Googleが独自の画像フォーマットWebPをChrome Web Storeでも使用

Webp_logo_Webp

Googleは、Webを速くするためなら何でもやる。Webページの送信量の半分以上が画像データだから、同社は数年前から独自の画像フォーマットWebPの開発に取り組んできた。Googleによると、画像データは、WebPによって、これまで多く使われていたPNGフォーマットよりも相当小さくなる。2011年にはこの新フォーマットをChromeやPicasa、Gmailなどで使い始めたが、今日(米国時間2/7)はそれを、Chrome Web Storeでも使う、と発表した

もちろんChrome Web Storeは、WebPにとって恰好の場所だ。ここのユーザは全員がChromeを使っているだろうから。そのほかのブラウザでWebPをサポートしているのは、今のところOperaだけだ。

webp_chrome_store

しかしもっと一般的にデベロッパやベンダたちからサポートされたいGoogleは、今日のブログ記事で、“WebPの圧縮率はこれまでのレガシーの画像フォーマットに比べて相当良い、多くの場合、圧縮後のファイルサイズが35%小さい”、とうったえている。そしてChrome Web Storeでは、宣伝用の大きなPNG画像がWebP化により約30%小さくなった、と言っている。このサイトの今の利用状況から計算すると、インターネット上の伝送量の節約は、一日あたり数テラバイトに達するそうだ。

そのため、Webページをロードする時間がこれまでより1/3近く短縮される。もちろん、Googleのねらいはそこにある。(一定時間内の広告表示数が増える。)

Googleは、デベロッパたちがWebPを前向きに検討してくれることを切望している(今のところあまり人気がない)。かなりの数の画像エディタがこのフォーマットをサポートしているが、まだまだWeb上の一般的な普及にはほど遠い。今Web上で人気トップの画像フォーマットはPNG、そして次位は古顔のGraphics Interchange Format(GIF)だ*。〔*: 円形や角丸のボタンなどを表示できないjpegは、数量的には少ない。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

短時間でも悲惨。Facebook Connectが多くのウェブサイトを中断させた

まったく困ったものだ。

AllThingsDをはじめ数々のサイトが報じたように、今日(米国時間2/7)の午後Facebook Connectの不具合によって、Huffington Post、Salon、MSNBC.com、CNN、Yelp、その他多くのサイトが深刻な事態に見舞われた。

どうやら、Facebookにログインした状態のユーザーがそれらのサイトを訪れると、Facebook.comにリダイレクトされエラーメッセージが表示されたようだ。Facebookをログアウトすれば解決する。

問題は迅速に修正され、Facebook広報が私宛に次の声明を送ってきた。「短い時間、Facebookにログイン中のユーザーがサードパーティーのサイトからFacebook.comへリダイレクトされるバグが発生しました。問題は直ちに修正され、Facebook経由のログインは通常どおり機能しています」

状況は解決したように見えるが、多くのパブリッシャーがFacebook Connect統合への不安を募らしたのではないかと私は思っている。一両日中にFacebookからさらに詳細な説明と謝罪がないようであれば、驚きである。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

ABI調査:AndroidおよびAppleの2社寡占に風穴は空くのか? 2013年14億台中Windows Phoneが4500万、BlackBerry 10は2000万ほどの見込み

Huawei Windows Phone 8今年はAndroid + iPhoneによる寡占状況に変化があるかもしれない。市場調査を行なっているABI Researchのレポートだ。レポートによると、スマートフォン市場全体でGoogleが57%を占め、AppleのiOSが5分の1ほど(21%)となるそうだ。両者を合わせたシェアは78%ということになる(Strategy Analyticsによると、昨年第4四半期では両者で92%のシェアを握っていた)。

もちろん78%が大きなシェアであることは言うまでもない。Windows Phone 8のMicrosoftや、BlackBerry 10のBlackBerryもそれぞれ数百万単位のデバイスを販売することとなると思われるが、シェアで見ると1桁のシェアに留まることになろう。Windows Phoneの方は3%、BlackBerry 10の方がさらにその半分と予測されている。

利用台数をもう少し詳しく見ると、Windows Phoneが4500万台でBlackBerry 10が2000万台だとしている。ABI ResearchのアナリストであるAapo Markkanen曰く「2013年はMicrosoftとBlackBerryも、若干の成長を遂げることになるのではないでしょうか」とのこと。2013年末時点でのスマートフォン台数は全体で14億台になると見込んでおり、Androidが8億台、iOSが3億台を占めることになりそうだとのこと。MicrosoftおよびBlackBerryの入り込む余地も残されているわけだ。

もちろん薔薇色の未来というわけではない。ABIで企業部門のディレクターを務めるDan Shey曰く、BlackBerryは企業と消費者の双方に対して強くアピールしていく必要があるとのこと。「BlackBerryとしては企業ユーザーをメインターゲットとして想定しています。しかしコンシューマー側からの支持も必要となるでしょう。Android、Apple、そしてWindows Phoneとの戦いに勝ち残って、個人利用者にもBB10を選択してもらう必要があります。そうでなければ昨今のBYOD(Bring your own device)傾向の中を勝ち残っていくのは厳しくなります」ということだ。

タブレットについてみると、ABIは2億6800万台が利用されることになるだろうと予測している。そのうち62%がiOS搭載機で、28%がAndroidになりそうだとのことだ。Windowsを搭載したものも、年末時点で550万台の普及が見込まれるとのこと。

ABIは、対2012年比でスマートフォンは44%の成長となり、タブレットの方は125%の成長を達成する見込みだとのこと。各種データはこちらで詳しく見ることが出来る。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

LibreOffice 4.0がOffice 365難民を助けるべくリリース

LibreOffice 4.0

オフィススイートといえば、長年Microsoft Officeの天下だった。これまで多くの挑戦者が登場し、そして敗れた: WordPerfect、Corel、StarOfficeなどなど、数え切れないほど多い。中でもとくに、Sun MicrosystemのStarOfficeはのちにOpenOfficeへ変異し、これまで長く、MS Officeとの互換性では最良と認められていた。しかしOracleがSunを買収したため、デベロッパたちはOpenOfficeを捨て、そこからフォークしたバージョンとしてLibreOfficeを作り上げた。

このアプリケーションは、一部のオープンソースファンたちのあいだで、広く使われるようになった。2010年の終わりごろにThe Document Foundationという団体が作られ、このプロジェクトの維持管理を担当することになった。

