出のパラダイムを策定した。このシステムでは、単一のデータドリブンのパスをコーパスの上に作り、人間によるインプットを必要とせずに、大量の関連する一連のタプルを抽出する。訓練データを使って、セルフスーパーバイズド・ラーナーは、パーサーと経験則を用いて、基準を判断する。この基準は、コーパスから抽出された候補のタプルの信頼性を評価するため、抽出識別子(あるいはその他のランキングモデル)によって用いられる。この時、経験則がコーパスに対して適用される。

識別子は、信頼できる可能性が十分に高いタプルを維持する。また、冗長ベースの評価システムが、維持するタプルに対して、当該のタプルが、タプルを構成する複数のオブジェクトの間の関係である可能性を示唆する確率を割り当てる。維持されたプルは、情報に対して問い合せを行うことが可能な抽出グラフを形成する。

ここでは、特許を詳しく分析するのではなく、この公開情報抽出システムの仕組みを深く理解することが可能なリソースを幾つか提供する。

一つ目のリソースは動画である:

ウェブスケールでの公開情報抽出
(長い動画だが、視聴する価値はある)

以下の文書およびページにも詳細な情報が掲載されている:

  • 公開情報抽出
  • 公開情報抽出: 第二世代(PDF)著: オーレン・エチオーニ、アンソニー・フェーサー、ジャラナ・クリステンセン、スティーブン・ソダーランド、マウサム・オリー
  • 公開情報抽出ソフトウェア
  • 情報抽出に対する公開情報学習(PDF)著: マウサム・オリー、マイケル・シュミッツ、ロバート・バート、スティーブン・ソダーランド、オーレン・エチオーニ

教訓

Waviiは、グーグルが買収する前に提供していたニュースアグリゲータアプリをグーグルにもたらすわけではない。グーグルの検索エンジンに導入される公開情報抽出のアプローチは、ウェブ上のテキストを読むことを目的としており、所定のテンプレートや管理を必要としない。

抽出のアプローチは、名詞、そして、名詞と名詞の関係を作り出す動詞を用いて、名詞の関係を特定し、関係の質を評価する。そして、「識別子」がそれぞれの関係の信頼性を識別し、信頼できる関係のみを維持する。

関係内の用語(“タプル”と考えられる)は、逆索引に保存され、クエリに対して用いられる。以下に、ウェブのクロール中に特定された、このインデックスの一部となる可能性がある関係の例を挙げていく:

( , acquired, ) ( , graduated from, ) ( , is author of, ) ( , is based in, ) ( , studied, ) (

, studied at, ) ( , was developed by, ) ( , was formed in, ) ( , was founded by, ) ( , worked with, )

この限られた量のデータを用いた公開情報抽出の一例が、Revminerであり、シアトルのレストランに関する情報を検索するために用いることが出来る。

A snapshot of the search on the revminer site, with a search for margaritas.

Waviiと共にグーグルが買収したシステムが、コンテキストに基づき推測されるクエリを用いて、グーグルのナレッジベースとグーグルナウを改善するポテンシャルは高い。公開情報抽出は、未完成だが、未来の検索において重要な役割を果たす可能性があるのではないだろうか。


この記事は、SEO by the Seaに掲載された「With Wavii, Did Google Acquire the Future of Web Search?」を翻訳した内容です。

内容は分かるような分からないような感じでしたが 汗、ともかくアプリではなく特許まで持っていた独自の検索技術を買った、ということは理解できました。それに30億円の価値があるかどうかは正直よく分かりませんが。。。こうした買収の積み重ねでGoogle検索が進化していくのであればユーザーにとってはまた喜ばしいことなのでしょう。 — SEO Japan [G+]

Googleがウェブサイトを品質評価でランク付けする仕組み

今週は出張中につき記事少な目になっています。さて久々の記事は、Googleがウェブサイトを評価する際、どのような品質基準を元に行っているのか、というトリックに頼らないSEOを中長期的に実践していくには知っておきたい知識をSEO by the SeaがまとめてくれたSEO担当者なら見逃せない記事を。 — SEO Japan

今週、グーグルに新たに特許が付与された。この特許は、ウェブサイトの一連のサンプルに対する人間による評価、そして、当該のサイトからのウェブサイトのシグナルを基に、ウェブサイトに対して、品質の評価が与えられる仕組みを描写している。

当該の特許は、このアプローチには次のようなメリットが存在すると指摘している:

  • 検索エンジンに対する満足度を高める
  • 質の評価が一定の基準よりも高いサイトを返す
  • 品質を基に検索結果に表示されるサイトのランク付けを行う
  • ユーザーが先にサイトを閲覧することなく、質の高いサイトを特定することが出来る

この特許の申請は2008年に行われた。質のシグナルの利用に関しては、パンダアップデートにおいてグーグルが実施した取り組みに類似する。ウェブスパムのペナルティと言うよりも、検索の品質の“改善”を意識したアップデートであった。

この特許は、請求および記述のセクションで、適応されるサイトのタイプとしてブログを挙げている。ブログ検索のランキングシグナルについての討論が行われたSMX セッションを参考にすると、発明者の一人、クリストファー C. ペノック氏は、グーグルブログ検索のシニアソフトウェアエンジニアであったようだ。

このアプローチでは、サイトのページ(全てのページ)の質を人間のユーザーの評価者に評価させ、1-5のスコアを与え(5が最高)、そして、サイト全体のスコアを集める手法が採用されている。そして、この評価は、次のようなウェブサイトの要素によって加算される:

  • サイトの主張や情報のオリジナリティ
  • オリジナルのコンテンツとコピーしたコンテンツの量
  • ウェブページ上のグラマーおよびスペリングの精度
  • 不愉快なコンテンツや不適切なコンテンツが提示されているか
  • ウェブサイトに空白、または、不完全なページが存在するか
  • サイトの品質に影響を与えるその他の要素

上述したシグナルは、2011年5月に投稿されたグーグルのウェブマスターセントラルブログの記事、「良質なサイトを作るためのアドバイス」で挙げられていたシグナルによく似ている。この記事は、「グーグルが質の高いサイトを探し仕組み」を – グーグルのスタッフが“サイトの品質を評価するアルゴリズムを作成する”際に問いかけるであろう23の疑問を提示することで説明している。

この特許は、グーグルのパンダアップデートのからくりを解説しているわけではないが、コンセプト自体は似ている。グーグルはブログの記事で次のように指摘している:

もちろん、Google が実際にアルゴリズムで使用しているランキング シグナルは公開できません。検索結果が操作されるような事態を防ぐためです。代わりに以下の項目をご覧頂くことで、Google がこの件をどうとらえているのか、ご理解頂けるのではないかと思います。

この特許(そして、その他の数多くの特許)において、グーグルの視点で、質の高いサイトを検索結果に表示する問題を見てもらう上で、これが最高のアプローチだと言えるだろう。それでは当該の特許を紹介する:

ウェブサイトの品質シグナルの生成
発明: クリストファー C. ペノック、ジェレミー・ハイルトン、コリーナ・コルテス
付与先: グーグル
米国特許番号: 8,442,984
付与日: 2013年5月14日
申請日: 2008年3月31日

概要

ウェブサイトの品質の評価を明らかにするシステムとメソッド。ウェブサイトの評価が行われ、評価およびウェブサイトのシグナルの関係が特定され、モデルが作られ、モデルを未評価のウェブサイトのウェブサイトのシグナルに適応することで、モデル化された評価が未評価のウェブサイトに割り当てられる。

その他の人間の評価者によるアクション

人間の評価者は、ページを確認する際、1-5のスコアを与える以外のアクションも行う。

サイト上のURLが、スパムやポルノ等の好ましくないコンテンツを提示する、あるいは、ページが読み込まれない場合、サイトをスキップするアクションもその一つである。このようなサイトは「無効」と評価される。評価者により「無効」と分類されると、一部のサイトが評価プロセスから除外される可能性がある。個人的に好ましくないページをネガティブにランク付けする、評価者のバイアスが存在するためだ。

また、評価者はウェブサイトに対するビューイングアピールを選択する。

ブロードアピール – 国内または国際のニュースの出来事に関連するウェブサイト等、幅広い層のオーディエンスをターゲットにするサイト。

ニッチアピール – 電磁力をテーマとしたサイト等、限られた範囲のオーディエンスにアピールするサイト。

ビューイングアピールは、検索のリクエストに対して提示するサイトのランク付け、または、除外の要素として用いられる可能性がある(この特許は、“ビューイングアピール”がポジティブまたはネガティブなランキングシグナルかどうかは明言していない)。

品質スコアをブログに適用する

この特許の請求項には、対象となるサイトのタイプとしてブログを挙げているが、複数の項目を除けば、あらゆるタイプのウェブサイトに適用される。

品質のシグナルがブログ以外のサイトに提供される仕組みを説明する、よく似た特許がグーグルによって申請されている可能性はある。

グーグルは、クリック率、ブログの購読率、そして、ページランクのスコアをブログに関連づけられるウェブサイトのシグナルとして具体的に挙げている。

クリック率 - ここでは2つのクリック率が用いられる – サイトのURLが、一般的なSERPに表示された際にクリックされた頻度、もう一つは、サイトのURLがブログ検索でクリックされた回数である。この点について、特許は次のように説明している:

クリック率は、ブログの人気指数であり、品質指数となるポテンシャルを持つ。

クリック数そのものではなく、クリック率は、検索結果に表示された回数に対して、ページが獲得したクリックの回数の比率と規定されている可能性がある。 この比率は、ページの結果内のポジションに応じて変動すると見られる。結果ページの上位は、下位よりもクリックされる回数が多いためだ。

ブログの購読率 – 面白いことに、グーグルリーダーが、情報源の一つとして挙げられている。ただし、その他のソースからもこのような情報を得る可能性があると指摘している。この情報の重要性については、次のように説明している:

ブログの購読率は、読者数の基準であり、ブログの品質を示す。読者数が多ければ多いほど、ブログの質が高いと言える。

ページランクのスコア – ブログに対してページンランクのスコアが用いられる可能性があり、これはウェブ上のその他のタイプのページをランク付けする際の品質の評価とほぼ同じ役割を持つと思われる。

教訓

この特許は、人間の評価およびウェブサイトのシグナルが、検索結果でページをランク付けする際の判断材料となる、品質の評価に対するモデルを作るために利用される可能性があると指摘している。この際、機械学習アプローチを用いて、実際に評価されたページのサンプルを基にページに対する評価の作成が行われるようだ。

また、ページが再び評価される、または、再び分類される点を指摘していたセクションは、特に興味深いと私は感じた。

定期的にページの再評価が行われるようだ。パンダアップデートにおいて、実際にこの取り組みが行われているように思える。

さらに、ページやサイトの再評価が、ウェブサイトのシグナルの所定の変更によって行われると言う、別のアプローチにはさらに興味をそそられた:

例えば、ウェブサイトに与えられたページランクのスコアが、所定の率(10%等)と差がある場合、ウェブサイトのシグナルとウェブサイトの品質の評価の関係を示すモデルをアップデートすると推測される。

パンダアップデートでは、グーグルは、データが“更新”される際に、警告を送っていた。これは、影響を受けたサイトは、定期的なアップデートによって再び分類の対象になることを意味していた。また、3月には、グーグルは、パンダップデートが継続的に行われると明言していた。

パンダは、この特許で描かれている、ページに対する品質の評価を特定するためのプロセスと同じようなプロセスで動いているのだろうか?グーグルは、ページランクのような品質シグナルにおける特定の改善のレベルによってパンダを発動し、サイトに対してアップデートを行う可能性はあるのだろうか?

この推測が正しいと仮定すると、パンダ等のアップデートによりネガティブな影響を受けたサイトは、品質の評価の改善を目指して再び評価を行ってもらうには、ページランク等の品質のシグナルが、特定の基準を超えるようにサイトを改善しなければいけないことになる。 


この記事は、SEO by the Seaに掲載された「How Google May Rank Web Sites Based on Quality Ratings」を翻訳した内容です。

前半の品質という点については、特許申請自体は2008年ですし、今日のSEOにおいては(昔から?)ある種理解すべき当然のルールと認識されているような内容ですが、こうやって特許として書かれると改めて重要度を認識しますね。後半はその品質チェックのプロセスについて説明されていましたが、記事にもあるようにパンダアップデートのような定期的に更新が行われるアルゴリズムをサイト評価に的確に適用していこうというGoogleの意識が感じられる内容でした。しかし品質シグナルをある程度改善しなければ発動されないということは、何かしらのペナルティを受けた場合は「ある程度」改善しないと適応されないということでもあるのでしょうか。。。「ある程度」の基準がまた難しいわけですが。

グーグルリーダーと関連したような技術も出てきましたが、当初の目論みは結局フル活用しないまま、グーグルリーダーは終わりを迎えるようですね。。。とはいえ、グーグル+等で同種のデータは取っていけると思いますが。常に進化し続けるGoogle、サイトも負けずに進化していきたいものです。 — SEO Japan [G+]

Googleペンギンアップデート2.0の負け組リスト

噂されていたGoogleのペンギンアップデートが更新されましたが、意外に大きな変動がなかったというのが日米通しての第一印象でしょうか。とはいえ、検索結果全体の2.3%に影響を与えたといわれる今回のアップデート、それなりに変動は来ているということで膨大な検索データからその傾向を追った記事を早速。 — SEO Japan

angry-penguin-200pxグーグルの4度目のペンギンアップデート – グーグル自身はペンギン 2.0と呼んでいる(日本語) – が昨夜発動された。1日も経過しないうちに検索のビジビリティに関して“負け組”の烙印を押されたサイトが明らかになってきた。

基本的に、ポルノサイト、ゲームサイト、そして、Dish.com、サルベーションアーミー、CheapOair、さらには、エデュケーション・テスティング・サービス(ETS – 子供の頃誰しも一度は受けたことがある一般的なテストを作る会社)等の大きなブランドがビジビリティを落としていた。

SEOソフトウェア会社のサーチメトリクスが、早速、最新のペンギンアップデートの影響を大きく受けたサイトのリストの第一弾を発表した。いつもと同じように、サーチメトリクスは「SEOビジビリティ」を基準として用いており、グーグルの検索結果で広範なキーワードに対して、ウェブページが表示される(または表示されない)度合いに注目している。

それでは、ペンギン 2.0の負け組のリストを以下に掲載する。このリストには、とりわけ大きな影響を受けた25のサイトが含まれている:

penguin-losers-searchmetrics

25のサイトのうち8つはポルノサイト、4つはゲーム関連のサイトが占めている。ゲームのサイトのうち3つはトップ10入りしている(リストの下の方に掲載されているポルノサイトと上の方に掲載されているサイトを併せると実際のインパクトが見えてくる)。

また、Dish.com、サルベーションアーミー、ETS、ChepOair等の有名なブランドも負け組に含まれていた。REEDS Jewelersは1946年創業の老舗宝石店であり、18の州に店舗を持つ。さらに、オンラインニュースサイトとして評価の高い、DailyDot.comもビジビリティを失ったようだ。

右端のカラムには、サーチメトリクスが記録するキーワードに対して、各サイトが失った「SEOのビジビリティ」が記されている。ただし、リストアップされたウェブサイトが大幅にトラフィックを失ったとは限らない。なぜなら、記録されていないキーワードで高いビジビリティを維持している可能性があるためだ。しかし、ここ2、3年の間に提供したペンギンアップデートとパンダアップデートに関するレポートを参考にすると、サーチメトリクス、そして、その他の複数のSEOソフト会社が発表したリストは、基本的に精度が高いと言えるだろう。

サーチメトリクスの設立者、マーカス・トバー氏はブログの中で、最新のペンギンアップデートは思っていたよりも規模が小さかったと指摘している。

私の予想は外れた。今回のペンギンアップデートはパンダ1のように大きなインパクトをもたらすと私は考えていたが、そうではなかった。初回の分析では、薄っぺらいリンク、そして、特に信頼されていないリンクを持つ貧弱なサイトが問題に直面しているように思える。また、SEOを重視していなかったため、一部の小規模なビジネスのサイトもペンギンの攻撃を受けたようだ。

また、同氏から送られてきたeメールによると、ペンギンの影響は、米国よりもドイツで遥かに大きく、また、ドイツでペンギンの攻撃を受けた一部のウェブサイトの詳細を別の記事(ドイツ語)で明らかにしているようだ。

