GoogleのBERTアップデートはコンテンツマーケティングにどのような影響を及ぼすのか?

2019年10月末にGoogleはBERTと呼ばれるアップデートを導入したことをアナウンスしました。検索キーワードの10分の1に影響を与えるという発表もあり、多くの注目を集めました。

BERTとは「検索キーワードとコンテンツの理解をより良く行えるようになる」という技術となりますが、具体的にはどういった変化があったのでしょうか。

BERTがもたらした変化とSEO担当者としての考え方を、ニール・パテル氏が提案している記事を紹介いたします。

GoogleはBERTと呼ばれる新しいアップデートをロールアウトしていると発表した。

みなさんがお考えのことは、手に取るようにわかる。果たして、このアップデートは重大なのか。詳細を学ぶために時間を割くべきなのか。

BERTは検索クエリの10分の1に影響を与える。

このアップデートの規模を知るための表現がある。今回のアップデートは、GoogleがRankBrainをリリースしてから最も大きなアップデートである。

言い換えれば、このアップデートがあなたのサイトに影響を与える可能性は十分に考えられるということだ。そして、まだ影響が見られなくとも、トラフィックが増大するにつれ、いずれは影響を受けることだろう。

しかし、このアップデートがSEOに与える影響や、どのように対応すべきかを知る前に(もちろん、これらについては後述する)、まずは今回のアップデートの内容を知ることから始めてみよう。

BERTとは何か

BERTは「Bidirectional Encoder Representations from Transformers」の略称である。

おそらく多くの人が困惑するだろう。この言葉は一体何を意味しているのか、と。

結論を言うと、Googleはより良い自然言語処理を行うために、アルゴリズムを調整したのだ。

このように考えてみてほしい。

フライト番号をキーワードにGoogleで検索を行う。すると、そのフライトの情報が表示されるだろう。また、何らかの計算式で検索すると、計算機のモジュールが表示され、何らかの銘柄記号で検索すれば、株価のチャートが表示されるだろう。

さらにシンプルな例を挙げてみよう。Googleにキーワードを入力すれば、そのキーワードを完全に入力する前に、オートコンプリート機能はあなたが検索しようとしているキーワードを表示してくれる。

しかし、こうした機能はBERTアップデートの前からGoogleは提供している。では、BERTが実際にどのような働きをしているかを見ていこう。

BERTはユーザーにとって有益なアップデートなのか

GoogleはBERTの例を4つ提供してくれている。

まずは、「2019年 アメリカに旅行するブラジル人 ビザ 必要(2019 brazil traveler to usa need visa)」という検索結果だ。

BERTが導入される以前は、「アメリカ人がブラジルに旅行する場合、ビザは必要かどうか」といった内容の記事が上位に表示されていた。しかし、検索キーワードを注意深く見てほしい。僅かだが、意味を大きく変えてしまう違いがあるのだ。

この検索は、アメリカ人がブラジルに行く場合における検索ではない。ブラジルからアメリカへの旅行を計画している人による検索なのだ。

BERT導入以降の検索結果の方が、より関連性が高まっている。

Googleは「for」や「to」などの前置詞を考慮に入れている。そして、こうした前置詞は、検索キーワードに対し、大きな意味を持っているのだ。

他の例を見てみよう。「エステティシャンは仕事中立つことが多いか(do estheticians stand a lot at work)」という検索の場合だ。

かつて、Googleはキーワードとの合致を優先してきた。例えば、「立つ(stand)」を「独立する(stand-alone)」と同じ意味で捉えていたのだ。

現在は、上記のキーワード内にある「立つ(stand)」が身体的要求の意味で使われていることを理解している。

言い換えれば、「この仕事は大変疲れる仕事なのか?」「ずっと立ち続けなければならないのか?」といった意味で使われていることを理解しているのだ。

さらに別の例を見てみよう。「誰かの代わりに薬局で薬を購入できるのか(can you get medicine for someone pharmacy)」という検索の場合だ。

上記の比較画像から分かる通り、新しい検索結果の方が関連性は高くなっている。

最後の例は、「算数 練習帳 大人用(math practice books for adults)」という検索の場合だ。

※before:6~8年生向けの数学の教材 after:数学を忘れてしまった人向けの再学習教材

BERTは検索順位以外への影響を及ぼすのか

違いはこれだけではない。Googleは強調スニペットにも変更を加えている。

例えば、「パーキング 坂 縁石なし(parking on a hill with no curb)」と検索した場合、かつてのGoogleは必要以上に「坂(curb)」という単語に注視しており、「なし(no)」という単語への注視は十分ではなかった。

※beforeが”縁石のある”坂を表示しているのに対し、afterは”縁石のない”坂への駐車方法を表示している

検索結果を比較してみると、その違いは明らかだろう。

今回のアルゴリズムの更新がもたらした変化は、検索者にとってより関連性のある検索結果を提供するようになった。そしてそれは、Googleを使用する全てのユーザーにとって、より良い体験を作り出している。

しかし、BERTはSEO戦略にどのような影響を与えるのだろうか。

Web担当者は自身のSEO戦略を変更する必要がある

ユーザーが検索をする際、検索キーワードは一般的に次の3つに分けられる。

  1. インフォメーショナル(情報型)
  2. ナビゲーショナル(案内型)
  3. トランザクショナル(取引型)

インフォメーショナルに分類されるキーワードは、体重を減らす方法を探しているユーザーが使用するようなキーワードだ。そうしたユーザーは、体重を減らす方法を知らない。そのため、「体重を減らす方法(how to lose weight)」と検索するのだ。

こうした検索を行うと、いくつかの異なるダイエットの方法が提供されるだろう。この段階からは、方法の詳細を検索することになる。例えば、「アトキンスダイエット(Atkins diet)」というキーワードとなるが、こうしたキーワードはナビゲーショナルに分類される。

最適な方法を発見した後は、トランザクショナルに分類される検索キーワードが用いられるだろう。例えば、「アトキンスダイエット 料理本(the Atkins diet cookbook)」といった具合だ。

BERTは主にファネルの上位に位置するキーワード、つまり、「インフォメーショナルに属するキーワードに影響を与える」ということが重要だ。

さて、あなたが現在のランキングを維持するだけでなく、競合サイトよりも上位に表示させたいと願うならば、非常に詳細で具体的に書かれたコンテンツを用意することがシンプルな方法となる。

インフォメーショナルに分類されるキーワードで上位に表示させるにあたり、最も簡単な方法を尋ねた場合、非常に長いコンテンツの作成を勧めるSEO担当者もいるだろう。

実際、非常に長いコンテンツがGoogleの検索結果で上位に表示されるケースはよく目にする。しかし、Googleのアルゴリズムは単語数を注視しているわけではなく、コンテンツの品質を注視している

ダニー・サリバン:
正直なところ、ランキング要因に関しての言及は、ないものねだりのような気がしてならない。良いコンテンツがある。それは間違いなく良いことだと思う。「良いコンテンツとは300文字のコンテンツですか、それとも1,000文字のコンテンツですか?」。泣きたくなるよ…

サイラス:
完全に同意するよ(T_T)

※注:意訳

Google検索の窓口役を務めるダニー・サリバン氏による上記のツイートが意味することは、SEO担当者が高品質で、独自性があり、有益で、競争力のあるコンテンツの作成に注力してほしいと、彼が望んでいるということだろう。

そのため、新しいトピックを探すためにUbersuggestのようなツールを使用した場合にも、あなたは詳細で具体的なコンテンツを作成する必要がある。

例えば、あなたがフィットネス関連のビジネスを展開しており、「薬を飲まずに体重を減らす方法(how to lose weight without taking pills)」というブログ記事を作成した場合、ダイエットシェイクやサプリメントなど、ダイエット薬に似ているものについて詳しく記述すべきではない。それらの代替案となるあらゆる方法について議論を展開すべきなのだ。

ダイエットシェイクやサプリメントはダイエット薬とは違うものであり、キーワードとしても異なるではないか、と考える人もいるだろう。しかし、BERTが進化し、ユーザーが本当に探しているものへの理解をさらに深めた場合を考えてみてもらいたい。

また、キーワードの密度に注力するのは、もうやめるべきだ。

もちろん、多くのSEO担当者がすでに注力していないことは知っている。しかし、それでもなお、キーワードの密度についての質問が書かれているEメールを、私は毎日毎日受け取っているのだ。

あなたが作成したコンテンツのコンテキストをGoogleがより良く理解していくにつれ、キーワードの密度は、今後よりその重要性を失っていくだろう。

BERTを受けて、どこに機会を見出すべきか

すでに私が言及している通り、あるトピックについて非常に詳細で具体的なコンテンツを作成することに、チャンスを見出すことができる。

非常に詳細なコンテンツといっても、10,000単語から成る50の異なる物事について書かれた非常に長いページを作成する必要はない。可能な限り迅速に検索者の疑問に答え、競合サイト以上の価値を提供するということだ。

「オリンピック(会場)にいるという状況はどういったことか(what is it like to be in the Olympics)」と検索すると、検索結果は下記となる。

1位に表示されている記事のタイトルは「オリンピックに行くことはどういったことか(What it’s like to go to the Olympics)」であるが、記事の内容は閲覧者としてオリンピックに行くことについて書かれているわけではなく、アスリートとしてオリンピックに行くことについて書かれている。この記事内容は、検索者が求めている内容だろう。

記事のタイトルがどちらの内容に取れたとしても、BERTは状況をしっかりと見極めることができる。そして、記事も長文記事というわけではない。単語数は311である。

インフォメーショナルに属するキーワードで上位表示を獲得したいのであれば、詳細情報をしっかりと具体的に書き、競合サイトよりもより良く検索者の質問に答えることが必要だ。動画や画像から音声まで、より良い体験を提供するために必要なことは何でも行おう。

確認しておくが、長文のコンテンツでは上位に表示されないというわけではない。

すでに多くのSEO担当者が長文のコンテンツに着目している。彼らは100以上も解釈が可能な検索ボリュームが多い一般ワードでの上位表示を狙っており、その結果、彼らが作成するコンテンツは長くなるのだ。

こうした状況を考えると、ロングテールのキーワードに着目するほうが良いと言えるだろう。

当たり前だと思うかもしれないが、ここでデータを見てみよう。

Ubersuggestによるキーワードの傾向分析

全てはUbersuggestから始まる。

まだ使用したことがない方に向けて、使用方法を解説しよう。Ubersuggestにアクセスし、「マーケティング」のようなキーワードを入力しよう。Ubersuggestはそのキーワードの検索ボリュームに加え、数千ものキーワードのバリエーションを提供してくれる。

ここ30日間で、694,284人のマーケターによって、4,721,534のキーワードがUbersuggestによって調査されている。そして、4,721,534回の調査によって、1,674,841,398のバリエーションを提供している。

もちろん、より多くのロングテールのフレーズを調査するため、ビッグキーワードを入力しても良いが、Ubersuggestの利用データを見てみると、84%のマーケターは1~2単語にしか注目していないようだ。

5単語以上のキーワードに着目しているマーケターは、たったの1.7%である。

ロングテールを狙った詳細なコンテンツを作成するという戦略は、Quoraの実績を見てみても、効果的と言える。Quoraは米国でのGoogle検索だけで、月間60,428,999の訪問客を生み出している。

Quoraのコンテンツの多くは、10,000単語から成る非常に詳細なコンテンツというわけではない。人々が持つ、非常に特徴的な質問に対しての返答に注力しているのだ。

結論

近年のアップデートによりトラフィックが減少していたとしても、それは良いことと言える。

おかしなことを言っていると思うかもしれないが、こう考えてみてほしい。「薬を飲まずに体重を減らす方法」と検索した際、あなたが作成したダイエット薬の素晴らしさを伝える記事にユーザーがランディングしたとしても、すぐに離脱してGoogleの検索結果に戻ってしまうだろう。

言い換えれば、そうしたユーザーがコンバージョンにつながることはほとんどないだろう。

つまり、近年のアップデートによってトラフィックを失ってしまったかもしれないが、そうしたトラフィックの中には、ユーザー指標に悪影響を与え、直帰率を高めてしまうトラフィックも含まれていたかもしれないということだ。

加えて、非常に詳細で具体的なコンテンツ作成に取り掛かる良いきっかけともなるだろう。トラフィックが減少しているのであれば、該当のページを確認してみてほしい。

すでに検索結果から姿を消してしまっている場合は、そのキーワードに対して「コンテンツを調整する」「新しいコンテンツを作る」などして、ユーザーが求めている答えを提供しよう。

その方法がわからないのであれば、まずはSearch Consoleを見てみよう。「検索パフォーマンス」をクリックし、日付ボタンをクリックしよう。

そして、トラフィックが減少する前の日付で比較をしてみよう。「クエリ」を選択肢、差分の大きい順に並べてみるのだ。

修正が容易なロングテールのキーワードを調査してみよう。もし、修正方法のアイデアが湧かないのであれば、対象のキーワードをGoogleで検索し、上位に表示されているコンテンツを見てみよう。すでに上位に表示されているコンテンツとの比較を行うことで、見えてくるものもあるだろう。

Googleの最新のアップデートに対し、あなたはどのように考えているだろうか。

この記事は、NEILPATELに掲載された「How Google’s Bert Update Will Affect Content Marketing」を翻訳した内容です。

Googleがいかに優秀なシステムといえど、人間と同じように言語を理解することはまだまだ難しい状況です。それゆえ、Googleもあらゆる手段を用いて、この領域に注力しています。

今回のBERTについても、Googleの目指す方向が変わったわけではなく、さらに進化している状況をアナウンスしたものと解釈しています。まだ日本語は未対応とのことですが、遠くない将来に導入されると考えられます。

ニール・パテル氏が指摘しているとおり、仮に順位が下落したとしても、それは「ユーザーの期待に沿えていなかった」ことが原因であり、「期待に沿うためにはどうすればよいのか」といった視点を持って改善を行っていきましょう。

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優れたユーザー体験(UX)を提供し、SEOにおける勝利を勝ち取る

検索エンジンがユーザーファーストを掲げている以上、SEOもユーザーを考慮せず成立することはありえないでしょう。以前の状況とは違い、ユーザーを抜きにして語るSEOは存在しないといっても良いくらいです。

しかし、最近SEOを始めた方や、かつてのSEOのイメージを持った方にとっては、いまいちピンとこないかもしれません。

どちらかと言えば初級者向けの記事かもしれませんが、改めてSEOにおけるユーザー体験の重要性を解説している記事を紹介いたします。

10年前は、UXチームとSEOチームは犬猿の仲であった。彼らの目的が一致していなかったからである。

UXチームはユーザーに注視していた。ユーザーに素晴らしい体験を提供し、ユーザーが目的を果たすために、可能な限りの助力を与えていたのである。

しかし、不幸にも、UX観点では優れていることがそのままSEO観点でも優れた効果をもたらすとは言えなかった。

一方、SEOチームは、ファーストビューの上部にコンテンツの大きな塊を配置することを望んだ。

なぜだろうか。

理由は、そういった施策を検索エンジンが評価していたからである。

つまり、ページの内容をより関連性のあるものにするためであった。

また、多数のフッターナビゲーションやタグクラウドの設置も、SEOチームは望んでいた。なぜなら、クローリングとインデキシングのプロセスにおいて有効な施策であったからである。

SEOチームは、コンテンツの内容も検索クエリと合致させることを望んだ。「金融のページ(monery pages)」とするほど、検索クエリとの正確な合致を望んでいた。

また、こうしたページは他の関連するクエリにも最適化することが可能であったため、追加のコンテンツも必要とされていた。

こうした追加コンテンツがサイトを肥大化させた。コンテンツを管理することができなくなり、長期間の運用の結果、重複コンテンツの温床となった。その後、そうした重複ページは削除されることとなる。

ゆっくりと、しかし、確実に、検索エンジンはコンテンツの意味を理解する方法を変更していった。その変化は、前述したような「ハックするSEO施策」を必要としなくなったのだ。実際、このような施策は、SEOの助けとなるどころか、SEOを妨げる要因となっていった。

この変化は良い変化と言えるだろう。なぜなら、こうした変化は、UXチームとSEOチームが互いに協力しあえることを意味しており、ユーザーと検索エンジンの両方にとって有益な施策を共に行うことができるようになったからである。こうした状況が、現在と今後のSEOで勝利するための方法であるのだ。

では、「具体的に何をすべきか」を見ていこう。

ユーザーが本当に求めているものは何か

すべてのユーザーは疑問をもっており、それを満足させる答えを探している。彼らはその答えを素早く得ることを求めており、可能な限り使いやすいサイトから得たいと考えている。

このユーザーへの回答は以下の3つにまとめることができるだろう。

  1. ユーザーが満足のいく答えを作成し、それらを上位に表示させる
  2. 魅力的なスニペットを作成し、クリックを勝ち取る
  3. 素早く、使いやすいサイトで答えを提供する

この記事では、上の最初のステップに注視したい。なぜなら、ここ2年間でGoogleがロールアウトしたアップデートの多くは、「どのようなコンテンツが満足のいく答えとなるのか」という点を改善したものになるからである。

ユーザーが満足できる回答を作成する

ユーザーが果たしたい目的を理解できていなければ、どのようにして彼らが満足する答えを提供することができるだろうか。

ユーザーの検索意図を理解することが、最初のステップになる。

それを理解することができれば、彼らが満足する答えを作ることができるだろう。

ユーザーが満足する答えは、クエリに対する回答であり、適切な種類のコンテンツで提供することが重要だ。

例えば、「マインドハンター シーズン2 トレイラー」と検索された場合、動画のコンテンツを探しており、求めている動画は、マインドハンターのシーズン2のトレイラーとなる。

実際のGoogleの検索結果画面を見てみよう。

IKEAの中古のワードローブのクローゼットを購入した場合、検索クエリは、「ikea pax ワードローブ 組み立て方」となるだろう。

あなたはクローゼットの組み立て方の説明を欲している。なぜなら、以前の持ち主がマニュアルを紛失してしまうことはよくあるからだ。また、あなたには10ページのマニュアルを読んでいる時間はなく、すぐに理解できる答えを欲している。

下記は、「ikea pax ワードローブ 組み立て方」の検索結果画面である。

多くのユーザーはすぐに閲覧できる簡単な組み立て方の説明動画を欲し、PDFのマニュアルをダウンロードすることを(現時点では)欲していないことを、Googleは理解している。

検索結果画面をスクロールしていくと、マニュアルのダウンロードページが表示されている。動画が役に立たなかった場合に備えて表示させているのだろう。自身の経験からも、非常に理にかなっていると言える。

こうした両方のニーズを満たすために、組み立て方の説明動画とPDFのダウンロードを両方備えておくことが理想だろう。

別の例を見てみよう。「iPhone 11 購入 オンライン」という検索の場合だ。この場合、検索する目的は明らかだろう。iPhone 11を、オンラインで購入したいのだ(物理的な店舗での購入ではないため、近所の店舗の情報は表示されていない)。

この場合、iPhone11を販売しているECサイトがユーザーの満足のいく答えとなるだろう。そして、実際に買うべきECサイトはどこになるだろうか。

ここで非常に興味深いことは、この検索クエリにはニュース性のあるコンテンツも表示させているということだ。検索結果に表示されている「Top Stories」がそれにあたる。なぜなら、この原稿を執筆しているタイミングでは、iPhone11がリリースされてから間もないためである。

Top Storeisにしばしば採用される権威のあるサイトがiPhone11についての記事を書いている場合、こうしたキーワードで上位に表示される可能性は高い。もちろん、そうしたサイトがiPhone11を販売しているのであれば、特に魅力的となるだろう。

この検索クエリの場合、「Top Stories」は時間と共に表示されなくなると思う。小さい枠での表示は残ると思うが、それだけだろう。

ユーザーが満足する答えを提供するには、2つのプロセスを要する。

まずは、ユーザーが達成したい目的(検索意図)を理解することである。次に必要なことは、「適したコンテンツの種類」で提供された「適したコンテンツ」によって、答えを作成することだ。

ユーザーが満足する答えによってクリックを勝ち取る

潜在ユーザーが満足する答えの作成に成功した。しかし、あなたはクリック(サイトへの流入)を勝ち取らなければならない。

コンテンツ作成の初期から最後までを一貫して行う必要がある。訴求力のあるタイトルの作成・メタディスクリプションの記載・わかりやすいURLなどだ。

検索結果のレビューの表示をGoogleは頻繁に変更するが、検索結果で自身のサイトを目立たせる手法としては、今でも効果的である。

Googleがレビューを表示する場合は多くある。また、検索結果のビジビリティを高めるための新しい手法もある。FAQを例に挙げることができるが、「ホテル ニューヨークシティ」の検索結果を見てみよう。

回答をユーザーへ迅速に提供する

Googleの調査によれば、読み込みに3秒以上かかるページの場合、53%のモバイルユーザーが離脱してしまうということだ。ユーザーは皆忙しいし、待つのが嫌いであるため、非常に納得できる数字だ。

つまり、あなたは、いち早く答えを提供することを心がけなければならない。

早ければ早いほどよい。しかし、競合他社によって市場の勢力図は定義されており、ユーザーもそれに慣れているかもしれない。そのため、競合サイトよりもあなたのサイトの方が早くなれば、その投資から成果を得られる可能性はあるだろう。

ページスピードとユーザー体験の話をする際、私は常にTime to Interactive(TTI)、つまり、「ユーザーがページを使うことができるまでの時間」に注力している。

コンテンツをいち早く届けるためのベストプラクティスは以下のとおりである。

詳細な情報は、「あなたのWebサイトをさらに素早くさせる方法」の記事にまとめられている。

簡単に利用できる(使いやすい)Webサイトにする

私の見解では、簡単に利用できるサイト(使いやすいサイト)とは、優れたユーザービリティを提供しており、モバイルフレンドリーであるサイトだ。

優れたユーザービリティ

優れたユーザービリティにおいては、以下の項目が重要となる。

  • 明確なナビゲーションの構造
  • 明確な見出しの構造
  • 明確なコンテンツの構造。例えば、逆ピラミッド構造を採用し、最も重要なコンテンツを最上位に位置づける。
  • リスト、強調、パラグラフなどを活用した、優れたコンテンツフォーマット
  • 読者が詳細を学ぶのに役立つ有益なリソースの提供
  • ユーザーのコンテクストとの合致。例えば、複数の国々をターゲットとした場合、言語と貨幣の変換機能は重要となる。また、適切な日付、時間、数値単位なども同様だ。
  • 優れたアクセシビリティ

ユーザービリティについての別の記事も紹介しておこう。

モバイルフレンドリー

ユーザーがどのデバイスを使用していようとも、彼らにWebサイトを効果的に使用してもらう必要がある。多くの場合、レスポンシブ対応が最適解となる。

モバイルのデザインから設計すべきだろう。モバイルの設計が正しく行えれば、デスクトップ版への適応も容易になる。

このトピックについてはすでに多くの記事に書かれているため、ここでは有益なリソースを紹介するにとどめておこう。

Googleが提供するモバイルフレンドリーテストツールも非常に便利だ。まだ利用したことがないのであれば、すぐに確認して欲しい。

結論:優れたユーザー体験を提供し、SEOにおける勝利を手に入れる

今日、UXとSEOはそれぞれの目的を共有できる状態にある。そのため、優れたユーザー体験の提供の継続に注力していれば、自ずとSEOの勝利も見えてくるだろう。

優れたユーザー体験を届けるためには、ユーザーが満足できる答えをいち早く提供し、使いやすいWebサイトを構築することだ。

この内容を心に留め、最高なユーザー体験を提供し続けていけば、SEOで大きな成果を得られるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「How to Win at SEO Through Great UX Today & Beyond」を翻訳した内容です。

かつて、SEOとユーザー体験は全く別の文脈で語られることが多く、それぞれが同じ目的を共有するという姿は想像さえできなかったと思います(もちろん、当時から両立した考えを持つ方もいらっしゃったと思いますが、明らかに少数派であったと思います)。

現在では、SEOを語る上で、ユーザー体験を外すことのほうが珍しくなってきました。

検索エンジンが進化し、ユーザーの嗜好や行動が変化する中、SEO担当者としてのスキルもしっかりと最適化していきましょう。

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SEOとUX(ユーザー体験)の関係:情報アーキテクチャとリンク階層

SEOにおける成功を収めるために、Webサイト全体の品質を上げることは非常に重要です。

しかし、全体の品質が高いWebサイトとは、何をもって決定されるのでしょうか?

様々な解釈が可能と思われますが、総合すると「ユーザーが満足のいく体験を提供するWebサイト」と考えることができるはずです。そして、そうしたサイトは、Webサイトで提供される情報が綿密な考えのもと配置されており、それぞれの情報が有機的に結びついているはずです。

今回は、ユーザーが満足のいく体験を提供するサイトを作り上げるために必要な考えを、「情報アーキテクチャ」と「リンク階層」を軸に説明しているSearch Enjine Journalの記事を紹介します。

ユーザー体験(UX)とは、単純性とデザインという領域に留まるものではなく、「ユーザーがそのサイトをどのように体験したか」についてのものだ。

Webサイトの体験は次の3つに要約される。

  • サイトに到達する
  • コンテンツを探す
  • コンバージョンする。もしくは、ニーズを満たす

自然検索のジャーニーにおいて、ユーザー体験は、検索結果からのランディングに始まり、内部リンクのクリックを経て、関連性のあるコンテンツの発見やコンバージョンに至るといった流れになるだろう。

この流れが、SEOにおいて「サイト上のユーザー体験がいかに大事か」を示している。

自然検索のジャーニーにおいて、SEOとユーザー体験(UX)は、情報アーキテクチャとそのサイト上でコンバージョンへと導くリンクによって結び付けられる。

では、ユーザー体験を浮き彫りにする洞察のために、SEOに関連するデータを活用するにはどうすればよいのだろうか。

まずは、「情報アーキテクチャ(サイトのフレームワーク)」と「リンク階層(サイトの経路、もしくはリンク)」が、個々のニーズに合わせたユーザー体験を構築するために、どのようにして使用されているかを見てみよう。

情報アーキテクチャとは何か

情報アーキテクチャ(Information Architecture : IA)とは、Webサイトのフレームワーク、もしくは構造であり、各コンテンツのホームを提供するものである。

情報アーキテクチャは「そのサイトがどのように構築されているか」「それぞれのページがどのようにグループ分けされているか」といった内容を言及する際に使用される。

「情報アーキテクチャ=URLの構造」ではない。

繰り返しになるが、情報アーキテクチャは、URL内のフォルダーやサブフォルダーの関係と一緒にされるものではない。

もちろん、フォルダーやサブフォルダーによってサポートされるものではあるが、URL基軸のみに限った内容ではないのだ。情報アーキテクチャは、サイト自体の骨格なのである。

※一般的な情報アーキテクチャの例

リンク階層とは何か

情報アーキテクチャは、サイト内のリンク階層を経て、ユーザーに体験される。

リンク階層は、割り当てられたフレームワークやアーキテクチャ内のページ間における、物理的なつながり、もしくはリンクなのである。ユーザーがサイト内を回遊する際に使われる実際の経路である。

リンク階層は意図的に作成された情報アーキテクチャをサポートすべきであり、各情報の要素がつながっていることを確かめるものだ。どのページともつながっていないページは存在しない状態にしよう。

※一般的なリンク階層の例

情報アーキテクチャを「フレームワーク」と捉え、リンク階層を「構成要素」とすれば、サイト内におけるユーザーのタッチポイントを表すマップを作るパズルを完成することができるのだ。

これは非常に素晴らしいことではないだろうか。

検索エンジンのボットに価値を伝えるためのリンクは、我々の情報アーキテクチャをユーザーに体験させることも可能とするのだ。

我々はすでに構成要素とフレームワークを手にしているため、サイト内のコンテンツを最適化するための条件は1つしか残っていない。「ユーザーはサイト内でどのような回遊を期待しているか」という点だ。

コンバージョンとSEOを改善するために情報アーキテクチャとリンクのデザインに配慮する

情報アーキテクチャとリンク階層は上記で定義した。

そして、我々の目標は明確なファネルをデザインすることだ。そのファネルは、ユーザーが直感的にサイトを回遊できるよう、バイヤーズジャーニーに沿って調整されるべきである。

この目標を達成するために、コンテンツとリンクをアップデートする上での判断材料になる項目を下記に記載する。

  1. キーワード
    リンクされるべき、関連性のあるトピックやページを把握するために使用する。
  2. インテント
    リンク先の判断と情報アーキテクチャをデザインする際に、ユーザーのインテントを考慮する。
  3. 行き止まり
    行き止まりは避けよう。コンバージョンファネルの次のステップを明確に作成し、現在のファネルポジションに存在する別のサービスを考慮できるようにし、必要であれば現在のファネルポジションより前の段階に戻る道も提供しよう。
  4. データ
    あなたの想定を確かめるため、また、ファネルを評価するために使用しよう。

1.キーワード戦略は典型的なページ経路を示す

「ユーザーがサイト内のどの場所に行きたがっているか」を把握する術はあるだろうか。

キーワード戦略はこれを把握する上で非常に有益であり、また、キーとなるページの関連性を明確にする効果もある。

キーワード戦略は、最も関連性のあるコンテンツと、最も関連性のある検索クエリを合わせるべきだ。

最も関連性のある検索クエリには、その次に関連性のあるクエリが付随している。そして、これらの関連性のあるクエリにとって、最も関連性のあるコンテンツが存在する。

広大なキーワード戦略を活用する腕前があれば、関連性のあるページのサブセットが作成できるのだ。

重要なポイント

関連性のあるキーワードを整理し、それらを特定のページに割り当てることで、関連性のあるページのサブセットによって作成された情報アーキテクチャを自然に作成することができる。

こうした関連性のあるページにリンクを設置することで、直感的で包括的な体験をユーザーに提供することができるだろう。

2.コンバージョンファネルを設計するためにユーザーインテントを活用する

次に考慮すべきは、ユーザーインテントだ。

関連性のある各コンテンツは、それぞれ、ユーザーの検索体験における異なったインテントやゴールを提供している。ファネルの上位にいるユーザーも、下位にいるユーザーも対象となる(それぞれのコンテンツが多岐にわたるユーザーインテントに対応していないのであれば、ユーザーインテントの活用はあなたにとって、コンテンツ作成における重要な材料となるだろう)。

リンク階層は、ユーザーがコンバージョンファネルの各段階を回遊できる経路を含むべきだ。こうすることで、ファネル内でしばしば発生する混乱を減らすことができる(ユーザーが「次にどのページを見るべきか」を悩まなくて済むようになる)。

コンバージョンに至るまでのユーザーの経路は、一直線であるとは限らない。そのため、コンバージョンファネルの異なるポイントへリンクをすることは、ユーザーのつまづきを軽減できるのだ。

重要なポイント

ターゲットオーディエンスの異なるインテントに対応することで、自然にユーザーをファネル内の次のステップに進めさせることができ、ユーザージャーニーをスムーズにすることができるだろう。これは、ファネル内の上位にいる場合も、下位にいる場合も当てはまる。

情報アーキテクチャはリンク階層をサポートすべきであり、コンテンツとインテントを一致させることで、ユーザーをコンバージョンファネルの次のステージに促すことができるのだ。

3.サイトからの離脱を防ぐ。ユーザー体験をユーザーの期待と一致させ、孤立した体験を避ける

Webサイトの戦略とも一致する例を挙げてみよう。

あなたはバハマまでのフライトを予約した。バハマまで到達するには、マイアミ経由での経路しかない。最初のフライトはうまくいき、マイアミに到着することができた。サングラスを片手に、水着を身に着け、サンダルだって履いている。バハマの日差しを浴びる準備はばっちりだ。

しかし、マイアミからバハマまでのフライトが無いことを知り、あなたは立ち尽くしてしまう。結局は空港を去り、ふわりとした帽子を手に持ちながら、舟に乗ることにした。

この例では、あなたの目的はバハマに行くことだ。しかし、あなたが選んだ経路は、あなたが期待したものではなく、目的地までの明確な経路を提供してくれなかった。そのため、競合相手(船)を選ぶことにした。

この例をWebサイトに当てはめてみよう。

ユーザーがサイト内のリンクとページを簡単に回遊できなければ、例えコンテンツがどれほど素晴らしくとも、例え多くのキーワードで上位表示されていたとしても、ユーザーは彼らが期待していたとおりのことをそのWebサイトで経験することはできない。

ユーザーは、進むことも戻ることもできず、そのページに立ち尽くしてしまう。自身が求めるページと違うページに迷い込み、彼らにとって有益なコンテンツがあるにもかかわらず、そのコンテンツを発見することはできなくなってしまう。

こうした体験を与えてしまうと、サイトからの離脱が発生してしまうだろう。

重要なポイント

サイト内でユーザーが動けない状態は避けるべきだ。あらゆるページの経路をレビューし、行き止まりや孤立したページが、ファネル内のどのポイントにおいても発生していないことを確認しよう。

4.エンゲージメントに関わる指標はユーザーの満足度を示す

ユーザーのエンゲージメントに関わる指標を理解することで、最適化の施策をさらに進めることが可能だ。

分析データを活用し、ユーザーがあなたのサイトとどのように関わっているかを把握しよう。

  • ユーザーはどこへ向かうのか?
  • どのように到達したのか?
  • どのポイントで離脱したのか?
  • 特別なKPIを達成したのはどの経路か?

