モバイルゲームでオーディオ広告を配信するAudioMobがシリーズAで約16億円調達、グーグルなどが支援

AudioMobは「押しつけがましくない」オーディオ広告をモバイルゲームに配信するスタートアップだ。ポップアップするようなちょっとした広告はプレイヤーの気に障るようなものではなく、AudioMobはそのメカニズムをどうにかして解明したようだ。

AudioMobは、Makers FundとLightspeed Venture Partnersが主導するシリーズAで1400万ドル(約15億9500万円)を調達した。Sequoia Scout ProgramとGoogleも参加した。これまでの調達金額の合計は1600万ドル(約18億2200万円)となった。

AudioMobは今後も実験的なオーディオテクノロジーの開発、複数の国での特許申請、ロンドンとアブダビにあるオフィスの拡大を続ける計画だ。同社は、評価額が1億1000万ドル(約125億3000万円)程度であると主張している。

筆者は2020年にCEOのChristian Facey(クリスチャン・フェイシー)氏とCTOのWilfrid Obeng(ウィルフリード・オベン)氏に会った。同社が活発に動き出し早期のトラクションを得て、Ed Sheeran(エド・シーラン)やNas(ナズ)、そしてIntel、Jeep、KitKatなどのブランドと協業したころだ。

AudioMobは現在、中国を除くすべての国のモバイルゲームにオーディオ広告を配信し、特にアラブ首長国連邦、ドイツ、カナダでは成長が目覚ましい。

フェイシー氏は「我々は、AudioMobのビジョンに対して長期的な成功と我が社の未来を期待する投資家の熱い思いに感動しています。我々はオーディオで業界全体に革新を起こそうとしています。業界を適切なやり方でディスラプトする技術とチームを作り、最終的にはテック業界の新たなユニコーンになるでしょう」と述べた。

オベン氏は「利用者は邪魔をされたくない、広告主は広告を聞いてもらいたい、ゲーム開発者はリテンションに影響を及ぼさずに収益を上げたいと考えるものです。我々はこの3つのニーズをすべて満たすプロダクトを開発しました」と述べた。

Googleは2021年6月に、ヨーロッパの黒人ファウンダー基金の対象とする30社のスタートアップの1つとしてAudioMobを選出した

画像クレジット:AudioMob、共同創業者のクリスチャン・フェイシー氏(左)とウィルフリード・オベン氏(右)

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(文:Mike Butcher、翻訳:Kaori Koyama)

アラブ首長国連邦が2028年にアステロイドベルトに探査機打ち上げ、小惑星への着陸を目指す

アラブ首長国連邦(UAE)の宇宙機関は、火星と木星の間にある小惑星帯に探査機を送り、2030年代初頭には最終的に小惑星に着陸させることを目指している。これはアラブ首長国連邦の民間宇宙企業にとって、大きな弾みがつくミッションとなることは間違いない。

このミッションは2028年に打ち上げが予定されている。そこから宇宙機は、長く曲がりくねった旅に出る。5年間で36億キロメートルの距離を移動し、金星と地球をブーメランのように回りながら十分な速度を得て、最終的には2030年に火星の先にある小惑星帯に到達する予定だ。UAEでは、2033年に探査機を小惑星に着陸させることを目指している。これは2014年に宇宙機関を設立したばかりの国にとって、野心的な目標だ。

これまで、NASA、欧州宇宙機関(ESA)、そして日本の宇宙機関であるJAXAが、宇宙機を小惑星に着陸させている。今度のミッションが成功すれば、UAE宇宙局はこれらの少数のグループに加わることになる。その明確な科学目標は来年発表される予定だが、探査機が収集するすべてのデータは、宇宙の起源についての理解を深めるのに役立つ可能性がある。これらの小惑星は、太陽系が形成されたときの天空の残り物であると考える科学者もいるからだ。

今回のプロジェクトは、国内の宇宙産業の発展を目指しているUAEにとって、最も新しく最も意欲的な取り組みとなる。重要なのは、UAEが契約や調達の優先権を与えるとしている首長国連邦の企業が、このプロジェクトから利益を得られる立場にあることだ。

UAEは2020年7月、Emirates Mars Mission(エミレーツ・マーズ・ミッション)の「Hope(ホープ)」探査機を打ち上げ、2021年の2月には火星周回軌道へ乗せることに成功した。この探査機は火星を1年(687日)かけて周回し、火星の大気に関するデータを収集することになっている。

また、UAEは2022年に「Rashid(ラシッド)」と名付けられた重量10キログラムほどの小型月面探査車を、月へ送ることも予定している。この探査車は、カナダの民間企業3社の技術とともにペイロードとして、日本の宇宙ベンチャー企業であるispace(アイスペース)の「HAKUTO-R(ハクトR)」ミッションのランダーで月面に輸送される予定だ。

関連記事:日本の宇宙企業ispaceの月着陸船がカナダ宇宙庁とJAXAからペイロード輸送を受託

UAE宇宙庁のSarah Al Amiri(サラ・アル・アミリ)長官によれば、この最新のミッションは、火星へのミッションに比べて「5倍ほど複雑になる」という。その新たなレベルの難しさについて、UAEは声明の中で「宇宙機の設計とエンジニアリング、惑星間航行、複雑なシステム統合」に加えて、宇宙機の通信システム、電力システム、推進システムに求められる性能も高くなると述べている。

画像クレジット: ESA/Rosetta/NAVCAM Flickr under a CC BY-SA 3.0 license. (Image has been modified)

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)