(ライセンス契約の下、Shutterstock.comのストックイメージを利用)

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Penguin 2.0 Losers: Porn Sites, Game Sites, & Big Brands Like Dish.com & The Salvation Army」を翻訳した内容です。

アダルトやゲーム関連のサイト、一部のブランドサイトが被害にあったようですが、一体どんなアルゴリズムが適用されたのですかね?最初のアップデートの時のようにジャンル問わず適応された傾向的なものがわかってこれば対応の仕方もあるというものですが、、、。記事の分析にもあるように、リンクの質が低いサイトが落ちた傾向はあるかも、ということですが、それであればもっと広範囲のジャンル、そして日本でももっと被害に遭ったサイトがあってもいいのですけどね。謎は深まるばかりの今回のアップデートですが、今後さらなる追加情報が出てくるのか、一時的な先行騒ぎで終わってしまうのか、しばらくは注目していきたいと思います。 — SEO Japan [G+]

SEOでEコマースの収益を2倍に増やした具体例

世の中はペンギン2.0(4?)で大騒ぎですが(でもないか)、今回は久々にSEOの効果的な導入事例に関する記事を。海外のEコマースの例ですが、日本でも、特に大型サイトを運営しているマーケッターにはほぼそのまま参考にできる内容だと思います。 — SEO Japan

2012年、私はノルウェーで最大規模のeコマースサイトのSEOを担当させてもらった。この投稿では、単純であり、簡単であるものの、型破りなアプローチを採用し、収益を2倍(ほぼ3倍)に増やすことに成功した経緯を紹介する。誰でも同じ取り組みを実施することが出来るはずだ。

この偉業達成では、相互的な関係にある2つのポイントが鍵となっていた:

  1. ユーザーの意図を解明し、ニーズを満たす
  2. 必要なことを全て実施する能力(と予算)

簡単だと思うかもしれないが、何層もの部門に明確に区切られている会社では、これが意外と思うようにうまくいかない。

パート 1: SEOのアクティビティを管理する

このサクセスストーリーの半分は、戦略および実装に関して私が採用したアプローチがもたらしたと言っても過言ではない。競争は激化し、また、ルールが変わり続ける中で、廃れないSEO戦略を策定することが出来るか否かが分かれ道となる。

A. 状況を厳格に評価する

ここ1年の間に、グーグルは大きな変更をアルゴリズムに加えた。マップと共にローカルビジネスの検索がSERPに導入された – モバイルデバイスを利用するユーザーが増え、GPSと場所のデータが結果に影響を与えるようになった。人物に対する検索結果が、フェイスブック、リンクトイン、そして、ツイッター等の有名なソーシャルネットワークサイトによって埋め尽くされるケースが増えた。しかし、このように新たな展開が行われ、その結果、競争がさらに激化しているにも関わらず、SEOの予算は昔と変わらない。

結果を残すため、私は発想を変える必要があった。クライアントのサイトは既に多くのトラフィックを獲得しているものの、ウェブ分析データを調べることなく、ビジターをカウントしたところで、たいした意味はない。そのため、トラフィックを増やすだけでは十分ではないと私は宣言した。適切なタイプのビジター – つまり製品を購入してくれるビジターを獲得する必要があったのだ。

そこで、一歩下がり、次の重大な問いに答えて、戦略を調整する作業を行った:

  • グーグルはどこに向かっているのか?
  • 今後の数ヶ月、または、数年間で、ウェブ検索はどのような状況になるのか?
  • 何が失敗、または、成功に導くのだろうか?/li>

B. 活用可能なトレンドを特定する

上の問いに答え – 利用可能なデータを徹底的に調査し、パターンを分析し、クライアントの現在のSEOの取り組みを調べた結果、幾つかの重要な結論が導かれた:

1. 関連性があるだけではもはや不十分

グーグルのユーザーは答えを求めている。検索結果に答えが見たらない場合、ユーザーは別の場所に向かう。グーグルは「最高のアンサーエンジン」になることを目指しているため、キーワードに“関連する”コンテンツを提供しているだけでは満足しない。検索エンジンのユーザーの問いに答えていない場合、上位のランキングを長く維持することは出来ない。

2. アイデンティティは重要

グーグルはユーザーのアイデンティティと興味を特定したがっている。また、誰がコンテンツを作成しているのか、そして、コンテンツのオーサー(作者)がどれだけ信頼に値し、どれだけ認められているかを理解しようと試みている。

3. その他大勢と一線を画して注目を浴びる

リッチスニペットおよびオーサーシップは、SERPに影響を与える。いずれ競争は激化し、このツールを利用する人達から注目を得ることは難しくなるだろう – 例えライバルよりも上位にランク付けされていてもだ。

4. オンラインはグローバルであり、ローカルではない

オンラインで購入可能な製品およびサービスは、ローカルの検索結果に表示される可能性は低い。従来のSEOキャンペーンは、今でも必要とされている。

5. パーソナルシグナルは重要

グーグルは、検索クエリに対する答えを提示する際に、ジオロケーションとGPSデータを考慮し、ロケーションに合わせて結果を調整する。ユーザーの声、そして、ソーシャル検索の重要性はさらに高まっている。

C. 戦略を策定する

上述したポイントに基づき、私は戦略を構築した。高度なSEOツールを投入し、複雑な評価を慌てて行うのではなく、「鮮度を失わない」(少なくとも1年間から2年間は利用可能な)戦略を策定することにした。

それでは上述したポイントの共通点は何だろうか?ウェブが変化すると廃れてしまう戦略を策定するには、何をすればいいのだろうか?

単純にウェブ検索を行うユーザーの意図を探し出し、この意図を基に戦略を構築すればいいのだ。

「ドリルを買う人達は機器を必要としているのではなく、を欲しがっている」と言うマーケティングの古い決まり文句がある。この明言をSEOに応用する方法を理解することが鍵になるだろう。

マット・カッツ氏は、ユーザーに焦点を絞るべきだと指摘している。ウェブマスターは、同氏の言葉を重く受け止めるべきである。人間の脳が考えるプロセスをモデル化するグーグルの試みによって、技術的なSEOおよび手っ取り早い調整から、ユーザーの意図を理解する取り組みへの方針転換が求められている。

D. ユーザーの意図を解明する

以前、人間の心理、SEO、そして、ビジネスの仕組みが交わるSEOノミクスを記事の中で取り上げたことがある。プロのSEOコンサルタントは、このアプローチを採用して、典型的な顧客の頭の中に侵入し、必要性および願望を理解し、その後、この情報をSEO戦略に織り込んで価値を与える。まずは、以下の質問に答えて、ユーザーの意図を解明する取り組みを始めてもらいたい:

  • 顧客は何を求めているのか?
  • 顧客はどのような困難に直面しているのか?
  • この困難によってどのような影響を受けているのか?
  • どのような解決策を求めているのか?
  • どれほど解決策を求めているのか?
  • 解決策を得るために幾ら支払うか?

分析データに以上の問いに対する答えが隠れている。ウェブ分析は、単なるトラフィックカウンターではない。隠れたニーズ、意図、そして、期待を解明し、顧客候補をウェブサイトに導く効果がある。キーワードから、ビジターがどのような問題に直面し、問題を解決するために何を求めているのかに関する情報を得られるのだ。検索エンジンのユーザーは、答え、あるいは、さらに詳しい情報を求めていることが多い。援助やレビューを求めていることもある。

また、ウェブ分析は、ウェブサイトに到達した後のビジターの行動を明らかにする。どのような行動を起こすのか、どのルートを辿るのか、どのコンテンツに関心を示すのか。優秀なSEOは、分析データを使って、何が売れるのか、ビジターは何を求めているのか、そして、サイトでどのような行動を取るのかを推測する。

分析データから得られるこのような情報によって、消費者の意図を判断する材料を手に入れることが出来る。この判断材料は、素晴らしいオンサイトのユーザーエクスペリエンスを提供するための指針としての役割を持つ。さらに、ユーザーが持つ問題を解決し、製品またはサービスを購入してもらうよに説得する上でも役に立つ。理想的な顧客候補の考えを理解することが出来たなら、行動を起こす準備は整ったと言えるだろう。

E. 考えて、行動して、計測して、また、行動する

大きな、時間のかかるプロセスではなく、小さな、焦点を絞った、反復的なプロセスを構築するべきである。加えた変更が効果的だった場合、変化をさらに大きな規模で実施する。思ったほど効果が高くなかった場合、規模を縮小 – またはその取り組みを中止する。この方針は、革新的でもなければ、刺激的でもないが、2012年のSEOにおいて成功する大きな要素の一つであった。この戦略を採用したことで得られた見解を挙げていく:

  • オンラインでは次々に変化が起きている。速やかに変化に適応しなければならない。戦略は重要だが、戦略の焦点、そして、変化に速やかに対応する自由が確保されていると、eコマースサイトでの展開をスピードアップすることが可能になる。
  • 行動を起こす前に、適切な取り組みを行っているのかどうかを確かめるべきである。時間を割いて、一歩下がり、評価する行為は、自信の無さを反映しているわけではない。むしろ、強さの証明である。
  • 計測不可能な取り組みに資金を投じるべきではない。重要な要素は計測することが出来る。全てを計測しよう – ただし、見直す対象のリストには、行動に移すことが可能なデータのみ記録するべきである。
  • 戦略および収益の目標に焦点を絞る。「あったら良い」程度のアイテムを削除するべきである – 気を散らす、または、混乱させる可能性があるためだ。

Generic search

結果: 検索トラフィック全体が113.29%増加した

パート 2: クライアントの管理

小規模な会社がクライアントである場合、このプロセスは比較的シンプルであり、容易である。しかし、クライアントの事業の規模が拡大するにつれ、問題の規模も大きくなっていく。コミュニケーションを取り、SEOを分かってもらい、戦略を承認してもらい、仕事をやり遂げるまでに放っておいてもらいたい点を納得させる必要がある人は増えていく一方だ。

この取り組みを適切に実施しない限り、内部の小競り合いや駆け引き、数名の上司への報告、そして、予算の確保に多大な時間を費やすことになるだろう。当然ながら、このような状況に遭遇すると、SEO戦略を実装する取り組みに費やす時間が短くなり、低調なパフォーマンスに終わってしまう。

すると、全員に責任をなすりつけられてしまう。

以下に私がこの問題を回避した方法を紹介する。一連のアプローチに従ってもらいたい。

A. 信頼を勝ち取る

大規模な起業のマーケティングマネージャーにとって、SEOは単なるツールの一つに過ぎない。経営者やCEOに至っては、SEOコンサルタントとしての役割を認識していない可能性がある。適切なスタッフと話しをする地位を確保するのは難しい。

しかし、本来の価値を実証することが出来れば、状況を変えられるはずだ。

そのためには – シンプルで、分かりやすい説明に固執する必要がある。「グーグルはオンラインの収益のXX%に貢献している」と説明すれば、大きな効果が期待できる。オンラインの収益の50%をもたらしている点を指摘しなければ、経営陣にとってグーグルはどうでもいい存在である。

この点を理解してもらえば、SEO担当者に対する見方は変わってくる。存在が認められ、頼りにされる。これはSEOコンサルタントはインハウスのSEO担当者にとって、願ってもない状況である。

B. データをシンプルに説明する

取締役会議では、私はデータを分かりやすいプレゼン資料にまとめている。SEOをよく知らない人が投資に関する決定、そして、SEOのキャンペーンに関する決定を下しているなら、速やかに & 効果的に理解することが可能な簡素化した情報を当該のキーパーソンに提供しなければならない – 必要な予算を確保するためだ。

最も重要な収益面のデータを抽出し(SEOの用語やランキングのデートは不要)、1ページの文書として提示しよう。因みに私はデザイナーの力を借りて、eコマースのマネージャーがオフィスに掲示することが可能なインフォグラフィックを作成した。こうすることで全てのスタッフに理解してもらえた。一目瞭然だったのだ。

C. 正当化は逆効果

大半のクライアントは、根拠でも、主張でもなく、結論を求めている。

信頼を築き上げ – 今度は、信頼してもらえるように、クライアントを信頼しよう。信頼されていない場合、見通しは暗い。そのため、信頼を得られるまで努力を続けてもらいたい。クライアントのビジネスを成功に導くのではなく – クライアントを説得し、予算を死守することに時間を費やさなければならなくなる。

D. 協力する

「早く進む必要があるなら一人で行くべきだ。遠いくに進みたいなら、一緒に行くべきである」

SEOマニアになるのではなく、「事業発展」の考え方を採用するべきである。顧客との距離を縮められるように努力してもらいたい。様々なプロセスに従業員を関与させよう。会社にとって、SEOが重要である点を全スタッフに理解してもらうことが目標である。部門の統括者に対して、それぞれの売り上げにおいて結果を出し、成長をもたらす上で協力する意思があることを伝えておこう。

トラフィックではなく、収益として成果を報告するようになると、主張を理解してもらえる人が増えていった – 「1000万人のユニークビジター」は「200万ドルの収益」ほど重要ではない。何にもましてお金が物を言う世界である。

E. 取り組みを始める前に不明な点をハッキリさせる

理由を問うべきだ。何度も尋ねるべきである。理由を理解せずに行動を起こすべきではない。理由がハッキリしてから、最適な方法を考えるプロセスに移ろう。

ウェブ分析と会社の目標が一致している必要がある。適切なデータを計測しよう。行動に移すことが出来る点を立証するべきである。グーグルアナリティクス(あるいはその他の分析ツール)でダッシュボードを作成し、全てのスタッフと共有しよう。スクリーンを購入し、誰でも見ることが出来る場所に設置する手もある。

  • 現在、グーグルからどれだけの収益を得ているのか?
  • 目標に達しているか?

このスクリーンは、スタッフのモチベーションを高め、SEOの収益への影響を強調する。グーグルが収益の60%を占めているクライアントがあり、この点をビジュアルで明らかにする取り組みは、絶大な効果を発揮した。

Q1 2013 revenue

教訓

  1. キーワードリサーチ、そして、分析は共に重要だが、検索用語の裏にあるユーザーの意図を理解する必要がある。検索エンジンではなく、ユーザーのためにサイトを最適化しなければならない。
  2. SEOのツールボックス、そして、ツールの組み合わせは、今でも重要な役割を担っている。知る必要がある情報をたった1つのツールで全て得ることは不可能である。私はグーグルのキーワードツール、マーケットサムライ、サーチメトリクス、SEOmoz プロ、Mozcast、スクリーミングフロッグ SEO スパイダー、オープンサイトエクスプローラ、そして、マイクロソフトのエクセルを併用している。プロジェクト管理およびコラボレーションには、Jiraを利用している。
  3. クライアントに取り組みを簡単に説明することが出来るように、シンプルにデータをまとめるべきである。クライアントに戦略を支持してもらい、早い段階で信頼を勝ち取ることは、とりわけ大規模な企業と仕事をする際は、成功を左右する要因となる。
  4. 継続的な改善を心掛ける。エキスパートの声に耳を傾け、地道にプロセスに磨きをかけていこう。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「How to Double Your Revenue With SEO」を翻訳した内容です。

様々な分野を網羅した充実の内容でした。多少レベル高めな気もしますが、これ位のレベルで戦えないと収益2倍3倍は難しい?!これを読んで二の足を踏んでしまった方もできるところから始めていきましょう。 — SEO Japan [G+]

あなたがCEOとして成長するために必要なこと

テック業界No.1レベルの成功を収めているVC、アンドリーセン・ホロウィッツのベン・ホロウィッツが語るCEO論。最近では、Google VenturesとGoogle Glass関連製品向けファンドを作るなど改めて話題のVCが語るCEO/経営者の在り方とは。 — SEO Japan

She got a big booty so I call her Big Booty.
- 2 Chainz, Birthday Song

ある日、友人が私に、CEOは先天性なのか後天性なのかと尋ねてきた。私は、“それはJolly Rancher(キャンディ)が育てられたのか作られたのかと尋ねるようなものだよ。CEOはとても不自然な職業なんだ”と答えた。そう言った後に彼の驚いた顔を見て、それは私が思っていたほど当たり前のことではなかったのかもしれないと気が付いた。

しばらく考えた後、私は、大部分の人が実際には逆の仮定をしているということに気が付いた―CEOは後天性ではなく先天性であると。私は、他のベンチャーキャピタリストとボードメンバーが創設者を素早く評価し、“CEOとして資質のある人”ではないという結論を出すのをよく耳にする。私には、彼らがどのようにしてこれらのことをそんなにも早く把握するのか分からない。創設者がCEOのスキルを身に付けるには通常何年もかかるし、私にとっては、彼女がそれをやり遂げるかどうかを知るのは通常非常に難しいことなのだ。

運動競技においては、短距離走者は比較的素早く学習することが可能だ。なぜなら、それは自然の動きを用いて洗練するからだ。一方、ボクシングのようなことは、熟練するのにもっと多くの時間がかかる。なぜなら、それらは不自然な動きをたくさん必要とするからだ。例えば、ボクシングで後ろに進む時には、もしあなたが自然な方法で後ろに下がっている間に―前足を先に動かす―パンチを受けると、完全にノックアウトされる可能性があるため、後ろ足を先に動かすことが非常に重要だ。この不自然な動きを自然に感じるように学習することは、ものすごい量の練習を必要とする。もしあなたが最も自然に感じることをCEOとしてすれば、あなたもノックアウトされることになるかもしれない。

CEOであることは、たくさんの不自然な動きを要する。人類学的な立場からすると、人々に好かれるようなことをするのは自然である。それはあなたが生き残るチャンスを強化する。しかし、優れたCEOになるためには、また、長期的に愛されるためには、短期的には人々に嫌われることをたくさんしなければならないのだ。それは不自然なことである。

実際、最も基本的なCEOの基礎的要素でさえ、最初は不自然に感じるだろう。もしあなたの相棒があなたにおかしな話をすれば、彼女のパフォーマンスを評価するのはかなり変に感じることになるだろう。こんな風に言うのは全く不自然だ:“う~ん、私はその話は最悪だと思ったよ。可能性はあるが、話はつまらないし、あなたは完全にオチで失敗した。もう一度やり直して明日また私に見せるように。”そうすることは、かなり奇妙であるが、人々のパフォーマンスを評価し、継続してフィードバックを与えることは、まさにCEOがすべきことだ。もしCEOがそうしなければ、レビューを書いたり、販売区域を奪ったり、政治を動かしたり、給与を設定したり、人々を解雇したりというようなもっと複雑な動きが不可能になるか、下手くそに取り扱われることになる。

フィードバックを与えることは、マネージメントの不自然なスキルを築く不自然な原子の積み木なのだ。しかし、どうやってその不自然さをマスターするのだろうか?