エンゲージメントに関わる指標は、SEOに関連する指標の中でも、おそらく最も強力なツールの1つだ。

こうしたデータは、「ターゲットユーザーがどう経由したか」「共感してくれたか」「あなたが提供した経験に対しユーザーがどの程度満足しているか」などを示してくれる。

エンゲージメントに関わる指標が答えてくれる質問を下記に記載しよう。

【ユーザーのクリック経路】

  • ユーザーがサイト上で選択する自然なフローは何か?
  • 離脱と入り口のポイントはどこか?
  • 行き止まりはあるか?
  • ユーザーがサイト内で困惑してしまう特定のセクションはあるか?

【直帰率】

  • クリック数が多いページの直帰率が高い理由はなにか?
  • その場所で提供されている経験は、ユーザーが期待した経験に沿っているか?
  • そのコンテンツはユーザーの共感を得ているか?
  • サイトのより深くまで到達できる経路は用意されているか?
  • 理論的に正しい次のステップへの明らかな経路は用意されているか?

※直帰率が低く、クリック数が少ないページは、直帰率が高く、クリック数が多いページよりも価値があることをお忘れなく

【滞在時間】

  • 平均滞在時間は、そのコンテンツの種類にとって、納得できる時間であるか?
  • 滞在時間が長いページにはあり、滞在時間が短いページにはない特徴はあるか?

【1訪問あたりのページ数】

  • 過去に訪れたページにも訪れているか?
  • 1訪問あたりのページ数が高いページが持つ特徴、構造、属性は何か?

【クリック率】

  • タイトルは理にかなっているか?
  • インテントが期待を満たしているか?
  • メタディスクリプションの内容はページの内容を正確に反映しているか?

ときに、ユーザーはあなたが予期していたものと違う行動を取ることがある。しかし、それは問題ない。

こうした各指標を元に、ユーザー体験を改善していけば良い。それには、サイト構造(リンク先)の調整、キーワード戦略の内容、コンテンツの追加などが含まれるだろう。

重要なポイント

あなたの戦略の確認と改善のために分析データを活用しよう。可能な限り最高な経験をユーザーに提供できているだろうか。

下記の2点に注意しよう。

  • その場所で価値を提供する、最も関連性のあるコンテンツは何か?
  • ユーザーのニーズを満たすため、そのページをどのように最適化すればよいか?

結論:ユーザーのサイト上での体験を活用し、より良いユーザー体験を構築しよう

正しい体験を正しいタイミングで提供することは、ユーザーを導き、コンバージョンさせるための重要なポイントだ。

キーワードとインテント、インテントとコンテンツ、コンテンツと経路を一致させ、クリックルートを整備してユーザーを助けよう。

あなたが構築した情報アーキテクチャが、孤立したページを発生することなく、関連性のあるコンテンツ同士の経路を備えたものにしよう。また、こうした経路は、よく最適化されたリンク階層によって実現される。

ユーザー体験の目的は、あなたのユーザーに対し、可能な限り最高の経験を提供することだ。

優れた情報アーキテクチャはリンク階層を構築し、コンバージョンファネルの最適化を果たしながら、サイト上のユーザーの自然な行動をサポートする。

ユーザーのニーズを理解することに努め、検索結果から到達したユーザーが期待する経験を提供し、サイト上の行動をサポートすることができれば、個々のユーザーに合わせたポジティブな体験を作成できるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「SEO UX Play: Information Architecture & Linking Hierarchy」を翻訳した内容です。

記事内にもあるとおり、「正しい体験を正しいタイミングで提供すること」は非常に重要であり、カスタマージャーニーのどの段階にいるユーザーにも良い体験を提供できる状態が求められます。

また、「その情報を得たユーザーが次にどのような情報を求めるか」といった点も考慮され、直感的に次の情報に導くことができれば理想ですね。

言うは易し、であると思いますが、記事内にあるとおり、データを見ながらトライアンドエラーを繰り返し、少しでも理想に近づけるべく施策を進めていきましょう。

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【SEO】サイトのクロールバジェットを最適化する7つのコツ

「Webサイトのクローラビリティを測るために重要な10のチェックポイント」に続き、今回もクロール関連の記事となります。前回の記事は、クロール・インデックスの健全性を測るための指標をまとめていました。

今回の記事は、「そもそもクロールバジェットとは何か」という説明に加え、クロールバジェットに影響しうる技術的な修正などをメインにまとめられています。

どちらかと言えば初心者の方向けの記事ですが、改めて確認しておきたい方にも有益な内容となっております。

しばしば見落とされてしまうものだが、クロールバジェットはSEOの主要なコンセプトの1つである。

SEOの専門家にとっては、解決すべき課題が常にあり、クロールバジェットの最適化は後回しにされてしまうことがあるのだ。

結論から言うと、クロールバジェットは最適化の対象となりうるし、なるべきだ。

この記事を読むことで、あなたは下記の項目を学ぶことができるだろう。

  • クロールバジェットを改善する方法
  • ここ数年間で変化したクロールバジェットにおける変化

クロールバジェットとは何か

クロールバジェットがそもそも何を意味するのか忘れてしまった方々のために、ここではその内容を簡単に振り返ってみよう。

クロールバジェットは、検索エンジンのクローラー(スパイダー、もしくは、ボットとも呼ばれる)があなたのドメイン内のページに訪れる頻度である。

この頻度は非常に絶妙なバランスが取られている。Googleがあなたのサーバーに大きな負荷をかけることなく、かつ、あなたのドメイン内のすべてのページを理解する、といったバランスだ。

クロールバジェットの最適化とは、検索エンジンのボットがあなたのページに訪れる頻度を高めることを目的とした、一連の作業の総称と言える。

検索エンジンがサイトにより多く訪れてくれれば、ページが更新されてからすばやくインデックスされるようになる。

結果として、クロールバジェットの最適化は、「検索結果の順位に反映されるまでの期間が短くなる」という効果をもたらしてくれる。

クロールバジェットの最適化の意味を理解することができれば、それがどれほど大事な施策であることが理解できるだろう。

それでは、詳細を説明していこう。

なぜ、クロールバジェットの最適化は見落とされてしまうのか

この質問に答えるために、Googleの公式ブログの記事を読んでみよう。

Googleも説明している通り、クロールそれ自体はランキング要素ではない。

この事実だけで、クロールバジェットについて考えをやめてしまうSEO担当者もいるだろう。

多くのSEO担当者にとって、「ランキング要素ではない」は「私の問題ではない」と同義であるからだ。

しかし、私はそういった意見に対し、心から反対する。

Googleのゲイリー氏のコメントも見てみよう。彼は、「何百万ページ以上の巨大なWebサイトにとっては、クロールバジェットの管理は意味のあるものだ」と述べているのである。

中規模サイトのSEO担当者の場合、クロールバジェットについてそれほど神経質になる必要はないだろう。

一方、巨大なWebサイトのSEO担当者においては、サイト内のコンテンツを削除することで、ドメイン全体としてはプラスとなる場合もある。

しかし、ご存知の通り、SEOとは1つの大きな要素を変更すれば結果が得られるといったものではない。

SEOは、小さい要素の変化を積み重ねていくものであり、非常に多くの指標に気を配らなければならないのである。

概して、ウェブマスター(SEO担当者)の仕事とは、数千もの細かい項目が可能な限り最適化されている状態を作ることなのだ。

さらに、それ自体はクロールの主な要素ではないが、Googleのジョン・ミューラー氏も、「Webサイト全体を最適化することは、結果としてコンバージョンの増加に寄与する可能性がある」と述べている。

こうした背景から、私は、「何らかの施策を打たなければ、あなたのサイトのクロールバジェットに悪影響を及ぼすであろう」と確信している。

クロールバジェットの最適化の方法

これから紹介する方法の中には、非常に重要となる項目もあれば、ほぼ関連性の無いほどに、その常用性が変化した項目もある。

それでも、Webサイトの健全性を脅かす「常に疑うべき項目」には気を配る必要がある。

1.robots.txtで重要なページへのクロールを許可する

これについては疑いの余地もないし、また、最初に取り掛かるべき最も重要な項目であることは確かだろう。

robots.txtの管理は手動、もしくは、ツールで行うことができる。

可能であれば、ツールを使用することを勧めたい。ツールを使用すれば、シンプルかつ効率的に管理することが可能であるからだ。

あなたが選択したツールにrobots.txtを登録すれば、クロールの許可とブロックをすぐに設定することができる。そして、アウトプットされたrobots.txtをアップロードすればいいのだ。

手動でrobots.txtの管理を行う方も多いだろう。しかし、非常に巨大なWebサイトのSEOを担当してきた私の意見としては、細かい調整が必要となるため、ツールを使用した方が確実に良いと考えている。

2.リダイレクトチェーンを監視する

Webサイトの健全性を高めるためには、王道の方法である。

理想を言えば、ドメイン全体で1つのリダイレクトチェーンも発生させるべきではない。

ただし、巨大なWebサイトではほぼ不可能だろう。301や302リダイレクトはどうしても発生してしまう。

しかしながら、リダイレクトチェーンはクロールの上限に悪影響を与える。最悪の場合、インデックスされるべきページに到達する前に、検索エンジンがクロールをストップしてしまうことも考えられる。

1つや2つのリダイレクトは大きな問題ではない。しかし、リダイレクトチェーンは、あらゆるSEO担当者が気を配るべき項目だ。

3.可能な場合はすべて、HTMLを使用する

Googleに限って言えば、検索エンジンによるJavaScriptのクロール精度は向上している。しかし、FlashとXMLのクロールとインデックスには、まだ改善の余地がある。

一方で、他の検索エンジンは、まだそのレベルに達していない。

そのため、個人的には、可能な限りHTMLを使用すべきだと考えている。

こうすれば、あらゆるクローラーにおける弊害を防ぐことができるだろう。

4.HTTPのエラーでクロールバジェットを消費させない

404と410を返すページは、クロールバジェットを消費してしまう。

クロールバジェットに大きな影響を与えずとも、ユーザー体験を損なうだろう。

そのため、4XXと5XXのエラーを修正することは、常によい結果を生むと言える。

この場合も、私はSEO監査用のツールを使用することを勧めたい。SE RankingとScreaming Frogは、非常に優れたツールだ。

5.URLパラメーターに気を配る

分離したページは、別々のページとしてカウントされ、無価値なクロールを発生させてしまうことを覚えておこう。

GoogleにURLパラメーターの存在を知らせることは、GoogleとWebサイトの両方にとって良い結果を生む。クロールバジェットの消費を防ぎ、重複コンテンツが発生する懸念を無くすことができるのだ。

Google Search Consoleを活用し、Googleにその状況を伝えよう。

6.サイトマップを更新する

XMLサイトマップの改善も、GoogleとWebサイトの両方にとって良い結果を生む。

サイトマップを送信することで、ボットによる内部リンクの理解をより良く、簡単にすることができる。

サイトマップには、正規URLのみを記載するようにしよう。また、robots.txtの最新版と一貫性があることを確認しておこう。

7.hreflangタグを設定する

ローカライズ版のページを分析するために、クローラーはhreflangタグを参照する。可能な限り、あなたのページのローカライズ版のページをGoogleに伝えるべきである。
※参考:ページのローカライズ版について Google に知らせる(Search Consoleヘルプ)

まずは、ページのヘッダーに、

<link rel="alternate" hreflang="lang_code" href="url_of_page" />

を記載しよう。”lang_code”には、サポートされている言語が記載される。
※参照:https://support.google.com/webmasters/answer/189077?hl=ja#language-codes

対象のページ全てに要素を使用しよう。こうすることで、ローカライズ版のページの存在を伝えることができる。

まとめ

もし、あなたがクロールバジェットの最適化が重要であるかどうか迷っている場合、その答えは、明らかにYesである。

クロールバジェットの最適化は、あらゆるSEO担当者が常に気を配るべき、重要な項目なのだ。

今回の記事がクロールバジェットの最適化の手助けとなり、SEOのパフォーマンスの改善に役立つことを祈っている。

幸運を!

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「7 Tips to Optimize Crawl Budget for SEO」を翻訳した内容です。

クロールバジェットの概念のわかりやすい説明から、確実に気を配るべきポイントをまとめた記事でした。

冒頭にもある通り、クロールバジェットの最適化はしばしば見落とされてしまう項目です。

しかし、検索エンジンのクロールについての知識は、SEOのキホンのキということもできます。どのような規模のサイトであれ、最低限の知識と対策はしておきたいものですね。

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Googleのコアアルゴリズムアップデートによる変動からサイトを回復させるために重要な4つのポイント

2019年9月にGoogleのコアアルゴリズムアップデートが行われました。

自身が管理しているサイトにおいて、特にYMYL領域であれば、サイトの順位が大きく変動したという方も多いのではないでしょうか。

今回はジョン・ミューラーへの質疑から、コアアルゴリズムアップデートの認識について、Search Engine Journalがまとめた記事をご紹介します。「なぜ、サイトの順位が下落するのか」、その原因を正しく理解し、分析する手助けとなる記事です。

Googleのジョン・ミューラーは、2019年6月に行われたコアアルゴリズムアップデートによって、サイトの順位やトラフィックが減少した場合に、どれくらいの期間を経てそれらが回復するのかを回答した。

ジョン・ミューラーは、コアアルゴリズムアップデートの影響があったサイトを回復させる方法に関して、4つのポイントを提示している。

Googleのコアアルゴリズムアップデートによる影響から回復させる方法に関する重要な4つのポイント

  1. トラフィックを失ったページ(サイト)はペナルティを受けたわけではない
  2. コアアルゴリズムアップデートは、関連性が高いページの順位を向上させるものである(関連性が低いとみなされた場合は、順位を失う)
  3. 次のコアアルゴリズムアップデートまでリカバリーを待つ必要はない
  4. 基本的にコアアルゴリズムアップデートはスパムに対するものではない

Googleのジョン・ミューラーは、「コアアルゴリズムアップデートによってサイトの順位が下落する理由は、Googleが他のサイトをより関連性が高いとみなしているためだ」と強調した。

重要なことは、「関連性と関連性の欠如」にある。

コアアルゴリズムアップデートによる影響からサイトを回復させる方法を理解するための鍵は、Webサイトの関連性が低いとみなされた理由について考えることである。

Googleのコアアルゴリズムアップデートによる影響からリカバリーするまでの期間

質問者は、GoogleBotに対して誤った認識を抱いていた。

「GoogleBotは、コアアルゴリズムアップデートでペナルティを受けた(とされる)サイトをリカバリーさせるかどうかを決定するもの」という認識である。

しかし、GoogleBotは、Webページをダウンロードする単なるソフトウェアプログラムである。一般的にはクローラーと呼ばれている。

クローラーによってダウンロードされたすべてのWebページを評価し、順位付けするのは、データセンターのGoogleのアルゴリズムによるものだ。コアアルゴリズムアップデートによって更新されるのは、これらのアルゴリズムである。

コアアルゴリズムアップデートは、サイトへペナルティを与えるものではない

Webサイトが2019年6月のコアアルゴリズムアップデートによる影響を受けてしまった。現在、高品質のコンテンツの作成に取り組んでいる。サイトの状況が回復するまでは何か月待つ必要があるだろうか。また、GoogleBotは、コアアルゴリズムアップデート以外でペナルティの削除を決定することはできるのか。

以下は、ジョン・ミューラーによる回答である。

まず、コアアルゴリズムアップデートはサイトへペナルティを課すものではない。Googleのアルゴリズムは、個別のサイトに対してペナルティを課しているわけではない

コアアルゴリズムアップデート後に順位が下落した場合、ペナルティが課せられたように感じることがある。順位が下落するという意味では、一緒だろう。

しかし、厳密に言うと、コアアルゴリズムアップデートによる順位の下落と、ペナルティによる順位の下落は異なるものである。

ペナルティが課された場合、Googleはウェブマスター向けのガイドライン違反について、Googleサーチコンソールを通じてサイト運営者に通知を送る。

一方、コアアルゴリズムアップデートによって順位を失った場合、そのような通知が送られることはない。

ジョン・ミューラーが伝えているのは、「コアアルゴリズムアップデートによって順位が下落したからといって、Webサイトの運営者が何か致命的な誤り(※)を犯しているわけではない」ということだ。
※致命的な誤り:コンテンツスパムやリンクスパムなど

コアアルゴリズムアップデート後にサイトの順位が下落する理由

ジョン・ミューラーは、サイトの順位が下落する理由を繰り返し論じている。

端的に言うと、「サイトの順位が下落する理由は、Googleの新しいアルゴリズムが、他のサイトの方がより関連性が高いと評価したためである」とのことだ。

ジョン・ミューラーは、順位を上下させるコアアルゴリズムアップデートと、その影響を受けるサイトについて以下のように述べている。

コアアルゴリズムアップデートによる影響とは、本質的には、Googleのアルゴリズムがページの関連性を評価する計算方法を変更し、より関連性が高いと思われる他のページを見つけたことによるものである。

つまり、あなたが何か間違ったことをしたというわけではなく、また、アルゴリズムアップデートがあったからといって、直ちにサイトを修正する必要はない(例え、何か対応を行ったとしても、アルゴリズムに沿って評価が行われるだけである)。

さらに言うと、サイトの順位が下落する理由は、アルゴリズムが検索クエリに対するサイトの関連性が高いと判断しなかったことによるものである。そして、順位の変化は時間の経過と共に起こる。

Googleのコアアルゴリズムアップデートとは何か

アップデートによって順位が下落するパターン

ジョン・ミューラーは言及しなかったものの、我々がサイトレビューを行ったところ、コアアルゴリズムアップデートによる順位の下落には、少なくとも2つのパターンがあることがわかった。

順位が下落するパターン

下位のサイトがより上位を獲得し、それまで上位にあったサイトの順位が下落するパターンである。

完全に順位を失うパターン

特定のサイトが完全に順位を失う=検索ランキングに現れなくなるパターンである。こちらはより深刻な問題であり、SERPsを詳しく調べなおす必要があるだろう。

Googleによる公式な手引き

その後、ジョン・ミューラーはGoogleがコアアルゴリズムアップデートの手引きを提供した2019年8月のブログ記事を紹介した。

参考:Google のコア アップデートについてウェブマスターの皆様が知っておくべきこと(2019年10月)

我々はコアアルゴリズムアップデートに関して、我々が見ているものをかなり詳細に説明したブログ記事を投稿している。私もこちらの記事を再確認したいと思う

Googleのコアアルゴリズムアップデートから回復するまでの待ち時間

最後に、ジョン・ミューラーは「Googleのアルゴリズムは常に更新されている」と答えた。

つまり、Webページの改善が役立ったかどうかを確認するのに、次のコアアルゴリズムアップデートまで待つ必要はないということである。改善はランキングにすぐ反映されるはずだ。

ジョン・ミューラーは言及していなかったが、コアアルゴリズムアップデート後に順位が戻る場合がある。これは過度に広範囲なアップデートになった結果、影響を与えるつもりのないサイトにまで影響を与えることがあるためだ。そして、彼らはアルゴリズムを微調整することがあるかもしれない。

要するに、コアアルゴリズムアップデート後にサイトの順位が戻るのは、アルゴリズムの変更について、その一部を撤回したためである可能性が考えられる。

ジョン・ミューラーのコメントは以下のとおりである。

コアアルゴリズムアップデート後にWebサイトの大幅な改善を行った場合、いつその結果は反映されるのだろうか。結論を言うと、その結果は順次反映されていく。

アルゴリズムの更新には2種類がある。大幅な変更であるコアアルゴリズムアップデートと、常に変化し続ける小さなものだ。

インターネット全体は時間の経過と共に変化する。その結果、基本的に検索結果は毎日変化するし、毎日改善することもできる。

したがって、Webサイトを大幅に改善した場合は、それらの細かい変更も時間の経過と共に反映されるだろう。よって、アルゴリズムの変更がされたことを確認するまで待つ必要はない

コアアルゴリズムアップデートによる順位の下落は必ずしもサイトの品質に関するものではない

ジョン・ミューラーは、「順位が下落したからといって、それはサイトに問題があったことを示すものではない」ことを繰り返して、質疑応答を終了した。

繰り返すが、コアアルゴリズムアップデートは、Webサイトに問題があることを示すものではない

Googleのコアアルゴリズムアップデートによる影響からのリカバリーに関して重要なこと

広範なコアアルゴリズムアップデートのすべてについて、それを品質に関するアップデートであるとみなす者がいる。彼らは、サイトが順位を失う度に「それは、サイトの質が低いからだ」という。

一方で、順位の下落を技術的な問題によるものであるとみなす者もいる。例えば、サイトの表示スピードが遅い・リダイレクトが連鎖しているなどだ。

確かにサイトの品質や技術的な問題は、サイトの順位に関する正当な懸念事項だろう。これらの問題には、対処していく必要がある。

しかし、一般的にコアアルゴリズムアップデートの目的はそれらの一部のみに対応するものではない。

コアアルゴリズムアップデート後にサイトの順位が下落した場合、品質及び技術的な問題が存在する可能性がある。

だが、その場合には一部の問題のみに注目することなく、順位の下落に関連するであろうすべてについて、特にページの関連性についても確認することが望ましい。

ジョン・ミューラーはサイトの関連性が重要であることを繰り返し述べた

コアアルゴリズムアップデートによってサイトの順位が下落した場合、品質または技術的な問題の改善点が見つかることがある。

しかし、順位を失ったサイトをチェックした私の経験から言うと、サイトの関連性について調査することが有効なケースもあるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Google on Broad Core Algorithm Update Recovery – 4 Takeaways」を翻訳した内容です。

Googleのコアアルゴリズムアップデートは、通常、個別のサイトに対するペナルティを課すものではありません。また、サイトの品質や技術的な問題など、単一の問題に対応するものでもないということが簡潔にまとめられた記事でした。

Googleの動向ばかりに注視しすぎるのは良くありませんが、一方でコアアルゴリズムアップデートの傾向を分析することによって、「Googleが何を重要視しているのか」を客観的に見ることができるのも事実でしょう。

ユーザーにとって価値のあるサイトとは何か。Googleはそれをどう判断しているのか。様々な情報や経験を元に考えていきましょう。

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Webサイトのクローラビリティを測るために重要な10のチェックポイント

SEOを理解する上での第一歩は検索エンジンの仕組みを知ることであり、それは、クロール・インデックス・ランキングの3ステップに大きく分けることができます。

SEOを考える上では、ついランキングのみに注視しがちですが、その前段階である「クロールとインデックス」にも注意を向けなければなりません。

あなたのサイトはきちんとGoogleに理解されているのでしょうか。その健全性(クローラビリティ)を測る上で重要となる指標をまとめたSearh Engine Journalの記事をご紹介します。

Webサイトのクローラビリティを最適化する目的は、検索エンジンが定期的にクロールに訪れ、新しいコンテンツが発見されるために、サイト内の重要なページを訪問してもらうことだ。

GoogleのボットはあなたのWebサイトを訪れるたび、可能な限りの範囲でページとリンクをクロールし、発見してくれる。しかし、上限に達した場合、それらはストップしてしまう。

あなたのページへの再訪問については下記のようなさまざまな要素が絡んでおり、それらに基づいて、GoogleはクロールするURLの優先順位を決定する。

  1. ページランク
  2. XMLサイトマップへの記載
  3. サイト構成における位置
  4. ページの更新頻度
  5. その他多くの要因

基本的にあなたのサイトがGoogleの注意を引くのは、限られた回数のクロール内でのみ行われる。それは不定期であることも少なくない。Googleのクローラーが訪れた機会を有益に使うことが重要だ。

「クローラーにとって、あなたのサイトがどの程度最適化されているか」を分析するために、どこに着目すべきかを判断することは難しい。特に大規模なWebサイトや複数のWebサイトを担当している場合、他の優先すべきSEO施策があることも考えられる。

それこそが、今回の記事を執筆した理由だ。この記事ではクロールの健全性を確かめる上で非常に重要なポイントをその理由と共にリストにした。あなたが分析を開始する際の手助けになれば幸いである。

1.インデックスされているページ数とサイト内のインデックス可能なページ数

こちらを算出することで、以下の項目が明らかになる。

  1. Googleがインデックス可能なページ数
  2. Googleが実際に発見しているページ数
  3. インデックスするに値すると判断されたページ数

2.Webサイト全体でクロールされているページ数

Googleのクロール活動とサイト全体のページ数とを比較することで、Googleがアクセスできないページ、または、定期的なクロールのスケジュールに組み込む判断に至っていないページがどのくらいあるかを深く理解することができる。

3.インデックスが不可(no index)であるページ数

Googleボットがインデックスの不可であるページに滞在することは、クロールバジェットの観点から最適な状態であるとは言えない。

インデックス不可であるページへのクロール数を把握し、それらのページをインデックス可能な状態にすることができるかどうか、確認しよう。

4.クロールをブロックしているページ数

クロールをブロックしているページ数を把握することで、あなたがGoogleによるクロールを許可していないページ数を把握することができる。

インデックスの観点、また、さらに奥にあるページの発見性という観点において、それらのページが本当に重要ではないのか、あらためて考えてみよう。

5.価値の低いページのインデックス数

すでにGoogleにインデックスされているページを確認することで、あなたのサイト内のGoogleがアクセス可能な領域を把握することができる。

例えば、低品質であることを理由にサイトマップに含めていないページが、別の理由でGoogleに発見され、インデックスされている場合もある。

6.404ページへのクロール数

インデックスを望んでいるページではなく、エラーページへのクロールにより、クロールバジェットが消費されていないことを確認することは、非常に重要である。

Googleボットは404ページへも定期的にクロールする。それらのページが再公開されているかどうかを確認するためだ。

そのため、そのページを永久に閉じ、再クロールの必要がない場合は、410を設定するようにしよう。

7.内部のリダイレクトのクロール数

あなたのサイトでのあらゆるリクエストはクロールバジェットを消費する。そして、リダイレクトチェーンにおけるリクエストも、そのリクエストの範疇だ。

効率的にクロールできるようにGoogleを助け、クロールバジェットの消費を防ごう。そのためには、サイト内のリンクは200を返すページにのみ向けられるべきであり、最終目的地となるURL以外へのリクエストを発生しないようにしよう。

8.canonicalが設置されているページ数と、canonicalが向けられているページ数

正規化されたページ数は、あなたのサイト内の重複ページ数を指し示している。canonicalタグは重複ページ間のリンク評価を統合してくれるものであるが、クロールバジェットの助けにはならない。

Googleは正規化されたページの中からインデックス対象のページを選ぶが、どのページが主要なページであるかを判断するため、対象のページすべてをクロールする必要がある。

9.ページ送り、または、ファセットページへのクロール数

Googleは、まだ発見されていないページ、または、リンクされていないページのみをクロールする必要がある。

大抵の場合、ページネーションファセットは、重複ページの原因となる。そのため、独自のコンテンツやクロールされるべきリンクが含まれていないことを確認しよう。

rel=nextとrel=prevは、もはやGoogleにサポートされていないため、ページの発見をページネーションに依存しないように、内部リンクの最適化を行おう。

10.クロールのデータとページの発見状況にミスマッチはあるか

Google Analyticsのデータではユーザーによるアクセスがあるのに、ログファイルのデータでは検索エンジンによってクロールされていないという状況がある。これは、ユーザーによっては発見されているものの、Googleには発見されていないことが理由である。

複数のデータとクロールのデータを統合することにより、検索エンジンには発見されづらいページの存在が浮き彫りになる。

GoogleにとってのURLの発見の情報は大きく2つあり、1つが外部リンク、もう1つがXMLサイトマップである。Googleがあなたのページをクロールする際に障壁があり、Googleがすでに存在を認識し、定期的にクロールしているどのサイトからもリンクを得られていないのであれば、そのページがサイトマップに含まれているかを確認しよう。

まとめ

今回の記事で紹介した10個のチェックポイントを確認すれば、クローラビリティへの理解と、サイトの技術的な健全性の把握につながるだろう。

無駄にクロールバジェットを消費しているページを発見できれば、ロボットテキストで指示するなど、Googleがそれらのページへのクロールを抑えるように指示することができる。

さらに、サイトの構造や内部リンクを最適化することで、重要なページへのクロールを促し、その重要性と発見性を高めることができるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「10 Key Checks for Assessing Crawl Hygiene」を翻訳した内容です。

クロールバジェット(注:俗称)の正確な数値を把握する術はありませんが、可能な限りの理解は努めるべきでしょう。

クロールはGoogleにとってもコストとなることからも、無駄なページをクロールされることはできる限り避けるべきです。まずは、明らかなエラーの箇所、重要でないページへのクロールの規制などを行い、順位や流入数への悪い影響がないことを確認しながら、徐々にその範囲を拡大していく、ということが王道の流れでしょう。

こうしたクロールの最適化において、非常に有効で利便性の高い記事でした。

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500万の検索結果を分析した結果、自然検索のクリック率についてわかった10の事実

SEO施策を進めるにあたっては各種目標を設定しますが、「特定のキーワードの順位」を注視してしまう傾向はあると思います。

しかし、最終的には「Webサイトへのトラフィックがどれだけ発生したか」が重要となるため、順位のみを注視してしまうと重要な指標を見落としてしまうでしょう。そして、トラフィックの増加を狙うのであれば、クリック率というデータは欠かすことのできない情報です。

クリック率はなかなか正当なデータを算出することは難しいですが、ブライアン・ディーン氏でお馴染みのBacklinkoが500万のデータを駆使した調査を行いました。クリック率の改善案も提案されており、非常に有益な情報となっています。

Googleの自然検索におけるクリック率をより深く理解するため、我々は500万の検索結果を分析した。

分析対象のクリック率のデータは、874,929ページと5,079,491キーワードである。

その後、タイトルタグ、ユーザーの感情、メタディスクリプションなどの要素がクリック率にどのように影響するかを分析した。

ClickFlowのデータのおかげで、複数のGoogle Search Consoleアカウントからのクリック率のデータを取得できた。

前置きはこのくらいにして、早速結果を見てみよう。

今回の調査から得られた結果のまとめ

  1. Google検索で1位に表示されているページのクリック率は、平均で31.7%。
  2. Google検索で1位に表示されているページは、10位に表示されているページと比べ、10倍のクリックを獲得している。
  3. 7-10位に表示されているページのクリック率はほぼ同一。そのため、順位が少し上がっても、それが1ページ目の下位のままであれば、トラフィックを大きく増加することは難しくなる。
  4. 平均して、順位が1位上昇すると、クリック率は30.8%上昇する。しかし、この数値は上昇前と上昇後の順位で非常に左右される。3位から2位への順位上昇は、クリック率も飛躍的に上昇するが、10位から9位への順位上昇の場合、クリック率はさほど上昇しない。
  5. タイトルに質問が含まれているページの場合、タイトルに質問が含まれていないページと比べ、クリック率は14.1%高い。
  6. タイトルの文字数が15-40文字の場合が最もクリック率が高い。我々のデータによると、タイトルの文字数が15-40文字の範囲に収まると、それ以外の文字数のタイトルのページと比べ、クリック率が8.6%高かった。
  7. URL内にキーワードが含まれている場合、URL内にキーワードが含まれていない場合と比べ、クリック率は45%高くなる。
  8. 「パワーワード」を追加すると、CTRが下がる場合がある。パワーワードを含むタイトルのページは、パワーワードを含まないタイトルのページと比べ、クリック率は13.9%低くなる。
    ※パワーワード:クリックを煽るようなワードのこと
  9. 感情的なタイトルはクリック率を上昇させる。ポジティブ、ネガティブな表現を含んだ感情的なタイトルの場合、クリック率は約7%改善された。
  10. メタディスクリプションを書くことでクリック率は上昇する。メタディスクリプションが記載されているページは、メタディスクリプションが記載されていないページと比べ、5.8%多くクリックを獲得していた。

それぞれの分析結果の詳細を見ていこう。

①1位に表示されているページは、すべてのクリックの31.7%を獲得している

今回の調査の最初の目的は、クリック率の基準を見極めることである。

500万の全データを使用したところ、1位に表示されているページのクリック率が圧倒的に高いことがわかった。

  • タイトル:1位に表示されているページのクリック率が最も高かった
  • Y軸:クリック数
  • X軸:順位

また、2ページ目から極端にクリック率が下がることもわかった。

  • タイトル:2ページ目以降を訪れるユーザーは少ない
  • Y軸:クリック数
  • X軸:順位

Googleで検索したユーザーのうち、0.78%しか2ページ目以降に表示されているページをクリックしていないのだ。

この傾向は、Advanced Web Rankingの調査のように、他のクリック率の調査結果と同様の傾向となっている。

クリック率は2ページ目以降から極端に下がるため、我々は1ページ目の調査に注力することにした。

そのため、2ページ目以降のデータを除外した後、再度分析を行っている。また、極端に高いクリック率のデータ(例:ブランド名での検索)など、分析結果を歪めてしまうデータも除外している。