今日(米国時間2/7)、そのThe Document Foundationが、LibreOfficeのバージョン4.0のリリースを発表した。その発表声明には、おもしろいデータがいくつか盛られている。

LibreOffice 3.6のブランチ以降、LibreOffice 4.0の全開発期間にあたるこれまでの7か月間、デベロッパたちは1万回以上のコミットを行った。週末や休日も含めて平均するとそれは30分に1度となり、このプロジェクトがいかに活発であるかを示す証拠の一つとなっている。

LibreOfficeの開発とメンテナンスには、500名あまりのデベロッパが参加している。今回の新バージョンでは、レガシーコードの残滓の多くが取り除かれ、より現代的な構文に変えられた。また25000行のコメントがドイツ語から英語に翻訳された。そしてその結果、よりクリーンで分かりやすい、新しいデベロッパでも容易に開発に参加できるコードに生まれ変わった。

これまで、オフィススイートというものを使った経験のある人なら誰もが、LibreOffice 4.0を快適に使いこなせるだろう。文書の作成機能では、とくに独自の先進的機能というものはなくて、むしろLinuxとMacとWindowsの三者に共通するスムーズで心地よいインタフェイスを実現している。LibreOffice 4.0でとくに興味深いのは、このオフィススイートのプレゼンテーションアプリケーションImpress(MS PowerPointに相当)をAndroidから音声でコントロールするアプリが、加わったことだ。今はいくつかのLinuxディストリビューションがサポートしているだけだが、次のバージョンではすべてのプラットホームでサポートされる。

そして、あの、敬愛すべきOpenOfficeはどうなるのか? OracleはそのコードをApache Software Foundationにライセンスして、今後の開発をまかせた。ApacheのOpenOfficeは今も健在で、最近はIBM Symphony(==Lotus Symphony)から大量のコードを寄贈された。

そしてさらに興味深いのは、MicrosoftがOfficeのLinuxへの移植を検討していることだ。近未来には、そこいらのどんな会社も、WindowsからLinuxに鞍替えしているかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「幸せ」をシェアしてもっと「幸せ」(Happier)になろう(1日3つの共有が目標)

happieriOSアプリケーションのHappierが公開された。アプリケーションの目的は、もちろん、人びとを「幸せ」(Happier)にすることだ。明るい出来事を取り上げて、それを人びととシェアすることで自分の幸福度が増すという調査をうけて考案されたアプリケーションだ。こちらからダウンロードすることができる。

開発したのは、以前あったWhere(PayPalに売却された)のプロダクト部門VPであったNataly Koganだ。多くの人びとの幸せな出来事をシェアしてもらうために、アプリケーションを開発した。Kogan曰く、シェアする「幸せな出来事」というのは、ほんの些細なことでも良いのだそうだ。たとえば朝食がおいしかったとか、旧友からメールを貰ったとか、あるいは子供がハグしてきたといったようなことを想定しているのだとのこと。

自分の「幸せ」をシェアするには、感じた「幸せ」についてのメモを作って投稿する。投稿には写真を添付することもできる。また「食事」、「エクササイズ」、「友達」などといった「カテゴリー」も用意されていて、自分の「幸せ」を分類しておくこともできる。
また、朝昼晩と「幸せ」の投稿を忘れないように、リマインダを作動させることもできるようになっている(1日に3つの「幸せ」をシェアすると、さらにハッピーになれるのだそうだ)。

Koganは、人びとの「幸せ」データを集めて「幸せ繋がり」(ハピネスグラフ)を構築したいのだと言っている。できるだけ多くの人に使ってもらって、その上に魅力的なサービスを構築して行きたい考えだ。

拠点はボストンにあり、Resolute VCおよびVenrockから120万ドルの資金を調達している。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

公開前から25万人が殺到―iOS+Gmailの優れものメール管理アプリ、MailboxがいよいよApp Storeに登場

mailbox app delete

私はMailboxを愛用している。これはOrchestraが開発したメール管理アプリで、ここ数ヶ月メールの利用にはもっぱらこれを使っている。多数のメールをすばやく読み、削除し、アーカイブし、返信するのに実に効率がよい。ただし私は少数のベータテスターに選ばれたので利用できた。

しかしもうすぐMailboxはAppleのApp Storeで公開される〔すでに公開ずみ〕。ただ残念ながら全員がすぐに利用開始できるわけではない。ユーザー数の急増によるシステムのパンクを防ぐため、Mailboxでは招待システムを採用している。Mailboxから先着順で招待が届くのを待たねばならない。

サイトを訪問して行列に並んだユーザーにはアプリをダウンロードして利用できるようになったという通知が来る。今回アプリがApp Storeで公開されたので、ダウンロードしてインストールすると自動的に予約される。行列の中で自分の順番がどのあたりになるかリアルタイムで確認することもできる。

Mailboxはメール管理の処理をスワイプ動作で簡単に実行できるようにしている。アーカイブあるいは削除したければ右にスワイプ、「後で読む」なら左にスワイプだ。返信しなければならないが今すぐでなくてもよいメールを処理するのに「後で読む」は大変便利な機能だ。一定の時間を置いて再度表示させるようにすることもできる。

ところで、なぜわざわざ招待システムをとっているのか? それはMailboxがプッシュ通知や「後で読む」機能のサポートのためにクラウド上のサーバに依存しているからだ。Mailboxでは招待システムによって徐々にユーザー数を増やしていくことで過負荷等による不具合の発生を最小限に抑えようとしている。

もちろんMailboxではベータテスト中にさまざまな負荷試験を行なってきたが、それが本番の運用の代わりになるものではない。本番では必ず何か予期せぬ問題が起きるのだ。メールはきわめて重要なコミュニケーション手段なのでMailboxでは初期不具合によって悪影響を受ける可能性がある人数をできる限り少なくしようと努力している。そういう次第で、行列に並んで招待が届くのを待つしかない。

当面、アプリはiOSプラスGmailの組み合わせだけを対象としている。しかし近く他のメール・サービスやAndroid版のサポートが行われるだろう。チーフデザイナーのElle LunaによればiOS版公開の時点すでに25万人が予約を入れているという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

オンライン・ラジオサービスで人気のTuneIn、ウェブ版もリニューアルして魅力的なエクスペリエンスを提供開始

TuneIn_logoオンライン・ラジオサーバーの分野で大人気のTuneInには、月間アクティブリスナーが4000万以上いるのだそうだ。大成功の理由は、モバイル版のアプリケーションがよく出来ていて使いやすいことによるのだろう。ウェブサイトのおかげではないはずだ。TuneInのサイトはこれまで、「使える」ものではあったが、どうにも古臭い感じのするものだった。

