トランプ大統領が投稿したフェイクニュースを非難するビデオをTwitterがフェイク認定

Facebook(フェイスブック)がトランプ陣営の広告を嫌悪的シンボルの表示に関する規約に違反したとして削除したその日にも、トランプ大統領はソーシャルメディアにおける自身の存在を最大限に誇示した。米国時間6月18日夜、トランプ氏がシェアした雑に編集されたビデオには子供が2人が映っていて「怯えた幼児が人種差別する赤ん坊から逃げている」という偽のCNNテロップが付けられていた。皮肉なことに、その後ビデオには「問題は米国ではない、フェイクニュースだ」と表示された。

本稿執筆時点でそのビデオは790万回再生され、Twitter(ツイッター)では「操作されたメディア」の警告ラベルがツイートのすぐ下に表示され、そのコンテンツは見たとおりのものではないことを示していた。警告ラベルをクリックすると、ツイートの事実確認を行うページに飛び、そこには子供2人の映像に「この二人の子供は実世界の親友は何かを見せている」というタイトルの付けられたCNNの元の動画へのリンクも貼られている。

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改変されたビデオの右下隅には「@carpedonktum」のタグが付けられていて、作ったのがこの別名で活動する悪名高いトランプファンのミーム作者であることがわかる。Carpe Donktum(カルペ・ドンクトゥム)、別名Logan Cook(ローガン・クック)氏は昨年、ホワイトハウスのソーシャルメディアサミットに参加したが、そこはソーシャルメデアの反保守的偏見に対する根拠のない不満を言いふらすイベントだと言われている。

トランプ氏は以前にもクック氏に由来するバイラルなビデオをシェアしたことがあり、ジョー・バイデン氏が背後から忍び寄ってトランプ氏の肩を揉むビデオもあった。Meme Worldというサイトを運営するクック氏は昨年、同サイトのメンバーが作ったトランプ氏がメディアの批判者を殺すところを描いたビデオのために、短期間Twitterアカウントを停止(Daily Beast記事)された。

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米最高裁がテック業界の意向を支持、トランプ大統領による若年移民保護プログラム中止を撤回

米国時間6月18日、連邦最高裁判所は子供時代に入国した移民に一時的法的地位を与える連邦政府政策をドナルド・トランプ大統領政権が中止した措置を違法であると裁定した。

18日に発行されたこの決定は、「オバマ時代に制定された『若年移民に対する国外強制退去の延期措置』(DACA)と呼ばれるプログラムの中止は『恣意的で気まぐれ』である」とした。この裁定によって、米国に住む64万人近い人たちが一時的に国外追放を免れる。

トランプ政権にとって打撃となるこの決定だが、テック業界やそのリーダーたちがほぼ全員一致で支持することはまちがいない。彼らは、今の大統領とアドバイザーたちがプログラムを中止しようとした時、強くDACAを支持する姿勢を表明(未訳記事)した。。

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2018年初め、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)のCEOといったテック業界の大物を含め、100人以上の米国ビジネスリーダーが、DACAプログラムが失効する3月までに行動を起こすよう議会に求める公開書簡を提出した。

Tim Cook(ティム・クック)氏、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏、Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏の4人はプログラムの保護を強く訴え、米国に子供として入国し同プログラムによって滞在許可を与えられた「ドリーマーズ」と呼ばれる無許可移民たちが、この国で国外追放のリスクを負うことなく生活し、働き続けられるよう法案を通すことを議会に要請した。

当時テック業界の幹部たちは、プログラムを終了すれば米国経済に最大2150億ドルの損失を与える可能性があると訴えた。

クック氏は2017年のツイートで、アップルには約250人の「ドリーマーズ」が働いていると語った。

DACAプログラムの支持を表明したテック幹部のリストは長い。IBM CEOのGinni Rometty氏、Microsoftのプレジデント・最高法務責任者、Brad Smith氏、Hewlett Packard Enterprize CEOのMeg Whitman氏、そのほかAT&T、Dropbox、Upwork、Cisco Systems、Salesforce、LinkedIn、Intel、Warby Parker、Uber、Airbnb、Slack、Box、Twitter、PayPal、Code.org、Lyft、Etsy、AdRoll、eBay、StitchCrew、SurveyMonkey、DoorDash、そしてVerizon(TechCrunchを所有するVerizon Media Groupの親会社)といった企業の幹部が名を連ねている。