The Shit Sandwich(シット・サンドイッチ)

フィードバック初心者のための時に効果的で人気のあるテクニックは、経験豊富なマネージャーたちがThe Shit Sandwich(シット・サンドイッチ)と呼んでいるものだ。このテクニックは、古典的なマネージメントの教科書The One Minute Manegerの中で見事に説明されている。基本的な考え方は、あなたが褒めることから始めて(1枚目のパン)、その後に難しいメッセージを与え(シットの部分)、あなたがどれくらい彼らの力を評価しているかに気付かせる(2枚目のパン)ことで締めくくれば、人々がはるかに多くそのフィードバックに心を開くというものだ。あなたは前もって自分が相手を高く評価していることをはっきりさせるので、シット・サンドイッチには、人物よりもその行動に対するフィードバックに焦点を合わせるというポジティブな副作用もある。これはフィードバックを与える際の重要なコンセプトだ。

シット・サンドイッチは準社員にもよく機能するが、以下のような課題がある:

  • 過度に型通りになる傾向がある。あなたは、正しい結果が得られるように事前に計画をしてそのサンドイッチの脚本を書かなければならないため、そのプロセスは従業員にとっては型にはまった一方的な判断のように感じることがある。
  • それを何度かすると、信ぴょう性を失う。従業員はこう考えるようになる:“なんだ、また彼女は私に文句を言っているよ。次に何が来るか分かっている、批判(シット)だな。”
  • より多くのシニアエグゼクティブがシット・サンドイッチにすぐに気が付くと、それは素早くネガティブな影響を及ぼす。

キャリアの始めの頃、私が、慎重に作り上げたシット・サンドイッチを上層部の社員に伝えることを試みたところ、彼女は私を小さな子供のように見てこう言った:“Ben、褒め言葉はいらないから、私が何を間違ったのかだけ教えて。”その時私は、自分は間違いなく生まれついてのCEOではないなと思った。

重要なこと

フィードバックを与えることのエリートになるためには、あなたはシット・サンドイッチのような基本テクニック以上に自分を高めなければならない。あなたは、自分自身のパーソナリティと価値に合ったスタイルを開発しなければならないのだ。ここに、効果的になるためのカギがある:

  • オーセンティックであること。自分が与えるフィードバックを信じ、受け手の感情を操作するようなことは言わないことが重要だ。おじけづいているのをごまかすことはできない。
  • 適切な理由づけ。あなたが相手に失敗して欲しいと思っているのではなく、成功して欲しいと思っているからフィードバックを与えるというのが重要だ。もしあなたが誰かに本当に成功して欲しいと思うのなら、相手にそれを感じさせること。相手にあなたの気持ちを感じさせるのだ。もし相手があなたの気持ちを感じ、あなたがその人の味方なら、その人はあなたの話に耳を貸すだろう。
  • 個人的にならない。誰かを解雇することに決めたなら、その人を解雇すること。その人に解雇される準備をさせないこと。成功する準備をさせないこと。もし彼女がそのフィードバックを受け取らないなら、それは異なる話だ。
  • 同僚の目の前で人を嘲らない。グループの中である種のフィードバックを与えるのは構わないが、決して同僚の前で恥をかかせてはならない。もしあなたがそんなことをすれば、a)従業員に酷い恥をかかせることになり、b)あなたは従業員に心から憎まれ、あなたのフィードバックが他の人に与える影響は小さくなる。
  • フィードバックは全ての人に当てはまるものではない。全ての人は一人一人異なる。フィードバックに対して神経質な従業員もいれば、顔の面が厚い人や、時には頭蓋骨の厚い人もいる。文体的に、あなたの口調は、あなたのムードではなく従業員のパーソナリティに合わせるべきである。
  • 直接的に、でも意地悪ではなく。鈍くならないこと。もしあなたが誰かのプレゼンテーションを最悪だと思うなら、こう言わないこと:“かなりいいけど、もう一つの道筋を使って結論を簡潔にすることができたかな”。厳しいように聞こえるかもしれないが、こう言った方がずっといい:“私はついて行けなかったし、あなたの言いたいことが理解できなかった。理由はこうだ。”水で薄まったフィードバックは、全くフィードバックがないよりも悪い。なぜなら、それは人の目をごまかし受け手を混乱させるからだ。しかし、相手を叩きのめしたり、自分が優れていることを示そうとしたりしないこと。そうすることは、あなたの目的にそぐわない。なぜなら、適切に行わる時には、フィードバックは独り芝居ではなく対話だからだ。

フィードバックは、一人芝居ではなく対話である

CEOはあなたで、あなたは自分が好まないことや同意しないことについて誰かに伝えているかもしれないが、だからと言ってあなたが正しいとは限らない。あなたの従業員は、自分の機能についてあなたよりもよく知っているべきだ。彼女はあなたよりもたくさんのデータを持っているべきだ。あなたは間違っているかもしれない。

その結果、あなたの目的は、自分のフィードバックが閉ざされた議論ではなく開かれたものにすることであるべきだ。人々があなたの判断に食ってかかったり議論することを奨励するのだ。文化的観点から言って、あなたには、高い水準の徹底的な話し合いが必要だ。あなたは、ハイクオリティな思考を得るために膨大なプレッシャーをかけながらも、自分が間違っている時にそれが分かるようなオープンさが必要だ。

頻度の高いフィードバック

重要なことをマスターしたら、あなたは自分がマスターしたことを常に練習するべきである。CEOとして、あなたは全てのことについて意見を持っているべきだ。あなたは、全ての予測、全ての製品プラン、全てのプレゼンテーション、全てのコメントについて意見を持っているべきだ。人々にあなたが考えていることを知らせるのだ。もしあなたが誰かのコメントを気に入っているのなら、そのフィードバックを相手に伝えるのだ。もしあなたが異なる意見を持っているなら、そのフィードバックを相手に伝えるのだ。自分が考えていることを言うのだ。自分自身を表現するのだ。

これには非常に重要なポジティブな効果が2つある:

  • フィードバックが、あなたの会社の中で個人的なことにならない。もしCEOがコンスタントにフィードバックを与えれば、CEOが関与する全ての人がそれに慣れるようになる。誰もこんな風には考えない:“おっと、彼女はそのコメントで本当は何を言いたかったのか?彼女は私のことを嫌いなのだろうか?”みんなが自然と、暗示的でランダムなパフォーマンスの評価ではなく、問題に焦点を合わせる。
  • 人々が悪いニュースについて議論することに慣れる。もし人々がお互いに間違ってやっていることについて話すことに慣れれば、会社が間違ってやっていることについて話すのもとても簡単になる。質の高い企業文化はデータネットワーキングのルーティングプロトコルからヒントを得る:悪いニュースは素早く出回り、良いニュースはゆっくりと出回る。質の低い企業文化は、“誰も私に悪いニュースを持ってくるな”という、オズの魔法使いの東の邪悪な魔女の特性を帯びる。

CEOを作るということ

CEOになることは、幅広いより高度なスキルを要する―私はこのブログの中でその多くについて書いてきた―が、上級レベルに達して自分が生まれながらにしてCEOであるかのように感じるために重要なことは、不自然さをマスターすることだ。

もしあなたが創設CEOで、これらのことをする時に決まりが悪かったり不適任であるように感じ、自分の会社が100または1000人規模になった時に自分にはそれができるわけがないと思うのなら、あなたも仲間だ。それはまさに私が感じていたことなのだ。そして、私が出会った全てのCEOが同じように感じていた。こうやってあなたは作られるのだ。


この記事は、ben’s blogに掲載された「Making Yourself a CEO」を翻訳した内容です。

スタートアップ起業家や会社経営者はもちろん、部下を持っている人であれば誰でも考えさせられ参考になる点も多い記事だったのではないでしょうか。もちろん人間であれば無理に人に嫌われたくはないと思いますが、嫌われてしまうようなことをしなければいけないのも経営者・上司の役割。それをいかに円滑に行い、事業や部下を正しい方向に導けるかが腕の見せ所。この記事のあるヒントを参考に最強のチームを目指していきたいものです。

しかしフィードバックを常に出し続けるということが、コメントに対して変に暗示的な
意味を与えないという指摘はナルホドと思いました。これを逆に利用している人もいそうですが、本質的には前者の方がより正しく間違えのないコミュニケーションの形であり、それが機能した時のチームは強い気がします。 — SEO Japan [G+]

グロースハッカーになるためのたった一つの冴えたやり方

米国にQuoraという専門家が答えてくれるQ&Aサービスがあり(日本も最近同種のサービスが出ましたね)、私もたまに見ることがあるのですが、特にネット関係では、「え、こんな有名人が無料で詳しく答えてる!しかも他のインタビューやブログで聞いたことのない発言で参考になる!」と思うようなことが良くあります。今回は、そんなQuoraで定期的に発言しているアンドリュー・チェンが自らの答えをより掘り下げて書き下ろしたスタートアップの成功に欠かせないグロースハッカーチームの育て方に関する記事を。 — SEO Japan

元々あったQuoraでの回答:

私は、グロースチーム(グロースハッカーのチーム)が成長するために日々していることを2つに分類する:1)プランニング/モデリング、2)グロース(成長)テスト。

何はともあれ、まずあなたには優れた製品が必要である
もし人々があなたの製品を使っていないのだとしたら、あなたは成長の最適化にあまりに多くの時間を費やすことで時間を無駄にしていると、言わせてもらう。あなたには、満足したユーザーベースが必要であり、あなたの仕事はそれを拡大することだ。

その警告を頭に入れて、活動のプランニングから始めよう:

プランニングとモデル構築
物事をプランニング/モデリングするという側面は、“なぜ成長が起こるのか?”を理解することが全てだ。全ての製品は一つ一つ異なる。

  • あなたは、人々がSEOを介してあなたを見つけ、ユーザーへと転換し、Eメールを介して保持されることを知るかもしれない。
  • あなたは、人々がウェブを介してあなたのサイトにやって来て、モバイルへと異花受粉し、それがあなたの成長のカギであるということを知るかもしれない。
  • あなたは、彼らに特定の数の人をフォローさせる必要があるということを知るかもしれない。
  • あなたは、彼らがサービスを使いだす前に一定数のリンクをまずブックマークさせる必要があることを知るかもしれない。

これらは全て製品固有のことであるため、私はこの回答の中で特定のアドバイスをすることはできないが、これは自分の製品がなぜ成長するのかを理解する基盤である。あなたは、ユーザーがどのようにサイトにやって来るかという流れを見ることによって、ユーザーと話すことによって、似たような製品を理解することによって、そのモデルを思い付くことができる。あなたは、目的を達成しているユーザーと達成していないユーザーを見分けることができる。

良いモデルを手にしたら、成長の良いまたは悪いプロジェクトの結果を評価する中でより具体的な基準を作ることができる。あなたのメンタルモデルは、最初は完璧である必要はない―目的はただ始めることだ。あなたが自分のプロジェクトを上手く実行する時、成長が進めば、あなたの自信も育つ。(もしくは、1つのメトリックを著しく改善し続けているが全体の登録数が増えない場合は、物事を再検討しなければならない。)

より戦術的なレベルでは、次第にこのモデルはもっときめが細かくなり、あなたは、全体的な成長を高めるために変更することができる個々のことについて考え始めることができる。理想では、あなたはスプレッドシート内でこの多くをモデリングすることができるため、何が機能し何が機能しないかについてシナリオプランニングをすることが可能だ。

目的は、継続した成長をもたらす何らかのフィードバックループを作ることだ。もしかするとあなたは、広告を購入してお金を稼ぎ、さらに多くのお金を広告に再投資するかもしれないし、もしかすると、人々にコンテンツを作らせ、SEOを駆動し、それがコンテンツを作るより多くの人々をもたらすかもしれない。もしくは、もしかするとあなたは、招待ベースの何かを用意するかもしれない。重要なことは、このプロセスとその構成要素部分をモデリングすることだ。

プロジェクトの実施
自分の成長を促進するためのモデルを手にしたら、次のパートは、実際にそれらの数字を増やし正しい方向へと向かわせることができるプロジェクトのアイディアをたくさん思い付くことだ。理想では、そのコンセプトを証明する短いアイディアのA/Bテストをたくさん実施することができる。もしそれがうまくいったら、投資し続けるのだ。

このようなことのためには、ちょっとしたA/Bテストのインフラと、たくさんのクリエイティビティと、テストを世に出すための専用のエンジニアを何人か必要とする。

A/Bテストの大部分はあなたの求めるような結果が出ないため(恐らくその数字は30%未満)、毎週2,3の勝者を手に入れるためにはあなたは同時にたくさんのA/Bテストを実施しなければならない。時に、人々は各週1~2つのA/Bテストを実施して、それらが上手く機能しないと文句を言う―恐らく、彼らが各週1つか2つの勝者を手にするためには5~10倍のA/Bテストを実施する必要があるだろう。

それぞれの成長プロジェクトを実施するためには、ユーザーがどこからやって来て、何をするのかを追跡することに関していくつかの計測を開発する必要もあるかもしれない。これは、最初は大量のSQLデータベースとレポーティングになるが、後でもっと手の込んだものに移行するかもしれない。

次第に、これらの戦術的なプロジェクトの結果が、素晴らしいモデルに返ってくる―あなたは、継続して自分のプライオリティを再評価し、製品が成長を後押しすることに最も活用される場所を理解しなければならない。つまり、戦略的から戦術的へとジャンプして戻ってくるフィードバックループがあるのだ。

要約
以上のことを要約すると:

  1. 自分のユーザーが満足するしっかりとした製品を用意する
  2. 自分のサイトがどう成長するかのモデルを思い付く
  3. アイディアを試してみて、それらをA/Bテストとして採用する
  4. サイトが成長するのなら、より多くのアイディアを試す。もし成長しなければ、ステップ1のモデルが壊れているかもしれないため、それについて再度考える。

