サンフランシスコでの相乗りサービスで、Uberの足元を脅かすGoogle

waze800

Googleがサンフランシスコで独自の相乗りサービスを実施していることを、 ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。この動きはGoogleをUberの直接的な競合にするもので、Alphabet幹部であるDavid DrummondがUberの取締役会を辞任した、という最近のニュースとも整合する。WSJによれば、Googleの新製品は5月にパイロットプロジェクトが開始され、Googleが所有するWazeアプリを使用して相乗り希望の通勤者をつないでいる。

この計画はおそらくこの秋には全サンフランシスコ居住者に対してオープンになると言われている、その先に見込まれる拡張を見越してのことだ。そしてUberとは違い、これは同じ方向に向かうドライバーと乗客を一緒にするための、マッチングサービスの性格が強いものである。料金もまた安くなる ‐ WSJのレポートでは、このピアツーピアの共同運行アレンジをGoogleは意図的に安くしていると述べている。UberやLyftのように専用の資格を持つプロのドライバーが参加したくなるようなものとは対照的だ。

これまでのWazeの運用モデルは、クラウドソーシングナビゲーション情報を経由してドライバ同士をつなぐことに焦点を当てていた。ユーザーは、事故、沿道障害物、嵐や交通渋滞のようなものをレポートし、それらは他のドライバー間ですぐに共有されている。Googleは、2013年にWazeを買収した直後に、そのクラウドソーシングナビゲーションデータを主にGoogle Mapsの中で使い始めた。

パイロットプロジェクトでは元々Googleを含む、サンフランシスコに拠点を置く2万5000の大規模なハイテク企業の従業員に乗客を制限しており、1日の乗車数は2回までとされていた。WSJによれば、新しい拡大により、ドライバーも乗客も等しく「Wazeアプリの利用者なら誰でも」利用できるようになる。

UberとGoogleが採用するドライバーのモデルは異なっているが、その究極の目標はおそらく同じである:無人タクシーだ。Googleは、相乗りモデルの中に自動運転車を投入することを考えていると言われている。そして、WSJも触れているが、Googleの最近のビジネス組織変更は、自動運転車を最高の状態で市場に投入するにはどうすればよいかをGoogleが真剣に考えていることを示唆している。

かつてGoogleとUberは、非常に密接な関係を持っているように見えた、その中にはGoogleからオンデマンド乗車会社への相当額の投資や、Google Maps公式アプリの中に、Uberを移動オプションの追加モードとして取り込むようなアレンジなども含まれていた。

最近ではしかし、この関係は変容した。信頼できる情報源によれば、内部的にはUberはGoogleの地図製品への依存度を完全になくそうと真剣に努力している最中だそうである。これはフィナンシャル・タイムズが7月下旬に報告した内容とも一致する。

より詳細な情報を求めてGoogleに問い合わせを行ったが、彼らは私たちの要請に対して反応していない。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Lyftが相乗り(カープール)サービスの提供を中止

screen-shot-2015-08-07-at-10-28-05-am

まあ、早かった。始めてから5ヶ月も経っていないが、 Lyftはサンフランシスコ市域の外から通勤する人たちのための相乗り(カープール)通勤サービスを立ち上げていた。そのアイデアは、通勤途中の乗客を拾うと、運転手がそのたびに4ドルから10ドルの報酬を受け取るというものだ。このサンフランイスコベイエリアだけで提供されていたサービスが、十分な数のドライバーが参加に積極的ではなかったために、停止されることになったと、フォーブスが報じている

「供給(相乗り担当ドライバー)が需要(相乗り希望乗客)に対して意味のあるレベルに達するには、まだ時期尚早であると判断したため、テストを中止します」とLyftの広報担当者はTechCrunchに伝えてきた。

5月に筆者は、企業向けの相乗りスタートアップScoopについて報告した。ScoopはTesla、Twitter、Ciscoといった企業と提携している。その時、そのルーツがZimrideであることを考えると、果たしてLyftが相乗りに挑戦して有利な位置を占めることができるのだろうかと疑っていた。そして現時点で、Lyftの相乗り機能は消え、一方Scoopは国内最大の相乗りネットワークとして順調に伸びている。最初の年にScoopは12万5000人以上を乗客として迎えた。ということは、おそらくLyftが相乗りに手を伸ばすのはこれが最後ではないだろう。

「私たちはスケジュールされた相乗りサービスは、長期的には正しい戦略だと思っています。供給が需要(相乗り希望乗客)に対して意味のあるレベルに達するには、まだ時期尚早なのです」とLyftの広報担当者は言う。「私たちは、 移動における苦労を解決する、という私たちのビジョンを発展させていく過程で多くのことを学び、これまでのそして新しいプロジェクト ‐ たとえばLyft Lineのような ‐ へと応用して行きます」。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)