MotionalとLyftが提携し2023年から米国主要都市でロボタクシー展開へ

自動運転車の商業化を目的とするAptiv(アプティブ)とHyundai(現代自動車)の40億ドル(約4140億円)の合弁企業であるMotional(モーショナル)は、Lyft(リフト)の配車ネットワークを使って完全ドライバーレスのロボタクシーサービスを2023年に米国の主要都市で立ち上げる計画だ。

Motionalが、ロボタクシーサービスの立ち上げ時期を具体的に示したのは初めて。LyftはラスベガスでMotionalのパートナーだったが、LyftがMotionalの商業化計画で主要パートナーとなると言及があったのも初めてのことだ。

今回の発表に先立ってネバダ州は2020年11月に、Motionalに完全ドライバーレスつまり運転席に誰も乗っていない車両の公道テストを許可していた。

MotionalとLyftが提携して3年になる。この提携は当初、2018年CESテックショー期間中にLyftのネットワークの自動運転車両で乗車を提供するという、1週間ほどの試験プログラムとして始まった。

MotionalとLyftの提携は、現代自動車との合弁会社設立よりも前に結ばれた。当時、MotionalはAptiv Autonomous Mobility Groupとして知られていた。常に人間のセーフティードライバーが乗り込んで展開されてきた実験は期間が延長され、現在も続いている。このプログラムでは2020年2月時点で、Aptiv(現在のMotional)の自動運転車両を使って10万回超の有料の乗車があった。

乗車回数が増えるにつれ、Aptivのラスベガスでの投資は拡大した。同社は2018年12月、自動運転車両を収容し、ソフトウェアとハードウェアシステムのR&D、認証、マッピングを専門とするエンジニアリングチームを置くために、13万平方フィート(約1万2000平方メートル)のテクニカルセンターをラスベガスに開所した。

Motionalは米国時間12月16日の発表について、提携の「飛躍的進歩」と表現する。ロボタクシーサービスは現代自動車の車両プラットフォームをベースにした次世代の車両を使用する。完全ドライバーレス走行、リモートでの車両アシストのために車両にはセンサーやコンピューター、ソフトウェアが搭載される。現在BMW 5シリーズとChrysler Pacifica Hybridミニバンを使用しているMotionalは、車両が「かなり」増えるだろうと話した。

ロボタクシーサービスをどの都市で展開するか、展開する車両の規模など詳細は明らかにしなかった。Motionalはボストン、ラスベガス、ピッツバーグでテストを行っている。Lyftとのロボタクシーサービス提携が初期に立ち上げられた都市以外でも展開される、とMotionalは明言した。ただし、Lyftが唯一のパートナーではない。2020年初め、Motionalはオンデマンドシャトル企業のVia(ビア)と2021年上半期に米国の都市で一般向けにシェアリングロボタクシーサービスを立ち上げることで契約を結んだ。目的はオンデマンドのシェアリングロボタクシーの青写真を描き、こうしたドライバーレスの車両が大量輸送機関に統合できるかを確かめることにある、と両社は述べた。

「この提携は、ドライバーレステクノロジーにおける我々のグローバルリーダーシップの証となります。我々は交通機関イノベーションの最先端にいて、ロボタクシーを研究から道路へと動かしています」とMotionalの会長でCEOのKarl Iagnemma(カール・イアグンマ)氏は声明文で述べた。「目的は安全で信頼できる、そしてアクセスしやすいドライバーレスの車両を作るだけでなく、そうした車両を大規模に展開することにあります。これを実行するためにLyftと提携します」。

カテゴリー:モビリティ
タグ:MotionalLyftロボタクシー自動運転

画像クレジット:Motional

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾン傘下のZooxがドライバーレスの電動ロボタクシーを初披露、最高時速120km

6年前、Zoox(ズークス)は壮大なミッションを掲げて静かにスタートした。自動運転ソフトウェアとオンデマンドライドシェアリングアプリから車両の運用管理、乗客を運ぶ型破りなクルマまで、ロボタクシーサービスのあらゆる部分を作って商業化することだ。

そしていま、複数年の努力のベールがついに剥がされる。2020年始め、Amazon(アマゾン)に買収されたZooxは、一から作った電動自動運転ロボタクシーをお披露目した。キューブ風の車両にはセンサーが満載され、ハンドルはなくムーンルーフで乗客4人を最高時速75マイル(120km)で運ぶことができる。クルマは両方向に走行可能で四輪操舵。Zooxは、狭いスペースでバックすることなく方向転換することができるための機能だという。つまりは密集した都市環境のことだ。

座席は4人がけ対面式の対称構造で、列車で見かける光景に似ている。搭載する133kWhのバッテリーは、1回の充電で連続16時間の走行が可能だとZooxはいう。しかしZooxは、バッテリーの航行距離は明らかにしていない。

車の内外にはほかにも、双方向車両用のエアバッグシステム、乗客を包み込むキャリッジシーティングなど優れたデザイン要素が詰まっている。Zooxは4つの座席すべてが衝突安全保護基準の5スター相当だという。車両にはカメラ、レーダーに加えて270度視野のLiDARが四隅すべてに設置されており、左右と後方の歩行者、自転車その他路上の物体を常時監視できる、とZooxはいっている。

Zoox L5、完全自動運転全電動ロボタクシーの車内(画像クレジット:Zoox)