しかしついに、TuneInはウェブの方も大改造することにしたようだ。これまでは文字情報主体で、放送局名を並べた感じのものとなっていた。それが、ラジオ局毎に現在どんな曲を流しているのかを示す、アルバムカバー風のビジュアルに変わったのだ。TuneInによると「レコードショップでのエクスペリエンスに似た感じにしようと思ったのです」とのこと。

TuneInの命名によると新しい画面は「コンテンツファースト」と呼ぶのだそうだ。サービスのこれまでの歴史で、初めて行った大改革だと言える。TuneInによると、年間のリスナー数の伸び率は267%に達するほどで、リスニング時間も348%伸びているのだそうだ。しかし、モバイル版や、車載サービスなどの充実をよそに、ウェブの方は永らく放置されてきていたのだった。

TuneIn_Homepage_New

TuneInのプロダクト部門ディレクターのKristin George曰く、「何を聴くのかという明確な目的なしにTuneInを立ち上げる人もいます」とのこと。「新しいウェブサイトは、そうした人にも、どの局でどういった音楽が流れているのかをわかりやすく示すようになっています。以前はラジオ局一覧といった形のものしか提供できていなかったのですが、いったい何を楽しめるのかということがわかりやすくなったと思うのです。世界中のラジオ局にアクセスできるTuneInを、これまで以上に楽しんで頂けるようになったのではないかと思っています」。

尚、本日のアップデートで人気ラジオ局のリスト(「トレンディング」)も表示されるようになった。こちらもこれまではモバイルアプリケーションでしか表示していなかったものだ。

TuneInでは現在のところ、世界中70000局のラジオステーションにアクセスすることができる。オンデマンドプログラムについても200万番組を提供している。またTuneInは昨年8月にGeneral Catalyst Partners、Jafco Ventures、Google VenturesおよびSequoia Capitalなどといった超大手から1600万ドルの資金を調達している。プロダクト開発のための人員拡充に利用する予定だとのことだった。今回のウェブリニューアルも、そうした方針の結果として出てきたものなのだろう。

TuneIn_ESPN Station_New

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

NTTドコモが500 Startupsと提携しスタートアップ支援に本格参入 — インキュベーションの応募も開始

昨年10月の決算発表時にアナウンスされたNTTドコモのスタートアップ支援の詳細が本日明らかになった。すでに発表のあった通り新たな投資ファンドとインキュベーションが設立され、NTTドコモはスタートアップとの連携を強化していくようだ。

この2つの新事業はドコモ・イノベーションファンド、ドコモ・イノベーションビレッジと名付けられ、ドコモ内のリソースはもちろん他のインキュベーションなどとの提携を行いスタートアップを支援する。これらを運営するためにドコモ・イノベーションベンチャーズという会社が新たに設立された。

イノベーションファンドの運用金額は100億円で、運用期間は10年だ。主にモバイルに関連するベンチャー企業に出資し、資金的な支援をするとともにドコモのサービス開発を強化するために提携なども視野に入れているという。

出資する規模に関してはシードステージからミドルステージが中心になるという。もちろん、レイターステージでも投資を検討するが、かなり大きな金額になる場合はNTTドコモ本体からの出資となるだろうとNTTドコモ執行役員の中山俊樹氏はいう。

投資対象には当然だが、インキュベーションであるイノベーションビレッジの卒業生も含まれる。このインキュベーションは5カ月間のプログラムで、その間にサービスのβ版を完成させる。オフィススペースの提供、社内・社外のメンターによるアドバイス、開発環境の提供などが用意されている。

この他、ドコモのユニークな点として、ドコモのAPI(音声認識、アプリ検索、翻訳など)の解放、プログラム参加企業に200万円を開発助成金という名目でコンバーチブルノートによる資金を提供する。プログラム終了後、サービスによってはドコモのサービスとの提携、dマーケットなどによるプロモーションの支援などが実施される。

5カ月間のプログラムというのは日本にある他のインキュベーションに比べるとやや長いが、サービスの開発だけでなくビジネスモデルなども含めてメンタリングするため、少し長めの期間を設定したそうだ。

イノベーションビレッジは本日から応募が開始され、第一回では5、6社を採択する予定だ。テーマは「グローバル・スタンダードになりうる、モバイルを活用したサービス」とかなり大雑把だが、全体を通して中山氏はグローバルに通用するサービスを支援したいと語っていた。

グローバルに通用するかどうかの判断をするのは極めて難しい。実際にサービスを世界の人に見てもらわないと判断はできない。しかし、インキュベーションビレッジはシリコンバレーでも有数のインキュベーションである500 Startupsと提携しているため、シリコンバレーのメンターが付くことによりシリコンバレーの感覚というものはある程度感じれることだろう。

提携は海外だけでなく日本国内のインキュベーションとも積極的に行う意向で、B Dash Venturesとも提携しており、メンタリングプログラムの提供やインキュベーションのノウハウの共有をしてもらうそうだ。

ここまで新事業の紹介をしてきたが読者が気になるのは同じキャリア企業としてすでにインキュベーションを始めているKDDI∞Laboとの違いだろう。

∞LaboはまだKDDIが現段階で利益を出そうとしているようには思えないし(田中社長もそう言っていた)、スマートパス以外ではプログラム参加チームのプロダクトをKDDIのサービスに連携するといった事例はそれほど無い。スタートアップに環境を提供する変わりに、KDDIにスタートアップの発想、スピード感、熱意といったものを吸収している感じだ。

一方、NTTドコモは自社サービスとの連携や、機能強化といった点を意識している印象を受けた。モバイルにフォーカスし、はっきりと「新たな事業領域におけるサービス開発力を強化したい」と言っている。もちろん無理矢理提携するわけではないので、悪い意味ではなく他のインキュベーションとの差別化とも考えられる。スタートアップ側からしても早くマネタイズ、イグジットできる可能性が増すメリットも大いにある。自分たちのアイデアに合うインキュベーションの選択肢がまたひとつ増えたわけだ。

ひとつ注意しておきたい点は、第一回の募集要項に「ドコモが提供する製品もしくはサービスで利用できるもの」という項目がある点だろう。ご存知の通り、ドコモはiOSデバイスの提供をしていない。Androidまたはフィーチャーフォン(はさすがに今から参入しないとは思うが)、ブラウザから開発することになる。ただ、中山氏は100%、iOSがダメということではないと質疑応答で答えたので、可能性はゼロではないとことは付け加えておこう。