今回の裁定で注目すべきなのは、2017年9月のプログラム終了について国土安全保障省が十分な理由を与えなかったと大多数が見ていることだ。これでこの在留資格問題の議論は、ホワイトハウスと議会に差し戻された。

Boston Globe紙は最近の記事で、John Roberts裁判長が記載した多数決判定は、オバマ時代の政策やその撤回が正しかったかどうかは断定しておらず、国土安全保障省が政策終了の十分な理由を提供しなかったことだけを決定(Boston Globe記事)したと報じた。

「我々は同省がその行動について理にかなった説明を提供するという手続き上の要件を満たしていたかどうかのみを検討した」とロバート氏は書いている。

最高裁の決定は「ドリーマーズ」にとって良い知らせであるが、彼らのこの国における市民権の問題は解決にはほど遠い。米国政府の新型コロナウイルスに対するパンデミックへの対応では、国の移民関連の処理はできる限り凍結するとしている。

4月末の大統領命令によって、移民候補者のグリーンカード手続きが凍結され、政権はH1-Bビザによる一時労働者の禁止を検討しているとも噂された。実際に大統領は、厳格な国境管理政策や、合法、非合法両方の移民を抑制するその他の規制によって弾圧を強化している(Boston Globe記事)。

オバマ政権の作った2012年のプログラムによって、80万人以上がこの国の労働力に加わった。DACAは30歳以下で、米国に入国した時16歳以下で犯罪歴がなく、働いているか学校に行っていれば誰でも申請できる。

最高裁の裁定を受けてトランプ大統領は「最高裁が私を好きじゃないという印象を受けたかな?」とツイートした。

画像クレジット:Jose Fuste Raga (opens in a new window)/ Getty Images

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米連邦通信委員会の委員がSNS関連の大統領令を非難、我々の専権事項と主張

米連邦通信委員会(FCC)委員のGeoffrey Starks(ジェフリー・スタークス)氏は、ソーシャルメディア企業に対して行動を起こすよう駆り立てる大統領令(未訳記事)を精査し欠陥を見つけ出した。委員長は「この議論にFCCが加わるべきでない十分な理由がいくつもある」と指摘し、「これは我々の先見事項だ」と発言した。

この大統領令は、Facebook(フェイスブック)やYouTube(ユーチューブ)などのプラットフォームへの違法なコンテンツの投稿に関して、法に従いそれらを削除するよう努力する限りは責任を負わなくてよいと保証した米通信品位法230条を標的にしている。

政府内部には、この保護が行き過ぎており、ソーシャルメディア企業による言論の自由の抑圧につながると考える者もいる。トランプ自身も、今回の大統領令の直接のきっかけとなった郵便投票の不正を訴える根拠のない主張にファクトチェックの必要性を警告するラベルが添付されたことで、明らかに抑圧を感じている。

関連記事:トランプはソーシャルメディアの法的保護に圧力をかけTwitterと交戦状態に(未訳)

スタークス氏はこの件に関する意見を、 テクノロジー関連の問題を研究する左派のシンクタンクInformation Technology and Innovation Foundationのインタビューで述べた。彼はFCCの5人の委員の中の一人に過ぎず、FCCはこの大統領令について、いかなる形であっても公式な見解はいまだ示していないが、法律上また手続き上の深刻な問題点を指摘する彼の言葉には重みがある。

「この大統領令は、1つのことをはっきりと正しています。大統領は、FCCにあれこれ指図はできないという点です」と同氏は話す。「我々は独立機関なのです」。

同氏は、法律は完璧ではないという自身の考えを示すことに注意を払っていた。つまり、このような形での法律の変更は、まったく正当化されないということだ。

「230条に関しては、特にトランプ大統領とTwitterが対立するよりもずっと以前から、広く議論されていました。この法律は更新すべきだと考える非常に聡明な人たちも大勢います」と彼は説明した。「しかし、最終的にこの論議は議会に委ねられることになります。大統領は、538名の議員を擁する連邦議会ではなく、委員5名の委員会に圧力をかけるほうがずっと好都合だと気づくでしょうが、それは民主的に選ばれた国民の代表による憲法に基づく機能を出し抜く理由として十分ではなく、ましてや納得の行くものではありません」。

米司法省も関与をはじめ、本日230条の改正ついて独自の提言(米司法省文書)を行った。しかしホワイトハウスと同様、司法にもFCCの責務を直接変更したり、でっち上げたりする権限はない。