こうして、1ページ目のデータのみで分析を行った結果、1位に表示されているページのクリック率は31.7%であるという結果を得た。

  • タイトル:Google検索で1位に表示されているクリック率は31.7%

1ページ目に表示されている各順位のクリック率のデータは下記の通りである。

  • タイトル:順位ごとのクリック率
  • Y軸:順位
  • X軸:クリック率

上記の通り、1位に表示されているページのクリック率は、10位に表示されているページと比べ、10倍高い。

長い間SEO業界で働いている者にとっては、驚くべき数字ではないはずだ。1位に表示されることは、他のどの順位に表示されることに比べ、非常に大きな価値があるのだ。

Mozの調査にもあるように、Google検索を使用するユーザーは、本能的に1位の結果をクリックしてしまう。1位のページの数ピクセル下に表示されているだけにもかかわらず、2位に表示されているページのクリック率が大きく下がるのはこのためである。

  • タイトル:1位以降、クリック率は大きく下がる
  • Y軸:順位
  • X軸:クリック率

重要なポイント:1位に表示されているページは、全クリックの31.7%を獲得する。

②クリック率は5位と3位で大きく上昇する

上記で説明したとおり、1位に表示される場合、クリック率は圧倒的に高くなる。

しかし、1位以外に表示されているページもクリックはされている。

特に、6-10位までのクリック率は比較的同じであるが、5位以上からは大きく上昇しているのだ。

  • タイトル:クリック率は5位から大きく上昇する
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位

この結果から、2つのことが言えるだろう。

  1. 多くのユーザーは5位以降までスクロールしない
  2. 6位から5位へ順位が上昇すると、クリック率も大きく上昇する

さらに、3位からもクリック率は大きく上昇する。

  • タイトル:クリック率は3位から大きく上昇する
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位

広告やGoogle作成のモジュールがない場合、3位まではファーストビューに表示されるケースが多いことが理由となっているのだろう。

実際、上位3位までのクリック率を合算すると、75.1%という数字になる。

タイトル:Google検索で3位までに表示されているページのクリック数の合計は全体の75.1%

重要なポイント:我々のデータは、「1位に表示させること」がSEOの目標ではないことを示唆している。1ページ目の上位(特に3ページ目以内)に表示されることが重要なのだ。3位以内に表示されているページのクリック数は、合計で75%にものぼる。

③順位が1位上昇すると、クリック率は30.8%上昇する

今回の調査から、他の状況が同一であれば、順位が1位上昇するとクリック数は相対的に30.8%上昇することがわかった。

  • タイトル:順位が1位上昇するとクリック率は30.8%上昇する

しかし、このクリック率の上昇は、すべての状況で同一ではない。

順位上昇とクリック率の上昇の関係は、もともとの順位に強く依存するのだ。

  • タイトル:順位が上昇するごとに期待されるクリック率の上昇
  • 左側:順位の上昇
  • 右側:クリック率の変化

例えば、順位が9位から8位に上昇したとしても、5%しかクリック数は増えない。それほど大きな違いではないだろう。

しかし、順位が6位から5位に上昇すれば、クリック数は53.2%も上昇する。

重要なポイント:順位が1位上昇すると、クリック率は相対的に30.8%上昇する。しかし、この上昇率はもともとの順位に強く依存する。最もクリック数が上昇するのは、6位から5位への上昇であり、クリック数は53.2%も上昇した。

④多くのWebサイトにおいて、クエリごとのクリック数は8.1クリック

我々は、Google Search Consoleのレポート内のキーワードについても着目した。各キーワードはどれくらいのクリック数を獲得しているのだろうか。

まず、Googleの検索結果に表示されているほとんどのキーワードのインプレッション数が少ないことに気がついた。

  • タイトル:多くのキーワードのインプレッション数は低い
  • Y軸:割合
  • X軸:クエリごとのインプレッション数

このことから、検索結果に表示されているほとんどのキーワードが、検索ボリュームの少ないロングテールキーワードであることがわかる。もちろん、そのサイトが上位に表示されていないケースも考えられる。

そして、インプレッション数が少ないことが理由で、ほとんどのキーワードのクリック数はとても少ない(1キーワードにつき8.1クリック)。

  • タイトル:1キーワードあたりの平均クリック数は8.1
  • Y軸:割合
  • X軸:1キーワードごとのクリック数

重要なポイント:「〇〇個のキーワードで表示された」という指標は、SEOにおいて重要な指標ではないと言える。表示されている多くのキーワードの検索ボリュームはとても少ないからだ。インプレッション数とクリック数の大部分は、比較的少ない数のキーワードによって占められている傾向があるのだ。

⑤質問を含むタイトルはクリック率が高い

我々は、質問を含むタイトルと質問を含まないタイトルのクリック率を比較した。

我々は、「質問」を「How(どのようにして)、Why(なぜ)、What(なんの)、Who(誰)という単語が含まれている、もしくは、クエスチョンマークがついているタイトル」と定義している。

調査の結果、質問が含まれているタイトルは、質問が含まれていないタイトルと比べ、クリック率は14.1%高いことがわかった。

  • タイトル:質問が含まれているタイトルは、質問が含まれていないタイトルと比べ、クリック率は14.1%高い
  • Y軸:タイトルの種類
  • X軸:クリック率

下記は、各順位におけるクリック率を表したグラフだ。

  • タイトル:質問を含むタイトルと質問を含まないタイトルのクリック率
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位
  • グラフ内緑線:質問を含むタイトル
  • グラフ内赤線:質問を含まないタイトル

この調査結果は、Social Influenceが行った調査結果とも一致している。

質問を含むタイトルはCTRを向上させる可能性がある。なぜなら、ユーザーがGoogleで何かを検索する場合、彼らは質問に対する答えを探しているからだ(Googleは検索キーワードを「クエリ(質問)」と呼んでいる。)。

そして、タイトルに質問を含めることで、「そのページにはあなたの質問に対する答えが記載されている」ということをユーザーが確証することにつながるのだ。

  • タイトル:タイトルに質問を含めることでクリック率が改善される可能性がある

例えば、私は「nofollow link」について最適化した下記の記事のタイトルに質問を含めている。

  • 強調箇所:Nofollow Linkとは何か?

Search Consoleのデータを確認すると、このページのクリック率は29.2%だった。

「nofollow link」と大まかに検索するユーザーの多くが、「nofollow link」とは一体何かを知りたがっている。そして、私が作成した記事のタイトルは、「彼らが知りたがっている答えがここにある」ということを伝えているのだ。

重要なポイント:質問を含めたタイトルは、質問を含めていないタイトルに比べ、クリック率が14.1%高かった。

⑥15-40文字数のタイトルが最もクリック率が高い

理想的なタイトルタグの長さはどれくらいだろうか。短く、魅力的なタイトルにすべきか。それとも、そのコンテンツについての多くの情報を含めるため、長いタイトルにすべきだろうか。

我々のデータによると、その中間を狙うべきという結果がでている。

特に、「15-40文字数のタイトルが最もクリック率が高い」という結果が出ている。

  • タイトル:15-40文字数のタイトルが最もクリック率が高い
  • Y軸:文字数の範囲
  • X軸:クリック率

タイトルが長い場合、SEOにおけるメリット(長いタイトル=より多くのキーワード)もある。しかし、このメリットは、クリック率の低さと相殺されてしまうだろう。

Ersyは、広範囲なSEOの実験の1つとして、様々なタイトルタグの検証を行っている。この実験から、「長いタイトルよりも短いタイトルの方がパフォーマンスが良い」という結論を得ている。

  • 強調箇所:我々の調査によると、「長いタイトルよりも短いタイトルの方がパフォーマンスが良い」という結果が得られた。

この記事の著者は、短いタイトルの方がパフォーマンスが良い理由について、キーワードとのマッチングによるものだと仮説立てている。

しかし、我々の分析結果からは、短い(または中くらいの)タイトルはクリック率の向上にも一役買っていることもわかった。

重要なポイント:15-40文字数のタイトルが最もクリック率が高い。この文字数に収めたタイトルは、この文字数以外のタイトルと比べ、クリック率が平均で8.6%高かった。

⑦キーワードを含むURLはクリック率の高さと相関がある

我々は、キーワードを含むURLがクリック率に影響があるかどうかを調査した。

例えば、「weekend trips」と検索する場合、「travel.com/weekend-trips」のようなURLのほうが、「travel.com/travel-page」のようなURLよりもクリック率が高いのかどうかを調査したのだ。

この分析を行うため、我々は検索キーワードとURLを比較し、類似性を0%から100%まで設定した。

  • 表内左側の項目:URL
  • 表内真ん中の項目:キーワード
  • 表内右側の項目:類似性

0%は検索キーワードとURLが全く合致していないことを意味している。100%は完全に合致することを意味している。句読点や記号は無視している。また、一部の言葉を実質同一と扱う場合もある(「book」と「books」や「cake」と「cakes」の場合など)。

調査の結果、キーワードを含むURLとクリック率には強い相関があることがわかった(p値=0.01)。

  • タイトル:キーワードを含むURLとクリック率には強い相関がある
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位

完全に一致したキーワードを含むURLのクリック率が最も高かったが、部分的に一致しているURLもクリック率が高いことがわかっている。

Googleの検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイドにも、URLは検索結果に表示されることを記載している。そして、「サイトのコンテンツや構造に関連する単語を含む URL」を使用することを勧めている。

  • 強調箇所:サイトのコンテンツや構造に関連する単語を含むURL

また、2012年に公開されたMicrosoftの論文には、「信頼性のあるドメインは、ユーザーに馴染みのないドメインと比較し、検索結果におけるクリック率は高くなる」と記載されている。

  • 強調箇所:ドメインはユーザーの好みに対し25%の機会で影響する

この理論の背景には、「検索エンジンを使用するユーザーは、検索キーワードに最も適した答えを探すためにページのURLを確認している」といった行動が浮かび上がる。

重要なポイント:我々の調査によると、完全にキーワードと合致したURL(検索キーワードのすべてが含まれているURL)は、合致していないURL(URL内に検索キーワードが1つも含まれていないURL)と比べ、クリック率は45%高かった。

⑧「パワーワード」を追加すると、CTRが下がる場合がある

「パワーワード」とは、記事の見出しを目立たせることを目的とした特別な言葉やフレーズである。こうしたワードを使用することでクリック数が上がるという考えのもと、使用されている。

具体的な「パワーワード」の例は下記の通りである。

  • 秘密の(Secret)
  • 強力な(Powerful)
  • 究極の(Ultimate)
  • 完全な(Perfect)
  • 最高の(Best)
  • 愚かなほど(Insane)
  • 驚くべき(Amazing)

我々の調査では、パワーワードを使用するとクリック数が13.9%下がる、という結果が得られた。

  • タイトル:タイトルに含まれるパワーワードはクリック率の低下と相関している
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位
  • グラフ内緑線:パワーワードを含むタイトル
  • グラフ内赤線:パワーワードを含まないタイトル

私の考えはこうだ。パワーワードは情報が反乱しているプラットフォーム(Facebookなど)では注意を引きつけるのに有効であるが、Googleの検索結果では「釣りタイトル」として認識されてしまうのだ。

例えば、「見出しの書き方」という検索結果の上位3サイトを見てみよう。

こうしたキーワードの場合、「圧倒的で驚くべき見出しの書き方」というような、度を超えたタイトルを想像するのではないだろうか?

しかし、上位3サイトのタイトルは非常に落ち着いたものだ。

  • 勝利を勝ち取る見出しを書く、9つのシンプルな方法
  • 2017年度版、優れた見出しを書く9つのコツ
  • 読者に届く、55の簡単な見出しの書き方

重要なポイントパワーワードはソーシャルメディアでは有効かもしれないが、自然検索ではクリック率を下げる恐れがある。実際、パワーワードを含めたタイトルのクリック率は、パワーワードを含めないタイトルのクリック率と比べ、13.9%低い。

⑨感情的なタイトルはクリック率を上昇させる

我々の調査では、感情的なタイトル(ポジティブでもネガティブでも)は、感情的には中立なタイトルと比べ、クリック率は高いという結果を得られた。

  • タイトル:感情的なタイトルのクリック率は高い
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位
  • グラフ内緑線:感情的なタイトル
  • グラフ内赤線:感情的には中立なタイトル

特に、感情的なタイトルは、感情的には中立なタイトルと比べ、クリック率が7.3%高かった。

また、ポジティブな感情もネガティブな感情も、ほぼ同じ影響を与える傾向にあることがわかっている。(順位のような)他の変数を調整すると、ポジティブな感情の場合クリック率は7.4%高く、ネガティブな感情の場合クリック率は7.2%高かった。

この分析を行うため、我々はタイトル内の「極性分析」を行っている。また、ネガティブとポジティブの感情に基づいて、タイトルにスコアを付与している。

例えば、下記のようなタイトルは、感情的には中立なタイトルと考えられる。

  • 強調箇所:ゲストグラフィックを利用した被リンクの獲得方法

下記のようなタイトルは、ポジティブな感情としてスコアが付与される。

  • 強調箇所:すぐに好影響を与えるビジュアルコンテンツの15のタイプ

例えば、BuzuSumoなどが行った調査によると、感情的な見出しとエンゲージメントには相関関係があることがわかっている。

  • タイトル:Facebookにおける交流を生み出すエモーショナルな見出し

しかし、感情的なタイトルとGoogleの自然検索におけるクリック率の関係についての調査は発見できなかった。

ただし、少なくとも我々の調査からは、感情的なタイトルは自然検索におけるクリック率が高いという結果を得られている。

パワーワードを含むタイトルはクリック率を下げる傾向があるが、感情的なタイトルはクリック率を上げる傾向があるという調査結果は非常に興味深い。

これは、パワーワードの有無よりも、感情的なタイトルは微妙なニュアンスの指標となっているからだと考えている。言い換えれば、パワーワードを使用しなくても、感情的なタイトルの作成は可能だということだ。

釣りタイトルに見られることなく、ユーザーの感情的なスイッチをいれることができるタイトルは検索結果でも目立ち、より多くのクリックを獲得できるはずだ。

重要なポイント:ネガティブにしろポジティブにしろ、感情的なタイトルは、感情的には中立なタイトルと比べ、クリック率は高い。

⑩メタディスクリプションが記載されているページは、メタディスクリプションが記載されていないページと比べ、クリック率が高い

ディスクリプションは検索結果の順位に直接な影響を与えないが、Googleはすべてのページに固有のメタディスクリプションを記載することを推奨している。

  • 強調箇所:サイト上のすべてのページにメタディスクリプションが含まれるようにする。

また、よく書かれたディスクリプションは、Google検索のクリック数を改善すると提言している。

  • 強調箇所:質の高い説明はGoogleの検索結果に表示されることがあり、検索トラフィックの質と量の改善に大いに役立つ可能性があります。

こうした背景もあり、メタディスクリプションの有無によるクリック率の変化を調査することにした。

我々の調査では、「ディスクリプションが記載されているページは、ディスクリプションが記載されていないページと比べ、クリック率が5.8%高い」という結果を得た。

  • タイトル:ディスクリプションが記載されているページは、ディスクリプションが記載されていないページよりもクリック率が高い
  • Y軸:クリック率
  • X軸:順位
  • グラフ内緑線:メタディスクリプションの記載あり
  • グラフ内赤線:メタディスクリプションの記載なし

SEOの経験がある者にとって、この結果は驚くべきものではないだろう。Googleは常にディスクリプションを検索結果に表示しているわけではないが、表示される機会の方が多いはずだ。

ディスクリプションが記載されていなければ、検索結果のスニペットに表示させるため、Googleはページ内のコンテンツを引用しなければならない。

  • タイトル:メタディスクリプションがない場合、それを埋めるため、Googleはページ内のコンテンツから引用する

Googleがディスクリプションを生成した場合において、よく作られたディスクリプション以上に魅力的なスニペットとはならないだろう。

重要なポイントすべてのページに記載された固有のメタディスクリプションは、自然検索におけるクリック率を上昇させる。我々の調査では、「ディスクリプションが記載されているページは、ディスクリプションが記載されていないページと比べ、クリック率は5.8%高い」という結果を得られた。

まとめと結論

繰り返しとなるが、今回の調査を可能とさせた、ClickFlowのエリック・スー氏に感謝の意を述べたい。

今回の調査で得られた詳細な分析データに興味があれば、こちらのPDFをご確認いただきたい。

そして、この記事を読んでくれた読者の意見も伺いたいと思っている。

あなたにとって、今回の調査から得られたもっとも有益な結果はどれであっただろうか。

もしくは、今回の調査についての質問でもいい。

いずれにせよ、下記のコメント欄に意見を書いていただきたいと思う。
(ぜひFacebookやTwitterに感想付きでシェアしてください)

この記事は、BACKLINKOに掲載された「We Analyzed 5 Million Google Search Results. Here’s What We Learned About Organic CTR」を翻訳した内容です。

「1位のクリック率が圧倒的に多い」、「ページ下部に表示される場合はクリック率は横ばい」など、感覚的には理解していたことも詳細な分析結果としての数字に基づいており、非常に納得感がありました。

パワーワードやURL内のキーワードなど、英語と日本語で相違のありそうなデータもありましたが、着目すべき点としては理にかなっていると感じています。

基本的なことではありますが、順位のみに左右されるのではなく、しっかりとした指標に基づいて施策を進めていくべきだと、改めて感じました。

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SEO Japan|note

SEOにおいて、コンテンツのパフォーマンスとエンゲージメントを測定するための基本的な13の指標

質の高いコンテンツを提供することは、ほぼすべてのWebサイトで共通の施策となっているはずです。また、SEOにとっても効果的な施策であることは、言うまでもないでしょう。

しかし、SEO担当者がその施策チームに含まれていなければ、せっかくのコンテンツマーケティングの効果を見落としてしまう可能性も考えられます。

素晴らしいコンテンツを作成した結果を正確に把握するためには、何を指標とすればよいのでしょうか。今回はコンテンツマーケティングの結果を測るSEOの指標をまとめているSearch Engine Journalの記事を紹介します。

現在、我々はSEOとコンテンツマーケティングが手を取り合う時代でマーケティングを行っている。

検索エンジンからの成功を勝ち取るためには、優れたコンテンツの作成が必要となる。

SEOとコンテンツマーケティングのつながりの理解は非常に重要となっている。それが、リンクビルディングの手段として、高順位の獲得手段として、ユーザーを教育しコンバージョンを導くための方法として、のいずれであってもだ。

しかし、成功は、たった一つの指標で表されるものではない。

コンテンツマーケティングの成果を分析し、理解するためには、下記の項目への理解が必要となるだろう。

  • 考慮すべきキーとなる指標を知る
  • 指標を計測する方法を学ぶ
  • どの指標があなたの宣伝施策とビジネスに適しているかを特定する

まず最低限知っておく必要のある、SEOにおいて共通となる指標を見ていこう。

1.リンク数

多くのSEO担当者にとって、リンクの獲得はコンテンツマーケティングの主要な目的の一つであるはずだ。

参考として、GoogleのWebマスターガイドラインから一部抜粋してみよう。

自分のサイトに、他のサイトから高品質で関連性の高いリンクをもらうには、インターネットコミュニティで自然に人気を得られるような、関連性の高い独自のコンテンツを作成するのが最も効果的な方法です。良質なコンテンツはリンクの獲得に役立ちます。リンクは編集者による人気投票のようなもので、役に立つコンテンツを多く提供するほど、そうしたコンテンツが自サイトのユーザーにとって有益だと気付く人が増え、そのサイトコンテンツへのリンクを設定してもらえる可能性が高くなります。

リンクには良いリンクと悪いリンクがある。

リンクは、Googleのランキング要素のトップ3の一つである。

高品質で関連性のあるリンクとは、人気を得た独自性のあるコンテンツの作成の結果によって獲得できるものだ。

しかし、すべてのリンクが同じというわけではない。

リンクプログラムに参加することは、Googleのガイドラインに違反する。こうした類のリンクは他にもある。

  • ペイドリンク
  • 過度な相互リンク
  • キーワードを詰め込んだアンカーテキストの使用
  • 自動生成サービスで作成されたリンク

まとめると、「リンクは自然に獲得されたものであるべき」ということだ。そして、リンクを獲得するための最適な方法が、優れたコンテンツを作成することなのだ。

Googleトレンドで「リンクビルディング」と「コンテンツマーケティング」を比較してみよう。

Googleがペンギンアルゴリズムを初めて実装した数カ月後、「コンテンツマーケティング」は検索キーワードとしての注目を集め、反対に「リンクビルディング」は大きく下降している。

この状況を踏まえれば、リンク獲得がコンテンツマーケティングにおける重要なSEO指標の一つであることは驚きではないだろう。

リンクは確かに重要であり、その重要性がなくなることはない。

リンク数は重要な指標であり、その測定方法を学ぶべきだ。

しかし、「リンクで重要なのは数のみではない」ということを理解しよう。

リンクはその質も大事となるのだ。

質を考慮に入れた上で、どのようにしてリンク数を測定すればよいのか。

測定ツールを使用しよう。理想は、複数のツールを組み合わせることだ。

リンク測定の有名なツールは下記だ。

  • Google Search Console
  • SEMrush Backlink Audit / SEMrush Backlink Analytics
  • Majestic
  • Moz’s Link Explorer

複数のリンク分析ツールを使用する理由は、可能な限り包括的に、自身のサイトのリンクプロフィールを把握するためだ。

すべてのリンクをインデックスしているツールは存在しないため、少なくとも2つ以上のツールを使用すべきだろう。

Google Search Consoleは無料のツールであるが、有償のツールと同程度の指標を備えているわけではない。しかし、Search Consoleはすでに使用しているだろうし、自身のサイトに向けられたリンクの概要を知るために最適なツールであるといえる。

リンクプロフィールを確認するためには、Search Consoleを開き、左側のサイドメニューにある「リンク」をクリックすればいい。

この機能により、そのページに向けられ、Googleがインデックスしているリンクの概要を確認できる。

しかし、この機能から得られる情報はそれほど多くはない。リンクの関連性や権威性=質は、リンクの総数よりもずっと重要なのだ。

少なくとも一つのプロフェッショナルなツールに投資する価値はあると言える。リンクプロフィールをより良く把握でき、SEOのキーとなる指標を特定できるからだ。

どのツールを使用するにせよ、各ツールは独自のスコアを使用しており、このスコアを見ることでリンクの品質の理解へとつながるだろう。簡単に言うと、スコアが良ければ、リンクの質も良いということだ。

また、リンクの関連性も無視してはならない。権威性と同様、関連性のあるサイトからのリンクを獲得することは非常に重要だ。理想的な状況は、一流のサイトから関連性があり、権威性のあるリンクを獲得していることだろう。

リンクはコンテンツマーケティングの施策における、SEOのキーとなる指標である。どのような状況が品質の高いリンクの獲得に貢献しているかを理解することは重要なことである。

リンクビルディングはSEO界隈でもよく議論される内容の一つであり、リンクが順位に影響を与えるという事実は、驚くべき内容ではない。

自身のサイト、もしくはページに向けられたリンクを獲得するために、何ができるだろうか。

GoogleのWebマスターガイドラインにも記載されているとおり、他者がリンクを貼りたくなるような優れたコンテンツを作成する必要がある。独自性があり、有益なコンテンツだ。

リンクを貼ってくれる可能性のあるユーザーに、あなたが作成した優れたコンテンツを知らせよう。Eメール、ソーシャルメディアでのプロモーション、古典的な方法では有るが、電話をかけるという手もある。

コンテンツの質が良ければ、ジャーナリスト、ブロガー、インフルエンサーなど、関連性のあるリンクを貼ってくれる可能性がある者たちもいる。

さらに多くのアイデアが必要であれば、我がサイトのリンクビルディングガイドの記事を読んでいただきたい。

2.順位

作成したコンテンツへの自然検索経由でのトラフィックを得るためには、Google、Bing、そしてその他の検索エンジンの検索結果の目立つ場所(=上位)の順位を獲得しなければならない。

そのため、順位はSEOの重要な指標と言えるわけだが、その重要性はかつてほど高いわけではない。

実際、順位に対し必要以上に注力してしまうことは、初心者にありがちなミスと言える。

なぜだろうか。

検索結果のパーソナル化、検索結果0位(強調スニペットなど)、広告スペース、ローカルパックの表示など、広範囲に渡る要素が絡んでくるからだ。

簡単に言うと、特定の検索キーワードの順位を正確に測定することが非常に困難になっているのだ。

それでは、順位はどの程度重要なのだろうか?

答えは、「”とても重要”とは言えない」となる。

自然検索からのトラフィック、インプレッション、クリック率などのその他の指標と組み合わせて考えなければ、順位はそれほど意味を持たない指標なのだ。

そのため、あなたは検索キーワードと関連する順位の両方を把握する方法を理解しなければならない。

もちろん、SEMrush、Searchmetrics、Mozなど、有償の順位測定ツールを使う手もあるが、必要な指標はほぼGoogle Search Consoleで確認できる。

確認方法(特定のコンテンツの指標を見る場合を例に挙げる)は、Search Consoleにアクセスし、左側のサイドバーの「検索結果」をクリックすればよい。

フィルタを追加したい場合は、「新規」をクリックする。

グラフの下部にある表の「ページ」タブをクリックすれば、特定のURLで絞り込むことができる。

URLを入力すれば、そのコンテンツが検索結果に表示される際のキーワードを確認することができる。また、表内のキーワードをクリックすれば、選択した期間におけるそのキーワードの順位推移を確認できる。

必要であれば、順位で絞り込むことも可能だ。

順位自体は、それ単体では主要な指標にならないことが多い。

しかし、他の指標と組み合わせた際の、検索キーワードのデータの威力を甘く見るべきではないだろう。

3.自然検索からのトラフィック数(Google vs Bingのトラフィック)

おそらく、順位よりも重要な指標は、そのコンテンツが得た自然検索からのトラフィック数だろう。

そのページが読まれた数は、あなたのビジネスへのコンバージョンを発生させる可能性そのものである。

多くの場合、自然検索からのトラフィック数は重要な指標の一つとなるだろう。過去のデータとの比較を含め、単純に推移を測定するだけでなく、将来的に改善するためにはどうすればよいのかを常に考えるべきだ。

検索キーワードのデータと組み合わせることにより、戦略の意思決定における強力なデータとなる。

幸運にも、自然検索からのトラフィックを特定するのは非常にわかりやすい。

Google AnalyticsとGoogle Search Console(Bing Webmaster Tools)にアクセスすればよいのだ。

まずは、特定のコンテンツの検索からのトラフィックが、他のチャネル(広告、ソーシャル、リファラ)と比較し、どの程度積み上がっているかを確認しよう。

Google Analyticsにアクセスし、「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ」の順にクリックする。

ここでは、サイト全体のデータを確認できる。また、最も高いパフォーマンスを出したページや特定のURLのデータを確認するためにアドバンス検索を行うこともできる。

データを見たいページをクリックし、セカンダリディメンションで「参照元」をクリックする。

こうすれば、選択した期間における参照元ごとのトラフィックを確認することができる。

ここで重要なことは、自然検索からのトラフィックを他のチャネルと比較することだ。

セカンダリディメンションで「参照元/メディア」を選択すれば、他の検索エンジンとの自然検索のトラフィックを比較することもできる(例:Google vs Bing vs Yahoo)。

4.自然結果のクリック数、インプレッション数、クリック率

自然検索のトラフィック数は、それ自体では、「そのサイトやページが検索からのトラフィックをどのくらい獲得したか」しか表していない。検索キーワード、潜在的なトラフィック数、クリック率などは含まれていないのだ。

(特に順位データを含めることにより)特定の検索キーワードに関わるデータを収集することで、今後の成長などに対する判断を下せるようになる。

一般的には、下記の項目を指標とする場合が多い。

  • インプレッション数は多いが、クリック数が低い(CTRが低い)。
    CTRを高める施策が必要とされる。
  • インプレッション数は低いが、クリック率は高い。
    インプレッション数を高めるために、他のキーワードを対象としたコンテンツの最適化が必要とされる。

重要な決定を下すためのデータが必要とされ、そのデータから導き出されたアクションを行う。トラフィック数だけで判断するべきではない。

「ユーザーは検索結果に表示されているあなたのサイトとどう関わっているか」「なぜクリックが発生しているか」といったデータと向き合うのだ。

こうしたデータを取得するためには、Search Consoleにアクセスし、検索結果の順位を反映させた絞り込みを行う。

左側のサイドメニューに表示されている「検索結果」をクリックしよう。

下記のようなデータが表示されるはずだ。また、「新規」をクリックすることで別の絞り込みを行うこともできる。

「ページ」をクリックすれば、特定のURLで絞り込むことができる。

調査したいページのURLを入力すれば、インプレッション数、クリック数、クリック率とともに、検索キーワードのデータが明らかになる。

Bing Webmaster Toolsでは、Search Keywords Report(キーワード検索レポート)を使用することで、どのキーワードで検索結果に表示されているかがわかる。また、クリックがBing、もしくは、Yahooで発生しているかも確認できる。

これらのデータは、レポート&データタブ内で確認が可能だ。

5.オーガニックのコンバージョン率

多くのSEO施策の目的が、訪問客からのコンバージョンを獲得することだ。達成が難しいコンバージョン(例:ECサイトでの購入)、比較的容易に達成できるコンバージョン(例:ブログでのEメール購読)、または、その間にあるものなど様々だ。

そのため、自然検索からのコンバージョン率を計測することは重要と言えるだろう。コンバージョン率は、「目標に対し予め設定していた行動を取った訪問客の割合」となる。

この指標により、コンバージョンがサイト全体、または特定のコンテンツにおいてどの程度積み重なっているかを計測することができる。また、コンバージョン率が低ければ、改善箇所の特定にもつながるだろう。

まず取り組むべきことは、コンバージョンとして何を計測すべきかを知ることだ。すでにGoogle Analyticsで目標を設定し、計測を始めているかもしれない。

しかし、コンテンツマーケティングの目標という場合には、サイト全体の目標と比較し、より深い洞察が必要とされる。

計測すべき指標が売上、リード、Eメール登録、ページ滞在時間(熱心なユーザーの滞在時間が他のユーザーと比べて長ければ、リマーケティングリストに追加することが可能だ)などのいずれであれ、Google Analyticsに設定されていれば、特定のページにおけるコンバージョン率の把握はたやすい。

※備考:目標の設定が済んでいない場合、こちらのヘルプ記事をまずは読んでいただきたい。

目標の設定が完了している場合、コンバージョン率を計測したいページは次の手順で確認できる(集客>すべてのトラフィック>キャンペーン>オーガニック検索キーワード)。

この設定で、ランディングページに絞り込むことができる。

さらに、確認したい目標で絞り込む事により、各種データと目標を確認できる。

6.モバイルのランキング

Googleがモバイル・ファースト・インデックスへの注力を進める背景もあり、自身のサイトがモバイル検索に最適化されているかを把握することは、これまで以上に重要となっている。

その結果、サイト全体で計測している指標も、デバイスの種類ごとに分けて把握する必要がある。

モバイルの順位においては、該当のコンテンツのモバイルとデスクトップの両方のパフォーマンスを理解することが重要だ。より多くのビジビリティ(検索結果上での露出)を獲得するために必要な改善策なども見えてくるだろう。

繰り返しとなるが、モバイルの順位を計測するためも、有償のツールを使用することを検討してほしい。

しかし、Google Search Consoleでも、これらの指標は計測可能だ。

左側のサイドメニューの「検索結果」をクリックしよう。

下記のページが開かれるはずだ。また、「新規」をクリックすることで別の絞り込みを追加できる。

「ページ」を選択すれば、特定のURLで絞り込むことができる。

ここで表示されているデータは、サイト全体で表示されているデータと同じ項目となる。

そして、「新規」から「デバイス」をクリックしよう。

ここで、モバイル、タブレット、デスクトップ(もしくはそれぞれの比較)を選択できる。

絞り込みを設定すれば、特定のデバイスの各キーワードにおける平均順位を確認できる。また、クリック数、インプレッション数、クリック率などの指標も確認できる。

7.モバイル検索のトラフィック数

モバイルファーストの時代においては、自然検索のトラフィックがどこから来ているかを理解することが重要だ。デスクトップからだろうか。モバイルからだろうか。

こちらを把握するため、Google Analyticsのデータをデバイスごとに振り分ける方法を学ぼう。

幸運にも、その方法は非常にシンプルだ。「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ>セカンダリディメンション>デバイスカテゴリ」と選択していく。