Google、デバイス横断のAdWordsキャンペーン “Enhanced Campaign” を提供

Googleは数週間以内に、Enhanced Campaignsと呼ばれる新しいAdWordsシステムを提供開始する。これは複数のデバイスを横断して広告するよりよい方法であると同社は謳っている。

公式発表ブログ記事と、私がGoogle広報担当者と話した内容によると、狙いはキャンペーンの実施プロセスを簡素化し、使用しているテバイスに依らず最適な広告をユーザーに届けることにある。記事中、 技術担当SVPのSridhar Ramaswamyは、「Enhanced Campaignは、位置情報、時間、デバイスの種類などの状況に応じた適切な広告を、個別のキャンペーンを立ち上げることなくあらゆるデバイスに配信することができる」と言っている。

Google広報担当者は以前私に、企業がデスクトップ、モバイル両方に広告を出したければ、別々のキャンペーンを作る必要があると言っていた。Enhanced Capmpaignでは、一つのキャンペーンをデバイス横断で実施することができ、さまざまな環境に応じて修正することも可能だ。例えば、広告主はモバイル広告では費用を抑え、特定の地域には多く広告を投入することができる。ブログ記事にある事例はこうだ。

ある朝食カフェは、スマートフォンで近所の「コーヒー」または「朝食」を検索している人にリーチしたがっている。入札調整機能には、0.5マイル離れた人には25%高く、11am以降の検索には20%低く、スマートフォン上の検索には50%高く入札するという、簡単な3つの選択肢がある。こうした入札調整は同一キャンペーン内の全広告、全キーワードに適用できる。

他にGoolgeが強調する機能として、環境に応じた広告ユニットのカスタマイズ(例えばモバイル広告には〈クリックで電話〉ボタンを付ける)、呼び出しやダウンロードの回数などが掲載された新しいレポート等がある。

Starcom MediaVestによると、同社はすでにこのシステムを試行中で、Starcom USAの副社長兼部門長、Paul DeJarnattは私にメールで、「良い点もあるが制約もある」と言った。彼は強化されたレポート機能と「今後の拡張の約束」に期待していると言った。しかし、Googleは手順の簡易化に走りすぎたため、モバイルとタブレットでターゲティングの選択肢が少なすぎるということも示唆した。

「当社クライアントの多くは、タブレットの利用者や、本物のモバイル検索利用者にとって何が重要かを見つけるために、克明な調査やテストを行ってきた。後者はデスクトップの検索ユーザーとは大きく異なっている可能性がある。今はわれわれがそのような見方をしたとしても、最も関連性の高い広告を、最も興味を持っている利用者に届けるターゲティング方法がなくなってしまった。これは、検索エンジンのあらゆる操作に関連性をもたらすというGoogleの使命に反するものだ」とDeJarnattは言った。

同じように、AdobeのBill Mungovenはブログ記事で、今後広告主はタブレットだけをターゲットするキャンペーンができなくなると指摘する。ある意味でそれは理にかなっていると同氏は言う。なぜなら「タブレットが実際にはスマートフォンよりもノートPCやデスクトップのように使われている」からだ。しかし彼によると、それはGoogleの利益にもなる、なぜならGoogleはタブレット広告がデスクトップと同列になった方が儲かるからだと言う。

DeJarnattも同様の点を指摘して、「最大の受益者は、少なくとも現段階ではGoogle自身だ」と言った。彼はEnchanced Campaingnはスモールビジネスに役立つだろうと言ったが、こうも付け加えた。「緻密なマーケターや代理店にとって、Enhanced Campaignは一歩後退に感じられる」

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

ファーウェイとMicrosoft、タッグを組んでアフリカ専用Windows Phoneを提供

Huawei Ascend W1 Windows Phone中国における通信界の巨人であるファーウェイ(Huawei)が、アフリカのみに向けたWindows Phoneの開発に乗り出すことを発表した。機種はHuawei Ascend W1のカスタマイズモデルだ。4Afrikaイニシアチブの一環として、Microsoftとの共同で開発された。

価格についてのアナウンスはまだないが、中東およびアフリカ地域におけるWindows Phoneの担当ディレクターであるGustavo FuchsがBBCに語ったところによると「アフリカで最も入手しやすいWindows Phoneという位置付けです」とのこと。「数年のうちに、アフリカ大陸内において数千万台単位で普及させることを目標としています」とも話している。

Fuchsによると、4Afrikaの目的は、アフリカ大陸内でのスマートフォン利用率を上げることなのだそうだ。これには、アフリカの人びとにとってフィーチャーフォンから乗り換えたくなるような魅力的なアプリケーションを提供することも含まれている。現在のところのスマートフォン率は「10%近く」とのこと。もちろん地域によっては、はるかに低いところもある。

「入手しやすさはもちろんですが、アプリケーションやコンテンツも充実して、フィーチャーフォンからの乗り換え需要を高めていきたいと思っています」とFuchsは言っている。

今回リリースしたWindows Phoneは、まずエジプト、ナイジェリア、ケニア、コートジボワール、アンゴラ、モロッコ、そして南アフリカで販売される。販売はそれぞれの国の販売方式に則った形で行われる。すなわち南アフリカでは通信事業者からの販売となり、コートジボワールでは小売業者による販売となる。ナイジェリアやアンゴラは複合的な販売方式がとられているそうだ。

また4Afrikaイニシアチブでは、ケニアのRift Valleyでのワイアレスブロードバンド環境の構築や、南アフリカやエジプトにおけるWindows Phone開発者支援なども行なっていくらしい。

ファーウェイにとって、アフリカは中国の外ではもっとも急成長中の地域となっている。昨年11月にファーウェイは、南部および東部アフリカにおける売り上げは3年間で30%の伸びを期待していると話していた。現状について同社のウェブサイトをみてみると、2011年の売上げが34億2000万ドルで、これは前年比で15%の増加ということになっているようだ。アフリカ大陸には18のオフィスを開設しており、5800人が働いている。南アフリカにはR&Dセンターや、また7つのトレーニングセンターも開設している。

ファーウェイのIDEOSは、100ドルを切る最初のスマートフォンとしてデビューしており、ケニアで大人気の機種となっている。市場シェアは45%を獲得しているのだそうだ。

