理想を言えば、検索エンジンは、コンテンツの「強さ」でランク付けを行うべきである。検索エンジンのアルゴリズムは、良質な文法、優れたデザイン、そして、配送費と製品を検知することが出来るほど賢くあってもらいたい。ビジュアル検索サービスのLike.comをグーグルが買収したことで、良質なデザインを特定することが出来るようになると考えられるものの、専門家の多くが、この方針への直接的な行動が、必ずしも差し迫っているわけではないと考えているように思える。
事実、優れたコンテンツが上位へのランクインの近道だとつぶやく、まるで反対の世界にこの業界は押し込められている。 検索においては、それぞれの分野が異なる特徴を持ち、優れたコンテンツを検索エンジンのランキングに反映させる力は、ウェブサイトのタイプによって、大きく左右される。サイトに対するポテンシャルは、サイトによって異なるものの、あまり魅力的ではない分野のサイトが、より魅力的な分野のサイトを簡単に上回る可能性がある — これはその他の分野とは異なり、大きな制限がないだけである。
コンテンツのリンクの有効性とは、良質なコンテンツが直接リンクをもたらす力であり — また、コンテンツが、別のサイトでも同じように優れている場合、リンクを獲得し、上位にランクインする力にどれぐらいの違いがあるかを示す。この投稿 — サイトのタイプの分類の後 — では、特定の分野が、多数のリンクを獲得する際にプラス、もしくは、マイナスに作用する理由と経緯を詳しく説明していく。まずは、図の左側に位置する最も魅力の高い「ソーシャルなブログ」を取り上げ、最も恐ろしい「ソーシャルなタブー」を最後に紹介する。
1. ソーシャルで、フレッシュなコンテンツに力を入れたサイト
このタイプのウェブサイトは、記事を用いる従来型のブログとは異なるカテゴリーに振り分けられることもがるが、常時アップデートされ、そして、頻繁に新しいコンテンツが投稿されるため、ブログ扱いされることもある。 I Can Has Cheezburgerは猫の写真を頻繁に投稿している。面白く、ユーモアに溢れた写真が大量のリンクをもたらす。同じように、New York TimesやTechCrunchも毎日複数の新鮮なニュース記事を投稿している — その多くは、質が高く、報道する価値があるため、他のブロガー達がこぞってリンクを張る。
このタイプのブログは、コンテンツを常時アップデートしているため、ビジターは頻繁にサイトにアクセスし、毎回、新たな発見をする。つまり、その他のタイプのコンテンツとは異なり、継続的にリンクをもたらすポテンシャルを持っていると言えるだろう。New York Times等のサイトは、1つのブログから多数のディープリンクを集める可能性がある — この類のリンクを得るポテンシャルがあるこそ、インターネット上で最もリンクを張ってもらえるサイトとして君臨しているのだ。
2. ソーシャルで、静的なコンテンツを持つサイト
このタイプのウェブサイトに該当するのは、話題にされるものの、再びアクセスしてもらい、新しいコンテンツを見つけてもらうためのフレームワークに欠けた製品サイトである。このようなウェブサイトの多くは、ブログを持っているものの、製品に焦点を絞っているため、先ほど紹介したソーシャルなブログと比べると、バイラルな効果を生み出す力は劣る。時折、良質なインフォグラフィックや関連する記事を投稿して、リンクを集めることが出来るものの、ソーシャルなブログとは異なり、怒涛のリンクの波を作ることは、不可能に近い。
しかし、この類のソーシャル製品ウェブサイトは、インターネット以外の場所で話題にされることがあり、ウェブサイトが存在するだけで、質の高いコンテンツに対して複数のリンク — オンライン、オフラインの双方 — が寄せられることもある。Best Buy、Fry’s、Sony等がこのタイプのウェブサイトに該当する。Cafepress、Savings、Zappos等のインターネットeコマースサイトも同様に優れた製品記事にリンクを向けてもらえることがある。大学のウェブサイトやウェブアプリのスタートアップ等もこのカテゴリーに振り分けられる。
3. 割とソーシャルなサイト
割とソーシャルな静的なサイトは、分野が関連しているために、リンクを引き寄せるタイプのサイトである。例えば、このタイプのサイトは、家の建て方、Tシャツの縫い方等のガイドを作るものの、引き寄せられるのは一定のタイプのユーザーのみであり、バイラル化する力はない。そして、上述した2つのタイプのサイトよりも、得られるリンクの本数が少ない。ユーザーベースが広ければ広いほど、そして、話題に上げてもらえればもらえるほど、リンクを獲得する力は高くなる。