一部の議員も、同じように法案の提言を始めているが、署名して法律として成立させようと賛同する者は現れない。

関連記事:ソーシャルメディアを攻撃するトランプの大統領令が最初の法的問題に直面

別の委員であるJessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンウォーセル)氏も彼の懸念に同調し、大統領令に対する早期の声明でこう表現している。「ソーシャルメディアは不満に思うでしょうが、FCCを大統領の発言監視役にしたところで、答にはなりません」。

FCC230条の「誠意ある」行動の定義を狭めることの難しさと不要性に関する法的制約について細かく説明したあとにスタークス氏は、この大統領令は、その文脈においてまったく意味をなさないと結論付けた。

「米国憲法修正第1条は、ソーシャルメディア企業に投稿内容の検閲を、政府には不可能な方法で自由に行うことを許しています。また修正第1条は、政府が言論に関してそれらの企業に報復することを禁じています」と同氏は話す。「大統領がここで提案していることの非常に多く、大部分が、その中核的概念に沿っておらず、そのためFCCはルール作りにさらに消極的になるのです」。

「最悪のシナリオは、大統領令に何らかの信頼性を与えるという怠慢を許し、私たちの民主主義の機能を圧迫することです。インターネットのサービスプロバイダーには確実な法的支援は与えないと、今後の規制制度に脅しをかけることです」。

とはいえ同氏は、この大統領令は必ずしもトランプ大統領が望む解決策にならなくとも、FCCが何らかの行動を起こすべきだと訴えていることも認識している。

「私は、できるだけ早く申立書を寄こすよう(米国家電気通信情報管理庁に)催促するつもりです。大統領令が出されてから、申立書を送るのに30日以上もかかる理由がわかりません。それを受けて私たちは行動に出ることができます。FCCは申立を精査し、投票を行います」と彼は言う。「そしてもし、結局そうなるのではないかと懸念しているのですが、申立が当局の法的問題によって失敗した場合には、私たちははっきりと声をあげ、この不幸な遠回りを終わりにするべきだと考えています。大統領選挙をいいことに保留にされ、私が恐れているように民間企業が脅かされることにならないよう注意しなければなりません」。

判断の多くは委員長であるAjit Pai(アジード・パイ)氏に委ねられることになる。彼は一貫して、政権の意向に沿ってきた。そしてもし、大統領支持者のCarr(カー)委員の熱意(FCC文書)が何かしらの傾向を示しているとしたら、大統領の「指導の求め」に連邦通信委員会の共和党系委員が喜んで対応することになる。

これまでのところ、大統領令に関連するFCCの行動について公式な発表はないが、米国家電気通信情報管理庁が迅速に動けば、早ければ来月の審査会で話が聞けるだろう。

関連記事:SNSは民主主義を守らなければならない、たとえ相手が大統領でも

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

SNSは民主主義を守らなければならない、たとえ相手が大統領でも

「郵便投票に関する事実を見る」というなんでもない青いラベルから始まった。

先月、ドナルド・トランプ米大統領は、郵便による投票は不正を招くという事実無根の主張を繰り返しツイートした。これに対してTwitter(ツイッター)は、「市民の清廉性」と新型コロナウイルス関連の誤情報に関するポリシーに従ってファクトチェックを行い、主張が間違っていることを示すラベルを添付した。すると、トランプ大統領はソーシャルメディア企業を閉鎖に追い込むと脅しをかけてきた

これに続き同社は、警察官による暴行に関する大統領のツイートのひとつに対して、暴力を美化していることを根拠に、閲覧前に警告文を表示してツイートを隠す措置(The Guardian記事)を採った。すると大統領は、法的強制力がほとんどない大統領令を発して(Vox記事)ソーシャルメディア企業を黙らせようとした。米国時間6月8日、Facebook(フェイスブック)もこの喧嘩に巻き込まれ、同社の従業員はトランプ大統領の投稿に対する会社の無作為に抗議してバーチャルストライキを実施した。

トランプ大統領によるソーシャルメディアへの投稿は、しかし、主に米国内の黒人コミュニティーを標的とした有権者抑圧(The Guardian記事)や抗議者への暴力(Smithsonian Magazine記事)といった長く忌まわしい歴史の中の、つい最近の一要素に過ぎない。総合するに先週の出来事は、ソーシャルメディアがこうした民主主義への攻撃の最前線になったという厳然たる事実を、そしてデジタル偽情報への対処には、やるべきことがまだ山積みであることを浮き彫りにした。