測定したいURLを入力すれば、モバイル、デスクトップ、タブレットのデバイスごとに割り振られたトラフィック数を確認できる。

サイト全体のデバイス別のデータを確認したい場合は、「オーディエンス>モバイル>概要」と選択すれば良い。

8. Accelerated Mobile Pages(AMP)

この領域は少々複雑だ。

Accelerated Mobile Pages(AMP)は、モバイルデバイスにて、コンテンツをほぼ一瞬で表示させることを可能とする技術である。つまり、ユーザー体験とエンゲージメントの向上が期待できるのだ。

2年以上前に、GoogleはAMPをモバイル検索に導入した。そして、マーケターがこの技術について理解する必要性も生まれた。

これまでに紹介してきた指標をAMPページでも計測したいと思うはずだ。しかし、AMPページの場合、そのままではGoogle Analyticsでは計測することができない。

Google Analyticsで計測するためには、 AMP Analyticsタグをモバイルページに設定する必要がある。

また、「アナリティクスでデータが収集される仕組みとその用途を開示するとともに、こうしたデータの収集や使用をユーザーが無効にできる」設定をしなければならない。

さらに、AMP Analyticsは下記の項目のみ、測定可能となる。

  • ページデータ:ドメイン、パス、ページタイトル
  • ユーザーデータ:クライアント ID、タイムゾーン
  • 閲覧データ:参照 URL、ユニーク ページビュー ID
  • ブラウザデータ:画面の高さ、画面の幅、ユーザー エージェント
  • インタラクション データ:ページの高さ、ページの幅
  • イベントデータ

多くのコンテンツマーケターにとっては十分な項目だろう。AMP Analyticsタグについてのドキュメントはこちらだ。

実装が完了すれば、AMPページと非AMPページでトラフィックを比較することができる。

前提として、Google AnalyticsはAMPのデータをデータソースディメンションに送信する。これらは絞り込みのために使用され、特定のビュー内で、AMPと非AMPページの分析が可能となる。

AMPページの成功のために必要なことは、技術的なエラーを発生させないことだ。

公式のAMPページのバリデーターを使用し、作成したAMPページを確認しよう。また、SEMrushの機能を使用すれば、一括の確認も可能だ。

9.ページスピード

Googleはページスピードをランキング要素として使用する場合もある。

しかし、サイトスピードに関わる指標は、非常に複雑だ。

わかりやすく区別してみよう。

  • サイトスピードは、サイト内の特定のサンプルページのページスピードである。
  • ページスピードは、ページのロードスピード、もしくは、特定のページのファーストバイトにかかる時間である。

ページスピードが早ければユーザー体験も良くなるため、Googleはランキング要素として扱うと考えることができる。

また、スピードが遅いページは、割り当てられたクロールバジェットがあるため、多くのページがクロールされない可能性があることも理解しておくべきだ。

幸運にも、GoogleはPage Speed Insightsというツールを提供しており、このツールを使用すれば、ページスピードを容易に計測することができる。

このツールにURLを入力すれば、モバイル版とデスクトップ版の両方で、様々な指標を確認できる。また、最適化の方法やページスピードを改善するためのアドバイスも提供される。

最近では、ChromeのUser Experienceレポートからのデータも含まれている。大量のデータを一括で確認したい場合は、SEMrushのSite Auditの機能を使用しよう。

10.クロールエラー

クロールエラーは、検索エンジンが特定のURLをクロールしようとしたが、実際にはクロールできなかった場合に発生する。

一般的に、クロールエラーは、Googleボットが「行き止まり」に出くわすことを意味する。リンクをたどってページに到着したがクロールが叶わなかったという状況であり、解決すべき対象となる。

基本的に、Googleはクロールエラーをサイトエラーか、URLエラーかに分けている。前者はサイト全体の適用(つまり、クロールできないということ)になり、後者は特定のURLにおける問題となる。

サイトエラーの原因はDNSかサーバーのエラーである場合が多く、URLエラーは404に関連した場合が多い。

どのような形であれ、クロールエラーは修正の対象とすべきだ。そのため、定期的な観測が必要とされる。ありがたいことに、Google Search ConsoleもBing Webmaster Toolsも、クロールエラーのデータを提供してくれている。

また、Screaming Frog SEO SpiderやSitebulbといったデスクトップツールを使用する方法もあるだろう。

しかし、デスクトップツールは不便な点もあるため、SEMrush Site AuditやRyteといったクラウドベースのツールのほうが良いかもしれない。

Google Search Consoleでは、「カバレッジ>除外>クロールエラー」とクリックすることで確認できる。

Bing Webmaster Toolsでは、レポート&データセクション内のクロール情報レポートで確認できる。

11.インデックス状況、インデックス数

おそらく、SEOの指標で最も多く見落とされている指標は、サイトのインデックス状況だろう。

検索エンジンがインデックスをしようとする(もしくは、すでにしている)URLを把握するために必要な指標だ。

この指標を確認することで、インデックスに関わる問題への対処方法を判断することができる。検索エンジンを誤ってブロックしているのか、絞り込み機能やクエリパラメーターによる重複ページによるものなのか、などが例として挙げられる。

インデックス数は徐々に増えていく傾向が理想だ。サイトの成長速度に併せて、インデックス数も増えるといった具合である。

もし、インデックス数が突然下落したり、急激に増えたりした場合などは、要因調査が必要だろう。

自身のサイトのインデックス状況を確認するには、Google Search Consoleにアクセスし、「以前のツールとレポート>クロールの統計情報」とクリックすればよい。

ここでは基本的なデータも高度なデータも両方確認することができる。ロボットテキストによってブロックされたURLの把握も可能だ。

12.タイトルとディスクリプションの重複

おそらく、SEOの最も基本的な要素は、それぞれのページに独自のタイトルとディスクリプションを設定することだろう。

しかし、大規模サイトを運営している場合、見過ごされてしまう要素でもある。

サイト全体のすべてのページに独自のタイトルとディスクリプションを設定していても、時が経つに連れ、重複が発生してしまう可能性がある。

そのため、この問題がSEOの潜在的な問題となる前に、チェック体制を整備しておくことが重要となる。

幸運にも、重複したタイトルとディスクリプションを把握するためには、Google Search Consoleを活用すればいい。この問題を解決するためには、単純に重複した内容を書き換えればいいのだ。

Googleが検知している重複したタイトルとディスクリプションを把握するためには、Search Consoleに行き、「検索の見え方>HTMLの改善」をクリックすればいい。
(旧Search Consoleの機能なので、現在は使用不可)

重複したタイトルとディスクリプションが検知されていれば、下記のような表が表示されるだろう。

理想は、上記の表がすべて0と表示されることだろう。その状態は、問題が何も発生していないことを意味しているのだ。

13.滞在時間

近年、SEO界隈で最も活発な話題は、滞在時間についての話題だろう。検索者が検索結果に戻る前に、そのページにどれくらい滞在していたかを測る、ユーザーに基づいた指標である。

直帰率と滞在時間、それぞれ単体で使用すべきかどうか、迷われる方も多いはずだ。実際は、それぞれを組み合わせて使用するほうが良い。

また、オープンなデータでない点も、フラストレーションが溜まる原因となっている。Google AnalyticsやSearch Consoleを使用しない限り確認することができないため、改善の余地もなくなってしまう。

基本的には、ユーザーが多くの時間をサイト内で過ごし、関わりを深め、直帰しなければ、それらは検索エンジンに対しサイトの品質が高いというシグナルを送ることになる。

セッション時間が短く、直帰率が高く、関わりも薄いサイトとはどんなサイトだろうか。品質の低いサイトではないだろうか。そして、その予測は正しい。

ここで覚えておくべきことは、今まで以上に、ユーザーをベースとした指標はSEOにとっても重要になっているということだ。可能な限り、分析と改善のために時間を費やすべきだろう。

滞在時間という指標が良い状態であれば、一般的に、SEOのパフォーマンスも良くなることを意味している。指標として利用するのは難しいかもしれないが、滞在時間と直帰率はサイト全体と特定のページの両方で測定することができることは忘れないでいただきたい。

Google Analyticsにアクセスし、「行動>サイトコンテンツ>すべてのページ>URL」とクリックしていこう。純粋な滞在時間ではないが、平均の直帰率よりも低く、平均ページ滞在時間よりも長いページを注視しよう。

今のところはこの確認方法がベストであり、滞在時間を測る指標としては助けとなるだろう。

結論:SEOの指標の把握は重要である

SEOの指標はあらゆるコンテンツマーケティングの施策を成功させるために重要であることを理解しよう。

SEOに注意を向けなければ、コンテンツのポテンシャルを最大限に活かすことが難しくなる。それは、価値のあるトラフィックとコンバージョンの可能性を失うことを意味しているのだ。

しかし、それと同時に、SEOの指標はコンテンツマーケティング施策に取り組むにあたり、考慮すべき指標の一つにすぎないことも理解するべきだ。

ソーシャルでの共有数、コンバージョンの指標、エンゲージメントの指標などにも注意を向ける必要がある。

SEOは、コンテンツマーケティングの施策における一部分にすぎないが、重要な一部分でもある。また、施策の基礎となる場合も多いはずだ。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Top 13 SEO Metrics to Track Content Performance & Engagement」を翻訳した内容です。

どちらかと言えば、SEOに馴染みの少ない方向けの記事でした。

しかし、SEO担当者にとっても、コンテンツチームが見落としがちな指標として、有益な情報であったと思います。以前と比べ、SEOの各施策がもたらす効果というものは見えづらくなっていると感じます。

そんな状況である中、確認すべき指標はきっちりと追いかけるべきであると、改めて考えさせられる記事でした。

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30分以内に結果が出る高度なSEOテクニック

SEOの施策は数あれど、施策の効果が反映されるまではある程度の期間が必要となる場合がほとんどです。

今回の記事はFAQとQ&Aのリッチリザルトについての記事となりますが、たしかにこの施策であれば、効果が反映されるまでの期間は比較的短いと言えるでしょう。ニール・パテル氏いわく、「30分以内で結果が出る」とのことですが、果たしてその内容はいかに。

実装における注意点や、構造化データのテンプレートまで提供されており、非常に興味深い記事となっております。

私はとあるSEOの新しい施策に取り組んでいる。そして、その施策は新しいサイトであろうが、古いサイトであろうが、効果的な施策となっている。

あなたのサイトがほとんどリンクを獲得していなくても、効果が得られる施策だ。

この施策の最も優れている点は、他のあらゆるSEOの施策と異なり、結果を得るまでに数ヶ月も数年間も必要としない点だ。実質的には、30分以内でその効果を確認できるだろう。

そして、非常に興味深いデータがある。私のチームが1万サイトほど確認して、どのくらいのサイトがこの施策を行っているかを把握した。その数は、たったの17サイトである。

言い換えれば、あなたの競合サイトはまだこの施策に気がついていないということだ。

この画期的な施策について、詳しく説明したいと思う。

常に変化を繰り返すGoogleの検索結果

Googleは定期的に変更されるアルゴリズムだけでなく、新しいデザイン要素にも変更を加えている。

例えば、「近くの飲食店」と検索すれば、近くにあるレストランのリストだけでなく、それらレストランの評価もあわせて表示される。

また、特定の人物を検索すれば、Googleはその人物の画像と略歴を表示するだろう。

長い年月をかけて、Googleはユーザーに最適な体験を提供するために、検索結果を変更している。例えば、「2+2」と検索すれば、Googleは「4」という答えを検索結果に表示させる。ユーザーはWebサイトへのリンクをクリックし、訪問する必要はないのだ。

しかし、これらについては、すでにご存知の方も多いだろう。

ここ最近で追加された新しい機能。それは、FAQとアンサーカードだ。

どんなものなのか、説明しよう。「デジタルマーケティング」と検索すると、私のサイトが表示されるはずだ。しかし、私のサイトの表示方法は、他のサイトのそれとは異なった表示となっている。

上記の画像からもおわかりのとおり、Googleは私のサイトからFAQの箇所を特定し、それを検索結果に表示させているのだ。

繰り返しになるが、これを表示させるためには30分とかからない。これほどまでに早く、GoogleはFAQの箇所を特定し、検索結果に表示させてくれるのだ。

文字通り、そのすべてが30分以内に完了する。

また、質問と回答に関連するページを持っているのであれば、アンサーカードをあなたのサイトでも表示させることが可能なのだ。

どのようにして表示させるのだろうか。詳しく見ていこう。

正しいマークアップ方式を選択すること

この施策を行う前に、まずは、schemaのマークアップ方式を正しく選択する必要がある。

FAQページのschemaは、「よくある質問のページ」や「その商品についてのよくある質問が記載されている商品ページ」に使用される。こちらをマークアップすれば、検索結果に表示されるあなたのWebサイトへのリンクの下部に、折りたたみ式のメニューが表示される。

折りたたみ式のメニューをクリックすれば、回答が表示されるという仕組みだ。

また、Google AssistantでのFAQアクションにも採用される可能性もある。その結果、音声検索で何らかの答えを探しているユーザーに対し、その答えを提供できる機会を得ることになるのだ。

Q&Aのschemaは、ユーザーが複数の答えを提供し、どの答えがベストであるかを決定できるページに用いられる。

Q&Aページをマークアップすれば、検索結果にリッチカードを表示させることができ、ベストアンサーに加え、すべての回答を表示させることができる。

それぞれのschemaの正しい使用法をご理解いただけただろうか。

Googleは詳細なガイドラインを公開しており、適切・不適切な使用の両方のケースについて解説してくれている。

Googleの構造化マークアップガイドラインを参照する

GoogleはFAQページのschemaのガイドラインを公開している。

FAQページの構造化マークアップ

FAQページのschemaは、質問と回答のリストが記載されているページに限り、使用することができる。

1つの質問に対し、複数のユーザーが回答できるタイプのページは、Q&Aページのschemaを使用する。

いくつか例を挙げてみよう。

適切な使用にあたるケース

  • サイト運営者が作成し、ユーザーが他の回答を送信できない「よくある質問」のページ
  • よくある質問の一覧を掲載した製品サポートページで、ユーザーが他の回答を送信できないもの

不適切な使用にあたるケース

  • 1つの質問に対して、複数のユーザーが回答を送信できるフォーラムページ
  • 1つの質問に対して、複数のユーザーが回答を送信できる製品サポートページ
  • 1つのページに複数のユーザーが質問と回答を送信できる製品サポートページ
  • FAQページを広告目的に使用しないこと
  • 各Questionに質問のテキスト全体が含まれるようにし、各Answerに回答のテキスト全体が含まれるようにする。質問と回答のテキストの全体が表示される場合がある
  • 質問と回答のコンテンツに、猥褻または冒涜的なコンテンツ、露骨な性表現を含むコンテンツ、暴力的な描写を含むコンテンツ、危険または違法な行為を助長するコンテンツ、差別や中傷にあたるコンテンツが含まれる場合、リッチリザルトとして表示されない場合がある
  • すべてのFAQコンテンツは、参照元のページでユーザーに表示されなければならない

Q&Aページの構造化マークアップ

また、Q&Aのschemaについてのガイドラインはこちらだ。

質問と回答のフォーマットに情報があるページ(1つの質問に対し複数の回答が掲載されている)の場合、Q&Aページのマークアップが使用できる。

Q&Aページでは、ユーザーが質問に対する回答を投稿できるようにしなければならない。

特定の質問に1つの回答しか記載されておらず、ユーザーがその他の回答を投稿できないページの場合は、Q&Aページのマークアップは使用できない。その場合は、FAQページのマークアップを使用する。下記に例を挙げてみよう。

適切な使用にあたるケース

  • 1つの質問に対してユーザーが複数の回答を送信できるフォーラムページ
  • 1つの質問に対してユーザーが複数の回答を送信できる製品サポートページ

不適切な使用にあたるケース

  • サイト運営者が作成し、ユーザーが他の回答を送信できないFAQページ
  • 1つのページにユーザーが複数の質問と回答を送信できる製品サポートページ
  • 質問と回答で構成される利用ガイド
  • 質問と回答で構成されるブログ記事
  • 質問と回答で構成されるエッセイ
  • すべてのコンテンツが対象でない限り、サイトやフォーラムのすべてのページにQ&Aページマークアップを適用しない。例えば、あるフォーラムに多くの質問が投稿されている場合、そのページはマークアップの対象になる。しかし、そのフォーラムに質問以外のページもある場合、そのページはマークアップの対象にならない
  • FAQページなど、1つのページに複数の質問が含まれるページにQ&Aページマークアップを使用しない。Q&Aページマークアップは、1つの質問とその回答に焦点を当てたページに使用する
  • Q&Aページマークアップを宣伝目的で使用しない
  • 各Questionに質問のテキスト全体が含まれるようにし、各Answerに回答のテキスト全体が含まれるようにする
  • Answerマークアップは、質問に対するコメントや他の回答に対するコメントに使用するのではなく、質問に対する回答に使用する。回答でないコメントをAnswerとしてマークアップしない
  • 質問と回答のコンテンツに、猥褻または冒涜的なコンテンツ、露骨な性表現を含むコンテンツ、暴力的な描写を含むコンテンツ、危険または違法な行為を助長するコンテンツ、差別や中傷にあたるコンテンツが含まれる場合、リッチリザルトとして表示されない場合がある

あなたのコンテンツが上記のガイドラインに合致していることを確認したら、次に、schemaを実装する方法とどのタイプを使用すべきかを決定しよう。

どのようにschemaを実装すればよいのか

実装方法は2種類ある。JSON-LDMicrodataだ。

私は、どちらかのタイプを1つ選択し、Webページ全体で一貫して使用することをおすすめする。また、同一のページで2つのタイプを使用することはおすすめしない。

JSON-LDはGoogleが推奨している方法だ。JSON-LDはコンテンツのヘッダー内に実装することができ、実装による時間もそれほどかからない。

他の方法としては、Microdataがある。こちらについては、Webサイト内にコーディング要素を記載することになる。Microdataを実装するのは少し難しい。下記にそれぞれの例を記載しよう。

FAQページの実装例(JSON-LD)

FAQページの実装例(Microdata)

Q&Aの実装例(JSON-LD)

Q&Aの実装例(Microdata)

自身のWebサイトに実装する場合、躊躇(ちゅうちょ)なく、上記のテンプレートを修正して使用してほしい。

もし、適切に実装できているか不安な場合は、Googleの構造化データテストツールを使用しよう。コードスニペット、もしくは実装したページのURLを記載すれば、適切にマークアップできているかを伝えてくれる。

さらに、コード内でエラーや問題があるかどうかのフィードバックもしてくれるのだ。

また、Googleのリッチリザルトテストも試してみるべきだ。構造化データを実装した場合、検索結果でどのように表示されるかを、簡易的に見せてくれる。

30分以内に効果があることを確認する

マークアップをページに実装した後は、Google Search Consoleにログインし、マークアップしたページのURLをページ上部の検索バーに入力しよう。

そうすれば、Googleにクロールをリクエストすることができ、インデックスされる速度も早まるだろう。Search Consoleの「インデックス登録をリクエスト」をクリックすればいい。

一般的には10分以内に反映されることが多いため、実際に検索を行えば、検索結果での表示が変更されていることに気がつくだろう。

この施策を成功させるためには、特定のキーワードですでに1ページ目に表示されているページを選ぶことだ。既にポテンシャルのあるページに施すことで、良い結果を得ることができる。

schemaの実装は、People Also Askと強調スニペットにも影響するのか

この施策をすることで、People Also Askと強調スニペットにも表示されるようになるのか。現状、schemaのマークアップとPeople Also Askや強調スニペットの表示には相関が見られない。

自身のコンテンツに対してこの最適化を行うことにより、悪影響が起きることはなく、検索結果の表示が改善される可能性を得られるだろう。

Googleは、Q&A、FAQ、そしてハウツー系の検索結果の表示方法をテストし続けている。また、こうした内容が書かれているかを理解するために、構造化データを確認している。

まだ初期段階と言える今、この取り組みに参加し、Googleがあなたのページを理解する手助けをすること、また、Googleの実験に参加することは良いことだろう。

音声検索にも影響があるのか

自身の質問に対する答えをモバイルで発見しようとするユーザーは増加し続けているため、音声検索についても関心があることは理解できる。

近い将来、「検索の半数以上が音声検索によるものになる」という説もある。

音声検索において、質問に対する回答は、強調スニペットから引用される傾向が強い。

構造化データを実装し、強調スニペットに採用される機会が増えることで、結果的に、音声検索での露出が増えることにつながるだろう。
※編集部注:構造化データと強調スニペットの関係性については、定かではありません

まとめ:FAQとQ&Aページを構造化マークアップして、競合より優位に立とう

今回紹介した構造化マークアップの施策は非常にシンプルであるが、あなたのブランドの露出を高め、権威性を高めることにつながるだろう。主要な質問ページ、商品ページ、FAQページのすべてに実装するには1日あれば十分だと思う。

私は、検索結果の1ページ目に表示されているページへの実装作業を適宜行っているが、素晴らしい結果が得られている。

また、冒頭で言及したとおり、私のチームが1万サイトを確認したところ、FAQとQ&Aのschemaを実装していたサイトは、わずか17サイトのみであった。

言い換えれば、FAQとQ&Aのschemaを実装しているサイトは1%以下である。競合サイトより優位に立つためのまたとないチャンスだ。

今回ご紹介した施策について、あなたはどう考えるだろうか。実際に実装してみる気はあるだろうか。

この記事は、NEILPATELに掲載された「Advanced Hack: How to Improve Your SEO in Less Than 30 Minutes」を翻訳した内容です。

Googleがサポートする構造化データとしては比較的新しい、FAQとQ&Aのリッチリザルトの実装についての記事でした。

実装対象となるサイトはかなり限られてしまいますが、まだまだメジャーな施策ではないため、実装すれば他サイトとの差別化にはつながりそうです。

リッチリザルトが表示されることでWebサイトへの流入が減少してしまうという懸念もありますが、「ユーザー体験全体を考えるとどうなのか」という観点で、実装の有無を決定すべきでしょう。

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Googleの検索結果において、自身のサイトをよりクリックされやすくする5つの方法

Googleの検索結果は日々変化を遂げており、その結果、検索結果上の情報量は増え、よりリッチになっています。

それに伴い、クリックが発生しない検索(ゼロクリックサーチ)が全体の5割を超える地域もあり、サイトへのトラフィックは減少し続けています。
しかし、検索結果がリッチになっていくのを黙って眺めていても仕方がありません。

今回はCXLより、「自身のサイトがよりクリックされやすくするための5つの施策」をご紹介します。

この憂慮すべきデジタルマーケティングのトレンドは、すべてのWebサイト運営者を脅かすだろう。

Googleからのオーガニックトラフィックは消滅しつつある。

さらに、Googleを利用した検索のうちのほとんどは、クリック数がゼロである。

ゼロクリックサーチ(クリックが発生しない検索)は、Googleの検索結果ページの迅速な回答(アンサーボックス)から発生していることが多い。

しかし、Googleは依然として最も効果的なオンライントラフィックの流入源である。世界中の1日の検索回数は35億回以上(年間では、1.2兆回にもなる)であり、Googleの存在は無視できないものである。Googleに乗らないビジネスは存在しない。

検索という行為は、ほとんどの購買行動における始まりである。

また、検索からはトラフィックを無料で獲得でき、スケーラブルかつ持続可能な唯一のソースである。もしかすると、このトレンドは受け入れがたいものかもしれないが、Googleからのトラフィックは代替不可能なものなのだ。

本題に移る。

どうすればGoogle検索を通じてトラフィックを獲得できるのだろうか。

検索スニペットをよりクリックしやすくすることは、改善のファーストアクションとしてふさわしい。

検索結果が1位であっても5位であっても、クリック率の改善は、リンクビルディングや専用の宣伝活動といった大きな投資なしに、純利益へと影響を与える取り掛かりやすい手段である。

Googleの検索結果において、クリック率を改善するためにできることを5つご紹介しよう。

1.検索スニペット内でクリッカブルなリンクを増やす

Eメールマーケティングから学んだ真実がある。

メールに含まれるリンクが多いほど、リンクのクリック数は増える。ユーザーはリンクを見た際、「リンクをクリックしなければならない」と感じるのだ。

リンクはクリックを誘うのである。簡単な話だ。

Googleの検索スニペットにも同じことが言える。

唯一の違いは、検索結果(SERPs)においては、リンクの見た目を編集できないことだ。さらに重要なことは、リンクの数を編集できないことである。

検索スニペットにおいて、クリック可能なリンクが複数表示される可能性を高めるには、2つの方法がある。

ページ内で、クリック可能な目次を作成する

検索スニペット内の「ジャンプリンク」を見たことはあるだろうか。

ジャンプリンクは、ユーザーが探している情報のある部分へと直接誘導する。例えば、以下のようなものだ。

そして、以下はジャンプリンクを生成するページ内リンクである。

Googleのジャンプリンクには、ページの一部を識別する「名前付きアンカー」が表示される仕組みとなっている。
※注:#の付与されたページ内リンク

「名前付きアンカー」を追加するためには、2つの方法がある。

手動で追加する

高速ナビゲーション用のアンカーリンクを作成する。少し手間がかかるが、ユーザビリティとSEOの両方において扱いやすくするために、アンカーとリンク名をコントロールできるのがメリットだ。

目次を自動生成するWordPressプラグインを使用する

h2タグやh3タグに基づいて、クリック可能なアンカー付き目次を記事へ自動的に追加する。プラグインの使い方については、次の記事を参照してほしい。
How to Create a Table of Content in WordPress Posts and Pages

ミニサイトリンク用に最適化する

通称、ナビゲーションクエリには一般的なサイトリンクが表示されるが、ミニサイトリンクがすべての種類の検索に対してトリガーされることがある。

その結果、SERPsにミニサイトリンクを含む検索スニペットが複数表示されるケースが存在する。

サイトリンクは、ページ上のナビゲーションに依存している(また、Googleがクエリに関連したナビゲーションリンクとみなすかどうかという基準もある)。これはKnowクエリにおけるミニサイトリンクの表示である。

ミニサイトリンクをコントロールすることはできないが、ミニサイトリンクが表示される確率を上げることはできる。Googleはページ内の以下の要素を参照して、ミニサイトリンクを生成する。

  • ページ内目次(上にて説明済み)
  • コンテンツの下にある関連コンテンツエリア
    以下は上のスクリーンショットの場合だが、ミニサイトリンクは記事の下にある「関連書籍」エリアから読み込まれている。

アンカー及び関連コンテンツエリアの両方を使用すると、Googleがミニサイトリンクを取得する可能性が高くなる。

2.検索スニペットでさらに単語を太字にする

太字はすぐにユーザーの目を引き付ける。

Googleは、検索スニペット内でキーワードと一致している単語を太字で強調し、ユーザーが最良の結果を選択できるようにしている。

検索スニペット内で太字の単語を増やすと、目立つようになり、クリック数が増える可能性がある。

ターゲットクエリを戦略的に使用する

これは簡単だ。Googleは、ユーザーが検索ボックスに入力したクエリ(またはその一部)を太字にする。

明確な解決策としては、ターゲットとなるクエリをコンテンツで(複数回)使用して、Googleがこれらの単語を検索スニペット内で太字にする機会を増やすことだ。

「キーワードの密度」ではないことに注意してほしい。この概念は長い間忘れられていたはずだが、我々の業界では執拗に登場している。

戦略的なキーワードの使用とは、ページ内の目立つ場所でターゲットとなるクエリを使用し、ページにアクセスした際にクローラーとユーザーがすぐにそのクエリを確認できるようにすることだ。

我々は依然、キーワードリサーチに関する詳細なガイドを作成した。このガイドには、ターゲットクエリを含めるべき場所がリスト化されている。

  • 見出し
  • URLスラッグ
  • ファーストパラグラフ(第一段落)
  • 小見出し

関連するキーワードと同義語を使用する

Googleは、もはや完全なキーワード一致の検索システムを採用していない。最近では、コンテキスト(文脈)から検索クエリを理解している。

具体的には、Googleは検索クエリに密接に関連する単語と類語を理解することができ、それらのワードは検索結果でしばしば強調表示される。

※ブーツ・履物・靴の関連性の高さを判断して、強調表示している

気づかないうちに対応している可能性もある。優れた執筆者の語彙は幅広いため、「クリックへの最適化」を意識せずとも、同義のフレーズや概念を含めてコンテンツを執筆している。

ただし、単語の使用をより戦略的に行うことで、より良いコピーの作成・自然検索ランキングの改善・CTRの向上など、多くの方面に寄与することができるだろう。

キーワードやキーワードに関連した語句を探しやすくするツール

Ahrefs

Ahrefsのキーワードエクスプローラーには、「All keyword ideas」と呼ばれるクールな機能がある。

この機能は、キーワードをより長いフレーズに拡張したものを提供し、コンテンツで使用すべき関連性が高い用語を一覧表示するというものだ。

「All keyword ideas」の除外フィルターを使用すると、メインキーワードを除外した結果を確認することができる。

例:hikingに関連したワードのみを見るためには、hikingという単語が含まれるキーワードを除外すれば良い

Text Optimizer

Text Optimizerは、Googleの検索スニペットのソースに直接アクセスするセマンティックリサーチツールである。そのデータを使用し、密接に関連する用語と概念のリストを生成する。

どの単語を使用するか決定するためには、自身の経験と編集上のルールから判断する必要があるが、少なくとも25単語を選択すれば、自然検索におけるランキングは向上し、検索スニペットのCTRは高くなるだろう。

Text Optimizerは、重要なフレーズを近づけて使用するのにも役立つ。任意の用語をクリックすると、選択した用語を盛り込んだ文章が生成される。

3.コンテンツを適切に構成する

構造化マークアップを使用し、リッチリザルトを最適化する

構造化マークアップとは、Webページにコードを追加し、クローラーが検索結果にとって重要な情報を理解し、抽出・表示することを助けるものである。

実際の検索スニペットに関して、Googleは構造化マークアップの種類のうち、一部をサポートしている。

最もサポートされている構造化マークアップでは、Googleが追加の検索要素にデータを追加するのに役立つ。(例えば、ブランドのナレッジグラフの要素、ビデオや画像カルーセル、レビュー、書評など)

構造化マークアップに記述された内容を検索スニペットに反映させるためには、次のタイプの書式を使用できる。

種類 使用すべき場合 機能
評価とレビュー ツールや製品のレビューがある場合 検索スニペットに、レビューした者の名前と☆の評価が表示される(実装方法による)
ロゴ 常に モバイルの検索結果では、検索リストの横にロゴが表示される
パンくずリスト 常に デスクトップでは、URLに代わるセクションを示すURLパスを作成する(モバイルはマークアップに関係なく表示される)
コース サービス等で利用可能なコースがある場合 ページタイトルの下にコースのリストを表示する
FAQ 検索クエリに関する質問と回答のリストがある場合 検索スニペットの下に折りたたみ式のFAQリストを表示する
How to 詳細なハウツーが含まれている場合 必要な時間・ツール・材料・手順を表示する
Q&A ユーザーが投稿した複数の回答を含む質問がある場合 検索スニペットの下に、ベストアンサーを含めたすべての回答のリストを表示する

多くの比較・要約グラフと表を作る

Googleは、シンプルなテーブルとチャートを好む。そして、ほとんどのケースで、それらを使用してリッチリザルトを作成する。

例えば、次のようなイメージだ。

Googleがチャート内の重要なセクションを太字で強調表示し、ユーザーに対して目立つようにしていることに注目すべきだ

上の画像のリッチリザルトは、以下のテーブルリストによって作られた結果である。

テーブルリストの前にキーワードを交えた小見出しが付いていることに注目してほしい。Googleがテーブルリストを認識するためには重要なものだ

Googleがリッチリザルトを構成する理由を増やすためには、複数のツールと戦術を表にまとめ、ページ内に掲載しておくと良い。

4.タイトルタグを調整する

タイトルタグの調整はあまりにも簡単であるため、重要ではあるが、最初に説明しなかった。

ただし、記事の見出しなどのタイトルタグが、検索順位だけでなく、検索結果のCTRに影響を与えることを認識していない者もいる。タイトルは検索スニペット上において、最も大きいクリック可能な要素である。

タイトルの表記を工夫すること(※)で、ページのタイトルが検索結果で目立てば、CTRは向上することだろう。
※数字やネガティブワードを使う、コロンやハイフンを追加するなど

5.コンテンツを常にアップデートする

Googleはフレッシュなコンテンツを非常に好む。ユーザーも同様だ。Googleが検索結果に日付を表示するのは、これが理由だ。

コンテンツを最新の状態に保つことは、検索順位の上昇やCTRの向上に良い影響を与える。

ただし、コンテンツの中身は変えずに公開日だけを最新にして再公開するのはやめよう。Googleから怪訝な目を向けられるかもしれない。

公開日を最新にするなら、コンテンツにおいて最新の実質的な価値を提供しなければならない。

どの程度の更新が「実質的な価値の提供」にあたるかは議論の分かれるところだが、Ross Hudgensは「最低でも5%以上はコンテンツの中身をブラッシュアップすべきではないか」と提案している。