Huawei Ascend W1は4インチのタッチ画面で、500万画素のカメラを搭載している。一回の充電で待ち受け時間は420時間に及ぶとしている。

Huawei Technologies

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

スーパーボウルの広告関連ハッシュタグの利用回数は30万回。昨年から273%アップ

スーパーボウルを迎えるにあたり、事情を知る人たちはこれが史上最もソーシャルなスーパーボウル!になるだけでなく、Twitterの広告にとっても大きな勝利になることを知っていたようだ。Twitterが公式ブログで、同社が測定した広告関連データを一部公開した。

Twitterによると、ゲーム中52本の全国CMが流れ、その50%にハッシュタグが掲載されていた(実際に数えたライターを讃えるために書いておくと、この数値は何日か前にMatt McGeeがMarketingLandで言ったものと一致している)。そして、これらの広告関連ハッシュタグは、日曜日に30万回メンションされた。昨年の273%増だ。

同記事には一番人気のハッシュタグも明かされている。ゲーム中最もツイートされた広告関連ハッシュタグは #Clydesdales で、これは視聴者から仔馬の名前を募集したバドワイザーのCMに載せられていた。#Clydesdalesはゲーム中5万8000回メンションされ、24時間で6万件の名前候補が寄せられた。

そうそう、ブログ記事にはTwitterの #Ad スクリメージ・コンテストの勝者も発表された。これは視聴者が好きな広告に、そう、ハッシュタグを使って投票するもので、勝者はSamsung。昨年に続いての優勝だ。

要するに、Twitterの言葉を借りると、「私たちはハッシュタグの好きなブランドが好き」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

グループビデオチャットのTenHandsがChromeのWebRTCで実装–プラグイン不要に

tenhands_logo

Webアプリケーションとモバイルアプリ向けにビデオコラボレーションサービスを提供しているTenHandsが、WebRTCのサポートを発表した。WebRTCはブラウザ内でプラグインを使わずにオーディオやビデオによる通話ができるためのJavaScriptライブラリで、TenHandsのAPIは、ユーザがChrome 24より上のブラウザを使っている場合には自動的にWebRTCによるオーディオビデオ通話を行う。

これまでの(そしてデフォルトの)TenHandsは、Chromeの場合のようにブラウザがWebRTCをサポートしていなければ、自分のWebRTCプラグインをインストールするので、デベロッパは相互運用性を心配する必要がない。しかしTenHandsは、いずれどのブラウザもWebRTCをネイティブでサポートする、と予測している。その標準規格化に関して、Microsoftだけは独自の考えのようだが、いずれにしても今すでにWebRTCの普及に期待しているベンダは多い。Skypeを抱えるMicrosoftも当然、このレースに加わるはずだから、向こう数か月の標準規格をめぐる議論からは目を離せない。

gI_78803_Screen Shot 2012-11-12 at 11.27.08 AM

TenHandsのCOO Jack Blaeserによれば、どのWebブラウザも標準規格として確定したWebRTCをサポートするようになれば、ビデオの民主化に向けての大きな前進になる。これからは個々のアプリケーションやベンダ(AT&T, Verizon, Skype, …)に閉じこめられることなく、どんなユーザでも、どんなアプリケーションでも、ブラウザの上で、HDビデオと音声によるコミュニケーションができるようになる。そのための特殊なハードウェアやソフトウェアは要らない。

Blaeserの見方では、それによって数々の新しいユースケースも生まれる。たとえばコールセンターは、Webでもモバイルでも、ビデオと音声でリアルタイムの対話ができるようになる。またWebRTCの標準化と普及により、遠距離学習や遠隔医療などがより簡単にできるようになり、イノベーションを加速する。“ブラウザが情報へのアクセスに革命をもたらしたように、WebRTCによってそのブラウザがさらに、ビデオと音声によるコミュニケーションのメインの手段になり、通信市場全体が大きく変貌する”。ということはつまり、これまでの携帯キャリアとか放送局〜放送会社など、大量の通信帯域を特定目的だけのために独占していた業態は、不要になると思われる。インターネットでも、Skypeに代表されるような私企業的規格に基づくアプリケーションは、おそらく御用済みになる。

TenHandsがさらに主張するのは、同社が“GoogleによるWebRTCの実装を利用する、初めての、Flashに依存しない、リアルタイムの商用ビデオソリューション”であることだ。ただし、TwilioPlivoTokBoxなどのビデオプラットホームもすでに、各種のWebRTCベースのサービスを提供している(多くはまだベータだが)。

TenHandsの創業は2011年で、それ以降今日まで、レーダーに映らない低空飛行を続けてきた。しかしこのところ、WebRTCがホットな話題になってきたので、同社のステルスモードもあと数か月で終わるだろう。Chrome向けの、ネイティブWebRTCによる実装のローンチを記念して同社は、2月9日にAPIのハッカソンを行う。優勝賞金は4000ドルだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビジネスを成功に導く5つのPの秘密とは―「ザックのように考えよう」の著者インタビュー

言うまでもなく、Facebookはファウンダーのマーク・ザッカーバーグの過激なまでに広範囲の情報が透明になり、公開される社会という理想を基礎にして建設された。しかしザッカーバーグのビジネスの天才としての側面はそれほど広く理解されていない。彼はいかにしてこれほど短期間にこれほど巨大なビジネスを築くことに成功したのか?

マーク・ザッカーバーグのビジネスにおける成功の原理をインテルのマーケティング幹部であるEkaterina Walterが本にまとまとめた。「ザックのように考えよう―Facebookの天才CEOのビジネス成功の5原則(Think Like Zuck: The Five Business Secrets of Facebook’s Improbably Brilliant CEO)」はWall Street Journalの最新ベストセラーとなっている。

では具体的に「ザックのように考える」とはどういうことなのだろう? 私はWalterをわれわれのサンフランシスコのスタジオに招いて話を聞くことができた。Walterによればザッカーバーグの成功の原則は5つのPだという。この5つの単語で表される原理をしっかり理解すればわれわれも2012年にTechCrunchのCrunchyベストCEO賞にも輝いたザッカーバーグのように行動することができるというのだ。

〔日本版〕ウォルターによれば5つのPとは次のとおり。

情熱(PASSION)—自分の信じるところに向かって常に全力を傾ける情熱
目的(PURPOSE)—優れたプロダクトを創造するだけでは足りない。偉大な目的に向かっての運動を起こせ。
人材(PEOPLE)—ビジョンを実現できるような強力なチームを作れ
プロダクト(PRODUCT)—イノベーティブで今までのルールを破壊し、広く創造的変化を起こすようなプロダクトをめざせ
パートナー(PARTNERSHIPS)—ビジョンの実現に力を与え、想像力をかきたててくれるようなパートナーを選べ