暴力を美化するとの理由で大統領のツイートを非表示にしたTwitterの判断は、大きな注目を集めた。問題のツイートに含まれていた「略奪が始まれば銃撃が始まる」という一文は、そもそも1960年代に黒人が多く住む地域での攻撃的で差別的な警備方針で知られたマイアミの警察署長が言い出した言葉(NPR記事)を元にしている。しかし、抗議活動の参加者は「プロが統率している」とか「ANTIFAが率いる無政府主義者たち」といったトランプ大統領のツイートは、略奪や暴動はANTIFA(アンティファ、米国の反ファシズム運動)の活動家が組織しているという噂を広めることになったのだが、Twitterはどちらの投稿にもラベルを付けたり、非表示にしたり、削除したりはしなかった。同様の投稿がなされたFacebookも一切関与しないことを決めた。

同じく、Twitterがトランプ大統領の「不正投票」の偽情報にラベルを添付したことは、新たな進展だ。先週の火曜日に投稿されたツイートは、Twitterがトランプ大統領の発言にファクトチェックを行った最初のものとなった。もっとも、トランプ大統領はそのずっと以前から似たような主張を繰り返しているのだが。

ちょうど1週間前、ミシガン州とネバダ州の州務長官が郵便投票の範囲を広げようと違法な不正行為を働いたとの偽情報をツイート(NewYork Times記事)し、各州に補助金を削減すると脅しをかけた。大統領はまた「郵便による投票は『大量の不正と悪用』を、そして『偉大なる共和党の終わり』を招く」とFacebookに投稿した。郵便による投票と不正との間に関係性がなく、郵便投票がどちらかの政党に有利に働いたという証拠も一切ない(NewYork Times記事)にも関わらずだ。これに関しては、TwitterもFacebookも行動を起こさなかった。

新型コロナウイルスのパンデミックの最中に、郵便投票の信用を落とそうとデジタル偽情報を流すトランプ大統領の意図は、主に彼の選挙キャンペーンにおける投票者抑圧の歴史に関連している。2016年の大統領選挙に向けた準備期間中、トランプ大統領の選挙事務所のある上級幹部が「3つの大掛かりな投票者抑圧作戦が進行中だ」と口頭で漏らした(Bloomberg記事)ことがある。その一環として、同選挙事務所はFacebookの「ダークポスト」を利用した。特定のユーザーにしか表示されない投稿だ。

主に黒人の有権者をターゲットに選挙当日は家に留まるよう働きかけた。不気味なことに、これはソーシャルメディアを使ったロシアの選挙妨害工作(Brennan Center記事)と同調していた)。2020年の大統領選挙に向けて、トランプ陣営と共和党は、郵便投票を制限する大規模なキャンペーンを計画して(Washington Post記事)いる。政治的プロセスへの信用の低下を目的に不正投票に関する偽情報を流しているのは、この戦略の一部だ。

TwitterとFacebookの暴力と市民参加に関するポリシーは、少なくともソーシャルメディア上でのこれらの問題への対処にいくぶんか近づいてはいる。どのプラットフォームも、暴力の美化や奨励を禁じている(TwitterのGlorification of violence policy)。そして双方プラットフォームで(Forbes記事)では、いつ、どこで、どのように投票するかに関する間違った情報を含むコミュニケーションも、投票を妨害する有償広告も禁じている。

ところが、こうしたポリシーはこれまで公平に適用されてこなかった。どちらの企業も、これまで大統領の投稿内容の審査をしたことがなかった。特にFacebookは政治家の投稿を明示的にファクトチェックから除外したことで批判を浴びている。トランプ大統領の最近の危険な投稿に何も手を打たないことは、Facebookのポリシーが流動的である証拠だ。それが6月8日のストを招き、公民権活動のリーダーたちの非難を浴びる結果(Axios記事)となった。

TwitterもFacebookも、市民参加と暴力に関するポリシーは、デジタル偽情報の影響に対する一般からの圧倒的な抗議に応える形で導入している。たとえ合衆国大統領であっても、そこから免除される者がいてはならない。Twitterはこれを踏まえ、大統領の危険なツイートをファクトチェックし非表示するという小さな一歩を踏み出した。だが将来的には、TwitterもFacebookも、それぞれのポリシーの適用に一貫性を確保していく必要がある。たとえ、権力者に適用する場合においてもだ。