これがあなたの役に立つことを願っている。


この記事は、@andrewchenに掲載された「What does a growth team work on day-to-day?」を翻訳した内容です。

世の中には最初のアイデアと構想がいきなりヒットするような事例もあるとは思いますが、実際そんな宝くじに当たったようなケースは皆無なわけで、まずはベースの製品をテストを繰り返して改善しながら成長軌道に乗せていく、それだけなんですよね。

日本でも最近、グロースハッカーという言葉がどこかインターネット業界のカリスマ的存在として取り上げられていますが、別に彼らも特殊な存在というわけではありません。もちろんベースの知識や技術力、ネットワーク等は卓越したものがあるかもしれませんが、詰まる所は、上の当たり前のことをきっちり行えるかどうか、それを行えるのがグロースハッカーでありグロースチームということではないでしょうか。誰もがそうなれる可能性がある!ということで日々地道に頑張りましょう。 — SEO Japan [G+]

ペンギンアップデート4の展開が始まる

ご存じの方も多いと思いますが、ペンギンアップデートが実施されたようなのでご報告。 — SEO Japan

penguinグーグルのスパム対策「ペンギンアップデート」が発動された。今回で4度目である。ペンギン 4は今までのペンギンとは少し異なる。グーグルがスパムの阻止を改善するテクノロジーとして期待しているペンギン 2.0のテクノロジー(日本語)を搭載しているのだ。

グーグルの検索スパム対策を統括するマット・カッツ氏は、今週のグーグル – エピソード #199で、新たなペンギン 2.0のアップデートに関する告知を行った。同氏は、動画(日本語)で次世代のペンギンのアップデートに触れ、「数週間以内」に発動されると述べていた。

ウェブマスターおよびSEOの担当者なら、検索結果が大きく変動すると予め理解しておくべきである。カッツ氏は、具体的に英語のクエリの2.3%がこのアップデートの影響を受けると指摘していた。

その後、同氏はブログで今回のアップデートに関する詳しい情報を提供していた。カッツ氏は、「世界の別の言語への変更の展開が終わった」と述べ、米国外にもアップデートが展開されると明言している。インパクトの大きさは、「言語のウェブスパムのボリューム」に左右される。例えば、フランス語が大量のウェブスパムに汚染されているなら、グーグルフランスはより大きな影響を受けるだろう。

過去のペンギンアップデート:

ペンギンアップデートのバージョンに不慣れな人達のために、ペンギンアップデートを行われた順番で挙げていく:

しかし、2度目および3度目のペンギンアップデートは、基本的に最初のペンギンのアルゴリズムを採用しており、変化の規模は小さかった。4度目となるリリースはメジャーなアップデートであり、社内ではペンギン 2.0と呼ばれているようだ。

切れ味の鋭いペンギン 2.0、さらに多くのウェブサイトに影響を及ぼす

以前もお伝えしたように、マット・カッツ氏は、最近投稿した動画の中で、今回のペンギンアップデートはメジャーなアプデートであり、最初のアップデートよりもウェブの奥深くに浸透し、より多くのSEOおよびウェブマスターに影響を与えると明言している。以下に当該の動画を再び掲載する:

ペンギンアップデートの詳細が知りたいなら、ここをクリックしよう。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Penguin 4, With Penguin 2.0 Generation Spam-Fighting, Is Now Live」を翻訳した内容です。

2.3%の変化といえば、最初のペンギンが3%程度ですから、それなりの変化ではあるはずなのですが、イマイチまだ「これ!」というわかりやすい動きはないようで、大騒ぎしていた割には盛り上がりにかける状況のようです。今後新規情報あればまた別記事で紹介していきたいと思います。特に日本での大きな動きは今の所、余り感じられない気もしますが、「言語のウェブスパムのボリューム」が変化の影響に与える度合いが大きいのであれば、日本語はもっと動いてもいい気がするのは私だけでしょうか。。。 — SEO Japan [G+]

Googleの新しい会話型検索サービスを徹底解明

Googleが新型Chromeでリリースした会話型検索サービスその名も「カンバセーショナル・サーチ」がスゴイらしい、ということでその機能をサーチエンジンランドが徹底解説した記事を早速。 — SEO Japan

先週のグーグル I/Oカンファレンスでグーグルがデモを行った「Conversational Search」(会話型検索サービス)が、クロームブラウザのユーザーに公開された。この会話型検索サービスによって、検索エンジンを利用するアプローチが大幅に進化すると見られている。

私は検索に関する記事を17年間に渡って書き続けており、検索に革命を与えると言われてきたあらゆる検索製品、とりわけ「自然言語」や「セマンティック検索」等の用語で飾られたものの、期待を裏切った製品をこの目で見てきた。

会話型検索は、自然言語やセマンティック検索等の技術が活かされた製品である。完璧とは程遠いものの、「酸いも甘いも噛み分けた」私のような人物でさえ、思わず緊張し、好奇心を掻き立てられるポテンシャルを持つ。

グーグルは複雑なシステムを用いているものの、実際には、自然且つスムーズに稼働する。幾つか例を挙げ、最後に「内部」の仕組み、そして、コツを紹介する。

クロームの音声検索

クロームの最新版では、検索ボックスのマイクをクリックして、音声で検索を実行することが出来る。

Google Search By Voice

これは新しい機能ではなく、グーグルは2年近く前に音声検索機能を導入していた。しかし、iPhoneとアンドロイド向けのグーグル検索アプリと同じように、検索エンジンが音声で答える点が以前とは異なる:

how old is barack obama

検索結果が表示される:

how old is barack obama

時折、とりわけグーグルがナレッジグラフのデータを呼び出すことが可能な検索においては、直接の答え、または、情報「カード」(グーグルナウ(日本語)でデータを提示するアプローチ)が結果の上部に掲載される。

上の例では、「how old is Barack Obama」(バラク・オバマは何歳)と問いかけると、グーグルは答えをカードで提示し、さらにカードからオバマ大統領の年齢のカードを引き、[Balack Obama is 51 years old]と答えを音声で伝えてくれた。

会話を交わす

検索エンジンに話しかけられると、結果を音声で提供すると言う機能は、実にスタイリッシュであり、見事だとしか言いようがない。しかし、驚くのはまだ早い。なんと、代名詞や過去のクエリ内の情報を参照するその他の近道を活用し、さらに質問を投げかけて、検索による“会話”を継続することが出来る点こそが、この機能の最大の目玉である。これは通常の検索では考えられない。

例えば、上の検索を行った後に、[how tall is he](彼の身長は?)と問うと、次の答えが得られる:

how tall is he

「Barack Obama is six feet one inch tall」(バラク・オバマは6フィート1インチです)とテキストと一緒に再び音声で答えが返ってくる。しかし、私はオバマ大統領の身長を尋ねたのではなく、「彼の身長」を尋ねたのだ。グーグルは「彼」がバラク・オバマ大統領に言及している点を理解したことになる。

人間はこの点を容易に理解する。会話を交わし、会話の中で話した内容を把握し、既述した事柄 – 代名詞や前に登場した事柄を参照する近道 – を区別する。しかし、検索エンジンはこのような記憶を持たない。検索エンジンは、通常、それぞれの検索を以前の検索とは関連させることなく処理する。

「過去のクエリ」だけではない

グーグルとビングは「知的な履歴」を用意している。グーグルは2008年から過去のクエリの提供を行っている。ビングは、2011年からアダプティブ検索を提供している。この2つのサービスでは、過去に検索したクエリが事実上後続のクエリに追加されることがある。例えば、「new york」を検索し、次に「travel」(旅行)で検索をかけると、一部の検索は、ニューヨーク旅行に関する検索結果を表示させる可能性がある。

過去のクエリによる絞り込みは便利だが、会話型検索はそのさらに先を進んでいる。単純に後続のクエリに用語を加えるのではなく、言語を解析して、クエリを完全に理解することが出来るのだ。

「how old is Barack Obama」の検索を行った時、グーグルは、文字をマッチさせようと試みる2つのワードではなく、バラク・オバマが実在する人物である点を理解する必要があった。これは一年前に導入されたナレッジグラフ(日本語)がもたらした知性である。この知性は、「年齢」が、オバマに関する特定のデータに該当する可能性がある点を把握する上で貢献する。

次の検索が行われると、グーグルは、再び単純にワードをマッチさせるのではなく「he」が誰かの代名詞である点を理解しなければならなかった。その後、「he」が誰なのか考え、過去のクエリを確認し、それがオバマを参照している可能性があることに気づいた。最後にナレッジグラフに戻り、オバマ大統領の身長にマッチするデータを見つけ出した – つまり、グーグルは[tall]が身長を間接的に求めている点を理解したのだ。

実に難解なプロセスである。これは、自然言語処理であり、セマンティック検索と連動し、文の意味を正確に理解するための力である。データとページが、見えないところで全てつながっているのだ。

会話を続行

それでは会話を継続していく。次にグーグルに「who is his wife」(彼の妻は誰)と尋ねたところ次の答えが返ってきた:

obama's wife

「Barack Obama’s spouse is Michelle Obama since 1992」(バラク・オバマの配偶者は、1992年からミシェル・オバマです)。グーグルは「his」がバラク・オバマに言及し、[wife]がナレッジグラフで調べることが可能なデータのリクエストであると理解し、答えを出したのだ。

さらに会話を継続してみる。次に「how old is she」(彼女は何歳)と尋ねてみた。すると、次の答えが返ってきた:

グーグルの答えは[Michelle Obama is 49 years old](ミシェル・オバマは49歳です)であった。この答えを得るため、グーグルは最初の質問から延長された3つの先行するクエリを理解した。

残念ながら、この一連の動きを適切にとらえることが可能なソフトウェアをインストールしていないため、直接見せることは不可能だが、これから説明していくように、皆さん自身で試してもらうことは可能である。それでも、次のアニメーション画像を見て頂ければ、何となく分かってもらえるのではないだろうか。

conversational search

これは、先週グーグルI/Oで行われた会話型検索のデモの最中に撮影したスクリーンショットである。

完璧ではないが素晴らしい

会話型検索は常に適切に動くわけではない。さらに会話を続けていくと、失敗する確率が高くなる点に私は気づいた。予想に反して質問に対する答えが返ってこないときもある。事実、上の例にある4つのクエリで構成される検索で正しい結果を得るまでに数回試さなければならなかった。

グーグル I/Oでこの製品を直接試し、参加者と話をしている時、グーグルはこの点を認めていた。クロームでのサポートを正式に発表していたら(現時点では正式な発表はなく、そっとリリースされている)、バグを警告する注意書きが掲載されていただろう。

エンジニアやその他の製品のスタッフは、私が目の前でテストを行い、バグに遭遇すると顔を歪めていたが、私は正常に動く頻度の高さ – そもそも正常に動いた事実 – に感動していた。さらに改善していってもらいたいものだ。

誰 & どこに基づいて提供される答え

グーグルはユーザーの場所を把握しているため、または、個人情報の一部にアクセスすることが出来るため、一つの質問から、実際に述べた情報を越える答えを得られることがある。

天気が良い例だ。[Will it rain tomorrow?]と尋ねてみた:

newport beach weather

すると、グーグルは「No, rain is not expected tomorrow in Newport Beach. The forecast is 70 degrees and cloudy」(いいえ、ニューポートビーチでは雨が降るとは予想されていません。予想気温は華氏70度で、曇になる見込みです)と答え、天気予報を表示した。私は自分の居場所も教えたわけでも、天気予報を求めたわけでもないが、グーグルは私の場所を把握し、雨が天気に関連していると理解し、素晴らしい答えを提供してくれたのだ。

Gメールのフィールドトライアル(Gメール以外の情報も含まれているため、名称として相応しくない)を介して、個人情報へのアクセスを認めているなら、[what’s happening today](今日の予定は何?)等の検索を行うと、スケジュールが表示される:

calendar

スケジュールを音声で伝えるわけではないが、- グーグル自身のサービスを使うことに抵抗がないなら – 称賛に値すると言えるだろう。グーグルカレンダーやGメールを利用していない場合、ユーザーエクスペリエンスのレベルは格段に下がる。

「カード」以外 & 音声で答えが提供されない結果もある

答えは、オバマ大統領のクエリで紹介した情報カードから必ずしも得られるわけではない。例えば、「places to eat in San Francisco」(サンフランシスコで食事をする場所)と尋ねてみるとグーグルから次の答えが返ってきた:

restaurants

グーグルは、「There are several listinsg for restaurants near San Francisco」(サンフランシスコ近郊のレストランに対するリスティングが幾つかあります)と音声で答え、地域のレストランのレビューを表示した。レビューは音声で紹介されなかった。

同様に[Newport Beach]と語りかけると、[Here is some information about Newport Beach](ニューポートビーチに関する概要です)と答えるものの、実際の結果は音声では紹介してくれなかった:

newport beach

グーグルは、右側のナレッジグラフボックスを使ってニューポートビーチの詳しい情報を読もうともしなかった。オバマ大統領に関する音声検索では、この程度の手間は惜しまなかった。

当然だが、デスクトップでは、情報を読んでもらうことが便利だとは言い切れない。事実、音声検索は、2年前に導入された頃、とりわけオフィスで仕事をする人達にはいまいち受けが良くなかった。レスポンスを読んでもらう機能は確かに高度な技術だが、モバイルデバイスとは異なり、デスクトップでは必ずしも便利だとは言えない。

待ち遠しい音声による起動 & OK グーグル!

音声で会話型検索を起動することが出来るようになれば、利便性は改善されるかもしれない。この機能は今回のリリースには含まれていない。

音声起動検索では、コンピュータは「ホットワード」 – 恐らく先週デモが行われた「OK グーグル」を聞くと、ユーザーが検索を実行しようとしている点を把握する。

そのため、キーボードが存在しない環境で、検索を実施する必要がある場合、「OK グーグル バラク・オバマは何歳?」と話しかけると、コンピュータは自動的に検索を行ってくれる。

それでは、コンピュータは常に耳を傾けているのだろうか?グーグルによると、現在、このシステムを動かす仕組みを開発しているようだが、グーグルのホームページ、または、検索結果ページにアクセスしている際にのみ耳を傾けるブラウザのエクステンション等が採用されるのではないだろうか。 また、コンピュータが耳を傾けている時、実際にグーグルに送信されるのは、「OK グーグル」コマンドの後のクエリのみだとグーグルは明言している。

今後その仕組みが明らかになっていくだろう。会話型検索が、移動時に実行可能な取り組みを深くユーザーに理解してもらうための訓練場としてデスクトップを位置づけ、ユーティリティとしてモバイルに残るのかもしれない。

また、会話型検索サービスが、現在とは異なる方法で、先行する検索を用いて、より会話を意識したスタイルでクエリを入力するきっかけを与える可能性もある。

「会話」モードは入力では動作せず

現時点では会話型検索サービスは、クエリを入力すると動作しない。これは会話型検索がもたらす大きな違いである。

試しに、バラク・オバマ関連のクエリを音声ではなく、文字を入力して検索してみよう。次のイメージをご覧になれば分かるように、「身長」を問うクエリで白紙に戻ってしまう:

how tall is he

入力しているために会話型検索モードではなくなり、グーグルは「he」が誰に言及しているのかを特定する試みを止めるため、トム・クルーズとジョニー・デップに関する答えが代わりに表示されている。

自分で試してみる

先程も申し上げた通り、グーグルは会話型検索のリリースを正式に発表しているわけではない。しかし、実際に利用することが可能である。アンドロイドセントラルは、クロームの最新版を利用しているユーザーはこの機能を利用することが出来ると指摘している。そのためこの機能を使うためには、アップデートする必要がある。クロームの設定画面にアクセスし、次にヘルプを選択する。すると、最新版がインストールされているかどうかの確認が行われる。

Macでは、アップデートを行った結果、バージョンは27.0.1453.93になった。奇妙にもクロームブックでは、バージョン26以降にアップデートすることが出来なかった。ウィンドウズ 8のコンピュータはまだ確認していない。

参考までに伝えておくが、これはグーグルナウではない。確かに似ており、また、クローム/デスクトップ向けのグーグルナウはいずれ登場すると見られているものの、会話型検索からは、グーグルナウ(日本語)が提供する推測検索結果を得ることは出来ない。

いろいろ試してみよう。検索マーケッターにとっては、クエリが検索の意図を表現しなくなるため、とても一般的な用語でユーザーがウェブサイトを探し出す、全く新しい世界を垣間見るチャンスである。

皮肉にも、不評であったここ1~2年の「不透明なグーグル」の方針 – ログインしたユーザーが検索した用語を(広告主以外には)明かさない方針 – は、ユーザーがグーグルと“会話”するため、ユーザー自身が正確な用語の提供を差し控える状況への対応をトレーニングする格好の機会になっている。

検索エンジンのユーザーにとっては、検索の習慣を根本的に変える可能性がある大きな飛躍である。今後は、様々なタイプのトピックに対する答えを得るために昔から頼りにしてきた「親友」に対して、違和感なく話しかけることが出来るようになるだろう。

グーグルの競合者にとっては、新たに対応しなければならない難問がまた一つ増えたことになる。グーグルナウは既に検索を巧みに推測する取り組みに成功している(日本語)。現在、グーグルの会話型検索は、ユーザーにサービスを試してもらい、また、ユーザーが「今日の予定」等を検索エンジンに尋ねることが出来るように、グーグルのその他のサービスを介してより多くの個人情報を共有してもらおうと試みている段階である。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s Impressive “Conversational Search” Goes Live On Chrome」を翻訳した内容です。

Google NowGoogle Glassサーチと革新的なサービスを送り出している最近のGoogleですが、またもやってくれたという感じですね。路線的にはどれも関連していると思いますが、次世代検索の幕開けといった感じですね。しかしGoogle以外のプレイヤーが黎明期の検索エンジン市場と違って余りいないのも残念というか怖いというか。MicrosoftとAppleに頑張ってもらうしかないのですが、、、さてさて。 — SEO Japan [G+]

VCの考え方:あなたのスタートアップは、機能、製品、それともビジネス?