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

21世紀のフォーラム(掲示板)プラットホームDiscourseをStack ExchangeのJeff Atwoodが立ち上げ

discourse logo

人気の高いQ&AサイトStack Exchangeの協同ファウンダJeff Atwoodが、今日(米国時間2/5)のブログ記事で、ユーザがディスカッションのためのフォーラムを作って運営するためのプラットホームDiscourseを立ち上げる、と発表した。

その正式の会社名はCivilized Discourse Construction Kit, Inc.,で、目標はオンラインディスカッションの質の向上だ。ただしAtwoodによると、今回は、これまでのStack Exchangeの基本方針: 「必要最小限のディスカッションによって最良の質疑応答を作りだす」とは、まったく逆の方向を目指す:

これまでの(Stack Exchangeの)設計は、ディスカッションを抑えるため、禁ずるために、ありとあらゆる工夫を凝らした。長たらしい罵詈雑言などを無視し、単純に、その質問への答を得ることだけに専念した。

まるまる4年間、ディスカッションはすでに腐敗の帝国に成り下がっているという信念に基づいて、その傾向に反抗するためにStack Exchangeをやってきたが、最近はやや考えが変わった。ここで、サイドを変えてみたらどうなるだろう? これまでとは逆に、ランダムで勝手な議論を認め奨励したらどうなるか? それはこれまでの4年間、それを抑えることが設計目標だったこと、たえずみんなに、それは悪だと主張してきたことなのだが。

これまではX-Wingを作っていた。そんなぼくが、もっと良いTie Fighterを作れるだろうか?

Stack Exchangeは、質問へのベストアンサーを見つけるためのサイトだったが、Discourseは、多くのフォーラムやコメントスレッドを汚染しているトロルやスパムを排除しつつ、もっと幅広いディスカッションをサポートする。

Atwoodと彼のチームは、昨年丸一年、この課題に取り組んでいたようだ。できあがったフォーラムアプリケーションは、“高精細なタブレットと最新のWebブラウザ”向けに最適化されていて、もちろんモデレーションツールもある。そのほかDiscourseのWebサイトには、ジャストインタイムのローディング、自己発言にレスがあったときの通知、長いスレッドをどこまで読んだかというマーク、リンクの自動展開、などの機能が紹介されている。

Atwoodは、本誌TechCrunchなども使っている人気の高いオープンソースのブログ構築プラットホームを名指しして、“フォーラムのためのWordPress”を作りたいと言っても言いすぎではない、と言った。資金はすでにFirst Round CapitalGreylock PartnersSV Angelなどから調達したそうだ(Atwoodはその金額を公表しない)。

Discourseのソフトウェアは無料で誰もが入手できるが、ホスティングなどの企業向けサービスは有料化する予定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Zynga、Q4決算:売上3.11億ドルで横ばい、損益は4860万ドルの損失

Zyngaの第4四半期売上は、レイオフや幹部、中間層の度重なる離脱を経験した試練の中、前年並みという結果だった。

同社の四半期売上は3.11億ドル、純損失4860万ドルで、1株当たり非GAAP損失は1セントだった。 アナリストの予測は売上2.121億ドル、1株当たり損失3セント

「当期最大のハイライトは、数百万のFarmVilleファンに愛されている最先端3-D体験を提供する次世代ソーシャルゲーム、FarmVille2を無事送り出したことだ」とファウンダー・CEOのMark Pincusが決算会見で語った。「2013年には、この新しいクラスのソーシャルゲームをスマートフォンやタブレットでも提供し、人々が一緒にプレイするための簡単で優れた方法を提供するネットワークを構築することを楽しみにしている」

発表資料には、Zyngaのタイトル全体(FarmVille単独ではない)のアクティブ数が書かれている。同社は当四半期に5600万人の日間アクティブユーザーを記録し、前年同期の5400万人から微増したが、前四半期の6000万人には及ばなかった。月間アクティブ数は2.98億人で、対前年比24%増、前四半期からは4%減だった。

2012年通年では、Zyngaの売上は12.8億ドル(12%増)、純損失2.09億ドルだった。

Zynga Q4'12

1年前、Zyngaの第4四半期売上は3.112億ドルだった。しかし、この1年間、Facebook上のZyngaネットワークからはユーザーが流出し、カジュアルゲームのKing.comらがランキング上位に昇ってきた。一方同社はモバイルプラットフォームへの移行をはかり、恐らくAndroidおよびiOSで最大のネットワークを保有しているが、Facebookプラットフォームでの厳しい状況を補うには致っていない。

今期Zyngaは、大幅なコスト削減策を実施して同社を黒字寸前まで持っていった。10以上のタイトルを閉鎖し、オースチンオフィスでレイオフを行い、ボストンおよび東京オフィスを閉鎖した。さらに同社はこの数ヵ月間に多くの幹部を失った。その中には財務責任者、Mike Guptaチーフ・ゲームデザイナーのBrian Reynoldsも含まれている。

しかし、おそらく最悪のニュースは、すでに織り込み済みだ。時価総額21億ドルのZyngaは、現金、短期および長期投資資産16.5億ドルを持ちその企業価値は約4.5億ドルだ。

悪いニュースが続いているにも関わらず、株価は好調FarmVille 2のサプライズに期待して今日午前に最大6%上げた。 最近Zyngaは同ゲームを1日に800万ユーザーがプレイしていると発表した。東海岸時刻午後4:32現在、Zynga株は時間外取引で5.84%高値をつけている。

リリースの中でCOO David Koは、2013年を会社にとって「重要な転換の年」であると表現した。「われわれは、次の3つの戦略的目標に集中していく。モバイルおよびウェブでのフランチャイズ拡大、ネットワークの拡大、および償却前営業利益ベースの利益性維持である」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

個人出版者よ, Amazonでは30%取られる–Sellfyならわずか5%だ

sellfy

自費出版者などのための簡易eコマースプラットホームSellfyで、これまでのPayPalに加え、通常のクレジットカードも使えるようになった。クレジットカードの処理は、カナダと合衆国ではStripe、ヨーロッパではPaymillが行う。これで、このサービスの使いやすさがさらに向上した。Sellfyはラトビアのスタートアップで、Skypeの協同ファウンダToivo Annusが支援しており、利用者(売り手)は昨年の6月の3000名から、今ではその3倍の9000、売られている品目の数は16000となった。急成長ではないが、安定的に伸びている。