【編集部注】この記事は3人の著者の共著だ。Margaret Sessa-Hawkins(マーガレット・セッサ=ホーキンス)は、MapLight筆者であり、インターネット上の不正な政治的メッセージの影響を追求するジャーナリスト。Ann M. Ravel(アン・M・ラベル)はMapLightデジタル偽装プロジェクトのディレクターであり、連邦選挙管理委員元会議長。Hamsini Sridharan(ハムシニ・スリダラン)はMapLightプロジェクト・ディレクター。

画像クレジット:Blake Callahan / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Snapchatがトランプ大統領の投稿をDiscoverタブに掲載しないと発表

Snap(スナップ)は米国6月3日朝、先週のトランプ大統領のTwitter(ツイッター)投稿を受けて、大統領のコンテンツをDiscoverタブに掲載しないと発表した。ツイートの中で大統領は「抗議する者は『獰猛な犬』と『不吉な武器』に直面するかもしれない」と脅した。

Snapchat(スナップチャット)の対応は多くの理由で注目に値する。中でも、ソーシャルメディアプラットフォームは人気のアカウントがプラットフォーム利用規則を破ったら注意するだけにとどまる傾向にあったことを考えると、かなり興味深い。Snapchatユーザーは、トランプ大統領のフィードを購読したり、アカウントを検索したりすればコンテンツにアクセスできる。今回Snapは単に大統領のアカウントをオーガニックリーチに限定し、Snapが管理するフィードから排除しているだけだ。

「我々は人種暴力や不平等を煽動する人にDiscoverでの無料宣伝を提供することでそうした人の声を拡散させることはしない」とSnapchatの広報担当は声明で述べた。

Snapchatの対応について、トランプ大統領の陣営は「有権者の抑圧に積極的に関与している」と非難(トランプ大統領のウェブサイト)した。

SnapchatのパーソナライズされたDiscoverフィードは、ニュースメディアやSnapchat上のアカウントのコンテンツをソースとしているが、TwitterのMomentsスレッドのような競合するプロダクトに比べてよりエンターテイメントのニュースに偏っている。一方、Momentsはニュース速報に重きを置いている。

今週はじめに、SnapのCEOであるEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)氏は最近の抗議についてのレターを共有し、その中で「米国の黒人と有色の人の扱いに心を痛め、憤りを感じた」と記した。Snapのサイトに投稿されたレターの中で、シュピーゲル氏はまた「真実、調停、賠償に関する多様で、党派に属さない委員会」の設置を求めた。

Snapの決断は、Twitterが「暴力の称賛」を禁止するTwitterのルールを破っているとしてトランプ大統領のミネアポリスの抗議についてのツイートの1つを非表示にしたことを受けてのものだ。Twitterはその前に郵送投票に関連するトランプ大統領の2つのツイートに「要事実確認」の警告を表示した。

Facebook(フェイスブック)はCEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がTwitterに投稿されたのと同じコンテンツをニュース価値があるとして同プラットフォームからの削除を却下し、同社は今週内部からの批判を浴びた。一部のFacebook従業員がリモートでのストを実行し、ザッカーバーグ氏を含む経営陣にこの件について社内会議を開催するよう要求する事態に発展した。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterが「暴力を称える内容」とトランプ大統領のミネアポリスに関するツイートに再び警告

米国時間5月26日に郵送投票に関する誤解を招くようなDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のツイートに要事実確認の警告を付けた後もTwitter(ツイッター)は好調だ。さらにトランプ大統領の別のツイートにも警告を付けた。今回は、大統領のツイートが自動表示されないようにした。暴力を称える内容がルール違反だと表示し、ただし公益性があるとしてツイートを閲覧できるようにもしている。

トランプ大統領のツイートがどのように表示されるかは、以下のスクリーンショットにある通りだ。


トランプ大統領が書き込んだものに「公益性があるかもしれない」の表示が取って変わっている。つまり大統領の攻撃的なツイートを閲覧するには、ユーザーはクリックするというアクションしなければならない。

この措置により、大統領のツイートへの反応も限定される。つまり、ユーザーができるのはコメント付きでのリツイートだけだ。「いいね」の意思表示やリプライ、称賛するようなリツイートは不可となっている。