世界各国で続いているスタートアップブームですが、多くの成功したスタートアップは時に人によっては何かの1機能にしか思えないようなことに徹底的にフォーカスして成功しています。最近でいえばTwitterしかしInstagramしかしDropboxしかり。それらのスタートアップの多くは、「こんな小さな変化はそもそも投資対象になるのか?」と初期段階で投資家からの資金調達に苦しんだ会社も多いようです。ユーザーをある程度抱えてくるとその態度も一気に変わるわけですが 汗、今回はそんなスタートアップとその成長の可能性について、その製品機能から投資家的観点で考えてみた興味深い記事を。 — SEO Japan

ジュニアVCとしての自らの発展を通して、私は、自分が起業家の友人たちと同様の質問をしていることに定期的に気が付く。

過去のピッチの亡霊たちは抜きにして、私は他人の洗練された判断と実行策から知識を拾い集める。それをこのように解釈する:ベンチャーキャピタリストは、1つの視点を基に、理想的には採算性を証明する視点を基に行動してお金をもらう。しかし、VCはどのようにして、何が自分のお金に対して何倍も返すことになるのかを、多くの場合結果の出る何年も前に、特定するのだろうか?彼らは、そのような決断をする時、何に注意を払うのだろうか?

基本中の基本のフィードバックでさえも分かりにくいように思える。

たった1つのこと

創設者は、“1つのことをやれ。それを上手くやれ。”と、たびたび言われる。Instagramは、簡単な作業―写真のモバイル共有―に焦点を絞り込んだ勝者としてよく取り上げられる。Instagramの前身、Burbnは、雑然として機能が溢れかえっている感じがした後、ロケーションチェックインやソーシャルイベントプランニング関連のその幅広い提供物と共に解体された。InstagramのCEO、Kevin Systromは、“1つのことに焦点を合わせて、それを本当にうまくやることが、あなたをはるか先へと到達させることができる”と言った。実際、10億ドルまで。

羨望の合図。人気に便乗するプレイヤーにファンディングを流し込むことの合図。ある時は、あまりに多くの動画用のInstagramがあったために、The Next Webはトップ10を選ばざるを得ないように感じた。

OK、それは簡単なことだ。1つのタスクを実行すること。

早まるな。創設者たちは、時々、自分たちが本当のビジネスを築いていないということも耳にする。それどころか、彼らはFNAC(Feature Not A Company)―ページ上のただのボタン―として拒否される。確かに、かなり多くのテクノロジー巨大企業が、それを作ることはできるが、これはどれくらい正当化できるのだろうか?New Atlantic VenturesのThanasis Delistathisは、AppleやGoogleやMicrosoftのような一流企業は、“事業科目に稼ぎ頭を作った…彼らの成長への探求は、機能を配布するためにたくさんのお金を費やす”と、賢く指摘した。

しかし、私たちが目にしてきたように、そのエコシステムは多くの勝者に結果をもたらすことができる。Spark CapitalのAndrew Parkerは、抜け目なく、Craigslistのホームページを分割して、このディレクトリがどのようにHomeAwayやOkCupidやStubHubのようなカテゴリ指向の企業に取って代わられたのかを示している。それは、ウェブ中で定期的に共有されている画像だ。しかしながら、いかにしてCraigslistが基本的なHTML/CSSとより少ない機能を用いて“独占はしていないとしても”競争し続けているかに対するParkerの驚きに、まれにコメント投稿者が注意を向けている。確かに、Parkerさえも“アダルトサービス”のセクションを探索することに興味をそそられていたようだ。

では、どうやってこの“1つのこと”を定義し特定するのか?機能とは一体何なのか?製品?そして、投資家はビジネスとは何であると考えるのか?

見方の問題

秘密はこうだ:投資家自身は、これらのアイデンティティの違いを詳しく説明しようと四苦八苦することが多い。TwitterはFacebook上の単なるステイタスバーの機能だったのでは?Foursquareの1年後、2010年にFacebook Placesはローンチした。ではFoursquareは機能としての資格があったのか?

Benchmark CapitalのBill Gurleyは、Dropboxは“難しい問題―ファイルの同期―に取り組んでそれを超簡単にした”ため、Dropboxは“大きな混乱”であると主張し、信じない人達はファイル同期は製品ではなく機能であるというSteve Jobs陣営に分類されたため、非難された。Scale Venture PartnersのRory O’Driscollは、機能のラベルは褒め言葉と取られるべきだと言ってGurleyを擁護した。“今日ソフトウェアでけん引力を得るためには、機能―原子単位の喜び―から始めなければならない。あなたは、見事に1つの問題を解決しなければならない。”Dropboxは現在のところ、40億ドル以上の値段が付けられている。

Google、Yahoo、そしてもっと最近ではMailboxが、自分たちの立場の主観的な見方を基に、背を向けられたもしくは資金供給されたその他の例だ。DisqusUserVoiceのようなスタートアップはどこで最初に調和したのだろうか?共通の要素を見つける試みは複雑だった。

議論をまとめると、機能は行為を遂行する。製品、通常は機能のパッケージが、問題を解決する。ビジネス、潜在的に製品のパッケージが、ユーザーに繰り返し発生する価値を提供する。理想では、これらのユーザーは、いくらかの測定可能な通貨(データ、時間、お金)を代わりに提供する。さもなければ、それはとりわけ持続可能なビジネスではない。今日破壊的で奇抜かもしれないことが、明日はページのボタンになるかもしれないし、それが結果的に投資家の態度を変えるということを頭に入れておくことだ。もっと言うと、アーリーステージでは投資家が完璧な会社を目にすることはほぼ皆無で、機能と製品を介したチャンスの核心を目にするのだとも議論される。

いいね。では、これはどのように資金調達することに当てはまるのか?

機会を評価する

FoundryのJason Mendelsonは、FNACに関する議論は、1つの質問に帰着すると述べた:これは投資すべき十分な大きさの機会なのか?

ベンチャーキャピタリストは、1つの主要な‘こと’―つまり、予想―に基づいて機会の規模を評価する。投資家は、マネージメントや政治やブラック・スワンに関する懸念を調査する前に、競合相手(現在と見込み)と顧客(これもまた現在と見込み)の行動を予測する。彼らの興味は、正確に狙ってから、時間と資金を可能性の高いエグジットに積むことだ。彼らは、予測に基づき、証拠に後押しされ、賭ける。

競合相手について検討する時、VCは、“再現するための課題は何か?”と尋ねるだろう。より多くの才能、財政、規模を自慢にするかもしれない現在および未来の競争相手がいるなら、どこが競争力なのか?一部の企業にとっては、これはユーザーの定着したネットワークかもしれない(Evernote、Buzzfeed、WhatsApp)し、他の企業にとっては、複雑なアルゴリズムから集められた洞察力のある情報の貯蓄かもしれない。こういった機会は難攻不落なのか?

顧客について検討する時、ベンチャーキャピタルは、“トレンドは何か?”と尋ねる。人々が顧客になるために自分自身を乗り越え、それがとても特別だからその解決策を同僚に説いているということを示すシグナルはどこにあるのか?良い例が、両面性のある市場を築くという難題と見知らぬ人の家を借りるという最初の疑問視にもかかわらず国内および海外での上昇と飛躍によって成長したAirbnbかもしれない。

実験的(少なくともこれは良いストーリーを助長する)から実用的(私はただ最も手頃で楽しく便利な滞在を求めている)への体験のシフトが、多くの人の心と財布を開かせる秘訣だ。

この“1つのこと”へ戻ると、ラベルは無視することだ。先手を打つために焦点を活用するのだ。ビジネスではなくエネルギッシュな組織を作るのだ。

画像クレジット: Thinkstock


この記事は、The Next Webに掲載された「How VCs think: Is your startup a feature, a product or a business?」を翻訳した内容です。

若干、後半尻すぼみな終わり方になってしまった気はしますが、スタートアップ起業家、事業運営者の立場からは集中することの重要さや、その価値を投資家に理解させることの難しさは感じることができた記事でした。ま、結局はアイデアだけでなくある程度ユーザー数等で結果を出さないと投資家も判断できないことって多いのでしょうけど。TwitterにしてもInstagramにしても、まさかあそこまで流行るとは当の本人たちが一番思っていなかった気がしなくもないですし。逆にそういう有象無象のスタートアップの中から原石を発見して投資できるかがVCの実力なのでしょうか。ま、起業家は未来を信じて頑張るだけですね。。。 — SEO Japan [G+]

検索の未来が変わる?!グーグルグラスの検索機能を徹底解剖

試用版のレビューがウェブで投稿され発売も時間の問題とされるGoogle Glass、今回はその検索機能の焦点を当てたサーチエンジンランドの記事を紹介します。様々な用途に使えるGoogle Glassですが、サーチマーケッター的に気になるのが検索との連動性。検索の未来を変えるかもしれない?!その機能を今から徹底解剖。次世代の検索革命を今から体感してみませんか? — SEO Japan

ok-glass-240グーグルグラスの「エクスプローラ」版には7つの音声コマンドが搭載されている。6つのうちの2つは検索に関連している – [google]と[get directions to](~へのルートを調べる)。その他の音声コマンドは、[take a photo](写真を撮影する)、[record a video](動画を録画する)、[make a call to](~に電話する)、そして、[start a Hangout with](~とハングアウトのチャットを始める)である。

また、グーグルナウを経由した予測検索機能も搭載されており、グーグルグラスは、ユーザーが求めているとグーグルが考える情報を自動的に表示する。

そのため、グーグルグラスを使ったアクティビティの多くには、検索が関係する可能性は高いと言える。因みにグーグルはこの行為を「googling」(グーグルする、または、ググる)と呼んでいる。グーグルは、「検索」の代わりに「ググる」を利用することに反対し、商標を守る試みを継続しているものの、グーグルグラスで初めて提供されるコマンドは、「検索」ではなく「google」であった。しかも、その他の音声コマンドと同じように小文字で綴られている。グーグルの法務部がこの方針を認めたことは意外であった。

グーグルグラスでの検索は、今までの検索の体験とは大きく異なる。次のように、グーグルグラス自体が大きく異なるためだ

  • グーグルグラスにウェブブラウザが用意されていないため、ナビゲートするものがない。
  • グラスでの検索は、ウェブページを探すためではなく、情報を探すために内蔵されている。

この違いは、検索の仕組みに大きなインパクトを与える。

グーグルグラスを使って15分間検索をしただけで、ナレッジグラフグーグルナウ、そして、その他の検索ツールにおけるグーグルの取り組みの価値を大いに理解することが出来た。グーグルがここ数年の間に力を入れていた検索の取り組みの多くは、グラスで真価を発揮しており、ストリートビューやおみせフォトがグラスに統合されるようになれば、さらにパワーアップするはずだ。

現在、グーグルグラスで検索を行っても、伝統的な10本の“青いリンク”もなければ、スマートフォンでの閲覧時に表示される2-3本のリンクさえも表示されない。ユニバーサル検索の結果は提示されるものの、例えば、画像の結果とニュースの結果の違いは分からない。サイトリンクもない。リンクが1本も存在しないのだ。

それでは、グラスで検索を行うと何が表示されるのだろうか?

Cards(カード)である。

それぞれの検索結果は、その他のグラスの情報と同じように、「カード」として表示される。ディスプレイは基本的に白黒だが、スニペットと結果を区別するため、フォントには差がつけられている。また、大半の結果/カードにはソースのURLが掲載されている。

グーグルグラスでの検索の仕組み

グラス経由の検索において、第一に理解しなければならないのは、キーワードが存在しないため、検索が音声で起動する点である。「okay glass」、次に「google」と話しかけ、検索スクリーンを表示させる。

glass-googling-searching-voice

私の知る限り「google」は検索を稼働させる唯一の方法である。「okay glass、search」ではなく、「google」と述べ、次に検索クエリを伝える必要がある。

幸いにも、グーグルの音声認識の性能はとても高い – しかし、完璧ではない。先日、フィラデルフィアに出張した際にある問題に遭遇した: 「Estia」と言う名前のレストランを私は探していたものの、グラスは私がS、T、Aと言っていると勘違いし、- それが何であれ、あるいは、誰であれ – 「St. A」に対する結果を提示した。もう一度、今度はより細かくフレーズを指定して試したところ、求めている情報が表示された。

その次に知ってもらいのは、グーグルグラス日記の1通目でも指摘した通り、グラスは、長時間のコンテンツを見ることを目的として開発されたわけではない点だ。グーグルのI/Oカンファレンスで、グラスの製品ディレクターを務めるスティーブ・リー氏は、グーグルグラスに適するコンテンツのタイプについて次のように述べていた:

「グーグルグラスは、映画を最初から最後まで見る行為や本を読む行為のために作られたわけではなく、私達がマイクロインタラクションと呼ぶアクティビティを考慮して開発されている。早く、簡潔なユーザーエクスペリエンスを基調としている。」

早く、簡潔なアクティビティ。つまり、大量の検索結果ページを再現するのも – そして、読むのも苦労する。検索はグラスの重要な機能の一つではあるものの、これから紹介していくように、特定のタイプの検索を考慮してグラスは作られている。

(エクスプローラはグーグルグラスの1作目であり、今後、様々な変更が加えられていくはずである。事実、グラスを手にした時、グーグルのスタッフは、エクスプローラは、一般向けの販売を行う前にテストを行い、デバイスを改善するための試作品だと説明していた。そのため、これから紹介する内容が、今後のグラスの仕組みとは異なる可能性がある点を理解してもらいたい。間違いなく改善されるはずだ。)

ナビゲーショナルクエリ

米国では「Facebook」が、4年間連続で最も多く検索されている。

グラスに「google facebook」とコマンドを送ると、合計で14枚のカードが表示される(1つの結果につき1枚のカード)。以下にFacebookに対して表示されたカードのうち最初の3枚を掲載する。

glass-facebook-1

glass-facebook-2

glass-facebook-3

同じクエリをグラスベースの検索とデスクトップの検索と比べてみたところ、1-8位までは順位は変わらなかった。9位以降の6つの結果は、色々なアイテムが混ざっており、デスクトップとはかけ離れていた。グラスは、デスクトップでは30以内にランクインしていない結果/カードを幾つか表示している。また、デスクトップで関連するキーワードとして提示されるMySpaceのカード、そして、ツイッターのカード(デスクトップでは関連するクエリに含まれていない)も提供している。

このような結果は役に立たず、ナビゲーショナルクエリに関しては高い評価を与えることは出来ない。繰り返すが、これはグーグルグラスが、ウェブを閲覧することを考慮していないためである。

インフォメーショナルクエリ

グーグルグラスは情報を見ることを意図して作られており、インフォメーショナルクエリに対しては、役に立つ結果を提供すると思われる。事実、役に立つ結果を得ることに成功した。