ウェブサイトのタイプのフローチャートにおいて、好ましくないタイプに向かうにつれ、獲得可能なリンクは — たとえコンテンツが優れていても — 少なくなる。例えば、Burial Insurance,、Medigap、Streamline Refinanceのサイトが、特定の基準に基づいて、リアルタイムで保険の価格を比較することが出来たら、便利なサイトになるはずである。しかし、少数の多岐にわたるニュースサイトを除くと、ほとんどリンクは期待できない。一方、「ソーシャルで、静的なコンテンツを持つサイト」のカテゴリーに進み、旅行比較サイトに注目すると、比較機能だけで大量のリンクを獲得していることが分かる。
このような保険の比較機能が存在すると言うことも可能である — 誰も話題にしていないため、知らないだけである — ただ単に気にしていない、そして、知人の中にその情報を必要としている人が少ないためだ。
4. タブー
インターネットには「地下」が存在する — カジノ、ローン、ポルノ等の分野である。このタイプのサイトは、最高のコンテンツを作るポテンシャルを秘めているものの、そのコンテンツが人気を得ることはない。ポルノやカジノ等の一部のサイトは、 — 特に親しい友人のみに良し悪しを伝える — 独特の「密かな」バイラル化をもたらす力を持っている。しかし、このタイプの知識の壁により、一般的に広まる可能性は低くなる。 つまり、コンテンツからリンクを獲得することは不可能であり、検索エンジンが、どのサイトが優れているのかを判断する手掛かりが存在しないことになる — なぜなら、コンテンツを好きなことを公言する人がほとんどいないためだ。
そのため、コンテンツの作成が、このような分野で勝敗を分けることはない — リンク構築の取り組みに資金を相互的に投じる力を除けば、オンページのコンテンツとは関係のないリンクでリンクプロフィールの95%を操作しているサイトが、勝利を収めることが多い(ある意味、とてもクリエイティブだと言うことも出来る)。
教訓
それでは、ウェブマスターやSEOの担当者は、ウェブサイトの4つのタイプのカテゴリーから何を学ぶことが出来るのだろうか?自分のウェブサイトにとって、最も重要なポイントに焦点を絞って、時間を費やすべきである。ソーシャルで新鮮なコンテンツに力を入れているなら、– 検索エンジン経由のトラフィックを得るため、そして、ウェブサイトを成功に導くため — 優れたコンテンツを構築することだけに時間を注ぐべきである。ソーシャルの度合いが薄いウェブサイトの場合は、– 少なくともリンク構築に関して — オンページのコンテンツの作成に多くの時間を投じることで、ユーザーがサイトに戻ってくるかどうかを評価しなければならない。
下の表は、SEOの担当者として、リンク構築にどれだけの時間を費やすべきかを表している。科学的な根拠に基づいているわけではないものの、ずる賢く、操作する力をリンクに変える取り組み、そして、コンテンツをリンクに変える取り組みにどれだけ力を入れるべきかを判断する材料にはなる。残念ながら、この2つの取り組みの間には大きな違いがあり、賢くこの2つの道を行き来することを私は薦める。
ポルノやカジノ関連のウェブサイトを作るつもりでも、ユーザーを維持するために優れたコンテンツを提供しなければならない。しかし、コンテンツを通してリンクを獲得することは出来ない。 そのため、このタイプのウェブサイトのデザイナーは、SEO部門から完全に切り離すべきである。
一方、例えば、病気やローンを取り上げるサイトの場合、コンテンツに関する要求はほとんどない — 無難なコンテンツを作り、多少オンページSEOに力を入れ、ユーザーをコンバートするデザインを実装するだけでよい。このタイプのサイトのビジターの大半は、頻繁にアクセスするわけではないため、オンページのコンテンツは、基本的に不要である。
ローン関連のウェブサイトにおいても、SEOのスタッフは、質の高いコンテンツの作成について、デザイナーと会話を交わす必要はない — ユーザーをコンバートするサイトの構築に力を入れるだけである。リンク構築スタッフは、自分達のウェブサイトとは関係なく、ウェブサイトでリンクを操作する方法を探るべきである — 提携、リンクディレクトリ、アーティクルディレクトリ、そして、言うまでもないが、有料リンクが、例として挙げられる。タブーのウェブサイトでは、– 有料リンクかどうかに関わらず、操作こそが、リンク構築そのものである。
この記事は、Ross Hudgensに掲載された「Content Link Efficacy: Understanding Why Great Content Fails」を翻訳した内容です。