Twitterの警告ではさらに、なぜ大統領のツイートを完全に削除しなかったのかも説明している。これは、ポリシーの中にある「公益性がある」の要素が関わるところだ。同社はこう記している。「ツイートを閲覧できるようにしておくことが公益性があると判断した」

インターネット企業がユーザーのコンテンツに法的責任を負わないという法律の運用見直しを目的とした大統領令に署名した5月28日の大統領の対応を、Twitterは意に介していないようだ。結果的に、保守派の意見を意図的に抑制しているとソーシャルメディアプラットフォームを批判してきたトランプ大統領を不愉快にさせた。ただ実際のところ、広告プラットフォームのアルゴリズムは憤りに満ちたコンテンツや意見を拡散させていて、保守的な意見を広めているという多くの証拠がある。

問題となった最新の投稿で、トランプ大統領は黒人男性のGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏が白人の警官に殺された事件を発端にミネアポリスで起こっている抗議暴動についてツイートした。その中で大統領は、「軍」を派遣すると脅す前に「暴徒たちはジョージ・フロイドの名誉を傷つけている」と主張した。

「いかなる困難があろうとも、我々はコントロールする。略奪が始まれば、銃撃が始まる。以上!」と大統領は付け加えた。市民に対して軍事力を行使するという露骨な脅しだ。

Twitterはここ数年、コンテンツに関する規則を破る世界のリーダーたちにいかに対処するかという問題と格闘してきた。メインとなるのがトランプ大統領だ。彼はライバルの政治家から嫌っているジャーナリスト、従順でない企業のリーダー、彼を立腹させる俳優に至るまで、あらゆる種のターゲットをいじめるために、また時に乱暴的に脅すために日頃からTwitterを頻繁に使っている。

大統領に選ばれてからは、北朝鮮やイランに対し、ツイートいう形で軍事的な脅しをかけるなど、Twitterのグローバルプラットフォームを外交政策の武器としても使ってきた。

例えば2018年にトランプ大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に核のボタンが用意されていることをチラつかせた(以下のツイート参照)。北朝鮮の独裁者に直接会って「恋に落ちる」前のことだ。

Twitterは過去においては攻撃的なトランプ大統領のツイートを精査しないという防衛策をとってきた。だが米国の大統領として、狂気じみた、悪質で、危険なツイートの内容は本質的には報道価値がある。

最近になって同社は干渉できるよう規則を設け、2019年夏には「Twitter上での公益性あるコンテンツ」を定義した。

その後(ほぼ1年前の2019年6月)Twitterは規則違反になるようなツイートに「公益性あるコンテンツ」の案内を表示することもあると注意を促した。攻撃的なツイートを削除するのではなく、「追加の説明と透明性を提供するため」だ。

そして今、Twitterはトランプ大統領のツイートに警告表示を適用し始めた。26日に大統領選に関するツイートに「要事実確認」の警告を付けたのが最初で、その後にトランプ大統領が暴力を称えるツイートに「公益性あるコンテンツ」の警告を付けた。

ついにTwitterはリアルタイムで大統領の周りに停止線を引く方向に向かっているようだ。

ミネアポリスでの略奪に対し軍に銃撃を命じるという大統領の脅しに警告を付けた理由について、Twitterは次のように説明した。「歴史的背景や暴力とのつながりから、このツイートは暴力の美化に関する我々のポリシーに反している。また今日のような暴動を連鎖で引き起こす可能性もある」。

「我々は人々が暴力行為へと焚き付けられることがないよう、このような措置をとったた。しかし、現在進行形の社会にとって重大な事案に関するツイートを閲覧できるようにしておくことは重要であり、削除せずにTwitter上でこのツイートを閲覧できるようにしている」。

Twitterはまた、暴力を称えるツイートに関するポリシーのリンクも貼っている。そこにははっきりと太文字で「個人や集団に対し暴力で脅してはならない」書かれている

2019年6月、Twitterは「暴力的な行い」の警告について発表した際に、ツイートが「公益性がある」かどうかの判断はアルゴリズム促進の影響は受けないとし、次のように説明した。「言論の自由、責任、そうしたツイートによって引き起こされ得る悪影響の抑制、それらのバランスを保てるよう、ツイートがアルゴリズムで評価されることがないよう取り組みを進める」。

