AI画像解析でカロリーなどの栄養素を数値化する「カロミル」運営が1.7億円の資金調達

ヘルスケアアプリ「カロミル」運営のライフログテクノロジーは7月2日、アドバンテッジ リスク マネジメント、TIS、新日本科学、DGLab1号投資事業有限責任組合からの第三者割当増資による総額で1.7億円の資金調達を実施したと明かした。アドバンテッジ リスク マネジメント、TIS、新日本科学とは資本提携を締結している。

カロミルは食事や運動、体重などを記録し健康管理を行うためのヘルスケアアプリ。カロリー、脂質、炭水化物、糖質、食物繊維などの栄養情報を自動解析することで、不足・過剰な栄養素などの情報を把握することができる。また、体重や運動量の記録を記録し、健康改善も目標達成に役立つ機能も搭載している。

2016年2月創業のライフログテクノロジーは4月、カロミルに複数の食品を同時に画像判別し栄養素を自動計算するAIの搭載、そして画像判別が可能な食品が1万種類を超えたことを発表している。

本日、ライフログテクノロジーは、メンタルヘルスケアなどの事業を展開するアドバンテッジ リスク マネジメントとの業務提携を締結したことも併せて発表。 業務提携では「法人向けの従業員の総合的な健康管理プラットフォーム事業」などを展開する。

同社は、アドバンテッジ リスク マネジメントとの連携により、「より高い改善効果の見込める健康経営のソリューション」を提供できるようになるとコメントしている。

また、同社いわく、アドバンテッジ リスク マネジメントが展開する健康経営のコンサルティングサービスの一環としてカロミルが導入されることで、「食生活・体調・ストレスの状態・職場環境・仕事の生産性・エンゲージメントなどを総合的に判断する材料となる、これまで市場になかった貴重なデータ」を集積していくことが可能となる。

同社は今後もデータ活用に重きを置いた事業展開に注力。医療・介護・スポーツ・教育・美容・自治体など、より幅広い分野との提携を進めていく。同社は2018年5月、6000万円の資金調達を発表していた。

AI画像解析でカロリーなどの栄養素を数値化する「カロミル」、複数画像の同時識別が可能に

ライフログテクノロジーは4月5日、同社のヘルスケアアプリ「カロミル」に、複数の食品を同時に画像判別し、栄養素を自動計算するAIの搭載を発表した。また、同アプリで画像判別が可能な食品が1万種類を超えたとのこと。

食事の前に写真を1枚撮るだけで、食事内容を栄養素とともに「カロミル」に記録できるようになる。今回搭載した複数の画像を認識する機能は、「食事の際に食べるメニューをまとめて記録したい」という利用者から要望に答えたかたちだ。

食事の内容を1枚の写真に収めたあと、食事後など一定時間が経過したあとに「カロミル」アプリを起動すると撮影した食事の画像解析結果が表示される。アプリに画像をアップロードする必要はない。

画像解析が終了すると食品名の候補が表示されるので、それぞれの正しいメニューの名前を登録。あらかじめ具体的な商品名や大手外食チェーンのメニューなどがデータベースに登録されているので、外食や中食なら正確な栄養素を判別しやすくなる。メニュー確定後、自動的にカロリー、たんぱく質、糖質、脂質、食物繊維、塩分相当量がアプリに記録される。

同社によると、家庭で調理される一般的な料理やレストランなどで提供される一般的な外食のメニューにも対応しているが、スーパーやコンビニなどで販売されている人気商品や大手外食チェーンのメニューなどは自動認識率が特に高いとのこと。一人暮らしや外食の多い家庭共働き世帯などの栄養管理に活用できそうだ。

食事の写真からカロリーや栄養素を自動算出、健康管理アプリ「カロミル」が約6000万円を調達

AIを活用した健康管理アプリ「カロミル」を運営するライフログテクノロジー。同社は5月14日、電通サイエンスジャム(DSJ)、CSAJファンドFFGベンチャービジネスパートナーズを引受先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。

ライフログテクノロジーでは2018年1月にもDG Daiwa Venturesが運営するDG Labファンドから資金調達を実施。これらを合わせた総額の調達額は約6000万円になるという。

調達した資金により組織体制を強化し、AIの精度向上や食事データの取得、アスリートや疾病向けなどの新規事業開発に取り組む方針。また出資先であるDSJとは双方が保有するデータや知見を活用した共同研究を進めるべく、業務提携も始める。

スマホで食事を撮影すれば、カロリーや栄養素が自動で測定

カロミルは日々の食事や運動のログを、ダイエットや健康管理に活用できるヘルスケアアプリ。カロリーはもちろん、たんぱく質や脂質、糖質など細かい栄養素を残せるのが特徴だ。

栄養素の算出方法は登録されているメニューから選ぶ、自分で計算する、栄養士に分析依頼する(月10 回まで無料で依頼可能)、食事の写真から判定するなどいくつかある。その中でもカロミルが強化しているのが、食事の写真から自動的にカロリーや栄養素を算出する機能だ。

この機能は以前TechCrunchでも紹介したとおり、2017年9月からアプリ内に搭載しているもの。自社開発の食事画像解析AIにより、スマホで撮影した写真を「そもそも食事の画像かどうか」「(食事の場合)具体的なメニューは何か」を2段階で解析。該当するメニューのカロリーや栄養素を算出する。現在は約1000品目の食事メニューを識別でき、識別率は82%ほど。コンビニで販売されている商品やファミレスなど飲食店のメニューも含まれる。

ライフログテクノロジー代表取締役の棚橋繁行氏によると、この機能を搭載したことでユーザーの年齢層や幅が広がったそう。「もともとは特に20〜30代の女性によく使ってもらえていたが、20〜50代の男女であまり差がなくなってきた。いぜんより年齢層が上の人にも使ってもらえるようになったほか、疾病患者の方の利用も広がってきている」(棚橋氏)

現在もこの機能のコアとなる画像解析AIの精度向上に注力しているとのこと。今回の資金調達も、体制を強化しさらに研究開発を進めていくことが目的だ。

食事関連データを軸に事業拡大へ

今回ライフログテクノロジーでは資金調達と合わせて、調達先であるDSJとの業務提携を発表している。今後カロミルを通じて蓄積した食事(栄養素)データと、DSJが解析知見を持つ感性や脳波といった生体信号データの関連性を研究することで、食事がメンタルヘルスや労働生産性に与える影響を探っていく予定。これによってヘルスケア領域で、新たな未病対策や疾病予兆への改善助言なども可能になると考えているそうだ。

また将来的には食事関連データとさまざまなパーソナルログを連携し、マーケティング活用やスポーツ領域での事業展開も見据えているという。

「(自社にとって)食事データが1番コアになる部分で、それを活用した新たな事業展開を進めていく。ただ食事データをメインとしつつも、画像解析技術を軸にその他のライフログデータももっと管理しやすい仕組みを目指している。たとえば血圧や血糖、運動の記録なども写真を撮っておきさえすればデータ化できるようになると、ユーザーの利便性もサービスの可能性も広がる。今後は今まで以上にライフログを貯めていく時代になると思うので、まずはデータを残す煩わしさや手間を(画像解析AIなどの)技術を通じてなくしていきたい」(棚橋氏)