Albert Einstein

「Albert Einstein」で検索を行うと、7つの検索結果/カードが表示された – 全てのカードには、グーグルのナレッジグラフのエントリと全く同じ情報が掲載されていた。

glass-einstein-1

1枚目のカードを見ていると、グラスはコンテンツを読み/話し始める。別のカードを見ていても、1枚目のカードを読み続ける。声はロボット調だが、Albert Einsteinに関する情報を求めるユーザーにとっては適切な対応だと言えるだろう。その他の6つのカードを一つの画像にまとめておく:

デスクトップのナレッジグラフとは異なり、グーグルグラス版の結果は、詳細を得るためのクリックすることが可能/話かけることが可能なリンクが用意されておらず、「People also search for」の結果は含まれていない。しかし、違いはこの2点だけである。

U2

アインシュタインは難易度の低い結果である。アインシュタインのナレッジグラフはテキストおよび情報で構成されているためだ。それでは、デスクトップのナレッジグラフではスクロール可能な楽曲のリスト等、テキスト以外のアイテムが用意されている結果に対して、グラスはどのように対応するのだろうか? 以下に「U2」の検索結果を掲載する:

「U2」と言ったつもりが、グラスは「you too」と勘違いしてしまった。全く同じ音に聞えるのは当然であり、グラスを責めるべきではない(U2は昔のバンド名を変えるべきではなかったのかもしれない – FeedbackやHype等)。事実、求めるクエリの検索結果を表示させるため、私は複数のアプローチを試みなければならなかった。

一時、グラスは、私がYouTubeを求めていると考えていた。

glass-youtube

私は「capital U number 2」(大文字のU、数字の2)や「letter U number 2」(文字のU、数字の2)等も試したが、どれも失敗に終わった。また「u2 rock band」も試してみたが、駄目だった。グラスは、音楽ゲームのRock Bandを私が検索していると勘違いした。

glass-rockband

このように様々なアプローチを試してみたものの、求めている結果は得られていない。

ウィズでもウィズアウトでも、グラスでは検索は不可能だと思うようになった。

まさにRunning to standstill(行き詰ってしまい)、Stuck in a moment You can’t get out of(抜け出せない)状況であった。

Vertigo(めまい)がしてきた。

その後、Beautiful day(状況が好転)した: 「band U2」が功を奏したのだ。

glass-u2

glass-u2-2

再びグラスはデスクトップのナレッジグラフと全く同じ情報を提示するカードを提供した。しかし、幾つか例外が見られた。最後のカード、Awardsは、グラスではスペースが限られているために割愛され、また、デスクトップでは提供されているリスト全体を見ることは出来なかった。さらに、思った通り、グラスの結果には、デスクトップでは表示される「Songs」や「Albums」のセクションは存在しなかった。

Space Needle

さらに別のインフォメーショナルクエリの結果を試してみた – このクエリでは全く予想していなかった結果が表示された。「Space Needle」(シアトルにあるタワー)で検索を行うと、グラスは情報ではなく場所に焦点を絞ったカードを表示した。

glass-space-needle

カードをクリックしてルートを引き出すことも、Space Needleに電話をかけることも出来るが、情報を得ることは出来なかった。同じクエリのデスクトップのナレッジグラフは、情報と場所の双方を掲載しているものの、情報に若干力を入れているように思える。

space-needle-knowledge-graph

グーグルグラスはモバイルデバイスであり、通常の検索よりもルート/場所を利用するケースが多いと考えられるため、グラスは、このタイプのクエリに対して、場所を優先するように設定しているのではないだろうか。私自身がSpace Needleがあるワシントン州にいる事実が、表示される結果に影響を与えているようには思えない。実際に「Mount Rushmore」(サウスダコタ州)をグラスで検索したところ、情報ではなく、地図がデフォルトで表示されていた。

トランザクショナルクエリ

グラスが「buy seatle mariners tickets」(シアトルマリナーズの試合のチケットを購入)等のトランザクショナルクエリに向かない点は、明白である。グーグルグラスは、ナビゲーショナルクエリと同じように、トランザクショナルクエリを処理するために開発されたわけではない。

glass-seattle-mariners-tickets

グラスは10枚のカードを提示してくれたが、話す、または、クリックすることが可能な結果は一つもなかった。上の画像は1枚目のカードであり、公式のマリナーズのチケット販売ページが反映されている。

グーグルグラスでグーグルナウ

グーグルナウは、グーグルグラスでもその他のモバイルデバイスと同じように動作する。メインの「ok glass」ホームスクリーンの左側には、グーグルナウ経由の情報を提供する複数のカードが用意されている。本日の太平洋時間午前11時の時点で、グラスは2枚のグーグルナウのカードを表示していた:

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天気のカードの右上の白い三角形は、クリックして「サブカード」にアクセスすることが可能である点を示しており、実際にクリックすると、グーグルナウはとてもベーシックな3日間の天気予報を提供してくれる。

glass-google-now-weather-2

グーグルナウは、基本的には速やかに情報を提供するものの、今朝、マリナーズのカードは、試合が始まってから40分間経過してからようやく動作し始めた。2イニングまでは、昨夜の試合の結果が表示されていた

先日フィラデルフィアとサンフラシスコで車を運転している時、グーグルナウは、私が向かっているとグーグルが考えた場所の名前のカードを表示した(タップしてルートを知ることが出来る)。しかし、どちらの場合もグーグルの推測は誤っていた。

それでも、グーグルナウが提供するスポーツ関連のカードは気に入っている。先週、東海岸に滞在し、グーグル I/Oカンファレンスに参加している際に、タップ & スワイプしてマリナーズの試合結果を楽に把握することが出来た。

結論

検索を実行すると、グーグルグラスの現時点での弱点が浮き彫りになるものの、手っ取り早く、情報を得ることが出来ると言う長所もまた際立っている。検索を行うことで、グーグルグラスとは何か、そして、何を意図しているのかを再認識することが出来る。

グーグルグラスは、(写真や動画等の視覚機能を持つ)モバイル情報デバイスである。ナビゲーショナルクエリやトランザクショナルクエリを考慮して作られたわけではない。そもそもウェブブラウザ自体が存在しない。ウェブページではなく、情報を探すことを念頭に置いて開発されているのだ。また、グラスは、情報がグーグルのナレッジグラフに含まれている場合、巧みに情報を探し出す傾向が見られる(先程挙げたSpace Needleの問題は、複数のカードを提示することで容易に解決することが出来る – 場所のカードと情報のカードを提示し、ユーザーに欲しいアイテムを選ばせればよい)。また、- グーグルナウを介して求めている情報 – 推測検索の質も高い。

グーグルグラスは、ローカル検索とナビゲーションを主に意図して開発されている。次回のグーグルグラス日記でこの点を詳しく説明していく。乞うご期待。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Glass Diary, Part 3: How Search Works On Google Glass」を翻訳した内容です。

キーボードで文字入力するわけではありませんし、音声認識で検索する難しさというのは確かにあるのでしょうね。U2の事例がそうですが、音声検索のコツを覚えてしまえば意外と違和感ないのかもしれませんが。ナビゲーション、インフォメーションでの用途が大半なのでしょうが、いずれはトランザクションまで簡単に行えるようになるのでしょうか。この部分は検索経由というよりはグラス自体にコマース機能が搭載され、それを利用する、という形に進化していくのかもしれません。従来の(スマホ/タブレット含む)ウェブ検索を置き換える存在には当面なりそうもないですが、検索の未来を確実に感じさせてくれるレベルの機能は最初から搭載されているようですね。Google Glass、その発売が待ち遠しいばかりです。 — SEO Japan [G+]

スタートアップが企業文化を壊さずに正しく雇用する方法

スタートアップにとって重要な作業の一つが独自の企業文化を作っていくこと。同時にそれを実現させるためにはもちろん、事業を運営し成長させていくにも必須なのが適切な人材雇用。理想の企業文化を持っていても知名度の無いスタートアップにとって最適な人材を雇うことは至難の業ではありますが、そこで妥協していては肝心の企業文化が壊れてしまう可能性もあり、、、そんな企業文化を意識したスタッフ雇用について、インバウンドマーケティングソリューションで今をトキメク存在であり、独特の企業文化でも知られるHubSpotの創業者が語ります。 — SEO Japan

自分の初めてのビジネスローンを覚えているだろうか?もしくは、もしあなたが多くの起業家と同じなら、最初は、自分のクレジットカードで物を買うことによってスタートアップをブートストラップしていたかもしれない。あなたはワクワクしていたし、恐れてもいた。ワクワクしていたのは、自分のビジネスに投資するキャッシュを手にしたから、恐れていたのは、返済しなければならない借金を背負ってしまったから。

しかし、あなたは自分が支払う利息よりも多くの価値を作ることができることに自信があったため、それは構わなかった。ゆくゆくは金銭的な負債を返済しなければならないとしても、適切なリソースへのアクセスを獲得することが、しばしば成功と失敗の違いを生むのだ。

それが金銭的な負債に言えることだ―しかし、それは文化的な負債にはほぼ当てはまらない。

文化的な負債は、企業が近道をして“適切な”スキルもしくは経験を持つが文化にフィットしない従業員を雇う時に起こる。たった一度の間違った雇用が、他の全ての従業員に打ち寄せるネガティブな波を―現在と未来に、そして結果としてあなたのビジネス全体に―生み出すことがあるのだ。

残念なことに、文化的な負債の利子は非常に高い:文化不適応者を解雇したり、彼らが自ら辞めた時にさえ、あなたは自分が被った負債を返済できない場合もあるのだ。

ここでは、あなたが自分のスタートアップの可能性を実現するのを妨げる文化的な負債を生み出すあまりにもありふれた方法を紹介する:

1. 能力だけで判断し、文化的適応力を気にしない

優れたコードを書く花形のデベロッパー…しかし、どんな指示を受けることも拒否し、他人を助けることを断る人が、あなたが彼を採用するからという理由で、すぐに気持ちを入れ替えることはない。

短期的にはいつも同僚よりも優れているように見えるスキルのあるセールスパーソン…しかし、うまく立ち回ってコントロールし、焼け落ちることを望んで灯油に浸った橋を架ける人が、あなたが彼女を採用するからという理由で、長期的な関係構築に焦点を合わせた会社のための大使に変化することはない。

面接の過程は少しハネムーンに似ている。あなたは、候補者が持つ一番良いところを見る。もし、従業員候補者が、採用されるにあなたの文化にぴったりフィットするように見えなければ、その人物は絶対に採用されたもフィットしないのだ。

文化的適合の悪魔と取引をするリスクは決して冒さないこと。会社の魂が危機に瀕する。本当に。

2. 態度のカードを捨て、スキルのカードを使う

スキルと経験は、使用されなければ価値がない。知識は、他の人に共有されなければ役に立たない。

あなたの会社が小さければ小さいほど、あなたが自分の分野でエキスパートである可能性が高いため、それらのスキルを新しい従業員に伝えることは比較的簡単だ。しかし、あなたは、熱意や良識ある労働倫理や優れた人間関係スキルを訓練することはできない―そして、それらの特性は候補者がもたらすどんなスキルよりもはるかに重要なのだ。

調査によると、技術的なスキルの欠如が原因で最初の18か月で失敗した新しい雇用はたったの11%だけだった。大部分が、モチベーションや、教えられる気がないことや、気性および感情的知性の問題が原因で失敗していた。

こんな風に考えるのだ:特定の難しいスキルが欠けた候補者は心配の種になるかもしれないが、あなたが必要とする信念と価値が欠けた候補者は文化的負債の巨大な危険信号である。

3. 中古車を売ろうとしている

候補者に対しては自分の会社を過剰に売り込みたくなるものだ。特に、あなたが是が非でも空いたポジションを埋める必要がある時や、とても長い間求人募集をしている時には。

あまり一生懸命売り込まないこと。優れた候補者は、準備をしてやって来る。彼らは下準備をしているのだ。あなたについてオンラインで読んだことを基に、あなたの会社が自分にぴったりとフィットするかどうかすでに知っている。本当に優れた新入社員は、何週間もしくは何か月もあなたの会社を追跡していたかもしれない―この会社がどんな感じなのかを見るために。

ポジションについて説明し、会社について説明し、全ての質問に回答し、率直で正直になり、あなたの自然な熱意を示すのだ…そして、候補者に詳細な情報を得た上での決断をさせるのだ。しかし、過剰に売り込まないこと。

適切な候補者は、適切なチャンスを認識する―そして適切な文化的フィットも。もしあなたがあまりにも誰かを説得しようとしすぎると、その愛は一方方向で、それは長期的な成功には向いていない。

4. 不平を熱望と間違える

組織的で、最初から最後まで包括的な雇用プロセスに勝るものはないが…時に、例外として、直感と第六感がある。

私の会社HubSpot(6年で0から500人の従業員に成長した)には、高く評価する5つの属性がある:

謙虚である(Humble)。最高でありながら腰が低い。自覚を持ち、礼儀正しい。

効果的である(Effective)。物事を終わらせる。適度に針を動かし、計り知れないほどの価値を追加する。

順応性がある(Adaptable)。継続して変化し、生涯学習者である。

卓越している(Remarkable)。際立った並外れた能力を持つ。非常に賢く、非常にクリエイティブで、非常に才覚がある・・・

何も隠さない(Transparent)。オープンで他人および自分自身に正直である。

つまり、私たちはH-E-A-R-T(ハート)のある人を求めているのだ。そういう人が、私たちの愛する会社を作るのを助けるからだ。だから私たちはいつも、より質的な検討事項と自分たちの印象を天秤にかける。あなたもそうするべきだ。こんな風に考えるのだ:あなたに経験があればあるほど―酷くやっつけられたことがあればあるほど、ひどい困難に打ちのめされたことがあればあるほど、間違いを犯したことがあればあるほど―、あなたの“第六感”はより多くのことを“学んでいる”。決して直感だけで進むべきではないが、候補者に対して悪い予感がするならば…それはもっとよく見る必要があるというサインである。

そして、さらにもっとよく見るのだ。

HubSpotにおいて私たちが文化についてどのように考えるかを詳しく知りたい人は、文化コードに関するスライドをチェックしよう(あなたの手間を省くために、以下に埋め込んである)。

結論:自分が従業員に求める無形のものを定義し、それらの資質に欠けた候補者を採用することによって決して妥協しないこと。

5. 危険な賭けに出ることを決める

あなたが従業員候補に負うリスクは2種類ある。

最初は価値のあるリスク:以前の従業員よりも可能性があるように感じる候補者を試してみること、いくつかのスキルには欠けるが態度がものすごく良い候補者を試してみること、チームが喉から手が出るほど必要としている熱意とやる気と魂をもたらすように感じる候補者に賭けてみること。それらは、良いチャンスである。

もう一つはバカなリスク:業績問題の経歴があり、あなたがどうにか強い労働倫理を持つことを願う候補者を試すこと、“ダメ上司だった”ことが理由で過去2つの仕事を辞めている候補者に賭けること、何の経験もないのにどれくらいすぐにどれくらいの頻度で昇進するかについてだけ話したがる候補者を試すこと。

なぜあなたはバカなリスクを負うことを正当化するのか?自暴自棄になっているか、怠けているかだ。もしくは、集中すべき他の問題を抱えているか。もしくは、自分の文化は、一人の不適合従業員の影響に耐えるほど強いものだと思っているか。

バカなリスクを負わないこと。それらはいつだって悪い結果になる。時には、価値のあるリスクを負うこと。なぜなら、それらはあなたにとって最高に素晴らしい雇用になり、次第に最高の従業員になることがあるからだ。

そして、決して、高利の文化的な負債を生み出すようなことに賭けないこと。

あなたの組織にとってそのコストはあまりにも高すぎる。そして、命は短い。


この記事は、OnStartupsに掲載された「5 Startup Hiring Mistakes That Can Crush Your Culture」を翻訳した内容です。

お金は借りても返せる、しかし文化的負債は一掃することは難しい、というのはナルホドでした。書かれていること自体は、どれも普通に理解できるものばかりですが、これを全て実践するとなると、それなりの覚悟と努力が必要そうですね。独自の企業文化へのこだわりで雇用におけるこだわりも変わってきそうですが、実際HubSpotはその企業文化が事業の成功に大きく関係している雰囲気もありますし、スタートアップに限らず多くの企業の参考になりうる内容ではないでしょうか。 — SEO Japan [G+]