しかし、ようやくトランプ大統領にルールを適用するという報道価値のあるTwitterの判断は、アルゴリズムを適用しない余地が十分にあることを保証するものだ。

筆者はトランプ大統領の最新のツイートに対して公益性があるかチェックをかけるという判断についてTwitterに質問しているが、この記事執筆時点で返事はない。

27日夜にTwitterのCEOで共同創業者のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、トランプ大統領の郵送投票に関して誤解を与えるツイートに「要事実確認」の警告を表示した理由を一連のツイートで説明した。

「これは我々を『真偽の決定者』にするものではない」とドーシー氏は書いている。「相対する考えを点と点でつなげ、人々が自分で判断できるように議論されている情報を示すことが我々の意図するところだ。我々が取った措置の理由を人々が確認できるようにするには透明性が不可欠だ」。

ドーシー氏の発言は、Facebook(フェイスブック)のCEO、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏のFox Newsへのコメントに言及してのものだ。ドーシー氏は、プラットフォーム監視におけるFacebookがいうところの「中立性」と、政治広告のような問題と距離を置いているTwitterのポリシーを比較することを意図した(Twitterは政治広告を不可としている)。

「Facebookは、オンラインでの人々の全発言の真偽を決定する存在であるべきでないと固く信じている」とザッカーバーグ氏は保守的なメディアであるFox Newsに語った。「民間企業、特にプラットフォーム企業はそうしたことを行う立場にあるべきではない」。

ドーシー氏が、論点すり替えの議論だとしてTwitterのポリシーに対するフェイスブックの攻撃をはね返すのに、ザッカーバーグ氏が用いたフレーズ「真偽の決定者」をそのまま使っているのは注目に値する。

アップデート1 トランプ大統領の反応:Twitterの措置に対し、トランプ政権はホワイトハウスの公式Twitterアカウントから、トランプ大統領の攻撃的なツイートの文言を引用する形でリツイートしている。大統領の暴力的な脅しの再拡散だ。

トランプ大統領はまた、5月29日朝に発した一連のツイートの中で、通信品位法230条を無効にすることでソーシャルメディアを規制するという脅しを繰り返した。その中で大統領は、Twitterが「中国や過激な左翼民主党が発する嘘やプロパガンダ」を無視していると非難した。

アップデート2 もぐらたたき:Twitterは、ホワイトハウスの公式Twitterアカウントが投稿した、トランプ大統領のツイートの文言を引用する形のツイートに警告を付けている。

画像クレジット:Chip Somodevilla

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(翻訳:Mizoguchi

TwitterのCEOがトランプ大統領のツイートに警告を付けた理由を説明

Twitter(ツイッター)が5月26日にトランプ大統領の2つのツイートに「要事実確認」の警告を表示した後、ドナルド・トランプ大統領と彼のお気に入りのソーシャルメディアプラットフォームの間で緊張が高まっている。

27日夜、TwitterのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は自社プラットフォームで同社の対応を説明した。彼は滅多に政治的闘争をしない。

声明の中でドーシー氏は、Facebook(フェイスブック)のプラットフォーム取締りに関する取り憑かれたような中立的アプローチとTwitterの現在の状況を比較する、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏がFox News向けに出したコメントに言及した。ザッカーバーグ氏は「Facebookはオンラインでの人々の全発言の真偽を決定する存在であるべきではないと固く信じている」と述べた。「民間企業、特にプラットフォーム企業はそうしたことを行う立場にあるべきではない」

ドーシー氏はまた、Twitterの幹部を責めるトランプ氏のオンラインサポーターや代理人たちを非難した。トランプ氏のTwitterに対する憤りに感化されて活発になった批判者たちに「Twitter従業員をどうか巻き込まないでほしい」と求めた。

ドーシー氏の個人アカウントと同社のセーフティーアカウントで「トランプ氏の2つのツイートに要事実確認のリンクを貼るという措置は、それらが『投票用紙を受け取って選挙に参加するために何をすべきか、有権者を混乱させる』可能性があったからだ」とはっきり説明した。

同社が警告を表示したツイートの中で(見えないようにしたり削除したりはしていない)、トランプ大統領はカリフォルニア州知事が「誰であろうが、どうしてそこにいるのかに関係なく州に住んでいる何百万というあらゆる人に投票用紙を送ろうとしている」と誤った内容を記述している。実際にはカリフォルニア州は登録された有権者だけに投票用紙を送る。大統領はまた、郵送投票の信用性について恐ろしいほど偽りの主張を展開した。郵送投票のシステムはすでに不在票という形で米国中で活用されている。

