「ブログにコメント欄は必要か否か?」不定期に、しかし度々話題に挙がるこの疑問に私なりの終止符を打ったのでここに纏めておきたいと思います。
今回は『コメント欄』というものをひとつの『コンテンツ』として見た前提でのお話になります。
貰って嬉しいコメント
コメント、それは貰って嬉しいユーザーからのダイレクトな反応です。
ブログのモチベーションが最も上がる瞬間がコメントを貰った時、という方も少なくないのではないでしょうか?
それは私も例外でなく、コメントを貰った時は小躍りしながらコメント欄を読みに行きます。
しかし、そんなコメント欄を私は外してしまおうと考えています。
それは何故か?
コメント欄の必要性が薄れた理由
理由はふたつあります。
- コメントって付かないよね
- コメント書き込むよりもSNS使うよね
というシンプルなものです。
コメントって付かないよね
これに関しては「お前のブログが面白くないだけちゃうんか!?」という可能性を考慮に入れても、やっぱりブログのコメントっていうのはつきにくいと思っています。
理由は色々あると思いますが、後述するSNSの充実や、ブログ管理人とユーザーという非常にクローズドなコミュニケーションであるというのが大きいのかな…と考えています。
実際この記事を書く前に月に100万PVを超えるようなブログを見て回ったのですが、コメント欄が賑わっている事は稀という印象です。
また、コメントがついていても、後述する『コメントの質』の観点から有益なコンテンツとは成り得ていないものが殆どでした。幾つかブログを周ってみて正直な感想を言えば、記事の良し悪しとか関係なく、中の人が女性の場合はコメントが沢山付くよね…という事です。気持ちはわかります。
コメントよりSNSへ拡散
これは私のブログやフリーランスの経験、あとは日々のインターネットからの所感ですが、ブログの記事っていうのは今の時代、コメントよりもSNSへ拡散される事が圧倒的に多いと感じています。それが悪い方へ働くと、所謂『炎上』になりますよね。
ブログにコメントはついていないけど、TwitterやFacebookで急激に拡散されている記事というのは非常に多く見かけます。
この現象についてもユーザーの心理とか色々考えられるところはありますが、要はSNSへの拡散のほうが『手軽』だっていう事ではないでしょうか。SNSへシェアした人その人自身が情報の発信源になって、反応が返ってくるっていうのも面白いでしょうしね。
コメント欄の設置してあるメリット
そんな現状を踏まえて、じゃあコメント欄があるメリットってなんだろう?って考えてみました。
- 意見や感想を貰える
- ユーザーと交流を図れる
- オープンな姿勢をアピールできる
- コメントによる軽微なSEO効果
五分くらい考えて、私がぱっと思い付いたのはこのくらいしかありませんでした。
これらはそれぞれ、あまり有益な理由には成り得ない…というのが私の考えです。要は、あんまりメリットらしいメリットが無いとすら言えます。少なくとも私にとっては。
コメント欄の設置してあるデメリット
では逆に、コメント欄が設置してある事で生まれるデメリットについて考えてみましょう。
- コメントが付かなくてちょっぴり寂しい
- 閑散としたコメント欄は見た目に虚しい
- スパムコメントの削除の手間
- コメント内容の精査と管理
メリットらしいメリットが見当たらなかった前項と異なり、デメリットは大きいです。特にスパムコメントの削除の手間やコメント内容の精査などの管理は、有難いことにコメントが増えれば増えるほど時間がかかるようになってきます。
スパムコメントに関しては放置する事でGoogleにペナルティを受けて検索順位がガタ落ちする、という前例があるのである程度の手作業は必要ですし、コメント内容に関しても不特定多数の人が見て不快にならないように内容を精査するのは必須だと考えているので、これもコメント数に比例して時間がかかるようになってきます。
きちんと返信をする事も目指すのであれば、なおさらです。
しかも、折角頂いたコメントも、この記事の本題となる『コンテンツの観点』から見るとその多くは『無益なコメント』に分類される事がとても多いのが現実ではないかと私は考えています。
コメントの有益性という観点
「コメントを頂いて嬉しい、有難い」という感情的な側面はまた別として、コメントをひとつの『コンテンツ』として見た場合、その内容は有益なものか無益な(あるいは微益な)ものかにどうしても別れてしまいます。これは、楽しんで、愛情を注いで書いた記事であってもSEOの観点から見ると効果的か非効果的か、という話と似ています。
有益なコメント
有益なコメントとは、要するに『具体性を帯びているコメント』です。
極端な事を言えば、炎上時や反論などを真っ向に否定するコメントであっても、それが具体性を帯びていれば記事を書いた側としては得るものがあり、それを今後の参考や改善点として意識する事が出来るようになります。
記事の内容が間違っている、その考えは自分とは合わない、内容が浅いなどなど、その感想を「なぜ」持ったのか、では「どうすれば」より良くなると思うのか。そういったコメントはひとつの意見として参考になる価値のあるものです。
しかし、こういうコメントが付いているのはあまり目にする機会がないように思います。
無益なコメント
それに対して無益なコメントとは、『具体性を帯びていないコメント』です。
例えば、この記事を見て「この考えはねーわー」とか「文章下手すぎw」と言った類のコメントが付いたとすれば、それは無益なコメントです。あと、私も涙ぐみます。(幸いにも、そういう辛辣なコメントを頂いた事はないです!例です。)
「ねーわー」
それを聞かされて私は何をすれば良いのか。それこそ、ねーわーです。
「文章が下手すぎる」
となると、どうすればもう少しマシな文章が書けると思いますか?
そこまで求めるのは甘えすぎかも知れませんが、ここは私のブログの私のコメント欄です。対して、上記の例のようなコメントは端的に言えば記事を読んだ人の只の感想です。
それは内容がポジティブなものであっても同じです。
「良いね!」それ自体は喜びをもたらしてくれますが、コンテンツとして見た場合、またそのコメントを他のユーザーが見て何か得るものがあるか?と問われると答えはおおよそひとつでしょう。
感想はSNSへ流してもらう
つまり、これらの『感想(無益なコメント)』はブログに残しておく必要のない情報という事になるのではないでしょうか。しっかりと内容を計算して作りこまれたコンテンツであればあるほど、コメント欄に無益なコメントがたまる事によって『コンテンツ』としての価値は下がっていきます。
では、どうするのか?完全にコメント欄を閉じて、クローズドなコンテンツにしてしまうのか?
それを解決してくれるのが、発達したSNSではないかと私は考えています。
今の日本はFacebookやTwitterなどのSNSへの参加率が非常に高いですし、多くのブログやWebサイトはSNSへのシェアを促す仕掛けを沢山取り入れています。また、ユーザー自身が気になった情報をすぐにSNSへのへ流すエクステンションなども充実しており、その敷居の低さはコメント欄の比ではありません。
実際問題、コメントを頂くよりもSNSへのシェアの方が遥かに多い、というブログが殆どだと思います。
まとめ
長々と書いてきましたが、要約すると以下の様な要素からコメント欄のコストに対して、得るものが見合っていないな…というのが私の意見です。
- そもそもコメントはつきにくい
- 有益なコメントは少ない
- コメント内容の精査の手間
- スパムコメント対策の必要性
- ソーシャルネットワークの充実
様々なプラットフォームと連携する事が当たり前になってきた時代に、何処とも繋がらないクローズドな『コメント欄』は徐々に廃れてくる気もします。
コンテンツという観点から見たコメント欄の必要性について is a post from: Room 402