1つのグラフに見るRSSの死

Googleリーダーの終了まで一か月少しとなりました。当初は多くの批判を浴び、延命を願う署名運動も行われていましたが、世の中の流れには逆らえないのか、Feedlyの性能が思った以上に良くて皆が満足してしまったのか、単にRSSリーダーを使う人が減っているのか、特に問題もなくこのまま終了&フェードアウトしそうな雰囲気です。今回はそんなRSSの現在を、とあるグラフから眺めてみた雑感をアンドリュー・チェンが語ります。 — SEO Japan


“RSS”のGoogle Trendグラフ ー悪い知らせ

最近私は、自分の全てのRSSリーダーをEメール購読に移行することに関してブログ記事を書いたのだが、直ちにそれに対する30件以上の否定的なコメントをもらった。明らかに、それは琴線に触れたのだ。私は今も自分が言ったことを信じているので、ここでそれを裏付けるいくつかのデータと根拠を紹介する:

RSSは廃れつつある

最初に、上の画像は、過去数年間にわたる“RSS”のGoogle Trends検索である。それは、どれくらいの人がGoogleでRSSを検索しているかを教えてくれる。私にとって、それは、消費者対応テクノロジーとして長年関心が薄れていることの表れだ。長期的なトレンドとしてそれに賭けたいブログはあるだろうか?差し迫るGoogle Readerの停止と組み合わせると、RSSリーダーを使用している多くの人達が、代替品に乗り換えるよりも全く使用しない方に移行するであろうことは推測できる。確かに、いつだってフィードリーダーを好む少数派は存在する。しかし、最終的にはRSSはメインストリームのテクノロジーというよりはQRコードやSegwayのようになるだろう。

突き詰めると、RSSはずっと存在し続けるが、コンテンツサービスは双方向性があり互いに話し合う手段になるだろう―あなたは、FlipboardやZiteのような場所で自動的に出現するランダムなブログを目にすることになる―しかし、人々が小さなオレンジ色のRSSボタンを見てそれをクリックするという考えは見込みがない。(ちなみに、“google reader”で検索した結果も良くない)

RSSには返信機能がない

ライターとオーディエンスの双方向性は、ブログを持続することの最も実りある側面の1つだ。RSSはコンテンツを提示する異なる手段として作られ、アイデンティティや双方向性を持たない。Eメール購読(およびTwitter)の一番良い点は、誰が自分の作品に興味を持ったかを実際に見られることだ。彼らに接触してフレンドリーな会話を始めることさえできる。私のキャリアにおける一部の最も重要な関係は、EメールやTwitterを介して作られてきた。

私がEメールを重視しRSSから切り替えたのも、私の望みがオーディエンスとの双方向性のレベルを高めることだったからだ。今、このやり方では、もしあなたが何らかのEメール投稿に返答をすると、それはフィルターにかけられず私の受信箱に直接入ることになる。もっといいことに、私たちは知的な会話さえするかもしれない!

RSSから立ち去ることがより良いコンテンツを導く

フィードバックのループは、どんな種類のコンテンツが自分のオーディエンスの共感を呼ぶのかについてあなたにイテレートさせてくれる。ライターは、自らのライティングを向上するためにフィードバックのループを必要とする―新しい文章が私の読者にメール送信されるたびに、私はたくさんのフィードバックを獲得する。私は、正確に誰が、どれくらいの人が購読を止めたかを知っている。私は、Eメールを書くことによって彼らに理由を尋ねることができる。さらに私は、どれくらいの新しい人達が購読をしたかを知っていて、時々、彼らのメールアドレスのドメインを見て、彼らが法人なのかスタートアップなのかVCなのかなどを把握する。このような詳細が、私がより良いコンテンツを書いたり、自分のオーディエンスのことを知るのに役立つのだ。良いことだらけだ。そして、明らかに、RSSはコンテンツが全てであり、このようなフィードバックは持たない。

消費者が、“統合された”読者に移行している

RSSの興味における否定的な傾向と関連して、消費者は代わりに他のプラットフォームを採用している。RSSリーダーは、異なる時代に発明されたものだ。Blogger、TypePad、WordPressは、私たちがブログネットワークをたくさんの独立型ウェブサイトとして、つまりインターネットのように分散的に考えていた時代に作られた。しかし、今日の消費者は、フォローしたり、フィードを見たり、コンテンツを作成したりするのを全て同じサイトでできることを好むようになっている。これが、TwitterやInstagramやTumblrのフィード指向のホームページの中核であり、これらのより統合されたプラットフォームが勝利を収めたのだ。

Eメール購読者はRSSリーダーよりも2倍アクティブ

私が気付いたもう一つのことは、Eメール購読者は、より粘り強くよりアクティブであるということだ。私のブログからの個人的なデータからは、私は理論的にはEメールよりも5倍多くのRSS購読者を持っているが、トラフィックの観点からは、大量のRSS購読者がその数字を埋め合わせているわけではない。Eメール購読者あたりで計算すると、RSSからリンクをクリックしている人々のアクティビティ率の約2倍獲得している。

そこで、とても実用的な質問になる:ブログが未来のコンテンツのためにユーザー購読を促す際、あなたは何を利用すべきなのか?RSSなのかEメールなのか?その答えは簡単だ、Eメールを選択せよ。言い換えれば、RSSを採用するには、Eメールと同じアクティビティレベルを獲得するために従来の2倍コンバートする何かが必要となる。市場サイズとRSSに対する関心が次第に減少していることや、RSSリーダーを使用しているのは少数派であることを考えると、あなたがどこに行くべきかはかなり明白であると思う。

RSSがデザインし直されるまで、繰り返し言うが、私はRSSを止める。そして、もしあなたもブログを持っているなら、これについて考えるべきだ。


この記事は、@andrewchenに掲載された「The death of RSS in a single graph」を翻訳した内容です。

メールがRSSの代替ツールになるかはともかく、RSSの現状と今後について考える上で色々な示唆を与えてくれる記事でした。記事にも取り上げられていましたが、ソーシャルメディアの普及に伴うこれまで以上の多種多様な双方向コミュニケーションの台頭がRSSの衰退に影響を与えているということはありそうですね。

RSS Readerという言葉の検索数もブログブームと共に2005年位までは伸びていますが、その後は失速していますし、一部の情報収集マニア?を除くとブログやニュースソースを個別に登録して日々情報収集するというようなRSSリーダーを活用した情報収集行動はイマイチ普及しなかったのですかね。情報もより多様化・分散化、そしてさらにリアルタイム化している今、RSSリーダーで情報を追う行為自体(情報を消費するのもそうですが、それ以前の情報ソースの選択&常にアップデートし続ける行為も)は、今の時代の流れには即していないのでしょうか。世の中的にもFlipboardなりGunosyなりシンプルなダッシュボード的インターフェースでその日の(コンピュータが勝手に選んだ)自分の興味にあった関連ニュースを厳選して見る、という種類のサービスが人気です。

もちろんフォーマットとしてRSSは残リ続けると思いますが、人々の情報収集の形はRSSやRSSリーダーを超えて今後まだまだ進化していくのでしょう。 — SEO Japan [G+]

「SEOは終わった」のではなく、進化した

Googleの度重なるアルゴリズム進化やコンテンツマーケティングの台頭と共に「SEOはもう死んだ」といわれることも多い最近。検索エンジン黎明期からSEO業界で活躍してきた筆者が語るSEOの今をサーチエンジンランドから。来たるべきペンギンアップデート2.0を前にSEOの現在と未来について改めて考えさせられる記事です。 — SEO Japan

SEOの時代が終わったなら、5年後にはソーシャルメディアの時代も終わるだろう。焦らずに、じっくり進んでいこうではないか。

今回は、この主張について、私の意見を述べさせてもらう。

現在の検索業界では、ソーシャルが検索に「取って代わる」、「コンテンツが一番大事」、そして、ペンギンやパンダ等の検索アップデートがとどめを刺し、SEOが「終わった」と主張する人達が多い。私には随分と大げさに聞こえる。

The Future of SEO

SEOは「終わったのか」?

確かにソーシャルの重要度は高まりつつある。しかし、今現れているパターンを基にSEOの死を宣告するのは、時期尚早だと言わざるを得ない。どちらかといえば、現在の状況は、健全な変化がもたらした影響だと考えられる。

かつては非常に重要とされたシグナルの重要度が下がり、その代わりに、新しく、より純粋なシグナルの重要度が上がる段階である。しかし、システムは変わっていない。

分からないから、無視する – 都合が良い考え方

この「検索 vs ソーシャル」論において見過ごされている、あるいは、避けられている議論がある。それは、ソーシャルメディアの重要性が高まっている要素を突き止める議論である。 「ソーシャル」は広範な用語であり、ソーシャルが検索に取って代わると言う主張は、未熟な見解に過ぎない。

ソーシャルは検索に「取って代わる」のではなく、価値を加えているのだ。取って代わると言う主張は現実性に乏しい。

事実、検索アルゴリズムは、今でも以前と同じような取り組みを行っている – ユーザーに対して、障害物の少ない最善の結果、および、ユーザーエクスペリエンスを提供する試みである。これが検索エンジンが最も力を入れてきた試みであり、今後もこの焦点がぶれることはないだろう。

それでは、何が変わったのだろうか?

変わったのは、コミュニケーションを取る方法、そして、オンラインのコンテンツに対する行動およびリアクションである。当然ながら、この中にはオンラインで情報を共有するメソッドも含まれる。

2000年に私がグーグルで働いていたなら、「ウェブインデックス」の無数のデータについてのみ考えていればよかったはずだ。

ユーザーに最も関連するHTMLのコンテンツを検索クエリに基づいて提供する取り組みに力を入れていたことだろう。また、最大のコンテンツのコレクションを手に入れた時点で、ユーザーの行動および検索クエリに応じて、どのHTMLページが最高のコンテンツなのかを特定するだけでよかった。

しかし、その後の数年間で様々な変化が生じた。

何が起きたのか?

ユーザーの行動が変化した。現在、情報は、より小さな単位で、より頻繁に共有され、消化されるようになり、また、オーソリティは大型のサイロから小さな柱へと分散している。

2000年の初期には、オーソリティは、ウィキペディア等の大きなブランドや投稿済みのリサーチの論文に割り振られていた。ウェブサイトは「信頼に値」せず、検索エンジンが、コンテンツの“信頼性”を判断する唯一の基準は、リファラーのみであった(当時はリンクの本数)。リファラーが多ければ多いほど、人気が高く、それゆえ、信頼に値する – と言う概念である。

2013年に時間の針を戻そう。現在、- 検索エンジンがソーシャルシグナルの重要性を認めている以外 – 基本的に状況は変わっていない。ユーザーはオンラインで今まで以上に社交的な行動を取り、それに従い、情報もソーシャルネットワークを介して、社交的に共有されるようになった。かつては、重要な「リファラー」はリンクだけであった。現在、いいね!、共有、そして、ツイートがリファラーに仲間入りしている。

いいね!と共有だけがソーシャルではない

ソーシャルシグナルは、いいね!、共有、そして、ツイートのボリュームだけではない。エンゲージメントレベル、リーチの拡大、頻度、共起、ユーザー層の関連性、拡大の経緯、オーソリティサークル等、目立たないものの重要なシグナルが存在する。 全て、ブランドがオーディエンスから集めたがっていた情報である。TVやラジオからはこのような情報を得ることは不可能であり、全て推測に頼らざるを得なかった。現在、大量の生のデータを活用することが出来る。マーケティングアナリストにとっては宝の山と言っても過言ではない。

つまり、ソーシャルが検索に取って代わると言う主張は部分的に正しい。実際には、ソーシャルは検索の重要な一部となりつつあり、双方がより力強く、そして、高度に進化していくのだ。

SEOは終わったのではなく進化した

冒頭の指摘 – SEOが終わっているなら、ソーシャルも間もなく終わる – に戻らせてもらう。私個人としては、どちらも終わろうとしているわけでもなければ、終わっているわけでもないと思っている。

それよりも、検索が、より大きく、より重要度が高く、そして、より高度なマーケティングのチャンネルに進化したのではないだろうか。検索はソーシャルを組み込み、良いところを全て吸収し、ノイズを取り除いているのだ(完璧ではないが)。

検索はさらに進化していくだろう。現在の最適化の手法も変化していくだろう。一部のメトリクスは重要度が下がり、新たなメトリクスが現れるはずだ。要するに、数年前のSEOが終わったと言い換えることが出来るかもしれない。

未来のSEOとは

ソーシャルも同様に進化していく。要するに、これから登場する検索の新しいテクノロジーのことだ。ユーザーの行動を変えるアクションを簡素化するテクノロジーが台頭してくるだろう。2000年にはデスクトップを使ってウェブ形式で情報を探していたものの、現在、私達は音声コマンド機能を使ってスマートフォンで情報を求めている。今後、手を振ることで(あるいはトピックを思い浮かべることで)、目の前に(グーグルグラス)複数のメディアで情報が表示されるようになるかもしれない。

ハードウェアおよび検索テクノロジーの双方で進化が起きている。第六感や着用可能なジェスチャーインターフェース等のテクノロジーが高度化するにつれ、検索も高度化していくはずである。その他にも私は次のようなことが起きると予想している:

  • (従来の方式の)「SEO」が行われていないサイトが、検索結果で上位にランクインする – ブランドの関連性とソーシャルメディアでの引用が強いため。
  • ユーザーの推奨は、検索結果でクエリに対して、より賢明な方法で利用されるようになる。
  • ローカル検索は、さらに関連性が増し、カスタマイズされるようになる。
  • プラットフォームベースのカスタマイゼーションは、さらに適切に、そして、高度なレベルで行われるようになる。
  • オーソリティは、個人の影響力、ソーシャルサークルの強さ、そして、当該の分野の専門知識と改めて定義される。
  • ソーシャル検索は、「ウェブ検索」と並行してシステムとして残るものの、戦略的な判断でいずれ連携 & 融合していく。

上述したトレンドは、現状から推定されるものである – 当然、何かしら意外な展開が姿を現すはずである。

検索を形成する「ユーザー」と「データ」の二大要素は、分刻みで進化しているテクノロジーを利用し、さらに効率的で、さらに適切で、そして、さらに単純な形式へと進化している。このような常に変化する、動的な検索の世界においては、SEOが終わったと言う結論が導き出されるのは、先見の明が欠けていると言わざるを得ない。

知りたい欲求が尽きない限り、そして、情報を検索する行為がなくならない限り、検索テクノロジーは存続し、最適化のメソッドは – それが、ソーシャルであれ何であれ – 今後も求められるだろう。

プラットフォームの利用に劇的な変化が起こると、「関連性」は見直される – しかし、検索のDNAは基本的には変わることはない。

検索エンジンは、検索クエリからユーザーの思考を理解するにつれ、さらに賢くなり、SERPの適切度は増し、「テーラーメイド化」するだろう。検索エンジンに追いつき、同じように考えることが、マーケティングを成功に導く鍵となる。

そのため、ツイート、そして、共有に励んでもらいたい。データの流れを止めるべきではない。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Future Of SEO in a Socially Driven World」を翻訳した内容です。

検索、そしてソーシャル市場の今と、相反するのではなく融合していくであろう未来を冷静に見つめた記事でした。個人的にもほぼ全面的に納得・賛成できましたし、検索&ソーシャルの最新事情、そしてSEOの未来を5分で理解できる充実の内容だったと思います!そうはいってもまずはペンギンアップデート2.0が気になるわけですが、、、さて今年最大かもしれない運命の日は目の前です。 — SEO Japan [G+]

GoogleとTimeが世界の変化を時間軸で紹介する「Timelapese」を共同制作

今後数か月に渡って大幅な検索アルゴリズム更新を導入予定のGoogleですが、並行してこんな素敵なプロジェクトも稼働させていたようです。 — SEO Japan

Timelapse

タイムインクとグーグルが新たに作成したサイト、Timelapse(タイムラプス)は、世界のあらゆる地域の1984年から2012年の間の変化を見ることが出来る優れたツールである。このサイトは、ラスベガスの発展、コロンビア氷河の縮小等、見ごたえのあるアニメーションを用意している。また、自分の見たい場所を指定して、移り変わりを見ることも出来る。

グーグルは、2009年から米国地質調査所から画像を集め、質が高い写真、雲に隠れていない写真を探した経緯を詳しく説明している。

以下にこのサイトで見ることが出来るイメージの例を幾つか掲載していく。アマゾンの森林伐採:

Surui_400

ラスベガスの発展:

Las_Vegas_400

ドバイの発展:

Dubai_400

コロンビア氷河の縮小:

Columbia_400

タイムラプスは、今回紹介した場所に関する詳しい情報を提供している。また、編集者によって選ばれた、その他の目覚ましい変化が起きている地域を見ることも可能である:

Timelapse_ Landsat Satellite Images of Climate Change, via Google Earth Engine

矢印が向けられた右下のボックスに注目してもらいたい。このボックスでは、世界中のあらゆる場所を検索することが出来る。私は母校のカリフォルニア大学アーバイン校にズームインし、私が卒業してからキャンパスが拡大されていった推移を眺めてみた。 また、私が住んでいるオレンジカウンティの農場や丘が住宅に変わっていく様子も見ることが出来た。

残念ながら、場所をブックマークして共有することも、このツールを使って特定の地域のアニメーションGIFを作成することも出来ない。この2つの機能があれば、人間が地球に与える影響を一人でも多くの人に分かってもらうと言う同サイトの使命を果たす上で大いに役立つと私は思うのだが。

全体的に見て、世界で起きている劇的で、時に恐ろしい変化を調べる上で、あるいは、ただ単に知っている場所の移り変わりを見る上で、素晴らしいツールだと言えるだろう。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google & Time Inc. Launch Timelapse: See How Any Part Of The World Has Changed Over Time」を翻訳した内容です。

ビジュアルを駆使して環境問題を啓発する(それだけでもありませんが)今時の内容でした。右下のEXPLORE THE WORLDから色々検索でき、1984年~2012年のタイムスパンで画像の変化を見ることができますが、正直、余り変化を感じられないものが大変だったのですが少し残念でしたが、、、ま、それ以前は画像自体がないのですかね。とはいえ、一番最初のリンク先でもあるDUBAIのインパクトは圧倒的でしたし、ラスベガスもこの数十年で数倍の大きさになったんだなぁ、と改めてその成長を感じられる映像でした。 — SEO Japan [G+]

Googleが今後数か月で実施予定の大量アルゴリズム改善でSEOスパムが撲滅?