説明とともに、ドーシー氏はTwitterが「civic integrity policy」と呼ぶ、プラットフォーム上での特定の種の「操るような言動」を禁止するルールへのリンクも案内した。ルールによると、投票方法や投票するために必要な書類、選挙の日時に関してミスリードするような情報は禁止されている。ポリシーに照らすと、「『選挙は仕組まれている』という根拠のない主張のような」選挙に関する漠然とした主張は禁止されていない。

Twitterの介入アクションとしては、ユーザーにツイート削除を強制する、経歴に誤情報を表示した場合のアカウント凍結、「深刻なポリシー違反、または度重なるポリシー違反」で永久追放というものがある。

26日のTwitterの対応は、トランプ大統領が根拠のない陰謀説を推進する一連のツイートに続くものとなったというタイミングは偶然の一致だろう。大統領はMSNBCのホストで「政治ライバルのJoe Scarborough(ジョー・スカーボロ)氏が24年ほど前の議会インターンの死に関わっている」との陰謀説を主張していた。

27日夜、ホワイトハウス報道官のKayleigh McEnany(ケイリー・マッケナニー)氏は「大統領が『ソーシャルメディアに関する』大統領令に間もなく署名するだろう」と記者団に述べた。ショッキングではあるが非現実的なTwitterへの報復だと広く受け止められている。大統領令は、現代のインターネットを支えるのに必須の規定である通信品位法230条を脅かし、FTC(連邦取引委員会)とFCC(連邦通信委員会)を通じてソーシャルメディア企業の力を削ごうとする、ホワイトハウスが以前展開した取り組みの焼き直しとなりそうだ。

トランプ大統領は8000万人超のフォロワーに対して「Stay Tuned!!!」(乞うご期待)とツイートし、今後の報復をほのめかした。

画像クレジット: Cole Burston/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

関連記事:Twitterのファクトチェック警告に怒り心頭のトランプ大統領、SNSを規制または閉鎖すると息巻く

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(翻訳:Mizoguchi

Twitterのファクトチェック警告に怒り心頭のトランプ大統領、SNSを規制または閉鎖すると息巻く

ドナルド・トランプ米大統領は、またもや強硬手段に出る。郵送による投票についての自身のツイートに、ファクトチェックを要するという警告ラベルを付けられると、TwitterはTwitter(ツイッター)を再び強く非難した。

画像クレジット:Alex Wong/Getty Images

これまで大統領に好きなようにさせてきたサービスも含め、今までにないほどの強硬な方策を打ち出した。トランプ大統領は、各社ソーシャルメディアサービスは規制を受けるか、閉鎖しなければならないというのだ。共和党は、これまでずっとソーシャルメディアサイトには反保守的なバイアスがかかっていると考えてきた。

「共和党員は、ソーシャルメディアプラットフォームが保守派の声を完全に黙殺している、と感じている」と大統領はツイートした。「我々は、これが実現できるまで、それらを厳しく規制するか、閉鎖するつもりだ。彼らが2016年に何をしようとし、そして失敗したか、みんな知っている」。

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この最後の部分は、2016年の大統領選挙で、TwitterやFacebook(フェイスブック)のようなプラットフォームが果たした役割について述べているのだろう。大統領は続いて、先に述べていた郵送による投票についての主張を繰り返し、パンデミックの中で簡単に投票できるようにすれば「不正、捏造、窃盗の温床になる」と非難した。

最初にTwitterが、要ファクトチェックのラベルを付けたのは、まさにこうした主張だった。ただし、この原稿を書いている米国東部標準時午前7時過ぎの時点では、新しいツイートにはまだそのようなラベルは付けられていない。祝日を加えた長い週末に続くここ数日、トランプ氏はお気に入りのメディアプラットフォームであるTwitterに頻繁に投稿していた。昨晩は、Twitterが「自由な発言を抑圧している」と非難していた。むしろTwitterは、利用規約に違反している疑いがあるにも関わらず、大統領の発言を削除したり、アカウントを停止したりすることを避けてきた経緯がある。

今朝も大統領は、ケーブルニュースのモーニングショーのホストを、その亡くなった妻に関する昔から言われている陰謀論に絡めてツイートし、ウォーターゲートよりも「オバマゲート」のほうが悪いと宣言していた。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)