合衆国には類似サービスとしてKleiner Perkinsが支えるGumroadがある。ロングテールの自費出版者たちは、Sellfyを使ってeブックや音楽、ビデオ、写真など、どんなタイプのファイルでも売ることができる。そしてそのためのURLを、TwitterやFacebookなど各所で共有できる。

CEOで協同ファウンダのMaris Dagisによると、ここまでのSellfyはとくに、eBooksの出版者に人気がある。それは、Amazonなどに比べてプラットホームが取るマージンの率が低いからだ。すなわちSellfyでは5%、対してAmazonのKindle Direct Publishingでは30%の暴利を取られる。

彼曰く、“手数料に大きな差がある。Amazonでは、ビッグな売れっ子でもないかぎり、マーケティングや集客努力も全部自分でやるから、その費用や労苦も大きい”。

確かに無名のコンテンツは過剰在庫を抱えやすく、またマーケティングの費用もばかにならない。そういう人たちにとっては、Amazonの30%は大きすぎる。

“作者の多くは、オンラインのプレゼンス自体はブログやWebサイトやソーシャルネットワークなどでまかなえる。そしてオーディエンスに直接売ることだけを、Sellfyのようなプラットホームでやればよい。つまり、Amazonのようなマーケットプレースをバイパスできるのだ”、とDagisは述べる。

そのSellfyがStripeやPaymillのようなクレジットカードゲートウェイを統合したことによって、AmazonやiTunesなどのマーケットプレースをさらに本格的にバイパスできるようになった。たしかに、買い手にとっては、あのおなじみのPayPalボタンを押すことが、買うことの障害になりがちなのだ。

Sellfyは、リトアニアのスタートアップアクセラレータLithuanian StartupHighwayの出身だ。今ここは、“入学”を受け付けている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleの意図せざる人種差別的広告は、恐ろしい心理的影響を与えるだろう

Googleによると、Latanyaという名前の女性は、Jillという女性よりも牢屋に入る確率がずっと高いらしい。最新の研究によって、アフリカ系アメリカ人によくある名前に結び付けられた広告は、犯罪情報サービスのものである可能性がはるかに高いことがわかった。

「主として黒人の赤ん坊につけられる、DeShawn、Darnell、Jermaine」などの名前は、名前検索の81~86%で犯罪を連想させる広告を発生させる」と、ハーバード大学のLatanya Sweeneyがオープンアクセス論文誌のArXivに書いた。これらの広告の意図しない影響は、数多くの黒人市民と、彼らの名前が不幸にも人種差別的広告と一緒に表示されるのを見た雇用者たちに多大な心理的影響を与えるだろう。

下の画面は、同研究者が自身の名前をGoogle検索した際に表示された「Latanya Farrell、逮捕?」と書かれた広告だ。

googlestudyracism

報道では多くの見出しが、Google検索そのものが人種差別的であることを示唆している。しかしそれは〈実際には〉正しくない。Googleは単に、クリックされる可能性の高い広告を自動的に配信しているにすぎない。この研究は、「果たしてGoogleの広告技術は社会の人種差別を露見させるのか、また、どうすれば広告および検索の技術が人種の公平性をもたらせるのかという問題」を提起するものである、とSweeneyは書いている

しかし、人種的劣性の概念が少数民族の教育および職業実績に壊滅的影響をもたらしていることはよく知られている。自分たちの人種の社会における苦闘を思い知らされた黒人学生たちの知能検査や共通テストの成績は著しく低い。 いわゆる「ステレオタイプ・スレット」[固定観念に対する恐怖]は、米国の大学において特定の人種が少ない理由を最もよく説明する理論だ。

黒人的響きを持つ名前も履歴書で苦労させられる。ある研究によると、求人に対して黒人に多い名前で応募すると、連絡をもらえる確率が50%低くなるという。採用担当者が求職者をGoogle検索した時に、黒人候補者の名前の横には犯罪がらみの広告が並び、白人候補者にはそうでなかった場面を想像してほしい。平均的にみて、黒人男性および女性が脱落していく様子が容易に見て取れる。

統計的に見て、例えばDarnellという名前は、”Todd” よりも犯罪に結びつけられる率が高い。しかし、社会がこの事実に直面した時、このデータはわれわれの中に潜む固定観念を呼び起こす。換言すれば、情報が多いことは必ずしも良いとは限らない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

約半数の大学生が就職活動にSNSを利用、新しくLINEでの就活事例も

電通パブリックレレーションズ(以下、電通PR)が行ったアンケート調査によると、昨年に続き今年も約半数(45.3パーセント)の学生が就職活動にソーシャルメディアを利用する、いわゆる「ソー活」を行っていることがわかった。調査は関東1都3県、関西2府2県に移住する大学3年生、男女各150名を対象に行われた。

就活生の約半数が就職活動にSNSを利用しているそうだが、ソーシャルメディアを使用するメリットに「少しでも企業の情報が欲しいから」、「エントリーシートや面接のヒントを得るため」といった回答が多くあげられている。

上記の回答と、ソー活を行う大学生は大学の就職課、キャリアセンターに行くと回答した人(40パーセント)を上回っていることを踏まえると就職活動に必要な情報は大学に頼ることなく、自発的に情報を取得しなければならないし、企業側もSNSで情報を発信しなければいけないだろう。

すでにSNSでの採用活動を積極的に行っている企業は、Facebookページで「いいね!」を1万を獲得しており、社員へのインタビューや社内の雰囲気、自社製品の紹介など従来の就職活動では知り得なかった企業内の情報を発信している。

このような情報を発信することは学生へのメリットだけでなく、企業側にも自社のことをより知ってもらいミスマッチを減らしたり、情報感度の高い人材にリーチできるといったメリットがある。

2011年頃からFacebookを利用する大学生が日本でも増え始め、Facebookページの広告機能によると2013年度から2016年度卒業予定の大学生・専門学校生利用者は約45万人となっている。このうち、2013年度卒業予定の大学生は16万人以上となっている。もちろんこの数字はプロフィールに学歴と卒業予定年度を入力しているユーザーの数なので、実際にはもっと多いだろうから、徐々に採用にSNSは欠かせない存在となりつつあるのかもしれない。

また、今年の調査結果から新しくLINEがソー活のツールとして加わった。活用事例はまだ少ないものの昨年12月からKDDIはLINE上で社員と就活性が気軽に話せる「LINE交流会」を開催しており、「ワーキングマザー」、「地方出身社員」、「イクメン」といったテーマに沿って自由に交流できる場を設けている。