数週間後に迫ったペンギンアップデート2.0ですが、Googleのマット・カッツいわく、今後数か月に渡ってGoogleの検索アルゴリズムをそれ以上に大幅に改善する予定だそうです。いつも以上に詳しい動画で宣伝告知を行ったその内容をサーチエンジンランドが詳細解説。 — SEO Japan

matt-cutts-seo-futureグーグルの検索スパム対策を統括するマット・カッツ氏が、ウェブマスターおよびSEO業界に対して、SEOに関する予告を動画で行った。動画の中で、マット・カッツ氏は、「SEOに関して、今後数ヶ月の間にグーグルはどのような取り組みを実施するのか?」を問う疑問に答えていた。

カッツ氏は、検索結果において、ポイントを10点挙げ、良質なサイトに見返りを与え、スパマーとブラックハットにダメージを与えることで、検索結果を改善すると結んでいた。以下に同氏が挙げたポイント、そして、最後に動画を掲載しておく:

(1) ペンギン: 数週間後に展開される(日本語)予定の次回のペンギンアップデート、ペンギン 4(別名 ペンギン 2)は、ペンギンアップデートを凌ぐ破壊力を持ち、大きな影響を与える。ペンギン 4が発動されると、SEOコミュニティから多くの悲鳴が上がることになるだろう。

(2) アドバトリアル: 今年の始め、グーグルは、アドバトリアル(記事広告)を人為的にリンクプロフィールを誇張する手段として利用したとして、複数のウェブサイトにペナルティを与えていた。カッツ氏は、アドバトリアルをウェブマスターガイドラインに違反する方法で利用するサイトに対して、さらに断固とした措置を取ると警告している。

(3) スパムクエリ: グーグルの検索スパムチームは、[pay day loans]やポルノ関連のクエリ等、もともとスパムの特徴を持つクエリには、比較的寛容に対処してきたが、間もなくこの方針が見直されるようだ。このようなリクエストが、グーグルの外部から寄せられており、対策を講じる必要性が生じたとカッツ氏の言葉から感じられた。

(4) 上流: マット・カッツ氏は、さらに“上流”に上り、リンクスパム、そして、スパマーがソースから得るメリットを阻止すると指摘していた。個人的には、グーグルが以前の取り組みを引き継ぎ、さらに多くのリンクネットワークを狙っていると暗に言っているように思えた。

(5) 高度なリンク分析: カッツ氏は、リンク分析を改善すると約束している。スパム対策を統括する立場にある同氏は、グーグルが遥かに“高度”なリンク分析ソフトウェアの開発に乗り出しており、このアイテムをリリースする頃には、リンクを理解する能力が向上しているはずだと指摘していた。

(6) ハッキングされたサイトの検知: グーグルは、ハッキングされたサイト、および、このタイプのサイトのインデックスに関して、様々な取り組みを実施してきた – ハッキングされた可能性があるサイトの検索結果でのラベリング、当該のサイトの削除、そして、ハッキングに関するウェブマスターへの警告等。カッツ氏は、数ヶ月間後にハッキングされたサイトをより正確に検知する新しい機能を導入すると予告していた。

(7) オーソリティの押し上げ: グーグルは、特定の業界、コミュニティ、または、分野でオーソリティ(権威)を持っているサイトに対して、ランキングにおいて支援することを希望している。そのため、例えば医療や旅行の業界でオーソリティを持っているなら、関連するクエリにおいて、オーソリティのレベルが落ちるサイトよりもランキングで善処してもらえる可能性がある。

(8) パンダの影響を受けたサイトへの同情: 多くのサイトがグーグルのパンダアップデートの餌食になっているが、カッツ氏は、ぎりぎりのケースも多く見受けられると認めている。グーグルは、その他の品質の基準に注目して、境界線を動かし、パンダアルゴリズムによる影響を回避させることで、インパクトを“弱める”手法を模索している。

(9) クラスター: 今年、グーグルの検索結果の1ページ目に表示される、同じドメインのクラスターの数は少なくなる。カッツ氏は、SERPの1ページ目に表示する検索結果をさらに多様化したいと述べている。しかし、2ページ目には、同じドメインのクラスターが表示される可能性が高い。グーグルは、検索結果ページに表示させる同ドメインの結果の数を調整する取り組みを常に実施している。

(10) ウェブマスターとのコミュニケーションの改善: 今回も、ウェブマスターとのコミュニケーションの改善が議題に上がっていた。カッツ氏は、グーグルウェブマスターツール内で受け取る通知にさらに詳細な例が提示されるようになると予告している。

この動画の最後の部分で、マット・カッツ氏は、全ての変更の目的は、ブラックハットなスパム行為を実行するウェブマスターを減らし、ホワイトハットな手法を行う小規模なサイトがより上位にランクインするチャンスを与えることにあると説明している。

それでは当該の動画を以下に掲載しておく:


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s Matt Cutts: Black Hat & Link Spammers Less Likely To Show Up In Search Results After Summer」を翻訳した内容です。

内容的にはどれも通常のアルゴリズム改善の延長線上にあるものが大半に読めましたが、(5)に書かれている遥かに“高度”な新型リンク分析ソフトの内容が気になる所です。昨年から続くGoogleのSEOスパム対応、多くのSEO業者やスパム手法が既に過去の物となってはいますが、未だグレーどころかかなりブラックな手法が一方で生き残っているのもまた事実、ペンギン含む今後数か月のアルゴリズム更新で日本、そして世界のSEOシーンはどう変わっていくのでしょうか。。。 — SEO Japan [G+]

単純さに潜む複雑さ

アップルストアを世界的に成功させ、Apple再建の立役者の一人ともいわれたアップルストア責任者のロン・ジョンソン。米国の大手百貨店JCペニーからCEOとして引き抜かれたことが2年前に大きな話題となりましたが、中々結果が出せず招聘からわずか1年半で解雇されたというニュースが最近ありました。他業界や競合のエースを苦戦中の会社がCEOとして引き抜くケースは米国では良くある出来事ですが(最近でいえばマリッサ・メイヤーのYahoo! CEO就任もそうですよね)、必ずしも全てが上手くいくわけでは当然ありません。今回はそんなエピソードをヒントにカリスマ・マーケッターのミッチ・ジョエルが語ります。 — SEO Japan

誰もそれが簡単だとは言わなかった。

年月が過ぎ、自分のビジネスや業界や同僚から物事を見通す力や洞察力を身に付けると、あなたがすぐに気が付くことがこれだ:簡単なことは何もない…単純なことは何もない。すばやい得点さえ(Facebookから10億ドル近くをひったくったInstagramのように)、たやすいことではなかった。全ての企業(および、そこで働く人達)はその難しさを理解する。ただ目を閉じて、かかとを素早く3回鳴らし、子供を公園に連れて行くのと同じくらいにビジネスが楽しくて簡単であって欲しいと、心のどこかで願っている私がいる…しかし、お金が物事を複雑にする。

古い皮を捨てるということ。

JC PenneyがCEOのRon Johnsonをたったの17か月で解雇するというニュースは、様々な意味で私の心を打ち砕いた。第一に、私はこの小売店の大ファンであり、この業界には目がない。私の存在はデジタルかもしれないが、私は完全にアーバニストで、大きなショッピングモールを歩く機会を大いに楽しむ。私は、朝の商業施設の匂いが好きだ(映画Mallratsより引用)。私は小売りのランドスケープを変えることに興味をそそられ、さらには、私たちの文化におけるショッピングモールの立場に大変興味がある(それについて詳しいことはこちら:Do Shopping Centers Have A Future?)。Johnson(以前、Appleの小売部門を率いていて、その前にはTargetのいくつかの成功に関与していた)は、窮地に立ったデパートチェーンを改革するために選ばれたのであり、私は彼の行動がデパート全体のモデルを改革するかもしれないと高い望みを持っていた。

自己中心的な話。

自己中心的な水準において、私は、もうすぐ発売する自分のビジネス本CTRL ALT Delete(5月21日発売)の中で、Ron JohnsonとJC Pennyについて話すことにいくつかの段落を費やした。このニュースが流れるとすぐに、私の本を更新、編集、または変更してJohnsonの仕事に関する話を入れる時間はあるかどうか尋ねるメールをJoseph Jaffeから受け取ったのだ。私の本能的反応は、エージェントとエディタに電話をして彼らの指導を求めることだった。この本の特定の部分を見直すことによって、私はとても重要なことに気が付いた。伝えられているストーリーは、本当は、JC Pennyについてでも、Ron Johnsonについてでも、彼らがどれくらい成功したのかについてでもないのだ。ますます複雑になり、膨れ上がって、買い物客にとってなぜか面白くないものになっていたビジネスに、Johnsonがたくさんの単純さをもたらそうとした、というのが本当のストーリーなのだ。JC Pennyのストーリーは、私がそれを最初に書いた時の状態と今日も全く同じだ。もしかすると、Johnsonが出ていけと言われた今はもっとそうかもしれない。ビジネスのもつれを解いて製品をできる限りシンプルで喜ばしいものにすることを試みるのは、とても、とても大変な仕事なのだ。それはあなたが大きくなればなるほど難しくなり、会社がビジネスに長く携わっていればいるほど難しくなる。私たちは皆、複雑さの極限にある単純さについてのアインシュタインの言葉を聞いたことがあるが、Johnsonの離脱のニュースは正にそれを強固にする。

物事はどれくらい単純なのか?

もしあなたがAppleの従業員に調査をしたなら(そして、もし彼らがあなたに率直に真実を言う意思があれば)、恐らくあなたは、Appleが全くシンプルな企業ではないということを発見するだろう。それほどの秘密主義や階層などがあるため、全ての個人はオープンで協力的な環境で働いているというよりは、いくつもの欠片や部分がどのようにして大きな製品やサービスを支えるのかの完全な理解なしにそれらがマスターされ最適化されている複雑な場所で働いているのだ。しばしば、これが情報が漏れる可能性を減らすという言い訳がされるが、その玉ねぎの皮をはがせば、あなたが中心に見つけるものは、人々にとっては簡単に使用できる製品をもたらすとても複雑なモデルなのだ。

ビジネスはシンプルではない。

ビジネスの過度な単純化は、間違っているかもしれない。結局のところ、私たちはみんな(B2CだろうとB2Bだろうと)、使うのにシンプルで直感的な製品やサービスを作ろうとしている。その道のりは、たくさんの複雑なことが起こることを要求する。Johnson離脱のニュースが流れた時、興味深いことが起きた。Timeの記事によると、JC PenneyはCEOのRon Johnsonを追い出し、Ullmanが戻ってくる“Penneyの月曜夜の株価は、Johnsonに対する投資家の苛立ちとPenneyの未来に関する疑念を示していた。マーケットがクローズした後にPenneyがJohnsonを追い出すというニュースが流れ始めた時、通常は15.87ドルでクローズしていた株が、時間外取引で13パーセント近く上がって17.88ドルにまでなった。しかし、投資家はJohnsonの追放に満足したのと同じくらいに、その後任に感銘を受けたようには見えなかった。PenneyがUllmanが引き継ぐことを発表した後、株価は通常の終値から11パーセントまで落ちて14.10ドルに逆戻りした。それは、時間外の株価からは21パーセントの下落だ。”

もう一つの見解…

恐らく、Johnsonは合わなかったのだろう。恐らく、彼の戦術は既存顧客ベースからの摩擦に遭遇したのだろう。彼のマーケティング戦術は外れていたのかもしれない。でもこれだけは言える:JC PennyはJohnsonを必要としていた(もしくは、少なくとも、改革を必要としていた)。彼を見限ってもそれは変わらない。単にそれを強調するだけだ。これが最終的にどうなるのかは誰にも分からないが、誰がJC Penneyで統治を手にしようと、今日の消費者と一致した店舗内体験を作ることに焦点が合わせられることは確実だと思う。そして、ヘビーユーザーやブランド支持者になる消費者というのは、見事にシンプルな製品やサービスを手にしている人達であることは確実だと思う。いや、私は、元へ戻って0からコンテンツを変えるつもりはない。実際、このストーリーは、ビジネスが自分の能力を知る煉獄の瞬間を美化していると思うのだ(そして、それがこの本の中心となるメッセージだ)。あなたは17か月もしくはそれ以下でそのような規模の組織を上向きにすることができるだろうか?それは簡単なタスクではない。それは、私たちが今日ビジネスで目にするスピードと変遷の新しい現実だ。私は、人々は、自分の周りにいる人々の左を見てそれから右を見る必要あると言うことからこの本をスタートする。なぜなら、あなた達のうちの1人は次の5年で同じ職業にいない可能性が高いからだ。たぶん、この本の本当に編集すべき場所は、タイムフレームに関することであるべきかもしれない。17か月が標準にならないことを願っている。

JC Penneyは今も再起動を必要としている。私の推測では、あなたのビジネスやあなた自身のキャリアの一部もそれを必要としている。


筆者について:ミッチ・ジョエルは数々の受賞歴を誇るカナダ発のデジタルマーケティング/コミュニケーションエージェンシー、Twist Imageの代表です。2008年にはカナダで最もソーシャルメディア上で影響力のある人物、そして40歳以下で最も有名な40人の一人、さらに世界で最も影響力のあるオンラインマーケッター100人の一人に選ばれました。著書である「Six Pixels of Separation」(Grand Central Publishing – Hachette Book Group)は、ビジネス/マーケティング書として英語圏で大ベストセラーになっています。ミッチのブログはこちらから。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「The Complexity Of Simplicity」を翻訳した内容です。

全てが複雑になっている現代ですし、人間、どちらかというと物事を複雑化して考えがちですが、それはそれで幅広く多面的に考えるためにも重要なことと思いますが、その中でいかに単純な真実やニーズを見つけることが起業家やビジネスにとっては重要と思いますし、複雑なものを単純化して見せるということがAppleに代表される強力なブランドの構築にもつながりえる今日なのだと思います。

私も日々できるだけ全てを単純化して生きるように心がけていますが、仕事にプライベートに様々な邪念?が入るのもまた事実。この記事を読んで改めてシンプル・ライフの実践に励もうと思った私でしたが、そもそもそんな理解でこの記事を読んでいいのかとも思ったり。人によって印象や感想が変わる記事かもしれませんね。 — SEO Japan [G+]