コンテンツを最新の状態に保つためには、毎月のマーケティング施策の一環として、古いコンテンツの評価と更新をタスク化し、編集スケジュールに入れておくと良い。

ContentCalを使用して、チームを整理し、今後のプロジェクトについて注意喚起を行う。

(ContentCalは、コンテンツのメンテナンスチームを編成するのとは別に、マーケティングチーム全体に再周知し、Googleに新しいシグナルを送信するためのものだ)

コンテンツを最新の状態に保つためのツール

Revive

Animalzは、Googleアナリティクスと連携し、過去12ヵ月間のトラフィックを分析、トラフィックを着実に失っているページを特定する無料のツールを発表した。

シグナルが送られてきたページを更新することにより、検索結果でのパフォーマンスを「Revive(復活)」させることができる。

公開日を新しくすることはクリック率を高めるのに役立つが、更新プロセスの一環として、ツールによって提示されたヒントはすべて考慮した方が良い。

Finteza

Animalzはすべてのコンテンツを確認するが、Fintezaは最もトラフィックの多いページのみをチェックする。履歴にアクセスするためには、しばらくデータを蓄積する必要がある。

データを蓄積したら、アカウントにログインして次の手順を実行する。

  • 「Websites」をクリックし、分析しているサイトのレポートを開く。
  • 左側のパネルで「Sources>Search」に移動し、オーガニックトラフィックレポートにアクセスする。無効にするまで、これはすべてのレポートをフィルタリングする。
  • 「Pages」をクリックし、パフォーマンスの高いページのリストを表示する。クリックが失われているかどうかを明確に確認できる。

レポートは、各ページがサイトにもたらす総トラフィックの割合順に並べられているため、最も重要な資産(ページ)を簡単にチェックできる。

Google Search Console

最後に、Google Search Consoleでは、「検索パフォーマンス」セクション内でCTRレポートを提供している。この機能を使用することで、変動をチェックできる。

折れ線グラフの下にある「ページ」タブをクリックする。次に、クリック数が最小のページをフィルタリングし、トラフィックが最も多いページを注視する。

日付の範囲を指定して比較すると、CTRの変動具合によってページを並び替えることができ、さらに最適化することでより高い効果が得られるページを特定できる。

CTRが低下したページを特定したら、「平均掲載順位」を追加することで、CTRの低下または上昇がランキングの変動によって引き起こされた可能性があるかどうかを確認できる。

次の例では、平均掲載順位は変わっていないが、CTRは大幅に低下している。これは、検索結果の要素への変更がクリックを遠ざけている可能性を示唆している。

そして、SERPを調査することで、コンテンツを最適化することが失われたクリックの回復に寄与するかどうかを確認できる。

結論:コンテンツを最適化し、パフォーマンスを向上させよう

コンテンツを適切に構成し、最新かつ詳細な状態に維持することで、ランキング・CTR・ページ内におけるエンゲージメントが向上する。

この記事で述べた施策のうち、必要なものを実行することで、Googleという不安定ではあるが重要な獲得チャネルにおいて、コンテンツ全体のパフォーマンスを向上させることができるだろう。

この記事は、CXLに掲載された「How to Make Your Google Search Snippets More Clickable」を翻訳した内容です。

検索スニペットにおいて、サイトの詳細をより詳しく、リッチに表示する方法が紹介された記事でした。

タイトルの調整やコンテンツのアップデートといった基本的なことから、構造化マークアップまで、打ち手の幅は意外と広いことがお分かりいただけたかと思います。

SEOの難易度は上がっていますが、依然として重要なチャネルであることは間違いありません。一度に全部を改善するのは難しいですが、できることから少しずつ改善していきましょう。

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これからのコンテンツマーケティングを考える【Ateam Contents Marketing Meetup Vol.01レポート】

8/7(水)に大阪で「Ateam Contents Marketing Meetup Vol.1」が開催され、SEO Japan編集部も参加して参りました。

コンテンツマーケティングへの認識の改め方や、SEOの基礎となる考え方を再度確認できる密度の濃いイベントであったと思います。

そこで、今回の記事では主催者・登壇者双方の許可のもと、イベントのレポートをお届けします。ぜひご覧ください。

「『Ateam Contents Marketing Meetup』では、Webマーケティングやコンテンツマーケティング業務に関わる方を対象に、勉強や交流、アウトプットいただける場を設け、新しい気づきや成長につながるような機会を提供することで、スキルの向上や業界のさらなる発展を目指します。」

株式会社エイチームによる「Ateam Contents Marketing Meetup」は、今回が初開催。
言い換えるなら、「これからのコンテンツマーケティングを考える会」となるでしょうか。

Webマーケティング業界の豪華メンバーによるセッションが繰り広げられるイベントでした。その内容を詳しくお届けします。

エイチームグループの紹介

株式会社エイチームは、名古屋に本社を置く、インターネットを軸に多角的な事業を展開する総合IT企業です。

経営理念は「みんなで幸せになれる会社にすること」「今から100年続く会社にすること」。

以下の3つの事業を中心に展開されています。

  • ライフスタイルサポート事業
  • エンターテインメント事業
  • EC事業

なお、今回のイベントは、グループ会社である株式会社エイチームフィナジーの方が中心となって運営されていました。

Ateam Contents Marketing Meetupセッションの内容

ここからはセッションの内容をお届けします。

  • SEOで最も大事な、〇〇と××の話(広岡氏)
  • 飛行機エンジンの品質保証をしていた私が考える「CRO」と「SEO」(M.I氏)

※一部都合により、記事化できなかったセッションもございますが、ご了承ください。

SEOで最も大事な、〇〇と××の話(広岡氏)

株式会社電通デジタルの広岡氏による、「SEOで最も大事なこと」についてのセッションです。

「SEOで最も大事な、〇〇と××」とは何でしょうか。
例えば、以下のようなものが考えられます。

  • 目的と手法
  • 全体像と流れ
  • 評価と品質

目的と手法

SEOの目的とは、何でしょうか。
例えば、こんなことが考えられます。

  • 検索順位を上げること
  • 検索流入を増やすこと
  • CV(コンバージョン)を増やすこと
  • 検索エンジンの欠点を突くこと

しかし、これらは「本来のSEOの目的」の一部にすぎません。

本来のSEOの目的とは、「検索ユーザー・検索エンジン・サイトの全員が幸せに目的を達成できる環境を作ること」

この時に、注意すべき点がいくつかあります。

・SEOを考える上では、「ユーザーファースト」という観点がよく語られます。
しかし、ユーザーとの間には検索エンジンが存在するのも事実。ユーザーへの仲介役となる検索エンジンへの配慮も十分必要となるでしょう。

・「Search Engine Optimization」の、どこが目的であり、手段であるかを考えたことはあるでしょうか。

  • Search:目的
  • Engine:手段
  • Optimization:手段

「検索エンジン最適化」は手段であり、目的は「検索を通じてユーザーが有益な情報を得られるようにすること」です。

ユーザーが情報を得るために、「Discover」「ソーシャル」などの検索以外の手段が有益であれば、その手法にも着目したほうが良いでしょう。

・「検索エンジンに最適化する」だけでなく、時には「検索エンジンを最適化する」ことも必要です。

検索エンジンも完璧ではありません。技術的なトラブルもあるし、評価方針を間違うこともあります。

検索パフォーマンスが落ちたときには「サイト側の原因」だけでなく、「検索エンジン側の原因」である可能性も考えることで、有効な解決策が見つかることがあります。

「検索エンジンの穴を突く」という視点は、検索のエコシステムを改善するためにも必要です。

全体像と流れ

SEOの全体像を、私はこのように分類しています。

こうした全体像を把握する事で、自分が現在認識していない課題を発見し、適切な優先順位をつけることができます。

例えば、コンテンツの改善施策は3番目の「評価」を改善しますが、そのURLがクロールされない(2番目の「認識」)とか、検索需要がない(1番目の「設計」)といった前段階の課題を抱えていれば、SEOには寄与しません。

また、上記の流れを把握することで、施策が「全体像にどう影響するのか」を理解し、次の打ち手も見据えた適切な手を打つことができます。

例えば、コンテンツを改善する場合、次の「経路」での打ち手であるリッチリザルト対策も見据えてデータの持ち方を考えることができます。

評価と品質

SEOにおいて、「Googleがコンテンツをいかに評価しているのか」は重要なトピックですが、その仕組みはブラックボックスとなっています。

しかし、あえてブラックボックスの中身を覗き見ようとするのは本質的ではなく、本当に把握すべきは「評価の方向性」です。

Googleは、評価の方向性を示す品質評価ガイドラインを公開しています(Google 品質評価ガイドライン解説(2019年5月版)|電通デジタル)。

※参考:「Googleの品質評価ガイドラインは、検索ランキングの仕組みを解説したものなのか?

このガイドラインには、Googleが「様々なサイトを評価するための、総合的な基準」が示されています。

しかし、「個々のサイトが、具体的に何をすべきか」ということを考えるための参考としては、やや粒度が荒いものです。

品質について考えるために、電通デジタルでは「情報品質フレーム」の作成を推奨しています。

上記のような普遍的な価値や、サイト・市場に応じて追及すべき独自の価値を言語化。
曖昧で主観的になりがちな「品質」の議論をスムーズにするとともに、各要素のバランス調整をすることができます。

まとめ:「自分で考える」姿勢が大事

SEOにおいては、結局のところ、何が大事なのか。
それは「自分で状況を分析し、手段を考える」姿勢だと思います。

これまでにお話しした「目的と手法」「全体像と流れ」「評価と品質」は、よくある例として例示しましたが、「この3つが特に大事」とか「この3つ以外に、大事なことはない」とかということではありません。

参加者の皆さんには、3点のいずれかが大事だ、という状況にある方もいますし、それ以外のことが重要だという方もいると思います。

自分にとって大事な「〇〇と××」を考え、言語化し、行動することこそ、SEOにおいて最も重要なことだと思います。

最後に、個人的に大事にしている「〇〇と××」を紹介します。

それは「思いやり」と「疑い」です。

  • ユーザー・検索エンジン・サイトの想いと現実を理解し、最適解を提示しようとする「思いやり」
  • 3者の誤りや見落としの可能性を疑い、客観的に判断する「疑い」

双方を意識して、「SEO環境を改善する方法」を考え続けることが重要だと考えています。

関連記事:電通デジタルが取り組む「企業の伝えたい情報とユーザーニーズをマッチさせる方法」とは

飛行機エンジンの品質保証をしていた私が考える「CRO」と「SEO」(M.I氏)

次はエイチームフィナジーのM.I氏によるセッションのご紹介です。

他業種の品質保証の話と関連させて、Webメディアの品質保証を考えるセッションでした。

登壇者とエイチームフィナジーの紹介

登壇者の前職で飛行機エンジンの品質保証を担当し、数年前にエイチームに入社したM.I氏。

エイチームフィナジーでは、カードローンやクレジットカード、YMYL領域(お金や生活に関連するジャンル)に関わるメディアを運営されています。

自社サイトのCV件数を4倍、売上を9倍にした経験から、SEOとCRO(コンバージョン率最適化)についてのセッションが行われました。

飛行機エンジンとWebコンテンツの品質保証

飛行機のエンジンが世に出るまでには、その品質を徹底的にチェックするために、試験や検査が何度も行われます。

理由は命に関わるものであり、飛行機に乗る人の人生や生命に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

飛行機事故が発生すると、原因となった部品の製造会社だけでなく、製造者・検査者まで特定されます。製造される過程で携わったすべての人に責任が伴うということです。

しかし、一方でWebメディアの記事はどうでしょうか。

人生や生命にかかわるYMYL領域において、記事の品質は必ずしも保証されているわけではありません。

厳しい検査/品質チェックが行われる飛行機エンジンと同様に、Webメディアの記事も品質保証を行う必要があると考えます。

他業界の品質保証を参考に、Webメディアの品質項目を洗い出すことができます。

  • 情報と情報源の評価は高いか
  • 今も正しい情報か、古い情報ではないか
  • 内部リンクの遷移先の情報品質も保たれているか

など、一定の品質評価の基準を作り、チェックすることが重要です。
徹底している企業では100以上のチェック項目があります。

下記画像も品質チェック項目の例です。

上記以外にも、業界、業種、商材によって最適化していく必要があるので、簡単に横展開できないと思います。

正しく品質評価を行うためには、以下の2つの観点が必要となるでしょう。

  1. 他業界だけでなく、他業種の品質保証を理解する
  2. 品質チェック項目を会社単位・事業単位で用意する

CRO施策の紹介

次に、エイチームフィナジーで行っているCRO(コンバージョン率最適化)の施策をご紹介いただきました。

  • 実際のユーザー行動を動画で数十本~数百本確認し、ヒートマップでも確認
  • 離脱ユーザーや無駄な直帰をテストで確認

など、定量データと定性データを掛け合わせ、2週間単位で様々な組み合わせのテストを行っているとのことです。その数は1月で50施策。

テストを繰り返すことにより、最適解へ導くことが最終的な目的となります。

CRO施策において、ファーストビューの改善はかなり重要で、アンカリング効果などの心理学を活かした施策は有効に機能するとのこと。

記事作成時に用意していた「顕在ニーズ/潜在ニーズ」「動画やヒートマップで得られた実際のニーズ」を突き合わせて仮説立てすることでABテストの勝率が上がります。

インハウスSEOにおける今後の動き

今後のインハウスSEOにおいては、脳と足を使って情報を集めることが重要になります。1次情報に触れ、ユーザーにとって「何が役立つのか」を判断すること。

Webに閉じて情報収集し、上位表示のコンテンツを真似て上手く再構成する小手先のコンテンツは淘汰されていくと思います。

収集元は、ユーザーの生の声でも、書籍でも良いでしょう。

脳を使って設計し、足を使って情報を集める。そして再度、脳を使ってその情報を読み手に伝わるような形でアウトプットする。このような流れで施策に落とし込んでいくことが求められてくると思います。

ライトニングトーク(LT)

ここからはライトニングトーク(LT)のご紹介です。

各登壇者5分という持ち時間にも関わらず、様々な切り口で興味深いトピックを説明いただきました。

TwitterとInstagramから見るSNS時代の検索行動論(室谷氏)

ソーシャルメディアマーケティングの支援会社、株式会社ホットリンクの室谷氏(@rmuroya)によるSNSマーケティングに関するLTです。

少し前までSearchといえば、GoogleやYahoo!の検索エンジンでしたが、現在ではTwitterとInstagramといったSNSもSearchの手段として使われています。

Twitter やInstagramは、検索エンジンと比べ、ユーザーがリアルな声を検索するために使うケースが増えています。「ユーザーが他のユーザーの声を知りたがっている」、このことから「みんなが認めているものは良いものだろう」といった心理が伺えます。

言い換えるなら、「SNS上の情報(クチコミ)はユーザーの信頼度が高い」ということであり、今後SNS活用の重要性はますます高まっていくでしょう。

SNS検索で商品についての評判に触れてもらいやすくするには、次の要素に気を遣う必要があります。

  • ノイズに埋もれない独自性のあるネーミング
  • 検索のしやすさ(覚えやすさ)
  • 長すぎない文字数 など

また、独自の分析によれば、「UGC(クチコミ)が増えれば指名検索も増え、指名検索が増えれば売上も増える」と、うまく結果に反映されていくとのことでした。
※User Generated Contents。要するにクチコミのこと。

今後のコンテンツマーケティングではSEOのみならず、SNSやその他の手段を踏まえた施策を考えていく必要があると改めて感じたセッションでした。

参考:TwitterとInstagramから見るSNS時代の検索行動論

順位分析のやり方、平均の落とし穴や、正規表現を使ったキーワードのグルーピング(高野氏)

株式会社アムタスのインハウスSEO兼Webディレクターである高野氏(@takano_seo)のセッションです。

中級者以上向けのSEO分析として、Googleデータポータルを活用した順位分析の方法について説明をいただきました。

実践的な内容ということもあり、詳しくは以下の記事をご覧ください。

SEO 中級者向け 順位分析のやり方

誰でもニーズの深掘りができる!秘密のフレームワーク紹介(Y.N氏)

最後はエイチームフィナジーのY.N氏による、ユーザーニーズの深掘りができるフレームワークとその活用方法についてのLTです。

  1. 〇〇を知るだけでなく、意思決定までできるか
  2. 意思決定の先に、注意するべきことがあるか
  3. さらに良い状態に導くための情報はないか

この3つの観点でコンテンツをチェックし、ユーザーの顕在ニーズと潜在ニーズを満たせるようにブラッシュアップしていきます。

例えば、ユーザーが「肩こりの治し方」を求めているのであれば、さらにプラスして「肩こりの予防法」を提示するイメージです。

「ユーザーがコンテンツに触れることで、より良い状態になるためにはどうすべきか」という、コンテンツデザインを考える上で使えそうなフレームワークだと感じました。

チームでコンテンツを作成する際の、品質保証の話にも通じる良いLTでした。

まとめ

最近では、大手オウンドメディアの閉鎖が相次ぐなど、コンテンツマーケティングを取り囲む現状は刻々と変化しています。

SEOにおいても、コンテンツは非常に重要です。今だけではなく、この先も「コンテンツの在り方」を考え、問い続けていく必要があります。

特に「コンテンツの品質と評価」については、今回のミートアップでも重要なトピックとして扱われていました。

コンテンツを通じて人の考えや行動が変わる以上、情報の正確性や表現には注意を払い、適切な品質チェックを行うべきでしょう。これはYMYL領域に限った話ではありません。

SEO Japanでは今後も引き続き、インターネットをより良くするための情報を発信して参ります。SEO業界の方のみならず、Webに関わる皆様にご覧いただけますと幸いです。

キーワードリサーチから被リンクの獲得まで。最新のSEO施策17選【2019年版】

SEO担当者として、常に向き合わなければいけないことは複数ありますが、「施策を考えること」もそのうちの1つではないでしょうか。

「基本的なソースコードの最適化はすでに行っている」、「ここ最近の動向を反映した施策を考えたい」と思われる方も多いと思いますが、「施策リストの中からアイデアを得る」といった方法は有効かもしれません。

そこで、今回は様々な角度でSEOの施策を思いつくことで定評のあるBacklinkoブライアン・ディーン氏の記事を紹介します。SEO施策を考える上でのヒントとなれば幸いです。

※10,000文字ほどあります。

この記事を読むことで、あなたのWebサイトのSEOを改善させるための、正しい方法を学ぶことができるはずだ。

実際、この記事で紹介する17の方法を駆使することで、私は自身のWebサイトのトラフィックを3ヶ月間で21.30%上昇させることに成功した。

最も効果的な手法は何か。

現状、ここで紹介する全ての施策がすばらしい効果をもたらしている。

1.”スニペット・バイト”を駆使して自然検索からの流入を獲得する

過去数週間で、私のサイトは41の異なる強調スニペットに採用されている。

具体的には、下記のとおりだ。

また、このような場合もある。

強調スニペットに採用されるための秘訣は何か。

それは、”スニペット・バイト”と呼ばれる、新しい戦略にある。

その内容を説明しよう。

まず、すでに上位表示されているキーワードを発見する。

なぜ、この作業が重要となるのか。

Ahrefsのデータによると、強調スニペットの99.58%が1ページ目に表示されているコンテンツが採用されている。

つまり、あなたのコンテンツが2ページ目に表示されている場合、強調スニペットに採用される可能性はほぼ0ということができる。

例えば、下記の私のコンテンツは1ページ目に表示されている。

次に、検索結果の上部に表示されている強調スニペットを見てみよう。

また、どのようなタイプの強調スニペットか、同時に確認しよう。

  • 定義タイプ(例:コンテンツマーケティングとは)
  • リストタイプ(例:コンテンツマーケティングツールのTOP10)
  • 表タイプ(例:コンテンツマーケティングツールの価格表)

最後に、強調スニペットのボックスの中にぴったりと収まるように設計されたコンテンツをあなたのページに追加しよう。これが、”スニペット・バイト”だ。

例えば、「nofollow links」というキーワードで私が強調スニペットに採用されることを狙ったとしよう。

その場合、下記のような、強調スニペットに完全にフィットするセクションを作成する。

実際、その成果は出ている。
2週間後、私が作成したセクションが検索結果ページの上部に表示されるようになった。

素晴らしい。

2.シンプルな方法で滞在時間を改善させる

滞在時間はGoogleのランキング要素なのか。

私の見解では、Yesだ。

ユーザーが直ちにあなたのページから去ってしまった場合、「ユーザーはこのページを好んでいない」という明確なシグナルをGoogleに送ることになる。

そして、こうしたシグナルは順位下降を引き起こしてしまうだろう。

疑問点としては、

「どのようにすれば、ユーザーが直帰することを防げるのだろうか」

ということだろう。

答えは、「動画をあなたのページに埋め込む」ことだ。

具体例を挙げよう。いくつかのサンプルページで、動画のあるページとないページの直帰率を比較してみた。

結果は、動画のあるページのほうが、直帰率が11.2%も低かったのだ。

これが、私がほぼ全ての記事に動画を埋め込んでいる理由だ。

ときには、全てのコンテンツで紹介しているステップやアドバイスの全てを動画で解説することもある。

また、特定のトピックにおいて、より詳細な情報をユーザーが学ぶための動画を作ることもある。

結果として、どんな良い結果をもたらすのか。

それは各自で考えてみてほしい。

3.”ゴーストポスト”から競合性の低いキーワードを発見する

1つの事実がある。

多くのツールが提供する「キーワードの競合性」という指標は役に立たないこともある、という事実だ。

なぜなら、キーワードの競合性を決めるためには、ある特定の指標に100%委ねられているからだ。それは、被リンク数である。

被リンク数は重要なのか。

もちろん、重要だ。

しかし、被リンク数はSEOというパズルを解くための1つのピースに過ぎない。1ページ目に表示させるための指標は、下記をベースとしている。

  • 自然検索のクリック率
  • 検索意図への合致
  • ページスピード
  • モバイルフレンドリー
  • その他多くの指標

こうした背景があるため、私はキーワードの競合性スコアを気にしないようにしている。

その代わりに、「ゴーストポスト」を利用しているのだ。

例を挙げてみよう。

数ヶ月前、私は「SEOツール 無料」というキーワードの上位表示を目指していた。

Ahrefsを確認したところ、このキーワードは「非常に難易度が高い」と表示されていた。

ここで諦めるのではなく、新しいテクニックを用いて、この難関なキーワードに挑もうと思った。その新しいテクニックが「ゴーストポスト」である。

まず、簡単な記事を作成し、私のサイトのブログフィードの4番目のページで公開した。

言い換えれば、私はこの記事のプロモーションを一切しなかったのである(「ゴーストポスト」という名前はこれに由来している)。

驚くべきことに、1週間以内でロングテールのキーワード(例:「最高の無料SEOツール」)では1ページ目に表示されるようになった。

その後、ターゲットキーワードにおいても、度々1ページ目に表示されるようになった。

このタイミングで、該当の記事をソーシャルでプロモーションすることにした。

そして、コンテンツの中身もアップグレードさせた。

その結果、この「非常に難易度が高い」キーワードで高順位を獲得することに成功したのだ。

現在、このキーワードにおける私の記事の順位は1位である。

また、このページの被リンク数は、1ページ目に表示されている他のページよりも、かなり少なくなっている。

注:私はAhrefsのキーワードスコアにケチをつけるつもりはない。単純に、キーワードの難易度を測る別の方法を提示しているだけだ。

※つまり、ゴーストポストの趣旨は「とりあえず投稿して様子を見てみよう」というものです。Ahrefsが出している「キーワードの競合性」を盲目に信じるのはやめた方が良い、というメッセージでしょう。

ゴーストポストの説明が終わったところで、次のステップの説明に移ろう。

4.自然検索のCTRを上昇させるためにサイトリンクを活用する

昨年、私は自然検索のCTRを上昇させることを最優先の施策にすると決めた。

しかし、すぐに壁にぶち当たった。

タイトルとディスクリプションの最適化以上に、どのようにしてユーザーのクリックを促すことができるだろうか。

サイトリンクがその答えとなる。

Googleでブランド名の検索を行えば、あなたのサイトの下にサイトリンクがすでに表示されているはずだ。

こうしたサイトリンクを、ブログ記事やECサイトのカテゴリーページまで、その他の多くのページでも表示させることが可能だ。

どのようにすればよいのか。

各コンテンツに目次を設定することだ。

例えば、私がこの記事を公開した際、記事内で紹介しているそれぞれの「コツ」にジャンプするリンクを目次に掲載している。

そして、この記事が5位に表示されるようになると、Googleはこの記事のサイトリンクを表示するようになった。

ご覧のとおり、こうしたサイトリンクは、検索結果で私のサイトを十分に目立たせてくれる。

実際、このページのCTRが14.9%となったのも、サイトリンクが貢献していることは明らかだ。

5.情報のソースとなり、被リンクを獲得する

あるルールを紹介しよう。

ユーザーは「素晴らしいコンテンツ」へはリンクを貼らないというルールだ。

ユーザーは、情報のソースにリンクを貼るのだ。

例えば、私は「Google Search Consoleの活用ガイド」という記事を去年公開した。

そして、この記事は「素晴らしいコンテンツ」であることを自負している。

記事内では、実行可能なアドバイスをふんだんに紹介している。

独自のデザインも採用している。

非常に優れたコンテンツであるにもかかわらず、リンクを貼ってくれたドメインの数は、たったの159だ。

一方、同時期に公開した音声検索における調査記事はどうだろうか。

多くのユーザーが、この記事も「優れたコンテンツ」と認めてくれている。

そして、このコンテンツへリンクを貼ってくれたドメインの数は、764にものぼる。

(Search Consoleの活用ガイドの記事と比べ、4.8倍の数字だ)

何が起きているのだろうか。

Google Search Consoleの記事は、リンクを貼りやすい記事ではなかったのだ。

他の誰かがGoogle Search Consoleの記事を書き、「詳細はこちら」としてリンクを貼ること以外、この記事へリンクを貼るための強い理由は存在しない。

一方、音声検索における調査記事については、ブロガーやジャーナリストに、情報ソースを提供したことになる。

これが、数百もの高品質なリンクを獲得できた理由である。

6.商業インテントのあるビッグキーワードをターゲットとする

私がキーワード調査を初めて行った時は、検索ボリュームに注目していた。

調査したキーワードの検索ボリュームが多ければ、「これは私のサイトにとって重要なキーワードだ」と考えていたのである。

今は、そのような考えは一切持っていない。

現在は商業インテントに大きく注力している。

(言い換えれば、Google広告の広告主がクリック数を気にするのと同様だ)

例えば、「リンクビルディングサービス」というキーワードをターゲットしたケースを紹介しよう。

このキーワードの検索ボリュームはそれほど多くはない。

しかし、CPCは$25.00となっている。適切なバイヤーによって作られたトラフィックだろう。

(興味深い事実:私はこのページを「ゴーストポスト」として公開した。結果からわかったことだが、「リンクビルディングサービス」というキーワードは多くのツールが示すほど難易度は高くなかった)

7.YouTube動画を活用して検索結果のより大きな領域を獲得する

コンバージョンにつながる素晴らしいキーワードを発見したとしよう。

その場合は、YouTube動画によるおまけのトラフィックも獲得するべきだ。

例えば、この記事は、「より多くのトラフィックを獲得する方法」というキーワードをターゲットとしている。

不幸にも、この記事の順位は4位で上げ止まってしまった。

より不幸なことに、この記事の上部には3つの動画が表示されてしまっているのだ。

しかし、私はここから挽回してみせる。

このトピックの動画を作成することにしたのだ。

そして、動画を適切な方法で最適化し、検索結果の重要な場所に表示させることを実現させたのだ。

動画を最適化する方法に興味があれば、下記のチュートリアルを確認して欲しい。

動画:YouTube SEO: 9 Actionable Tips for Ranking Videos (2019)

8.”トピック+統計”のキーワードで上位表示させる

これは、かつて多くのWebサイトが大量のリンクを自動で獲得するために使用した、秘密の方法である。

例えば、Student Loan Heroというサイトは「アメリカの学生のローンの統計」というページへのリンクを20,000以上獲得している。

下記に、彼らが実践した施策の内容をそれが成功した理由と併せて紹介しよう。

まず、彼らはブロガーやジャーナリストが取り上げそうなトピックを特定した。この場合は、学生ローンの負債の統計がそれにあたる。

次に、様々なソースを参照した統計情報を集めたページを作成した。

最後に、「学生ローン 統計」というキーワードに合わせた最適化をこのページに対して行った。

その結果、このターゲットキーワードで1ページ目に表示されている。

なぜうまく行ったのだろうか。

考えてほしい。

”トピック+統計”というキーワードで検索する人はどんな人だろうか。

ジャーナリストである。

特に、彼らの記事に記載できる統計データを探しているジャーナリストだ。

そして、そのキーワードで上位表示されれば、非常に多くのリンクを獲得することになるだろう。

非常に優れた方法だ。

9.古いコンテンツをユーザーインテントに即して最適化する

コンテンツの内容を検索者の意図に合致させるべきだという話を以前にしている。

ポイントは下記である。

もし、あなたのサイトが検索者の求めるものでなかった場合、Googleはあなたのサイトを上位表示させることはない。例えどれほど多くのリンクを獲得していたとしても。

例えば、私は下記の記事を2015年に公開している。

お察しの通り、この記事のターゲットキーワードは「SEO キャンペーン」だ。

そして、この記事は1ページ目の中頃に、すぐに表示されるようになった。

ここまでは、悪くない。

しかし、ある日を堺に、この記事の順位とトラフィックが下降し始めた。

このキーワードの優先度はそれほど高くはなかった。そのため、半ばこの状況を無視しており、うまく行けばよいなと思っていたくらいだ。

実際はそうではなかった。

私のコンテンツがユーザーインテントに恐ろしいほど合致していないことに気づいたからだ。

この記事はSEOキャンペーンを複数紹介しているわけではなく、特定の戦略(ゲストグラフィック)について説明している記事だった。

そのため、私は再度構成案を練り直し、はじめから記事を書き直した。

今回は、「SEOキャンペーン」と検索する人が好む内容になっていることを確認した後、記事を公開した。

その結果、新しいバージョンの記事は、同様のキーワードで1位を獲得している。

10.コンテンツパートナーシップを組む

私はコンテンツパートナーシップの大ファンだ。

なぜか。

その理由は、コンテンツパートナーシップをすることで、記事のプロモーションが2倍強力なものになるからである。

考えてみてほしい。

自身のサイトに何らかの記事を公開した際、できるだけ多くの人にその記事を届けようとするだろう。

しかし、あなたは個人(または会社)であるため、リーチ数に限りがある。

誰かとパートナーシップを組めば、それぞれがあなたの新しいコンテンツを届けてくれるようになるのだ。

そのコンテンツを見てくれるユーザー数、リンク数、ソーシャルメディアでの共有数が2倍になる可能性がある。

例えば、今年の初めに私はBuzzSumoとパートナーシップを結び、コンテンツマーケティングについての記事を作成した。

そして、我々はそれぞれのオーディエンスにプロモーションを行ったため、非常に多くのトラフィックを獲得することができたのだ。

11.異なるフォーマットでコンテンツを再利用する

昨年、私は非常に大きなミスをしたことに気がついた。

どんなミスだろうか。

新しいブログ記事を書く際も、Eメール用のニュースレターを書く際も、動画コンテンツを作成する際も、全て0から作成していたのだ。

その結果、たった1つのブログ記事を書き終えるにも14日間かかることもあった。

ちょうどその時、あることを思いついた。

私はすでに、YouTubeチャンネルに非常に多くのコンテンツを保有しており、それらは多くのユーザーに支持されている。

そのため、次に書くブログ記事は、YouTubeチャンネルからの人気のあるコンテンツをベースにすることにした。内容は、より多くのYouTubeの登録者を獲得する方法だ。

もちろん、動画コンテンツをブログ記事に書き起こすのは時間がかかる。

しかし、何もないところから書き始めるより、10倍は早い。

この施策は成功したのか。

大成功であった。

毎月、検索エンジン経由での訪問者を1万5千人も連れてきてくれるのだ。

また、ターゲットキーワードでは3位以内に表示されている。

非常に素晴らしい。

12.リンク切れのリンクビルディングを強化する

私はすでに、リンク切れのリンクビルディングについてのガイド記事を公開している。

そのため、このプロセスを詳細に説明することは避けたいと思う。

その代わり、素晴らしい被リンクを獲得するためにこの戦略をどのように使用したかについて、解説したい。

第一に、私のサイト内でユーザーがリンクを貼りたいと思っているページを探した。そして、下記のCROのガイド記事を選択した。

次に、私はコンテンツマーケティングについて書いてあるサイトを探し出した。そして、Ahrefsで、そのURLを調査した。

そして、「発リンク」をクリックし、「リンク切れ」をクリックする。

その結果、リンク切れのある発リンクの一覧が表示される。

そのリストの中から、私が作成したガイド記事に似ている記事を発見し、このサイトの管理者に連絡を取る。彼らにリンク切れのリンクがあることを連絡し、代わりに私のコンテンツにリンクを貼ってくれることを依頼するのだ。