昨年は0パーセントだったが今年は13パーセントの就活生がLINEを就職活動に利用しているそうだ。これには学生同士で就職活動の情報をシェアする場として利用されていることも含まれているのだろう。

オンデマンドのタクシー呼び出しサービスHailoがKDDIから資金を供給されて東京へ進出

Hailo

オンデマンドのタクシーサービスHailoが東を向いている。ヨーロッパと北米の各都市で成功した同社が、今度はその、インターネットからタクシーを呼ぶアプリケーションを日本の東京に持ってこようとしている。そのために同社は日本法人を作り、日本の電話会社KDDIと、Union Square Ventures、Richard Bransonなどから資金を調達した。その資金調達計画については、AllThingsDが以前報じた

ネットタクシー呼び出しサービスはこのところ増えているが、Hailoもその一つで、ユーザの位置情報から至近の車を見つけ、支払はアプリ内からモバイルの決済サービスを利用する。Hailoは2011年にロンドンで立ち上がり、徐々に対象都市を増やしてきた。

12月の同社の発表では、契約運転者は全世界で1万名、これまでの利用回数は100万を超えている。今はロンドン、ダブリン、ボストン、シカゴ、トロントなどで利用でき、今後はニューヨーク、バルセロナ、マドリッド、そして東京への進出を計画している。

東京進出は、日本法人まで作るという本格的なものだ。そしてさらに、日本の大手電話会社KDDIから資金を調達した。これによって、西欧のスタートアップのアジア太平洋市場への足がかりができた、とも言える。

KDDIは、お金だけでなく大都市東京のタクシー市場におけるHalioの流通面の面倒も見る。KDDIのモバイル顧客は3600万あまり、そのハンドセットの一部に、Hailoのアプリがプレインストールされることになる。タクシードライバーにもハンドセットが渡され、Halioとこのモバイルキャリアとのあいだには、いわば共生的な関係ができあがる。

東京はネットタクシー呼び出しサービスにとって処女市場だ。KDDI戦略推進部の担当部長、川端康夫氏によると、日本のタクシー市場は世界最大であり、総年商は2兆円にのぼる(約220億ドル)。タクシーを呼び出すアプリは、日本最大のタクシー会社である日本交通のものなど、わずかしかない。しかもそれらは、配車を依頼するだけで、今西欧世界のインターネットアプリケーションで一般的なユーザのGPS情報やモバイルによる決済などの利用はしていない。

Hailoは今、日本だけでなくニューヨークにも地歩を築こうと努力している。ニューヨーク市では今、タクシー業界の団体がHailo的なサービス(複数社)に対して訴訟を起こしている。訴訟の眼目は、タクシーメーターを装備して、それに基づいて料金決済をする車しか、それらのインターネットサービスへの加入を認めない、というものだ。

また、オンデマンドのモバイルアプリそのものも、今や各都市で競争が激化している。たとえばFlywheel(元Cabulous)やTaxi Magicはニューヨークなど合衆国の大都市への進出をねらっており、ブラックカーサービスでGPS利用とアプリ内決済を創始したUberは、タクシーやタクシー的車を利用する低価格市場をねらっている。また新世代のサービスである“タクシー相乗りサービス”(SideCarやLyftなど)は、生まれ故郷のサンフランシスコから他都市へのサービス拡大を考えている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのE. Schmidt会長が近著で曰く: “Twitterのツイートは猿でも書ける”

EricSchmidt008

Googleの会長Eric Schmidtのもうすぐ出版される近著The New Digital Ageは、彼の遠慮会釈のない毒舌が山盛り。インターネット上の匿名性擁護は間違ってる、そして彼のTwitter批判などなど、Wall Street Journalが、4月に出る同書からいくつかのおもしろい引用を公開している

Twitterについて “猿がシェークスピアの作品を書けないように、Twitterでは分析というものを作り出せない。”

これだけではよく分からないが、140文字では深い内容を書けない、ということか、それともTwitterというプロダクトのことか。でも、TwitterのファウンダBiz Stoneは、下のStoli Vodkaのコマーシャルで、Twitterがときどき確かにばからしい*ことを、ユーモラスに認めている。〔*: 原文コメント(現時点で41)が共有しているこの記事が秀逸。〕

検索エンジンについて: “検索結果の中では、本物であることが確認されたオンラインプロフィールがどこかにあるコンテンツが、そういう確認のないものよりも上位に来る。もちろんユーザの多くが、作者や筆者の本人性が確認されているコンテンツを(結果の上位にあるから)クリックすることになる。だから、匿名性のアドバンテージ云々という説は、間違っている。〔作者〜筆者がはっきりしているものが、上位に来る、ということ。〕

この発言は、デジタル市民権の活動家たちを怒らせるかもしれない。匿名性はプライバシーの維持に欠かせない、と見なされることが多い。しかしGoogleやFacebookは、コメントや検索結果に圧倒的に氾濫している愚かで無知な発言が匿名性のせいだ、と懸念している。検索に関して神に近い力を持つGoogleは、匿名の記事などを検索結果から完全に追い出すこともできるだろう。

サイバー戦争について: “今は国家が主導するサイバーウォーの時代だ、と言っても過言ではない。多くの人が、まだ気づいていないだけだ。”

今週初めには、Schmidtの本が中国を名指しで “もっとも高度で活発なハッカー”と呼び、暗にわれわれが中国と一種の戦争状態だと言っている、と報じられた。

ジャーナリズムについて: “インターネットによってニュースメディアとその報道内容は多様化し、またそれらの全体構造も複雑化している。この大きな混乱の中では、メジャーなニュースメディアは、報道量をより少なくし、検証努力をより多くすることになるだろう。低品質な報道や情報の氾濫とともに、おそらくエリートたちはますます、かねてから高い評価を得ている既製のニュース企業に依存するようになるだろう。

彼は、ブログやブロガーを否定しているのか? でもSchmidtはThe Atlantic紙で、TechCrunchを読んでいる、と言っている。だから彼が言うのは、もっとマイナーなサイトのことかもしれない。Schmidtさん、本誌TechCrunchを読んでくれてありがとう。Gmailを、もっと速くしてください。現状は遅すぎて、頭に来ます。

Googleの影響力は大きいから、彼の今度の本も単なる評論集ではなく、インターネットの未来に関する現実的な議論という性格を持つだろう。彼はGoogleを、民主主義の推進のための強力なリソースにしたい、と言っている。そんな彼は、民主主義におけるもっとも革新的な人物の一人だろう。WSJ紙の元の記事はこれだ

[情報をありがとう: Alex Howard]

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))