ZooxのCTOであるJesse Levinson(ジェシー・レビンソン)氏は、クルマを一から作ったことで会社は乗客の安全を考え直し、受け身の姿勢から先を見越した対策へと転換できたと語った。「そこには我々自身によるエアバッグデザイン、車全体の冗長性のあるハードウェア、独自のセンサー機構、そして潜在的危険を検知、緩和するカスタムAIスタックなど新しい安全対策が含まれています」とレビンソン氏は語り、この車が連邦自動車安全基準(FMVSS)の主要な衝突テストに合格したことを付け加えた。

まだわかっていないのは、ZooxがFMVSSから車両の運用認可を受けたのかどうかだ。この種の国の基準は、いくつか特定の機能を備えることをメーカー要求しており、操舵ハンドルもその1つだ。Zooxの車両にはついていない、なぜなら無人で走るように設計されているからだ。2020年始めに無人デリバリーのスタートアップであるNuroは、連邦政府から無人運転の特例を受けた最初の企業となった。

米国運輸省国家道路交通安全局に承認されたその適用除外は、Nuroの低速電気自動車であるR2に与えられたもので、地域のレストラン、食料品店などのデリバリーサービスに用いられる。Nuroの車両にもハンドルはないが、商品の配達専用に設計されており人間は乗せない。

この最後で重要なハードルが残ってはいるものの、車両の完成は会社にとって大きな節目だ。Zoox CEOのAicha Evans(アイシャ・エヴァンス)氏は、これは自動運転ライドシェアリング運用に向かう同社の旅にとって重要な一歩だと語った。

Zooxは現在専用車両を使って私道でテスト中だが、いずれ公道に出る予定だとメールで語っている。「これは重要な一歩です。Zooxは路上に出るクルマがすべて、完全にテストされ、入念な検査を受け、みなさんが使うための準備が整っている状態にしたいのです」と広報担当者はメールで語っている。「Zooxはまだ商業ライドシェアリングサービス開始に向けた旅の途中です」。

Zooxはアマゾンの独立子会社として運営されており、現在ラスベガスやサンフランシスコ、フォスターシティで試験している。同社はロボタクシーサービスのあらゆる面を扱うことが目標で、最終的には荷物配送にも進出する可能性があると、エヴァンス氏がBloombergのインタビューで語っている。

  1. Zoox Fully Autonomous Vehicle

    Zoox L5 Fully Autonomous, All-electric Robotaxi
  2. Zoox Fully Autonomous Vehicle

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  3. Zoox Fully Autonomous Vehicle

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  4. Zoox Fully Autonomous Vehicle Interior

    Zoox L5 Fully Autonomous, All-electric Robotaxi Interior
  5. Zoox Fully Autonomous Vehicle

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転ユニコーンAutoXが中国初となる無人ロボットタクシーのテストを深センでスタート

中国・深センの住民たちは、米国時間12月3日から真の意味での無人運転車を目にしている。Alibaba(アリババ)、MediaTek、Shanghai Motorsの支援を受けるスタートアップAutoXは、深センのダウンタウンに25台の無人運転車を配備し、中国で初めてとなる安全のための運転手や遠隔操作員の担当者なしで公道を自律して走る無人運転車のテストを行う。

AutoXの広報担当者は、まだこのロボタクシーは一般には公開されていないとTechCrunchに語っている。

このマイルストーンは、AutoXがカリフォルニア州からドライバーレステスト開始の許可を得てからわずか5カ月後のことであり、WaymoとNuroに続くものだ。

また中国が深センから上海まで規制上のハードルをクリアにし、補助金をアピールし、5Gインフラを整備することで自動運転車のスタートアップを誘致しようとしているのは、同国がスマートドライブ産業において米国の都市と同等にしたいと考えていることを示している。

その結果、各々の都市には、深センのAutoXとDeeproute.ai、広州のPony.aiとWeRide、蘇州のMomenta、そして北京のBaiduのApollo fleetなどといった企業が事業を展開することになっている。自動運転車のメーカー各社は、従来の自動車メーカーと密接に協力して、自社の車をよりスマートにし、将来の輸送に適したものにしようとしている。

「私たちは地方自治体から支援を得ています。深センでは自動運転車の法制化が急速に進んでいます」とAutoXの担当者は語っている。

ドライバーをフロントから、オペレーターをリモートセンターからなくすという決定は、中国で最も人口の多い都市の1つで行うには大胆な動きのように思える。AutoXは、XCUという独自の車両制御ユニットを装備しており、それは中国の都市の複雑な道路シナリオを処理するために必要な処理速度と計算能力を有していると主張している。

「『XCU』は、このような状況に対応するために何層にもおよぶ冗長性を提供します」とAutoXは、万が一マシンが故障した場合の車両の反応を尋ねられたときに答えた。

同社はまた、過去数年間に100台のロボットタクシーを使って、中国で最も密集した都市部を「何百万マイルもの距離」も走行した経験から学んでいると強調している。ライバル企業もまた、研究開発とパイロットテストに多額の投資をする一方で、自動運転アルゴリズムをトレーニングするために走行距離を積極的に稼いでいる。AutoX自身は、これまでに1億6000万ドル(約166億3000万円)以上を調達している。

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(翻訳:TechCrunch Japan)