もちろん、彼らにとってもメリットがある話であるため、快諾してくれる。

これで完了だ。

13.”リンク・インターセクト”から被リンク獲得のチャンスを見つける

リバースエンジニアリングは、リンクビルディングの戦略においては非常に優れた方法である。

しかし、それでも完全なものではない。

つまるところ、あなたのサイトの競合サイトにリンクを貼っているサイトを見つければよいのだ。

そのサイトがリンクを貼っている理由が、特別な関係にあるのか、Eメールでリンク設置をお願いしたのか、それともその他の理由なのか、それらを把握する術はない。

しかし、複数の競合サイトへリンクを設置している場合、その答えの推測を立てることができる。(複数のサイトと特別な関係があるのかもしれないが・・・。)

これが、”リンク・インターセクト”と呼ばれるものだ。

Ahrefsに複数のドメインを入力し、”リンク・インターセクト”機能を使用しよう。

そして、自分のサイトを「リンクしない」の欄に入力しよう。

結果が出た。

複数の競合サイトにリンクを設置しているが、あなたのサイトにリンクを設置していないサイトが確認できる。

競合サイトよりも高品質なコンテンツを公開しているのであれば、こうしたサイトがあなたのサイトへリンクを設置してくれる可能性は十分にあるのだ。

14.全く新しいキーワードをターゲットとする

人気があり、競合性が低いキーワードを発見したくはないだろうか。

誰もがそうだろう。

しかし、疑問がある。

どのようにすればよいのか。

全く新しいキーワードをターゲットにするのだ。

説明をしよう。

競合性の高いキーワードは数多くあるが、その理由は単純であり、多くのサイトが上位表示を狙っているためだ。

しかし、新しいキーワードをターゲットにすれば、競合となる相手は少なくなる。

つまり、検索結果の上位に表示させる可能性が高くなるのだ。

例えば、昨年の夏、私は注目度が増してきていた「音声検索」についてのガイド記事を公開した。

「音声検索」というキーワードは比較的新しかったため(特に「リンクビルディング」など、昔からあるキーワードと比較すれば)、私の記事は1週間以内で1ページ目の下部に表示されるようになった。

そして、現在でも1ページ目に表示されている。

15.コンセプトビジュアルを活用する

この施策は、特にどのサイトに連絡をすることなく、高品質なリンクを獲得する施策だ。

実際、私もこの施策を活用して下記のような被リンクを得ている。

別の例を挙げてみよう。

これら全ては、Eメールでの連絡など一切せずに獲得したリンクだ。

この施策のステップを紹介しよう。

まず、複雑なコンセプトやアイデアの理解を手助けするような素晴らしいビジュアルを用意しよう。

グラフ、チャート、図形、表、など様々なフォーマットが考えられる。

下記に例を挙げてみよう。

次に、あなたが作成したコンテンツにその資料を埋め込もう。

そして、それを求めているユーザーが目にすれば、彼らのサイトで使用するだろう。

あなたがすでに公開しているあらゆるコンテンツでこの施策を取り組もう。

備考:新しいトピックにおけるビジュアル化に注力しよう。こうすれば、そのトピックについて高品質なビジュアルを掲載している数少ないサイトの1つとなれるのだ。

16.キーワードアイデアのために業界の用語集を利用する

何か創造的なキーワードのアイデアはないものか。

業界の用語集を確認しよう。

例えば、この栄養素についての用語集は100以上の用語を扱っている。

このキーワードリストをコピーし、スプレッドシートに貼りつけよう。

または、それらをキーワード調査ツールに貼り付け、新たなキーワードを探すための元データとしよう。

どちらにせよ、用語集は新しいキーワードのアイデアを得るために、非常に優れた方法なのである。

備考:これらのキーワードをGoogleのキーワードプランナーに入力すれば、非常に多くのキーワードリストを手にすることができる。

17.コンテンツキュレーターから被リンクを獲得する

多くの人が他サイトへの連絡に苦労している。下記のような粗悪なメッセージを送っていれば、なおさらだろう。

このメッセージには誤りが沢山ある。

しかし、最も大きな間違いは、私のサイトのどこを見渡してもこのコンテンツへのリンクを貼るに適したページが無いということだ。

そのため、私はこのメールを消去した。

このメッセージがコンテンツキュレーターに届いたのであれば、事態は変わっていたかもしれない。

コンテンツキュレーターとは、読んで字のごとく、特定の業界から最も素晴らしいものを収集している者たちだ。

例えば、私が数ヶ月前に作成した、SEO Marketing Hubもそのうちの1つだ。

このコンテンツキュレーターのサイトに私のコンテンツを目立たせているため、私のサイトへの多くのリンクを獲得できている。

これに勝るものはない。

おまけ1:質問系データベースから質問タイプのキーワードを探す

質問系データベースとは、Answer the Publicのようなものだ。

しかし、私の意見では、Answer the Publicよりも少し良いものだと考えている。

まず第一に、非常に使いやすいからである。

難解なチャートや画像を用いるAnswer the Publicと異なり、質問は非常にシンプルなテーブルにまとめられている。

また、質問系データベースはRedditに投稿された質問に注力しているため、他のツールでは表示されないトピックやキーワードを発見できるだろう。

おまけ2:ブランド名の関連ワードで上位表示を狙う

競合性は低い。検索ボリュームは多い。CPCも素晴らしい。

それはつまり、ブランド名検索である。

例えば、下記の2つのキーワードを見てみよう。

ご覧の通り、「Mailchimp」というキーワードは、「Eメールマーケティング ソフトウェア」というキーワードよりも、280倍検索されている。

これは、多くの領域で言えることだ。

ブランド名は、トピックやカテゴリーの検索以上に、多く検索されている。

ブランド名をターゲットとする唯一のデメリットは、あなたのサイトが1位に表示されることはないという点だ。しかし、それでもターゲットとするに値する価値はある。

こうした理由から、私もブランド名で上位表示されるためのコンテンツを作成するようにした。

例えば、下記のようなBuzzStreamのレビュー記事を作成したのだ。

「BuzzStream レビュー」というキーワードで上位に表示されただけでなく、

「BuzzStream」というキーワードでも上位に表示されるようになった。

さあ、次はあなたの番だ。

この記事で紹介した17の施策の中から、どれを最初に選ぶだろうか。

ブランド名をターゲットにするのか。

スニペット・バイトにするのか。

どの施策を選ぶにせよ、下記のコメント欄にメッセージを残してほしい。
※元記事では、コメント欄にコメントするよう促しています。

この記事は、BACKLINKOに掲載された「17 Ways to Improve Your SEO in 2019」を翻訳した内容です。

相変わらず、ブライアン・ディーン氏は様々な施策を考えることに長けている方だと感じました。実績データを提供している分、説得力がありますし、各施策の説明も丁寧です。

すべての施策をそのまま適用できるケースは稀だと思いますが、記事にあったような施策をうまくカスタマイズし、自社サイトのSEOに活かしてみてはいかがでしょうか。

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Google画像検索を活用し、ECサイトのトラフィックと売上を増加させる方法

Googleの検索エンジンでは、テキストだけでなく、画像や動画といったビジュアルコンテンツを検索することもできます。

しかし、いわゆる一般のSEOに比べ、Google画像検索結果における最適化の手法が注目される機会は少ないのではないでしょうか。

そこで、今回はECサイトなど、画像が重要となるサイトに役立つ「画像検索における最適化」について、Search Engine Journalの記事からご紹介します。

eMarketerの調査によると、アメリカのインターネットユーザーの75%が、商品の購入前に商品画像を検索するとのことだ。商品画像をまったく検索しないユーザーは、わずか3%。

オンラインショッピングにおいて、商品画像は潜在的な顧客に良い印象を与える。

多くの専門家によると、「商品に関する複数の高品質なイメージは、顧客の意思決定における不確実性を減らし、コンバージョン率と返品率を改善する効果がある」という。

JumpshotとMozの調査によれば、Google画像検索のシェアは検索市場全体の26%。

最適化された商品の画像は、ECサイトにおける新規顧客の獲得を促進する効果がある。画像などによって、最新かつ正確な商品の情報を提供することは、Google画像検索において顧客の体験(バイヤーエクスペリエンス)を成功させるためのカギとなる。

Googleの画像検索が、新規のトラフィックを獲得するための絶好の機会を提供する理由は、顧客の体験にある。

Google画像検索の変更点

GoogleはGetty Imagesと提携し、Google画像検索ユーザー向けの新たな検索体験を作り出した。

このパートナーシップを受けて、Googleは画像検索における2つの大きな変更を発表した。以下のとおりである。

  • Googleがインデックスされた画像を表示する方法
  • サイト運営者へのトラフィックの提供方法

Googleのダニー・サリバンはTwitterにて、以下のように述べた。

「Googleは今後、”画像を表示するメニュー”を削除し、”サイトにアクセスするメニュー”へと置き換える。理論的には、Googleの検索結果から他のサイトへとトラフィックを移すことになる」

ECマーケティングの専門家は、Google画像検索を介し、顧客を獲得するための新しいチャネル、または改善されたチャネルを設ける絶好の機会を待っている。

ここでは、商品画像を最適化し、Google検索においてそれらをインデックスに登録させ、購入意欲の高く、高品質なトラフィックを得るための方法を紹介する。

1.画像最適化の基本を把握する(ファイル名とalt属性)

わかりやすいファイル名は、商品イメージを見つけるためのカギとなる。

また、画像には最適化された代替テキストを追加することもできる。ECサイトにおいて、画像が読み込まれなかったときのために、画像にalt属性を指定しておくことは必須である。

また、Googleの検索エンジンはalt属性のテキストを使用して、その画像を理解する。

MVMT Watchesによる商品画像の命名は、すばらしく参考になるものだ。

MVMT Watchesでは、ファイル名と代替テキスト(alt属性)へと、商品名を適切に含めることで、以下のように、画像検索における”1位”を所有している。

画像最適化の基本に関しては、「14 Important Image SEO Tips You Need to Know」を見てほしい。

2.Schemaで画像をマークアップする

構造化マークアップを使用し、リッチな商品画像と商品属性を有効にすると、Googleで商品画像を検索している潜在的な顧客を引き付けることができる。

商品情報の正確さと新鮮さを維持し、顧客が探しているものに関連する最新のアイテムを見つけられるようにしよう。

構造化マークアップを使用し、Google画像検索の結果をショーウィンドウにしてしまおう。

ECブランド、または小売業者にとって必要なのは、構造化マークアップをWebサイトに追加し、Googleが商品画像と関連する属性を確実に理解できるようにすることだ。

Googleは、画像検索などの結果において、詳細な商品情報を提供できるよう、商品ページに構造化マークアップを施すことを推奨している。そうすることで、意欲の高い検索者は、検索結果に表示される商品の価格・在庫状況・レビューを確認できる。

Googleは、構造化マークアップを使用して商品情報に詳細を付与するECサイトに対し、サーチコンソール上で「商品」の新しいレポートを有効にした。

この新しいレポートでは、企業やSEM担当者は、サイトのマークアップに関して保留中の問題を確認できる。問題を修正した後、レポートを通じて、保留中のページを再クロールさせることで、問題が解決できたかどうかを検証できる。

詳細はGoogleの「リッチリザルトのステータスレポート」を確認してほしい。

3.Google検索とGoogle画像検索上に商品情報を表示する

小売業者、またはECサイトのマーケティング担当者にとって、必要なことがもうひとつある。

それは、Google検索とGoogle画像検索結果に表示される商品に関し、正確な情報を取得することだ。

最近、Googleの商品フィードに加えられた変更がある。商品情報をリアルタイムで更新し、購買意欲の高い検索者や、関連するクエリに一致させることができるようになった。

このGoogle商品フィードの新機能は、リアルタイムで適切な商品情報を表示したいと考えている小売業者やマーケティング担当者にとっては朗報であろう。

四半期ごとに商品の在庫を調整するファストファッションブランドや、Google上で限定商品を提供する企業を想像してほしい。

マーケティング担当者は、商品フィードと画像をGoogleのMerchant Centerに簡単にアップロードでき、Google検索とGoogle画像検索の結果へとすぐに表示できるようになった。

画像などの商品情報は、検索クエリとの関連性に基づきランク付けされる上、何より無料で使用できる。この機能はアメリカの企業のみが利用できるが、近いうちに、いくつかの他の国でも公開される予定だ。

4.ナレッジパネルに商品画像を表示する

2019年、メーカーはブランド自身の情報や商品の情報をより詳細に管理できるようになった。

自社商品を製造している企業、OEM、BtoB企業にとって、Googleで商品画像を正確に表示することは、ブランド全体の認知度を高めるために必要不可欠である。

最近、GoogleはGoogle Manufacturer Centerを介して、画像などの商品の情報を更新できることを発表した。

これにより、商品の説明やバリエーションのナレッジパネルに表示できる、画像や動画といったリッチコンテンツを更新できるようになった。

5.顧客にリアルな画像を提供する

UGC(口コミやレビュー)の力を活用して、信頼度とコンバージョン率を高めよう。そのためには、ECサイト全体にユーザーによる画像を追加することだ。

FacebookやInstagramといったプラットフォームに商品を含む画像を投稿するようユーザーに促し、そのコンテンツを商品ページやカートページ(チェックアウトページ)で利用しよう。

Vanity Planet(※)のようなブランドリーダーの行動も参考にしよう。彼らはユーザーのエンゲージメントを促進し、購買客に向けてUGCを共有している。
※海外のコスメブランド

6.画像を圧縮する

最後になるが、画像の読み込みは速いか、速度が最適化されているかどうかを確認しよう。

Webサイトの画像を圧縮するには、TinyPNGなど、多くの役立つツールがある。

また、ほとんどのホスティングプラットフォームは、高速配信のためにCDNサービスを提供している。ファイルサイズを最適化することで、Google画像検索においてインデックスされる確率が向上する。

  1. ファイル名とalt属性を最適化する
  2. Schema.orgで構造化マークアップを行う
  3. Google検索結果上に画像を表示する
  4. ナレッジパネルに商品情報を表示する
  5. 商品が実際に使われている様子を提供する
  6. 画像のサイズを圧縮する

これらの6つの画像検索における戦術を適切に実行することで、ECサイトにおけるトラフィックと売上を向上させることができるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「The Hidden Opportunity for Ecommerce Websites in Google Images」を翻訳した内容です。

画像検索における最適化の方法について、わかりやすくまとめられた記事でした。

主にECサイト運営者向けの記事ではありましたが、それ以外の方にも決して無関係ではない記事であったように思います。

SEMを考える上では、画像検索やGoogleマイビジネス、リスティング広告など、ユーザーニーズを捉え、より効果的なアプローチを選択していく必要があります。

実務において、同時にすべての施策を走らせることは難しいため、各アプローチの概要を把握した上で、優先順位をつけて取り組んでいきましょう。

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「SEOとPPC広告、どちらが優れているか」、その論争が無意味である理由

SEOとPPC広告、同じWebマーケティングという分野に属することもあり、「SEOとPPCのどちらが有益か」という議論はよく見かけます。

ただし、その方法や目的、得られる結果などは異なるため、最終的には、「それぞれ適切なバランスを取る」ということが理想といえます。

しかし、どちらか一方の事情しか知らなければ、その判断に至ることが難しいかもしれません。

今回は、そんなSEOとPPCの”論争”についてわかりやすく解説した記事を、Search Engine Journalよりお届けします。

ペイド広告と自然検索マーケティングのそれぞれのメリットについて、この業界では長い間議論されてきた。

どちらのほうが優れているのか。

どちらにリソースを注ぐべきか。

個人的には、この議論はずいぶん前に決着がついたと考えている。

結論としては、SEO施策とPPC広告の両方を行うべきであり、両方に注力すべきである。

しかし、近年になり、私のクライアント周辺で再び議論が活発してきている。

理由はわかる。もともとこの議論をしてこなかった場合、上記の結論には納得がいかないこともあるからだ。

それゆえ、SEOとPPCの議論における忘れられたいくつかの事実を解説する機会を与えていただきたい。

1.ペイド広告は自然検索の代替にはならない(逆もまたしかり)

ペイド広告と検索エンジンマーケティングは、それぞれ別の生き物だ。

片方が片方の代替となることはない。それぞれが強みと弱みを持っている。

例えば、ペイド広告は非ブランド系のトラフィックを発生させるには良い手段だ。

PPCの典型的なシナリオはこうだ。

  • ユーザーはあなたのブランドについて何も知らない
  • 彼らは、欲しい商品の検索を行う
  • あなたは、その検索結果の上部に広告を表示させる
  • ユーザーは広告をクリックし、あなたが何を提供してくれるのかを確認する

こうすることで、ユーザーはあなたのブランドとの距離を縮め、コンバージョンへの道のりを進んでいくことになる。

自然検索でもこうしたことは可能なのか。おそらく、可能だ。

しかし、自然検索結果の最上位に位置していても、ページの上部に表示されるとは限らない。※参考:Google検索結果の変化から読み解く「SEOの未来」

せいぜい、ページの中ほどに表示されることだろう。最悪の場合、非常に深い位置に表示されてしまう。

ただし、自然検索結果はブランド系のトラフィックを発生させることができる。

典型的なSEOのシナリオはこうだ。

  • ユーザーはあなたのブランドを知っている
  • 彼らは、あなたのブランド名で検索をする
  • あなたのサイトは検索結果の上部に表示される
  • ユーザーはそれをクリックし、あなたのWebサイトを訪問する

PPCでもこうしたことは可能なのか。可能だ。そして、それがブランド名でもPPCの入札を行うべき理由となる。

しかし、PPC広告が唯一、検索結果に表示されるものだとしたらどうだろう。つまりは、「自然検索結果には何も表示されない」という状況だ。そのような場合、ユーザーはブランドの信憑性を疑ってしまうかもしれない。そのため、理想を言えば、両方において表示させることが最適と言える。

広告と自然検索の両方を表示させることで、あなたのブランドはより強固なものになるだろう。これを目指さない手はない。

2.SEOもPPC広告も無料ではない

PPCに対しては、「PPCは高価である」という議論がよくされる。誰かがあなたの広告をクリックするたびに、あなたはお金を支払わなければならない。もし、プロにアカウントの管理を依頼しているのであれば、彼らに対する費用も発生する。

しかし、多くのSEOのエキスパートは、「SEOも時間がかかり、費用と専門知識が必要となる」と述べるだろう。

SEOを成功に導きたければ、インハウスで行うにしても、外部のコンサルティングを受けるにしても、それなりの対価を支払わなければならない。

3.SEOとPPC広告はゼロサムゲームではない

SEOとPPCの議論においてよくある誤解は、それをゼロサムゲームと認識してしまうことだ。片方への投資を止めれば、もう片方が不足を補う。逆もまた然り、と考えてしまう。

しかし、そのような状況が起こることはめったにない。一般的に、SEOとPPCは互いを食い合う仲ではないのだ。むしろ、「それぞれの領域からそれぞれの結果が生まれる」といったことになる。

これは、私が実際にクライアントへ指摘したことだ。

このクライアントはSEOの代理店と契約を結んでいた。これ自体は別に珍しいことではない。実際、私達はこの取り組みを望んでいた。なぜなら、SEOの成功はPPCの結果にも良い影響を与えること(逆もまた然り)を我々は理解しているからだ。

しかし、このケースでは、SEO担当者が特定のマーケットではPPCを完全に止めることを勧めてきた。彼が言うには、「PPC広告で良いパフォーマンスを出していない領域がある。そこへの広告出稿は不要である」とのことだ。

もし、このクライアントが彼の考えを受け入れた場合、どうなるか。

2018年、全体の29%のセッションを自然検索が獲得し、22%のリードを獲得した。

その一方、PPCは全体の43%のセッションを獲得し、55%のリードも獲得している。

2019年の中期はどうなったか。この頃から、クライアントはSEOへの投資を強めている。

2019年、全体の28%のセッションを自然検索が獲得し、22%のリードを獲得した。

その一方、PPCの数字は大きく変わっていない。全体の46%のセッションを獲得し、55%のリードも獲得している。

ご覧の通り、傾向は2018年と2019年でほぼ同じになっている。

つまり、我々が突然、これらの地域で広告掲載を取りやめていたらどうなっていただろうか。SEOへ再投資していたとしてもだ。

SEOがそのマイナス分を埋め、PPCが獲得していたリードと同程度のリードを獲得していただろうか。おそらく、そうはならなかっただろう。

4.統計情報に騙されるな

SEOとPPC広告を”競合”と捉える場合、片方を信じるものが自身の見解を裏付ける情報を提案することがある。

しかし、すぐに結論に至るのではなく、そうした統計的な情報を注意深く見る必要がある。

例えば、上記とは別のクライアントの場合、PPC広告を完全にストップしようとするSEOコンサルタントがついていた。

彼は、SEOと比べ、「PPCからのトラフィックがサイトへのエンゲージメントを悪くしているという”発見”」に基づいた意見を論じていた。それゆえ、広告につぎ込むマーケティング予算をストップすることをクライアントに求めていたのだ。

我々は、そのSEO担当者が根拠としている情報について懐疑的であった。なぜなら、我々のサイドからは全く異なる見解を得ていたからだ。

最終的に我々は、「PPCのトラフィックの多くが電話キャンペーンによってもたらされている事実を彼が見落としているのでは」と考えた。

言うまでもなく、こうしたキャンペーンで発生したトラフィックはWebサイトへの直接の訪問は発生しない。彼はこの事実をもって、PPCの場合はエンゲージメントが悪いと結論づけていたのだ。

彼の提案はただの善意であった可能性もある。しかし、それは不十分な情報にも基づいた提案にすぎない。

皮肉にも、彼が無視していた重要な指標が別にあった。新規訪問者数だ。

このクライアントの場合、PPCが過去1年間で2,958の新規訪問者を獲得していた。

これに対し、SEOが獲得した新規訪問者は、たったの1,246であった。

もし広告を止めていた場合、PPCが獲得した新規訪問者数はどうなっていただろうか。

おそらく、その数の獲得には至らなかっただろう。

PPCとSEOの議論に対する意見を誰かが論じてきた場合、その人自身はPPCとSEOに関連する全ての情報を見ているか、確認すべきなのだ。

5.トラフィックのみではなく、リードやコンバージョンにも目を配るべし

数字の指標について多く語ってきたが、インターネットに溢れている数多くの統計について、詳細な分析を行えば有益な情報となることを指摘しておきたい。

例えば、2014年にSEO会社のConductorが行った調査を見てみよう。この調査によれば、サイト全体の64%が自然検索によるもので、ペイド広告は6%しか占めていないということだ。

この調査結果から推測されることはなにか。SEOはPPC広告よりも効果的であると言えるのだろうか。その可能性はある。

しかし、問題が2つあることを指摘したい。

  • 第一に、自然検索のトラフィック数はあらゆる類の検索によってもたらされている。
    つまり、広告がまったく表示されない検索も含まれるということだ。
  • 第二に、より重要なことであるが、トラフィックが最終目的なのだろうか。
    我々は、リードやコンバージョンにもっと関心を持つべきではないだろうか。

仮に、世界中の全てのトラフィックを獲得できたとしても、そこにリードやコンバージョンが発生しないのであれば、そのトラフィックは何に役立つのだろうか。

SEOとPPC。選択すべきは両方である

SEOとPPC広告のどちらを選ぶべきかという議論がされた場合、「どちらか一方を選択する」という意見を持つべきではない。

なぜなら、それらは互いに代替となるものではないからだ。

もし、両者に力をいれることができれば、両社の長所を活用してより良い効果を得ることができるだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「SEO vs. PPC: A Few Forgotten Truths」を翻訳した内容です。

「SEOとPPC、どちらが優れているか」という議論に、一つの見解を出した記事でした。

SEOもPPCもWebマーケティングの一施策にすぎず(もっというと、Webマーケティングもマーケティングの中の一部にすぎませんが)、「どちらのほうが優れている」といった判断はそもそも不可能だと思います。

サイトの性格、目的、運営状況によって取るべきマーケティング戦略は異なるため、「SEOとPPC、どちらの施策を行うべきか」も状況によって異なるはずです。その時々に応じた最適なバランスを見つけるよう、努めていきましょう。

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古く、廃れてしまったコンテンツを上位表示させるためにすべきこと

現在のSEOは、かつてのように小手先のテクニックでどうにかなるわけではなく、質の高い記事の掲載が必須項目になっています。

日々、質の高い記事を執筆しているサイトは多いと思いますが、新規で作成するページではなく、古いページのアップデートも、品質向上における良い施策といえます。今回の記事は、過去の記事をアップデートする施策について、ニール・パテル氏が実データを交えながら解説してくれています

実際に行った施策内容を明らかにしてくれており、非常に興味深い記事です。

あなたのサイトへのトラフィックのうち、上位10ページが占める全体の割合はどのくらいだろうか。

おそらく、かなり大きな割合を占めていることだろう。

下記のスクリーンショットを見て欲しい。私のサイトの場合、上位10ページが全体の28.7%のトラフィックを占めている。

おそらくそれほど高い数字ではないだろう。

しかし、私のサイトには5,441ものブログ記事が投稿されている。言い換えれば、0.1%のページが、検索トラフィック全体の28.7%を作り上げているということになる

特に小さいサイトの場合、サイト全体の検索トラフィックを上位10ページが占める割合は、高くなる傾向があるだろう。

この状況は何を意味しているのだろうか。

上位10ページのみに注力し、他のページは無視すれば良いのか。もしくは、新しいコンテンツを機械的に量産する方法に注力すべきなのか

質は量を凌駕する

かつて、私は「多ければ多いほど良い」という考えを持っていた。毎週毎週、新しいコンテンツを量産していたのだ。1日で2記事を公開していた時期もある。

時間がたつにつれ、私のサイトへの検索トラフィックは伸びた。しかし、それほど大きな伸びではなかった。

私は多くの時間をブログ記事の執筆に割いていたが、公開した多くのコンテンツがほとんど上位表示されないことに気がついた。

そこで、私は何をしただろうか。

私は、古く、廃れたしまったコンテンツに注力し、検索トラフィックを上昇させることにしたのだ。

具体的な作業はこうだ。毎週、私は新しいコンテンツを1記事公開するようにした。しかし、私のチームに、平均で23の古いコンテンツをアップデートさせていた。

より頻繁に記事を書いていた時期では、上位10ページの記事が占める全体の検索トラフィックの割合は33%であった。

それ以降、私はサイト全体のトラフィックを107%上昇させ、上位10ページの記事への依存度を13%減少させた。

どのようにして実現させたか。すでに言及したとおり、私が新しいコンテンツの作成に注力している間、私のチームには古く、廃れたコンテンツをアップデートさせていたのだ。

下記に、実際に私のチームが行った内容をひとつずつ解説していきたい。

かつて評価されていたページを探す

Google サーチコンソールを使用すれば、かなり長い期間を遡ってデータを確認することができる。過去16ヶ月のデータを取得できるのだ。

まずは、現在のデータと、昨年の同月のデータを比較してみよう。

「日付」をクリックし、「比較」をクリックしよう。次に、古い期間を選択し(1年前とすべきだ)、今日の日付を選択しよう。

私はしばらくこの作業を続けた。古い期間との比較をすることで、私のチームが古いコンテンツをアップデートする前に、より良い対象を見つけることができるからだ。

上記を選択すれば、下記のようなレポートがでてくるだろう。

まず見つけたいコンテンツは、「かつては多くのトラフィックを得ていたが、現在のトラフィック数は少ない」というページだ。上記の画像からも分かるとおり、Instagramについて書いた私の記事は、昔は多くのトラフィックを得ていたが、今はそうではなくなっている。

ご注意いただきたいのが、私は古い日付を最初に選択している点だ。古いコンテンツのうち、どのコンテンツがかつては良い順位に表示されており、今は順位が下降しているかを把握するためである。

こうすることで、昔はGoogleから高評価を得ていたが、今はそうではなくなっているコンテンツを確認することができる。

次に、Googleから一度も高評価を得ていないコンテンツを探してみよう。

Googleから一度も高評価を得ていないコンテンツを調査する

サーチコンソールに再度ログインし、表示回数は高いが、クリック数は少ないページを探してみよう。

こうしたページを探す最も簡単な方法を紹介しよう。日付を直近28日間に設定し、表示回数、クリック数、CTRの各指標を確認するのだ。

CTRをソートし、昇順(最も低いパーセンテージが上位に、最も高いパーセンテージが下位に表示されるように)に並べ替えよう。

一般的に、このリストの上部に位置するページは、最もポテンシャルが高いページと言える。つまり、Googleはこうしたページを評価し、上位表示しているが、それに見合ったクリック数を獲得していないページとなるからだ。

こうした場合、単純なタイトルタグとメタディスクリプションが要因というわけではない。該当ページのコンテンツの修正が必要になるケースがほとんどだ。

では、高いポテンシャルを秘めたページのリストを作成してみよう。

改善施策に優先順位をつけよう

概して、最も高いポテンシャルのあるページは、「かつては上位に表示されていたが、現在は上位表示されていないページ」ということになる。

過去、Googleはこうしたページを評価していた。つまり、こうしたページに注意深く手を加えれば、再度Googleからの評価を高める可能性があるのだ。

次に高いポテンシャルのあるページは、「表示回数は高いが、CTRは極端に低いページ」となる。しかし、上記のグループのページに比べれば、優先度は低い。

こうしたページの修正は難しい。なぜなら、高いパフォーマンスを発揮した実績がないからだ。

古いコンテンツをアップデートさせる方法

アップデートの対象となるページに優先順位をつけることは完了した。次は、「かつては上位に表示されていたが、現在は上位表示されていないページ」の順位を改善する作業だ。

サーチコンソールにログインし、該当のページを探してクリックし、「クエリ」をクリックしよう。

上位5位に表示されていないキーワードや、表示回数が多いキーワードは修正の対象にふさわしい。記事内容が検索キーワードと関連しているか、確認しよう。

もし関連性が薄ければ、記事内容を修正し、最低でも該当のキーワードを含めることや該当するトピックを追加しよう。

すでに5位以内に表示されているキーワードについては、Ubersuggestを使用しよう。Ubersuggestに該当のキーワードを入力し、キーワードアイデアのレポートをクリックしよう。

レポート内には、該当のキーワードに関連するロングテールのキーワードが表示されているはずだ。

Ubersuggestで取得したロングテールのキーワードに合わせて記事を修正したり、そうしたトピックを含めたりことで、検索トラフィックの上昇が期待できる。

言い換えれば、すでにビッグキーワードで上位表示されていた場合、ロングテールでの上位表示の可能性も高くなる

適切なキーワードを追加し、記事をアップデートしよう。全ての情報が関連していることを確認し、写真を最新のものに替えよう。マルチメディア(関連する内容のYouYube動画を埋め込むなど)も追加できるのであれば、ユーザーの滞在時間も伸ばすことができるだろう。

最後に、コンテンツをアップデートする場合、ターゲットとしているキーワードで上位表示されている他のページよりも、内容を圧倒することを心がけよう。

上記で説明したUbersuggestのキーワードアイデアのレポートを思い出して欲しい。レポートの右側に、該当のキーワードで上位表示されている他のサイトのリストがあるはずだ。

このリストを見ることで、それぞれの国で現在どのサイトが上位表示されているかを確認することができ、実際にそのWebページを閲覧することもできる。こうしたページよりも優れたページを作成しよう。

ユーザー指標

ユーザー行動は、Googleアルゴリズムの中でも最も大きな要素の一つだ。

古いコンテンツをアップデートした場合、ランキング上昇の手助けのために、ユーザーからのシグナルも最適化したいと思うはずだ。

ユーザー指標改善の良い例として、タイトルタグメタディスクリプションの最適化が挙げられる。

例えば、Googleで検索した全てのユーザーが、1位に表示されているページではなく、2位に表示されているページをクリックした場合、それらの行動指標は2位に表示されているページはより関連性が高いということをGoogleに伝えることになり、結果として2位に表示されているページが1位に表示されるようになるだろう。

実際に、Googleはそうした変更を行っているはずだ。

魅力的な訴求文を作成でき、競合サイト以上に多くのユーザーがクリックしてくれれば、あなたのページが上位に表示されるようになるはずだ。上位表示を実現するためには、下記の2記事を参照して欲しい。

私は何年もタイトルタグとメタディスクリプションのテストを行っているが、下記のようなキーワードを含めるとCTRの増加を手助けすることがわかっている。

  • 〇〇とは何か(What is)
  • 最高の(Best)
  • 驚くべき(Amazing)
  • 【リスト】([lists])
  • 〇〇の方法(How to)
  • 無料(Free)
  • あなた(You)
  • ヒント(Tips)
  • なぜ(Why)
  • トリック(Tricks)
  • 素晴らしい(Great)

Clickflowを使用してメタタグのA/Bテストを行うのも良いだろう。

再度宣伝することをお忘れなく

コンテンツは最新の内容になり、クリックを促すためのメタタグの最適化も完了した。次は、あなたのコンテンツのプロモーションを行おう。

「なぜ、古いコンテンツのプロモーションをするのか。」とお考えの方もいるだろう。

事実上、アップデートしたコンテンツは、もはや古いコンテンツではないのだ。

まずは、公開日、もしくは、最新更新日をWordPressでアップデートしよう。

こうすることで、あなたのコンテンツが更新され、より関連性が高まり、最新の情報になっていることを検索エンジンが知ることができる。

次に、記事のプロモーションを行おう。新しい記事を世界中に共有しない手はないはずだ。

最も簡単な方法は、ソーシャルでの共有だ。通常、私はFacebook、Twitter、LinkedInで共有しているが、あなたが活動しているソーシャルの中で何を選んでもよい。

Googleはソーシャルシグナルを見ていないが、Bingは見ている。加えて、ソーシャル経由であなたのページに訪問したユーザーがリンクを貼ってくれる可能性があり、それはランキングに影響を与えるだろう。

この施策をさらに進めたいのであれば、Meed Edgarをチェックしてみよう。私はこのツールを使用して、古いコンテンツのソーシャル共有のスケジュールを立てている。手動で作業を行う必要はなくなるし、リマインダーも設定しなくてよくなる。

ソーシャルでの共有に加え、あなたのオーディエンスにメールを送付しよう。

トラフィックの早急な獲得と古いコンテンツに新しい息吹を与えるための素晴らしい方法だ。

下記に私が使用しているサンプルを記載するので、参考にしてほしい。

タイトル:全く新しいブログで6ヶ月以内に1万流入を得る方法

仮に、トラフィックを獲得するための100個のすべきことを伝えたところで、あなたは実行してくれないはずだ。

私だってしたくない。することとしては多すぎるからだ。

簡潔に物事を行う精神のもと、これだけ(記事へのリンクを貼る)を行って欲しい。さすれば、1万流入を獲得できるだろう。

こちらに書かれていることを実践しても1万流入を得られなかった場合、無料であなたの手助けをすることを約束する。

そう述べるまでに、私はこの記事に対する自信がある。

ニール・パテル

単純なテキストベースのメールにすれば、開封率は30%上がり、クリック率も6%上昇している。悪くない結果だ。

また、Subscribersのようなツールを使用すれば、プッシュ通知を送ることもできる。下記は私の記事をプッシュ通知した際の結果だ。たった1回のプッシュ通知で7,000流入を追加で獲得できている。

(ホワイトな)リンクビルディングを忘れてはならない

最後のステップは、リンクビルディングだ。Backlinksを使用して、競合の記事へリンクしている人を探し出そう。

競合ページのURLを貼り付け、ドロップダウンメニューから”URL”を選択すれば、該当のページへリンクを貼っているサイトを確認することができる。

これらのサイトに連絡を取り、自身のページへリンクを貼ってくれることを依頼しよう。

最も簡単な方法は、スカイスクレイパー・テクニックを使用することであり、その方法はこちらの記事に記載されている。

参考記事:スカイスクレイパー・テクニック。14日間で検索トラフィックを110%増加させた、リンクビルディングのケーススタディ(SEO Japan)

結論:古いコンテンツのアップデートに時間を費やそう

作成した記事数が150ほどになったら、新しいコンテンツの作成だけでなく、多くの時間を古いコンテンツのアップデートに費やすべきだ。

1,000ページ以上のサイトの場合は、80%以上の時間を古いコンテンツのアップデートに費やしたほうがよい。

古く、廃れたしまったコンテンツのランキングを上昇させるためには、かつては上位表示されていたが、今は上位表示されていないコンテンツから注力すべきだ。

こうしたページをアップデートすれば、1ヶ月~2ヶ月ほどで結果が出てくるだろう。その後、表示回数が高く、CTRが低いコンテンツに着手すればよい。

古いコンテンツのアップデートか、新しい記事の作成か、あなたの時間をどちらに費やすかを判断しよう。

この記事は、NEILPATELに掲載された「How to Rank Your Old, Outdated Content」を翻訳した内容です。

バックリンクの獲得がSEOの最も重要な施策である時期が過ぎた後、コンテンツへの注目が高まり、多くの記事を量産するサイトが散見されました。

しかし、量産された記事の品質は低いことが多く、期待した通りのパフォーマンスにならないケースも多かったと思います。

言うまでもないことですが、現在のSEOではユーザーに目を向ける必要があり、コンテンツの質も向上させなければなりません。新鮮な情報を掲載した記事は重要ですが、過去に作成した記事のアップデートも、品質向上における重要な施策です。

自身のサイトの”資産”を有効活用するため、過去記事のアップデートにはぜひ取り組んでいきましょう。

Googleマイビジネスを最適化し、売上を加速させるための方法

Googleマイビジネスとは、Googleのサービス上でビジネスの情報を掲載し、管理することのできるサービスです。

実店舗を持つ中小ビジネスのデジタルマーケティングにおいて、Googleマイビジネスは非常に重要な施策となるでしょう。ローカルSEOやGoogleマップでの露出にも影響するため、使わない手は無いと言えます。

今回の記事は、Googleマイビジネスの重要性について、アカウント開設の方法から注力すべき機能まで解説したニール・パテル氏の記事をご紹介します。

※注:元の記事が2018年4月公開のものであるため、現在と機能が異なる部分があります。ご了承ください。

数日前、私はとある物を発見し、非常に驚いた。

電話帳だ。

まだ存在していたのか!

実に60%以上のアメリカ人が、ローカルの製品やサービスを調べるために、スマートフォンやタブレットを使用している。そして、その数は上昇する一方だ。

情報は我々の手の届くところにある。

Google検索ですぐに調べられるのに、わざわざ会社の電話番号を電話帳で調べる必要はない。

少し立場を変えてみよう。

同じ状況ではあるが、ビジネスオーナーの立場になって考えてみよう。

  • あなたのユーザーがオンラインであなたのビジネスを調べた際、彼らは何を発見するだろうか。
  • 彼らがあなたのビジネスの電話番号を知りたい場合、すぐに発見できるだろうか。
  • 駐車場の有無を調べたい場合、彼らは簡単にその情報を得られるだろうか。

彼らがWebサイトに訪れる前に、あなたはそれらの情報を彼らに届ける必要がある。

どのようにすればいいのか。

その答えは、Googleマイビジネス(GMB)だ。Googleマイビジネスは、営業時間、レビュー、投稿など、あなたのビジネスに関わる情報を記載することができる。

もちろん、これらの情報はあなたのWebサイトからでも得られるだろう。しかし、Googleマイビジネスにそれらの情報を記載すれば、Google検索、Googleマップ、Google+などを横断してインデックスすることが可能だ。

ユーザーがあなたのビジネスを検索した場合、下記の表示がユーザーを待ち受けている。

また、Googleマイビジネスは、ビジネスについての基本情報を記載する場所というだけではない。

適切に使用すれば、Googleマイビジネスは利益を増やし、ユーザーについての価値ある情報を手にすることができる、強力なツールとなるのだ。

今回の記事ではGoogleマイビジネスの重要性と、より多くの売上を獲得するための最適化の方法を解説したいと思う。

Googleマイビジネスを使う上で、最も多い間違い

まずは現実を直視しよう。Googleは検索を支配している。

Net Marketshare社によれば、あらゆる検索のうち、約80%の検索がGoogleで行われているとのことだ。

一日で35億回の検索が行われているということになる。

しかし、思わぬ落とし穴もある。ユーザーが見ているGoogleの検索結果の1ページ目は、以前とは異なっている。

Google検索のクリック率の調査によると、2ページ目のクリック率が指数関数的に減少していることがわかる。

言い換えれば、ユーザーは自身が必要としているものを検索結果の1ページ目で得ているということだ。

これが、Googleマイビジネスが重要となる理由である。

Googleの1ページ目にあなたのビジネスを表示させる方法は他にもあるが、Googleマイビジネスは非常に重要かつ、簡単に使用することができるツールなのだ。

  • ビジネスについての重要な情報の管理、インデックス、表示
  • 潜在ユーザーとのかかわりと、オンライン上での評判の管理
  • 写真や動画など、ユーザー生成のコンテンツのキュレーション
  • ユーザーがあなたのサイトに辿り着いた経路についての情報

さらに、Googleマイビジネスからのシグナルは、ローカルSEOの戦略で重要な役割を担う。

  • 質問内容:下記の無料で登録できるツールを使用したことがありますか。
  • 回答:Googleマイビジネスの場合、56%が「No」と返答している。

カテゴリ、ビジネスタイトル内のキーワード、距離など、Googleマイビジネスのシグナルが14.7%と最も大きな割合を占めている。

しかし、56%の小売店は、Googleマイビジネスのアカウントを開設していない。

これは驚くべきことだ。なぜなら、Googleの調査によると、「スマートフォンでローカル検索を行ったユーザーの50%が、その日のうちにその店を訪問している」のだから。

Googleマイビジネスを利用するメリットは非常に大きく、アカウント開設も簡単に行える。

まずは、Googleマイビジネスのページにアクセスしよう。
※注:Googleマイビジネスのホームは英語ですが、個別ページは日本語に対応しています。

次に、あなたのビジネスについての基本情報(ビジネス名、住所、電話番号、Webサイト)を入力しよう。

その後、あなたの住所にハガキが届く。そこに書かれているコードを入力することで、アカウントの認証が完了となる。Googleマイビジネスの機能を利用する上で、必要となる作業だ。

会社の情報を追加すれば、ダッシュボードにアクセスでき、その他の情報を記載することができる。

しかし、これで完了ではない。

多くのビジネスがここで間違いを犯してしまう。Googleマイビジネスのアカウントを開設し、簡単な情報を入力した後、放置してしまうのだ。

彼らはお金を机に置いたまま、席を立ってしまっているのだ。

必要なのは、「最適化」である。

アカウントの開設は始まりに過ぎない。Googleマイビジネスを活用する方法は沢山あるのだ。

適切に活用すれば、Googleマイビジネスは売上を増やすことに貢献し、ユーザーのロイヤリティもアップするだろう。

あなたのビジネスの売上を上げるために、必要な最適化の手順を解説しよう。

1.Googleマイビジネスに記載する情報は、正確で、包括的で、最新であるべき

Googleマイビジネスに記載できる情報は複数ある。まずは、核となる情報を記載しよう。

  • ビジネス名
  • 住所
  • 電話番号
  • Webサイト
  • 説明文
  • カテゴリー
  • 属性

Googleマイビジネスはビジネス名、住所、電話番号(いわゆるNAP)の入力を要請する。

これらの情報は、Google検索、Googleマップ、Google+にインデックスされ、ローカルSEOのための土台となる。

ここで記載する情報は、あなたのWebサイトに記載されている情報と合致していなければならない。

それらの情報が”完全に”一致していることを確認すべきだ。

Webサイトにある情報とGoogleマイビジネスにある情報が一致していない場合は、検索順位に悪い影響を与えてしまう。

  • 質問内容:あなたが経験した順位における問題のうち、最もよくある2つの事柄は?
  • 回答:サイテーション、NAP(名前・所在地・電話番号)の不一致が41%と最も高い。
    ※NAP=Name・Address・Phoneの頭文字

住所を入力する際は、Googleマップの座標と正確に一致するようにし、Webサイトに記載されている郵便番号とも一致させる必要がある。

さらに、代表電話やコールセンターの番号とは別に、ローカルの電話番号も記載できればいい。

NAP(名前・所在地・電話番号)を記載した後、非常に重要な2つの情報に着手しよう。カテゴリーと属性だ。

これらの情報を記載することで、ユーザーとGoogleは「あなたがどのようなタイプのビジネスを行っているか」を特定することができるのだ。

カテゴリーと属性を入力する際は、キーワード戦略も考慮したほうが良い(YouTube)。

ただし、注意してほしいことがある。

記載する情報にキーワードを詰め込むことはおすすめしない。

Googleマイビジネスはキーワードの詰め込みを禁止している。Googleは、2016年に、ユーザーがGoogleマイビジネスの説明文を編集する機能を廃止している。そして、より正確な情報を提供するために、属性の機能を導入した。

カテゴリーはあなたのビジネスの領域を特定し、属性はあなたのビジネスやあなたが提供する体験をよりクリアにしてくれる。

自分の会社を正確に分類するため、全部で2,395個あるリストを確認することは、有益な作業と言える。

カテゴリーと属性は特定することが重要だ。例えば、「ネイルサロン」を経営している場合、「化粧品」を選択すべきではない。

属性は、各ビジネスが選択したカテゴリーでは表現できないビジネス内容を、より細かく記載できる機能だ。

  • レストランの場合、中庭やカウンター席はあるか。子連れでも問題ないか。
  • 賃貸住宅の場合、どのような施設が併設されているか。テニスコートやプールはあるか。
  • コーヒーショップの場合、無料Wifiは提供されているか。公共トイレはどうか。

属性を設定することはユーザーの疑問に対する回答である。その結果、ユーザーはあなたのビジネスが提供する内容をより良く理解できるようになる。

基本情報の入力を終えたら、ビジュアル訴求に着手しよう。

あなたのビジネスを探しているユーザーが最初に目にするものはなんだろう。

それは、プロフィールに掲載された画像だ。

写真なしでは、ビジネス情報の入力を完了することはできない。

Synupによる調査では、「写真付きのプロフィールは評判が2倍良くなり、クリック率も35%上昇する」とされている。

Googleマイビジネスは、プロフィール写真、カバー写真、そして動画のアップロードを推奨している。それぞれは下記の目的で表示されることになる。

あなたが作成した高品質なコンテンツ以外に、ユーザーが生成したコンテンツを使用することも可能だ。

誰かがあなたのお店の入り口の素敵な写真を撮ったとしよう。

その写真をプロフィール画像に使用することもできる。「あなたのビジネスにタグ付けされた写真」というオプションから選択できる。

ユーザーが、あなたのビジネスに関する写真を追加してくれれば、ユーザー生成によるコンテンツの豊富なギャラリーを構築することができるだろう。

しかし、ユーザーが彼らの経験を共有する手段は、写真のみとは限らない。

ユーザーは自身の体験談を書くことだってできるのだ。

2.Googleマイビジネスへのレビューを依頼する(そして、そのレビューに対応する)

レビューは、ローカル検索における生命線だ。

非常に簡単な方程式を紹介しよう。

良いレビューの増=売上増。より多くの良いレビューの増=より多くの売上増。

悪いレビューも、あなたにチャンスを与えてくれる存在だ。

ほぼ全ての人が、第三者の意見を好んでいる。90%の人が購入の前にレビューを読む理由はここにある。

しかし、話はそれだけではない。

レビューを検索する頻度は増加傾向にある。2016年の調査では、「53%のユーザーが、月に1回はローカルビジネスの検索を行っている」ということだ。

この数字は、2015年と比較し、10%も上昇している。

  • 質問内容:過去12ヶ月で、ローカルビジネスの発見・検索のためにインターネットを使用した回数をお応えください。
  • 回答:毎月・毎週・一週間に複数回・毎日の回答数を合わせると53%になる。

ユーザーからレビューを獲得するために、何をすべきだろうか。

答えは単純だ。ユーザーにレビューを依頼すればいい。

レビューを依頼することに消極的なサイトもあるが、Googleマイビジネスは積極的に推奨している。また、簡単な手順でユーザーにレビューを記載するためのページへのリンクを送信することができる。

まずは、新しいブラウザのタブで、Googleマップへアクセスしよう。

左上部の検索ボックスで、あなたの会社名を検索しよう。同時に、Googleマイビジネスのダッシュボードに記載されているアドレスと一致していることを確認しよう。

自分のビジネスをクリックした後、左上部のメニューオプションを開こう

「シェア、もしくは、マップの埋め込み」を選択しよう。

「リンクをコピー」をクリックしよう。

このリンクを、Eメールやテキストメッセージで、過去に訪れてくれたユーザーにシェアしよう。

レビューの獲得を始めたら、次に、それらに対応する準備を進めよう。

全てのレビューが対象となる。余すことなく、全てのレビューだ。良いレビューも、悪いレビューも、中立のレビューも。

Googleマイビジネスのダッシュボードを利用して、それぞれのレビューに返信する時間を作ろう。

なぜか。それは、自身が投稿したネガティブなレビューに対しての対応があった場合、44.6%の人が訪問したくなると答えているからだ。

  • 質問内容:ビジネスオーナーがネガティブなレビューに対応している場合、あなたはそのローカルビジネスにどのくらい訪問したくなりますか。
  • 回答:訪問したくなる、との回答は44.6%。

もし、5つ星のレビューを獲得したのであれば、それは、そのユーザーをあなたのビジネスの熱狂的なサポーターへと変える機会を手にしたことになる。

全国規模の企業であれ、ローカルの花屋さんであれ、ユーザーがあなたのブランドとの関わりによって得た経験を把握することは非常に重要なことだ。

もし、ネガティブな内容のレビューを獲得したのであれば、欠点を直す機会を与えられたということだ。ドナトスピザは、オハイオ州のコロンバスの店舗でのレビューを調査し、それをユーザー体験の向上へとつなげている。

もし、中立の3つ星の評価を獲得したのであれば、「どうすればその3つ星を5つ星に変えることができるか」に腐心しよう。

ここまでくれば、カスタマーサービスの領域であると言える。

3.Googleマイビジネスのメッセージを使用し、ユーザーに直接語りかける

GoogleマイビジネスやWebサイトに記載されている内容では欲しい情報が手に入らなかった場合、ユーザーはどのように感じるだろうか。

彼らは、あなたに連絡を取りたいと思うはずだ。それには、どのような方法があるだろうか。

「Googleマイビジネスに記載されている番号に電話をかければよい」と考える人もいるだろう。

しかし、ユーザーは電話することを好んでいないかもしれない。

実際、ある調査では、「90%のリードは、電話ではなくテキストメッセージを好む」という結果が出ている。

マーケティング戦略において、モバイルへのメッセージが非常に効果的であるのは、これが理由だ。

メッセージは、ユーザーのエンゲージメントを高め、売上にも貢献する。

別の調査では、「SMSによるメッセージは、モバイル広告よりもコンバージョン率が高い」という結果が出ている。

表内和訳:「モバイル端末ですぐに商品やサービスを購入する」、「購入するため実店舗に向かう」、「PCやタブレットなど、他のデバイスで商品やサービスを購入する」、「モバイル端末で後ほど商品やサービスを購入する」「予約を取る」「アプリをダウンロードする」の全ての行動において、広告よりもSMSメッセージのほうが高い率となっている。

このような背景を受けて、GoogleはGoogleマイビジネスにメッセージ機能を導入している。

メッセージ機能を利用し、ユーザーと1対1のコミュニケーションを取ろう。質問に答え、コメントに対応し、ユーザーのロイヤリティを向上させるのだ。

Googleマイビジネスのメッセージ機能を使用するには、Googleマイビジネスから直接あなたへSMSを送ることができる設定にする必要がある。

Googleマイビジネスのダッシュボード内の「メッセージを許可する」ボタンをクリックしよう。

次に、使用する電話番号の入力が求められる。

ユーザーは「メッセージ」ボタンをクリックするだけなので、ここで入力した電話番号は公開されるものではないことを覚えておこう。

個人の電話番号を使用したくない場合は、Google Alloを使用するなど、複数の代替手段がある。

電話番号を入力すれば、コードが送付され、番号の認証が求められる。

オン・オフの切り替えでこの機能をコントロールすることができ、必要に応じて電話番号の変更も可能だ。

Googleはあなたの対応時間も計算してくれる。この対応時間は、質問が投稿され、あなたがそれに反応するまでのかかる平均の時間となる。

最後に、「ウェルカムメッセージ」を追加しよう。ユーザーがあなたにメッセージを送付する際、彼らが受信するメッセージ内容となる。

サンプルのメッセージは、「ご連絡いただきまして、ありがとうございます。お客様からのご要望には、迅速な対応を心がけます」といった感じだ。

メッセージ機能の準備はできた。今後、Googleマイビジネスのメッセージボタン経由でユーザーからの質問が送られてくるだろう。

あなたは、テキストメッセージで、それらの質問に直接対応できる。

この機能は、あなたのビジネスとユーザーとの関係をより密接なものにしてくれるだろう。あなたのビジネスはより透明度を持っていると受け止められ、それは、信頼性と売上の増加につながるはずだ。

しかし、このサービスは、情報を積極的に共有しようとするユーザーに対して、有効なサービスである。

Googleは、あなたのビジネスについてのニュースや更新に積極的な興味を持たないユーザーに対するオプションも用意している。

投稿機能がそれにあたる。最適化の方法を探ろう。

4.最新情報をシェアするために投稿機能を活用する

Googleマイビジネスでユーザー生成のコンテンツを管理する方法は上記で説明した。今度は、あなたが作成したコンテンツに注力しよう。

ここで、投稿機能の登場だ。

2017年に、Googleはこの投稿機能を全てのビジネスに開放した。この機能を使用することで、あなたのビジネスについての情報を、様々な形でシェアすることが可能となる。下記に例を挙げてみよう。

  • 複数の商品画像とともに、秋の新作ラインナップを表示する
  • 現在プロモーションに取り組んでいる、近々行われるイベントをアピールする
  • サヨナラホームランを追体験するために、GIFを使用する
  • 直近で会社が成し遂げた功績をテキストで共有する

ブランドのプロモーション施策としては、シアトル・マリナーズが素晴らしい例として挙げられる。

投稿機能はテキスト、写真、GIF、そして下記のようなコールトゥアクションボタンの設置が可能だ。

  • 購入
  • サインアップ
  • 詳細
  • 予約
  • クーポン

Googleマイビジネスのアカウントが認証された後、投稿機能を使用することができる。認証が完了すれば、”投稿”のオプションが、左側のメニューにあらわれるはずだ。

”投稿を作成する”をクリックすれば、テキストと画像が追加できる。

投稿を作成するにあたっては、以下の項目に注意しよう。

  • 1投稿あたり、300単語を記載できる。しかし、コールトゥアクションボタンを表示する場合、デスクトップでもモバイルでも、表示される単語数は60-70となる。
  • コールトゥアクションボタンが表示されていなければ、全てのテキストがモバイルで表示される。
  • 画像は高品質なものを使用すべきだ。Googleは4:3の比率を採用しており、最小サイズは「400px × 300px」となる。※実際は「720px × 720px」のように見受けられます
  • ユーザーに直接語りかけるようにしよう。業界特有の専門用語は避け、ユーザーが興味を持ってくれることを目的としよう。
  • 詳細は後述するが、各投稿の指標をGoogleは提供してくれる。しかし、UTMパラメーターをリンクに設置することはよいアイデアだと言える。

“公開”をクリックすれば、Googleマイビジネスに投稿された内容を確認できる。

準備ができたら、あなたのビジネスを検索した人が投稿を見てくれるのを待とう。

しかし、「ただ待っておけば良い」というものではない。

より短い期間を設定していなければ、投稿は公開後7日間で消えてしまう。そのため、投稿を作成する際には、そのタイミングに特化した内容にすることが重要となる。

適切な戦略を立て、投稿するコンテンツの編集スケジュールを作成しよう。

そうすることで、投稿機能の施策をあなたのマーケティング計画に組み込むことができ、ビジネスへの影響を測定することができるだろう。

5.Googleマイビジネスのインサイトからカスタマーの経路を計測する

他のマーケティング施策と同様、投稿機能の影響を計測することは非常に大事だ。

Googleマイビジネスは、測定機能を備えている。

Googleマイビジネスのインサイト機能では、下記の内容を確認できる。

  • ユーザーがどのようにしてあなたのビジネスを発見したか(ダイレクト検索か、ディスカバリー検索か)
  • Googleのどの場所でユーザーはあなたのビジネスを発見したか(検索か、マップか)
  • Googleマイビジネスの内容でユーザーが取った行動(Webサイトへの訪問、経路のクリック、写真ギャラリーの閲覧、電話をかける)
  • ユーザーが住んでいる場所(経路に関するクエリを元に算出)
  • ユーザーが電話をかけたトータルの回数と時間

最も大事な質問から始めよう。ユーザーはどのようにしてあなたのビジネスを発見したのか。

彼らは2つのタイプの検索を行う。ダイレクト検索ディスカバリー検索だ。

※ダイレクト検索:直接的な検索(指名検索など)
※ディスカバリー検索:間接的な検索(抽象的なワードでの検索)

ダイレクト検索をするユーザーは、すでにあなたの会社について知っていることを意味している。彼らは指名検索などからあなたのビジネスに辿り着いている。

ディスカバリー検索の場合、ビジネスの種類やカテゴリーの検索も含まれており、ビジネス名での検索に限ったものではない。ユーザーがあなたのビジネスに馴染みのない場合に使われる検索方法である。

ユーザーがあなたのビジネスを発見する方法を把握できた。次に、ユーザーは何をしたいのかを理解すべきだ。

  • 彼らはWebサイトを訪問したいのか。
  • 経路を調べたいのか。
  • 電話をかけたいのか。
  • 写真を見たいのか。

UTMパラメーターをリンクに設置することは重要だが、Googleマイビジネスもユーザーの行動についてのレポートを用意している。

ダッシュボードでは、ユーザーが起こしたアクションを計測できる。あなたのGoogleマイビジネスの内容のうち、「どの部分にユーザーが価値を見出しているか」を理解する手助けとなるだろう。

さらに、あなたの競合相手に対するユーザー生成のコンテンツ(特に写真ギャラリー)をベンチマークする機能も備えている。

写真ギャラリーの閲覧数を確認し、競合相手と比較することが可能だ。

これらの情報は全て、ユーザーのコンバージョン経路を計測することに使用でき、あなたのWebサイトを訪問する前にユーザーが取った行動を理解する手段となるだろう。

結論:Googleマイビジネスを活用して、ユーザーに適切な情報提供を行おう

ユーザーがあなたのビジネスを発見する方法は複数ある。しかし、Google検索があなたのWebサイトへの強力な入り口となっていることは疑いようもない。

ユーザーは、あなたを探している。

そんなユーザーに対して、オンラインでの情報提供は十分にできているだろうか。

Googleマイビジネスは、あなたが提供する製品・サービス・体験を求めている潜在ユーザーの目の前に、あなたのビジネスについての情報を提示してくれる。

ローカルSEOへも影響を与える上、レビューや写真を通じてユーザーとのエンゲージメントを獲得する機会を与え、ユーザーのコンバージョン経路についての有益な情報をも与えてくれる。

何より、Googleマイビジネスは無料かつ強力なツールである。使用しない手はないだろう。

Googleマイビジネスのアカウントを開設せず、最適化も行わないということは、高速道路の出口にあなたのレストランの看板を無料で掲載してくれるという提案に対し、「No」と言うようなものだ。

今日から、Googleマイビジネスを開始すべきだろう。

ビジネスにさらなる利益をもたらしてくれるGoogleマイビジネスを、あなたはどのように最適化するだろうか。

この記事は、NEILPATELに掲載された「How to Optimize Google My Business and Leverage It For More Sales」を翻訳した内容です。

記事の内容のように、非常に強力なツールであるGoogleマイビジネス。無料であることもその所以かもしれませんが、重要視されていないサイト運営者も多いのではないでしょうか。

実店舗やローカルSEOに注力しているサイトを持っている場合は、積極的に活用していきましょう。

ローカルSEOのエキスパートに聞いた、Google マイビジネスを活用してローカルSEOを加速させる方法

実店舗を持つビジネスにおいて、地域名を含む検索であるローカルSEOは非常に重要な意味を持ちます。

通常検索はもちろん、Googleマップの検索などでの露出を高めることができれば、自身のビジネスにポジティブな影響を与えるはずです。そうしたローカルSEOにおいて必須となる施策がGoogleマイビジネスの最適化と言えます。

はたして、Googleマイビジネスはどれほど重要な存在なのか。ローカルSEOの権威であるグレッグ・ギフォード氏へのインタビューを記載した、Search Engine Journalの記事をご紹介します。

152回目のSearch Engine Nerdsは、ローカルSEOのエキスパートとして名高い、グレッグ・ギフォード氏へのインタビューをお届けする。

ギフォード氏はGoogleマイビジネスについて語ってくれている。Googleマイビジネスの注目すべき新しい機能や、あなたの助けとなるテクニックなどを披露してくれた。

①今日のローカルSEOにおいて、Googleマイビジネスはどんな位置づけなのか。来年、再来年はどのような立ち位置にいるのだろうか。

グレッグ・ギフォード氏(以下、GG):今日のローカルSEOにおいて、Googleマイビジネスは非常に重要な役割を担っている。ローカルSEOの専門家はマップに表示されるマップパックとその下部に表示される3つの検索結果を特に注目している。

去年末に行われたローカルSEOの調査によると、「マップパックに表示されるための最も大きなシグナルは、Googleマイビジネスの内容に関連している」とのことだ。

ローカライズされた自然検索結果に表示させることはそれほど重要ではないが、それでもなお、重要だ。

ここ半年で、私が各地で公演した内容は、オーディエンスにこう伝えることがメインとなっていた。「ユーザーによるファーストインプレッションは、もはやWebサイトではなく、Googleマイビジネスなのだ」とね。

あなたのGoogleマイビジネスのプロフィール、つまり、あなたのビジネス名やブランド名で検索した際にGoogleの検索結果画面に表示されるナレッジパネルの内容は、新しいホームページと呼ぶにふさわしいものなのだ。

また、様々なカンファレンスで語られている「クリックが発生しない検索」にも関係している。「クリックが発生しない検索」では、ユーザーはあなたのWebサイトへ訪問することがないため、トラフィックやユーザーとの交流が発生しえない。この代表例がGoogleマイビジネスなのだ。

※関連記事:一切クリックされない検索は全体の49%。今後は少数の圧倒的勝者にトラフィックが集中する|SEO Japan

電話番号、住所、経路、写真、ユーザーの声など、かつてはWebサイトでこうした情報を確認していたが、それらの情報は全てGoogleマイビジネスのプロフィールで確認することができるようになっている。

もはやユーザーは、わざわざあなたのWebサイトを訪れる必要がないのだ。

検索エンジンマーケティングにおいて、Googleマイビジネスは今後も重要であり続けるだろうか。

GG:確実に重要だろう。言うまでもなく、Googleはかつてのキーワード対キーワードの検索から脱却することを試みている。現在は、エンティティ基軸の検索プラットホーム(※)と言えるだろう。

※Googleの検索エンジンの技術が、単にキーワード同士のマッチングのような機械的なものではなく、ユーザーニーズへ適合するように進化してきたことを指している。

Googleのデータベースに存在することからも、Googleマイビジネスはエンティティとしての直接的なインターフェイスと言えるのだ。

驚くべきことに、まだ多くのビジネスがGoogleマイビジネスに注力していない。まず必要となる行動は下記の通りだ。

Googleマイビジネスに取り組むことは、ローカル検索で表示される最も重要な要素の一つに取り組むことと同義である。Googleマイビジネスへの注力は疑いようがない。

②WebサイトやSEOに注力する以前に、Googleマイビジネスの内容やレビューに注力すべきだろうか。

GG:それは業界によると思う。私は多くの自動車のディーラーと仕事をしているが、彼らにとってWebサイトは必須となっている。

人生において二番目に大きな買い物をするにあたり、様々な情報をユーザーは必要とする。そのためユーザーはWebサイトを訪れ、彼らが本当に求める商品を探し出すのだ。

しかし、トイレットペーパーを購入する場合、Webサイトは必要とされない。特に音声検索に至っては、「アレクサ、トイレットペーパーを買いたい」と伝えればよい。

別の例として、私の旅行における体験を話したい。私はカンファレンスに出席するために各地を旅しているが、レストランのWebサイトを最後に見たのはいつだっただろうか。

Webサイトを持つレストランは多いが、はたしてどれほどのユーザーがレストランのWebサイトを訪れているだろうか。

なぜなら、ユーザーは検索を行い、そこで表示されるYelpやGoogleの内容を見ればいいのだから。

今ではWebサイトに訪れることなく、検索結果の上部に表示されるGoogleマイビジネスの内容から多くの情報が得られる。メニューを見ることができるし、予約だって可能だ。

そのため、特定の業界において、ユーザーがWebサイトを訪問し内容を確認したいという場合には、Webサイトは必須となる。

しかし、簡単に済ませられる要件がメインである場合は、ユーザーはWebサイトを訪問しない。彼らはGoogleが提供する情報を確認するだけなのだ。

③GoogleマイビジネスとWebサイトの要素の最適化。優先順位はどのようにつければよいか。

GG:業界によるだろう。私は、多くの人が今後もしばらくはWebサイトを保有し続けると思う。

ただ、ユーザーとの関わりはWebサイト以外の場所でも起こっていることを留意すべきだ。そして、その事実がGoogleマイビジネスの重要性を物語っていると言える。

④ユーザーのエンゲージメントにおいて、Googleマイビジネスの核となる機能は何か。

GG:重要な情報は確実に提供すべきだ。つまり、

  • ビジネス名
  • 住所
  • マップでのピン付け
  • 電話番号

これらの情報は、確実に正しく記載すべきだ。

適切なカテゴリを選択する

また、正しいカテゴリを選ぶことも大切だ。あなたのビジネスに関係のあるカテゴリを選ぶことは非常に重要なのだ。

写真のアップロードも忘れないようにしよう。また、確実に必要というわけではないが、動画のアップロードも重要だ。

Googleマイビジネスはレビューが集まる場所でもある。レビューは全てのビジネスが気にかけるべきだ。あなたのビジネスがどう認識されるのか、どこにランクされるのか、といったことだけではなく、顧客があなたのビジネスを訪問するかどうかへも影響を与えるからだ。

マップパックの中で3位に表示されていたとしても、より多くのレビューを獲得しており、スコアも良ければ、多くのユーザーがあなたのWebサイトを訪問したり電話をかけてきたりするだろう。

Q&A機能

また、新しく追加されたQ&A機能についても触れておきたい。多くのビジネスオーナーがその存在すら認識していないが、この情報はトップラインの情報のすぐ下に表示される。

この機能は、コミュニティにいる誰もがあなたのビジネスについて質問することができる。注意すべき点は、コミュニティにいる誰もがその質問に回答できるという点だ。

顧客や潜在顧客から寄せられる質問について、あなたは確実に注意を払う必要がある。

また、ビジネス側ではなく、コミュニティ内の不審者がおかしな回答をする場合だってある。

つまり、GoogleのQ&A機能はカスタマーサービスの領域であり、ビジネスへの評判が集まる場所といえる。細心の注意を払う必要があるだろう。

適切なカテゴリを選んでいないビジネスが多い

GG:カテゴリには10個のスロットがあるが、多くのビジネスが誤ったものを選び、情報を埋めてしまっている。また、本来は選ぶべきではない、異なる業界用のカテゴリも選ぶことができてしまう。

あなたが最初に選ぶ主要カテゴリも大きなウェイトを占めている。そのため、複数のカテゴリに当てはまるビジネスの場合、どのカテゴリに属するか、戦略的に判断する必要がある。

私が先日公開した動画について話してみよう。あなたがフォードのディーラーであり、ダラスのような非常に競争力の高い地域でビジネスを行っていたとする。その場合、主要カテゴリはフォードディーラーを選択すべきだろう。なぜなら、この地域では15~20の別のフォードディーラーと競争しなければならないからだ。

しかし、ワイヨミング州のど真ん中でビジネスを行っているフォードディーラーの場合は状況が異なる。100マイルの範囲の中に別のフォードディーラーは存在しないため、中古車ディーラーを主要カテゴリに選ぶべきだろう。なぜなら、この地域ではあらゆるディーラーと競争する必要があるからだ。

Googleマイビジネスのカテゴリーにおいては、このように複雑な要素が存在する。そのため、重要なこととして覚えておくべきだ。多くのスモールビジネスのオーナーは、マーケティングに精通しているものが近くにいないため、手掛かりすらつかめていない。

⑤Googleマイビジネスへのレビューはどう扱うべきか。

GG:悪い内容のレビューは、その存在が悪である、ということはない。

レビュースコアは4.2~4.5が理想であると、多くの調査が明らかにしている。なぜなら、完璧な5つ星のレビューを獲得した場合、多くのユーザーが、偽のレビューであるという疑いを持つからだ。

完璧な存在などないと、誰もが理解している。そのため、悪いレビューを得ることは悪いことではない。そうしたレビューへの対応が重要となる。

あらゆる人にレビューを求めることを恐れてはならない。私は多くの業界のビジネスオーナーと話をしてきているが、「レビューを求めることはしたくない。悪い内容のレビューが増えてしまうからだ」と述べる者が多い。

レビューを求めることは非常に重要だ。全ての顧客にレビューを求め、彼らがしっかりとレビューを残してくれる環境を整えるべきだ。

ユーザーがGoogleマイビジネスへのレビューを書いてくれるように強制する必要はない。Webサイト内にページを設置すればよいだろう。そして、yourdomain.com/reviewsのように、誰もがわかるURLにすべきだ。そのページには「ご協力ありがとうございます。我々についてあなたがどう感じたか、どうぞお伝え下さい」のようなシンプルなメッセージを記載しよう。

また、レビューを残す場所は複数用意しておくとよい。Google、Facebook、Yelpなど、あなたの業界に関係する全てのレビューサイトを対象とすべきだ。

こうすることでレビューを簡単に依頼することができるし、ユーザーもどこでレビューを書けばよいか、すぐに理解できる。より多くのポジティブなレビューを獲得できるはずだ。

⑥多くの人が注目していない、隠れた宝石のようなものが、Googleマイビジネスの要素に存在するだろうか。

GG:GoogleポストQ&A機能がそれにあたるだろう。比較的新しい機能であり、競争相手から目立つために重要な機能と言える。

Googleポストとは、短文が投稿できる機能であり、プロフィールの下部にサムネイル画像として表示される。ユーザーがクリックすると拡大されるため、より多くのテキストメッセージを書き込める。

全てのビジネスに対し、最低でも週に1回は投稿することを勧めている。Googleポストは7日間表示され、その後、表示が消えてしまうからだ。

Q&Aについてはすでに述べた通りだ。トップラインの情報のすぐ下に表示され、自身の質問を投稿することができる。

Podcastなどの情報まとめ

グレッグ氏のプレゼンテーションはSlideShareから確認できる(英語)。

Search Engine Nerdsのグレッグ・ギフォード氏のポッドキャストを聞くには

  • 完全版はこちらから視聴できる
  • iTunesでのサブスクライブはこちら
  • Search Engine Nerdsが新しいエピソードを投稿した際にメールを受け取れるようにIFTTTに登録する
  • Stitcherや、Overcastで視聴する

過去のエピソードはこちら

この記事は、SearchEngineJournalに掲載された「Boosting Local SEO with Google My Business [PODCAST]」を翻訳した内容です。

Googleマイビジネスの機能や検索結果のレイアウトなど、ローカルSEOはいろいろと変化が激しい領域です。

常に最新の情報をキャッチアップすることは難しいですが、Googleマイビジネスの重要性は、不変であると言えるでしょう。また、いろいろと変化を加えているということは、Googleも特に注力している領域と解釈できるかもしれません。

実店舗を持っているなど、ローカルSEOを重視する必要のあるビジネスでは、Googleマイビジネスの活用が必須となることでしょう。

Googleが「検索結果をシェア可能にする機能」をテスト中

Googleは絶えず新しいUIをテストしています。大きな変更もあれば、その逆もまた然りです。
今回は、どうやら「検索結果をシェアできるようにする機能」のテスト中とのこと。
本実装されるかはまだわかりませんがが、頭の片隅に留めておくと良いかもしれません。

Googleは、また検索結果の新機能をテストしている。

何人かがTwitterで、Google検索結果の共有を可能にする機能のスクリーンショットを共有している。

この新機能には、「共有・キャッシュ・新しいウィンドウで開く」の3つのアイコンがある。

シェア機能のイメージ

以下がTwitterで見つけたスクリーンショットである。

シェア機能の使い方

シェア機能のベータテストが行われている場合、検索結果の右上にある3つの点をクリックすることでアクセスできる。

Googleは絶えず新しいユーザーインターフェイスをテストしているため、運が良ければこのGoogleのテストに参加することができるだろう。

シェア機能の何に注目すべきか

Googleは長年にわたり、Google+やその他の方法で検索結果のシェアを試みてきた。これはGoogleによる再試行である。

この新機能がローンチされるかどうか、断言はできない。

また、この新機能は、ユーザーが「検索する」以外の形で検索結果にアクセスする手段となることだろう。

Googleの検索結果のインターフェイスが変わると、Webサイトへの流入に影響が及ぶ可能性がある。

ただ、これはテスト段階にあるようにみえるが、それでも流入に大きな影響を及ぼすインターフェイスとなるようには思えない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google may be testing shareable search results snippets」を翻訳した内容です。

Googleは「検索結果をシェアできるようになる新機能」のテスト中とのことでした。
日々検索結果(SERPs)を眺めていると、様々な発見がありますが、「シェア機能」はありそうでなかった新しい切り口になります(Google+はありましたが)。

若い人ほど、TwitterやInstagramなどのSNSで検索する傾向が強くなっているようですが、この新機能はGoogle検索の利用者をさらに増やす一手となるのでしょうか。今後の動向が気になる記事でした。

Googleの品質評価ガイドラインは、検索ランキングの仕組みを解説したものなのか?

Googleが公表し、度々更新されている品質評価ガイドライン。Googleの「Webサイトの品質」に対する考えを読み解くことができるものであり、SEO担当者以外でも目を通された方は多いと思います。

非常に重要な資料であることは間違いないのですが、「読むとGoogleのアルゴリズムの中身がわかる」や「順位をあげるための方法が書かれている」といった資料ではありません。

では、我々は「品質評価ガイドラインをどのようにとらえるべきか」「サイト運営にどう活かすべきか」、これらを解説したSearch Enjine Journalの記事を紹介させていただきます。

※参考:Google 品質評価ガイドライン解説(2019年5月版)|電通デジタル

昨今のSEO業界では、Googleのコアアルゴリズムへの答えを、品質評価ガイドラインの中から見出そうとする動きが見られる。

果たして、品質評価ガイドラインには、Googleのアルゴリズムを把握する手がかりが書かれているのだろうか。もしくは、それはサードパーティの品質評価者へ、Webサイトを評価する方法を教えるためのマニュアルに過ぎないのだろうか

品質評価ガイドラインはE-A-T(Expertise:専門性、Authority:権威性、Trustworthiness:信頼性)という概念が記された文章である。SEO業界にいる者には、「専門性・権威性・信頼性」が欠けていることが、特定のWebサイトにおけるトラフィックの減少の理由であると信じている者がいる。

E-A-Tを満たすサイトへの評価

Googleが専門性、権威性、信頼性のあるサイトに良い順位を与えているという考えは、決して非論理的な考え方ではない。

E-A-Tが欠けているサイトは、Googleのアップデートによってネガティブな影響を受ける可能性がある。

品質評価者と著者の経歴

品質評価ガイドラインは、品質評価者に対し、コンテンツの著者が専門家であることを確かめるため、著者の経歴を確認することを求めている(資格を保有しているか、受領歴はあるか など)。その理由は、「品質評価者がコンテンツの著者の信頼性を確認する方法を理解してほしい」と、Googleが望んでいるからだ。

SEO業界にいる者は、著者の経歴を強力なランキングシグナル(指標)として扱うこともある。Googleのウェブマスターヘルプフォーラムを覗けば、著者の経歴の欠如をサイトの順位下落の要因としているSEO担当者を発見できる。

著者の経歴と信頼性を強力なランキングシグナルとして認識し、「これらのシグナルが欠けていることがランキングの下降を引き起こしている」とするSEO担当者がいるのだ。

Google検索のトップは品質評価ガイドラインをどのように説明しているか

Google検索のトップであるベン・ゴメス氏は、「品質評価ガイドラインはランキングを生成するアルゴリズムについて書かれているものではなく、Googelが望む検索結果になっているかどうか、人間の評価者からのフィードバックを得ることが目的だ」と述べている。彼は、品質評価ガイドラインを読むことを時間の無駄とは思ってはいないが、他にも考えるべきことがあるとも述べている。

Google検索のヴァイス・プレジデントであるベン・ゴメス氏のCNBCによるインタビューについて、ビル・スラウスキ氏がTwitterで言及している。ベン・ゴメス氏は、「品質評価ガイドラインは、Googleのアルゴリズムを説明したものではない」と述べている。

Googleのヴァイス・プレジデントが語った内容

「品質評価ガイドラインは、我々が”検索アルゴリズムをどうしていきたいか”を示したものとみなすことができる。」とGoogle検索、アシスタント、ニュースのヴァイス・プレジデントがCNBCに語っている。「品質評価ガイドラインは、検索エンジンのアルゴリズムがどのようにして検索結果を順位づけしているか、については書かれていない。基本的には、アルゴリズムがすべきことを示した内容となっている。」

ベン・ゴメス氏のインタビューはこちらで読むことができる。

品質評価ガイドラインはランキングシグナルを説明していない

品質評価ガイドラインは、アルゴリズムの実験をレビューする方法を、品質評価者に指南するためのドキュメントとして存在している。

品質評価ガイドラインには、ランキングシグナルを解説する内容は記されていない。非専門家へ、Webサイトをレビューする方法を伝えている。それだけだ。

品質評価ガイドラインは、評価方法を伝えているもの

アルゴリズムを分析するために品質評価ガイドラインを使用することは、間違った使い方である。

品質評価ガイドラインは、「Googleが高品質なWebサイトをどのように説明しているか」について書かれているのである。

品質評価ガイドラインには、ランキングシグナルやGoogleのアルゴリズムの要素については書かれていない。つまり、Wikipedia、ニュースサイト、Yelpのようなレビューサイトなどを確認するよう、品質評価者に求めていたとしても、Googleがそれらをランキングシグナルとして使用しているわけではない。

「Googleのアルゴリズムの変更が機能しているかどうか」を評価する目的で、サイト品質の確認を、品質評価者に求めていることを意味しているのだ。Googleが、品質評価者の直感ではなく、公平な視点による評価を求めることは、非常に理にかなったことである。

おそらく、これが、Googleが品質評価者に該当のサイトや著者が信頼に値するかを見極めるために、第三者視点での評価を依頼している理由だ。評価者の主観的な判断より、よっぽど強固な証拠となるからだ。

品質評価ガイドラインは、SEOのバイブルではない

品質評価ガイドラインは、検索エンジンのアルゴリズムの仕組みを示す内容を提供しているわけではない。

Googleのアルゴリズムを理解する目的でこのドキュメントを使用することは、誤ったことである。品質評価ガイドラインをもとにアルゴリズムを読み解こうとすると、間違った結論を導き出してしまうだろう。

品質評価ガイドラインは、高品質なWebサイトを作成する手助けとなるアイデアを含んでいる。しかし、特定のランキングシグナルについての説明は記述されていない。

品質評価者への最適化は不要である

品質評価ガイドラインを読んだことのある者は多いだろう。

そして、「品質評価者やGoogleが自身のサイトをどのように評価するのか」と、不安を覚える者もいる。そのため、彼らは品質評価ガイドラインに書かれている内容に従うことで、”品質評価者に対して”サイトを最適化しようとしている。

しかし、アルゴリズムの向かっている方向と、品質評価ガイドラインの目的は、必ずしも一致しない。

ジョン・ミュラー氏も品質評価者の役割について、以下のとおりに説明している。

Googleのチームがアルゴリズムに改善を加えた場合、その改善結果をテストする。品質評価者は、そのテストの手助けをしてくれているのだ。

我々は品質評価者へ、改善が行われた場合と行われなかった場合の検索結果ページのリストを渡す。そして、彼らにそれらの検索結果を見てもらい、どちらの検索結果が良いか、理由を添えて判断してもらっている。

その判断の手助けとなるために、我々は品質評価ガイドラインを作成しているのだ。

品質評価ガイドラインは、品質評価者が検索結果を評価する手助けとなるために存在している。特定のランキングシグナルについて言及しているわけではない。

品質評価者は、ランキングに直接的な影響を与えていない

品質評価者による評価は、「特定のサイトのランキングに対し、直接の影響を与えていない」と、ジョン・ミュラー氏は述べている。

その理由は、品質評価者はGoogleのアルゴリズムを評価しているのであって、特定のWebサイトを評価しているわけではないからだ。彼らがWebサイトを確認する目的は、「アルゴリズムの変更がどの程度うまくいっているか」を評価するためである。

ジョン・ミュラー氏の説明

品質評価による評価がただちにあなたのサイトや特定のサイトに対し影響を与えることはない。

彼らに対し、なにか対策をする必要はないのだ。品質評価者への最適化は必要ない。

我々は、各Webページの関連性を理解するため、Web全体を自動的、アルゴリズム的に評価したいと考えている。品質評価者は、そうした我々のアルゴリズムの改善の手助けをしてくれているのだ。

品質評価者の仕事は、ランキングとは独立している

「我々は品質評価者に特定のページの評価を求めているが、そのことに対し、サイト運営者が危惧することはない」とジョン・ミュラー氏は述べている。

品質評価者があなたのサイトの特定のページを評価しているのか、また、彼らは何をしているのか、ということについて心配する必要はない。

なぜなら、品質評価者が行っていることは、Webサイトを順位づけすることと、完全に独立しているものだからだ。

Googleに関する特許や論文を調査する

Googleのアルゴリズムの内部を考察するのであれば、特許や論文を参考にしたほうがよい。検索エンジンや大学は、彼らの発見を守るため、特許を申請している。Googleは、スタンフォード大学などと同様、多くの論文を公表している。マイクロソフトも同様だ。

特許や論文内にある検索エンジンが使用しているテクノロジーの理解に苦しむ人は多いだろう。それらは簡単に理解できるものではなく、論文に書かれているテクノロジーが実際に使用されているかどうかもわからない。

しかし、論文が公表されたという事実は、「ランキングシグナルとして実際に使用されるかもしれない」という仮説として捉えることもできる。論文の存在は、ただの仮説をアップグレードすることにつながるし、実際にその技術が使用されることだってありえるのだ。

検索エンジンの特許

特許や論文の探し方がわからない場合は、ビル・スラウスキ氏のSEO by the Seaを読むといい。何か新しい特許があれば、彼が記事を書いてくれるだろう。

SEOの都市伝説と真実

品質評価ガイドラインに関連した多くの理論は、特許や論文の内容に基づいたものではない。

例えば、「著者の経歴が強力なランキングシグナルであり、サイトの順位下落の要因として十分な要素である」という理論は、論文や特許の内容に基づいたものではない。

明確な根拠のないランキングシグナルを信じるということは、この地球が平であると信ずるものと同じ領域にいると考えられる。これは都市伝説のようなものであって、事実や根拠に基づくものではないのだ。

品質評価ガイドラインに記載されていることが、必ずしもランキングの基準であるとは限らない。

※ジョン・ミュラー氏による、品質評価ガイドラインの説明の動画はこちら(https://www.youtube.com/watch?v=MD6ABXMMuaI&feature=youtu.be&t=707)から視聴できる。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Quality Raters Guidelines and Google Ranking Signals」を翻訳した内容です。

品質評価ガイドラインは、かつては非公表(それでもリークされていましたが・・・)でしたが、現在は誰でも閲覧できるようになり、非常にオープンな資料となっています。それに伴い注目度も増している感がありますが、それゆえ、「品質評価ガイドラインを読めば、検索結果での順位を上げることができる」と考える方も増えているかもしれません。

記事では、しつこいくらいに「品質評価ガイドラインとランキングに直接の関係はない」と述べていますが、大事なことなので繰り返し強調しているといった意図を感じます。

品質評価ガイドラインは非常にボリューミー(しかも英語)な資料であるため、しっかりと読み込んだにもかかわらず、誤った理解をしてしまうと非常にもったいないです。Webサイトの状況によって異なりますが、適切な理解をもって活用するべきでしょう。

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SEO Japan|note

【実験】新しいコンテンツをいち早くGoogleで上位表示させるためにすべきこと

新しく作成したコンテンツが素早くインデックスされれば、その分検索からの流入機会も増加するため、SEOの施策としては非常に重要です。

Googleにインデックスされるために必要な施策は複数考えられますが、その中で最も効果的な施策は何でしょうか。

結論から申し上げると、「考えられるあらゆる施策を行うべき」となりますが、個別の施策の効果を検証することで、よりその重要性が理解できると思います。今回の記事はニールパテル氏が実際に行った検証実験の結果という非常に興味深い内容となっています。要注目です。

 

私が特定のトピックでブログ記事を書くと、何が起きるだろうか?

大抵の場合、コンテンツを公開した日と同じ日にGoogleにインデックスされ、1週間以内で上位表示される。

上記画像で確認いただけるが、私のサイトのドメインスコアは94であり、633,791本の被リンクを獲得している。(自身のサイトのドメインスコアと被リンクの本数に興味があれば、被リンクチェックツールにあなたのサイトのURLを入力して確認してほしい。)

しかし、私のサイトほどドメインスコアが高くなく、被リンク数が少ないサイトの場合、どういったことが起こるだろうか?

インデックスされるまでの期間が長く、思ったほど上位に表示されない可能性もある。

しかし、この状況を変えることもできるはずだ。しかも、時間がかかり多くの労力が必要とされるリンクビルディングを手法として数えることなく。

そこで私は、ドメインスコアが高くなく、被リンク数が少ないサイトにおける、最も理想的な施策を探し出すため、ちょっとした実験を行うことにした。

5ヶ月ほど前、私のメールリストの一部を利用し、私の実験に参加してくれるメンバーを募った。

ご想像の通り、数千ものWebサイトのオーナーが参加してくれることとなった。その中から、効果的な実験を行うため、ドメインスコアが30未満かつ、被リンク数が40本未満というサイトを対象とした。

こうしたサイトで新しく作成したコンテンツの順位を上げることができれば、非常に良い結果が生まれたと言えるだろう。

さらに、「domain.wordpress.com」のような、サブドメインを使用しているサイトも対象外とした。

こうした基準で選考すると、983サイトが対象となった。そのうち、347サイトが返信がなかったり、実験期間の関係上辞退したりして、最終的には636サイトが実験に参加することになった。

コンテンツをGoogleにすばやくインデックスさせるための実験

実験に参加してくれるすべてのサイトに対し、コンテンツを1つ作成するよう、依頼した。コンテンツの内容や書き方などの注文はしていない。1,800~2,000単語の記事を書くことを依頼しただけだ。

記事の長さについては厳格に規定した。自然にキーワードが含まれる十分な長さを想定したためだ。また、10,000単語以上の非常に長いコンテンツを書いた場合、上位表示されるキーワード数が多くなってしまう可能性が高まることを防ぎたかったためだ。

それぞれのサイトに30日以内にコンテンツを作成し、公開してくれるように依頼した。コンテンツの公開後、30日以内にUbersuggestを使用して、該当の記事のURLを調査している。TOP100、50、10以内に、どのくらいの数のキーワードで順位づけされているかを確認するためだ。

同様の調査を、コンテンツの公開から60日後にも行っている。大きな変化があるかを確認するためだ。

現在、Ubersuggestのデータベースには1,459,103,429キーワードの情報が格納されている。これらのデータは世界中から集められたもの(月間の検索ボリュームが10程度のキーワードも多く含まれている)であるが、今回の実験では、英語サイトのみを対象としている。

全サイトは9つのグループに分けられ、それぞれのグループに大体70サイトを割りあてている。その施策が順位上昇に影響があるかを見極めるため、それぞれのグループに行う施策は1つのみとした。

各グループの内訳は以下のとおりだ。

1.コントロールグループ

このグループでは、コンテンツの作成以外の施策は行っていない。その他のグループに行った施策と比較するためだ。

2.サイトマップグループ

このグループに所属しているすべてのサイトにサイトマップを作成する。サイトマップに公開した記事のURLを記載し、サーチコンソールからの送信も行う。

3.内部リンクグループ

以前公開された記事から今回公開した記事に対し、内部リンクを3本追加した。

4.URL検査グループ

サーチコンソールから特定のURLへのクロールとインデックスをGoogleにリクエストすることができる。「URL検査」と呼ばれる機能であるが、このグループに所属している記事からのリクエストを送信している。

5.ソーシャルシェアグループ

Facebook、Twitter、LinkedIn、Pinterest、Redditでプロモーションを行った。

6.Chromeでの検索グループ

Chromeブラウザのアドレスバーに直接該当のURLを入力し、そのサイトを検索することを40名の方々に依頼した。デスクトップとモバイルの両方を対象としている。

このグループを追加した目的は、Chromeブラウザからの訪問がランキングに影響を与えるかを調べてみたかったためだ。

7.メタタググループ

このグループに所属しているすべてのサイトに対し、私のチームがタイトルタグとメタディスクリプションを最適化した。それぞれの記事の内容にあわせて最適化を行ったが、キーワードを含めるだけでなく、よりクリックされるような表現に注力している。

8.URLの最適化グループ

キーワードを含めるよう、また、50文字以内の長さにするよう、URLを最適化した。

9.全施策グループ

上記で説明したすべての施策を、このグループに所属しているサイトに対し、行った。

結果データの分析に入る前に、注意事項を伝えておきたい。

我々は特定のグループの施策が、他の施策に影響を受けないよう、最大限の考慮をしている。例えば、サイトマップのグループに所属していないサイトへは、サーチコンソールから既存のサイトマップを削除している。

実験結果

①コントロールグループ

ドメインスコアが30以下のサイトが1ヶ月、2ヶ月でGoogleにランクインしたキーワード数はどれくらいだろうか?

このグループに対しては何の施策も行っていない

  • 縦軸:キーワード数
  • 横軸:順位
  • オレンジ:記事が公開されてから30日後
  • グリーン:記事が公開されてから60日後

被リンクがほとんどなく、ドメインスコアも低いサイトが順位づけられるキーワード数はどれくらいあるだろうか。私はその数にショックを受けた。

しかし、時間が経つにつれ順位づけられるキーワード数が増えることについては驚きではなかった。オレンジの線はコンテンツの公開から30日後、また、グリーンの線は60日後の順位付けられたキーワード数を表している。

②サイトマップグループ

XMLサイトマップの必要性はご存知だろう。ドメインスコアが低い場合はなおさらだ。少なくとも、データではそう示されている。

記事はサイトマップに記載され、サーチコンソールで送信されている

被リンク数が少なく、ドメインスコアも低い場合、Googleはあなたが望むほど頻繁にクロールしてくれないかもしれない。

しかし、サイトマップを送信することで、インデックスまでのプロセスを加速させることができる。あなたのサイトが特定のキーワードで順位づけされるまでの期間を短縮することができるのだ。

③内部リンクグループ

リンク、リンク、そして、リンク。全てのサイトが高順位を獲得するために必要なものだ。理想を言えば、外部サイトからのリンクが望まれるが、それらを獲得するのは困難だ。そのため、我々は内部リンクが順位に与える影響を調べることにした。

古いコンテンツから新しいコンテンツに内部リンクを追加することで、新しいコンテンツがより早くインデックスされる手助けとなり、順位にも好影響を与える。

特に、新しいコンテンツとの関連性があり、すでに順位づけされているコンテンツからの内部リンクは効果的である。

新しいコンテンツへ3本の内部リンクを設置している

内部リンクを3本設置した記事は、XMLサイトマップを送信しただけの場合と比べ、1ページ目に表示されるキーワード数が多かった。

④URL検査グループ

サーチコンソールのURL検査ツールは、コンテンツを素早くインデックスさせるための簡単な方法だ。

サーチコンソールにログインし、ページ上部の検索バーに該当の記事のURLを入力する。すると、下記の画面が表示されるだろう。

「インデックス登録をリクエスト」のボタンをクリックすれば完了だ。

このグループに所属する記事はサーチコンソールから手動でインデックス登録をリクエストされている

URL検査の施策は、サイトマップの施策と似た結果となった。

⑤ソーシャルシェアグループ

私のサイトで起こる現象だが、新しいコンテンツを作成し、それがソーシャルでバズった場合、Googleでの順位も急上昇する傾向がある。少なくとも、非常に短い期間においては。

しかし、数週間後、その記事の順位は落ちる傾向にある。

私のサイトの場合、十分なサンプルサイズとは言えず、また、順位が短期間で急上昇する理由は多くある。

それでも、ソーシャルシェアが順位に与える影響を見ることは、非常に興味深い。

このグループに属する記事は、Facebook、Twitter、Linkedin、Pinterest、Redditのプロモーション施策が行われている。

コントロールグループと比べ、ソーシャルシェアグループの順位状況は良かった。しかし、私のサイト(NeilPatel.com)と同様、順位が伸び続けるのではなく、2ヶ月目に順位が下降する傾向にあった。

ソーシャルシェアによる順位への直接的な影響はないかもしれない。

しかし、より多くのユーザーにコンテンツを見てもらうことで、被リンクを獲得するチャンス、ブランド名検索の増加、ロイヤリティの上昇機会、などが増加する可能性がある。

⑥Chromeでの検索グループ

Googleは、Google AnalyticsとChromeのデータを順位付けに使用している、と主張する者は多くいる。

しかし、今回の実験では、それを証明することはできなかった。

ランダムで選んだ40人のユーザーへ、該当の記事をChromeで直接検索することを依頼した。ユーザーには、該当の記事以外の記事をクリックをし、少なくとも2分間滞在することを依頼し、この施策を1週間続けた。

40人のユーザーによって、該当の記事URLをChromeブラウザで検索してもらう

順位状況はコントロールグループとほぼ一緒だった。

⑦メタタググループ

内部リンクのグループと非常に似た結果となった。そして、2ヶ月後の順位は他のグループよりも良かった。

タイトルとディスクリプションの内容にキーワードが含まれていて、クリックを訴求する内容に最適化する

ユーザー行動に関連する指標はGoogleのアルゴリズムの重要な箇所である。競争力のあるタイトルとディスクリプションを作成できれば、クリック率の上昇が見られ、最終的には順位上昇も期待できるだろう。

メタタグの改善によって順位を上昇させたいのであれば、正しいキーワードを含めるだけでは不十分である。

クリック率を増加させる内容にする必要があるが、それについては、「新規コンテンツの作成とリンクビルディング以外で上位表示を加速させる方法(英語記事)」を参照してほしい。

⑧URLの最適化グループ

こちらのグループは、URLの長さがGoogleの順位に影響を与えるかを調べることを目的としている。

URLを50文字程度にし、キーワードを含める

上記のデータを見る限り、URLの最適化も順位に影響を与えていそうだ。内部リンクやメタタグの施策ほどではないが、影響自体はあることがうかがえる。

SEOフレンドリーなURL(https://neilpatel.com/blog/seo-urls/)を作成するコツは、1つか2つのキーワードを含め、短いURLにすることだ。

下記のような、長く、説明しすぎなURLにするべきでない。

「neilpatel.com/blog/how-to-optimize-your-meta-tags-for-search-engines」
*検索エンジンのためにメタタグを最適化する方法

こうしたURLは、超ロングテールでの順位が良くなるが、よりビッグなキーワード(上記の例では「メタタグ」など)の順位状況は芳しくない傾向がある。ビッグキーワードで上位表示を狙うのであれば、下記のようなシンプルなURLが好ましい。

「neilpatel.com/blog/meta-tags/」

短いURLの利点は、ビッグキーワードでもロングテールでも上位表示しやすいことだ。

結論(⑨すべての施策を行ったグループ)

今回の調査でわかったことは、メタタグ、URL内部リンク、ソーシャルシェア、サイトマップなど、小さな施策でも順位への影響は確認できるということだ。

しかし、特に新しいコンテンツでの上位表示を狙うのであれば、今回の施策のうちの1つを行えばよいというわけではなく、全ての施策を行うことが重要になる。

今回の調査で行った全ての施策を行うグループ

上記のグラフで示されている通り、全ての施策を行ったグループの順位状況が一番良かった。もちろん、XMLサイトマップとURL検査のように、効果が重複してしまう施策もあるが。

また、全ての施策を行ったとしても、劇的に順位状況を改善できるものでもない。SEOは非常に競合性が高く、あらゆる小さな施策を積み重ねていくものなのだ。

新しいコンテンツと古いコンテンツの両方で順位を改善させたいのであれば、あらゆる施策を行うことが必要だ。

今回の調査で行った施策の中に、画期的な施策は含まれていない。

しかし、それぞれのデータを見て、どの施策が順位に与える影響を確認することは非常に興味深い。

今回の調査について、あなたはどう思うだろうか?

この記事は、Neil patel.comに掲載された「How to Rank New Content Faster」を翻訳した内容です。

記事で言及されている「SEOは非常に競合性が高く、あらゆる小さな施策を積み重ねていくものなのだ。」という箇所が全てを物語っていると感じます。

かつては、SEO施策の中でも明らかに効果があるものが存在し、そちらに注力する傾向がありましたが、今はそうはいきません。考えつく限りの、あらゆる施策を行う重要性を改めて実感できる記事でした。