PayPayがモバT対応、ファミマ最速決済手段のファミマTカードに比肩

Tポイント・ジャパンは2月25日、PayPayが提供するスマホ決済サービス「PayPay」でモバイルTカード(モバT)が使えるようになったことを発表した。PayPayアプリ上でモバTのバーコードを表示できるようになる。

コード決済の最大の弱点は、アプリを起動して決済用の画面を表示する必要があること。LINE Payでは、決済画面に直接アクセスできるURLをスマホのホーム画面に置ける「コードショートカット」機能を利用することで一発アクセスが可能になるが、ポイントカードが使える店舗では、まずポイントカード、もしくはスマホのポイントカードアプリを提示し、そのあとで決済コードを見せるという2ステップが必要。ポイント付与と決済完了までの手間が、ユーザー側、店舗側のどちらも多い。

この手間の多さを嫌い、1秒たりとも時間を無駄にしたくないユーザーにとって、20%還元や半額といったオトクなキャンペーンが実施されていないときは、SuicaやPASMOなどの非接触のキャッシュレス決済を使ってしまうことも多いはず。
個人的にはこれまで、Tポイントが使える店舗での最短決済を目指すために「ファミマTカード」を使ってきた。ファミマTカードにはTポイントカードのみのタイプのほか、ポケットカードが発行しているJCBブランドのクレジットカードとTポイントカードが一体化したタイプ、ジャパンネット銀行が発行しているVISAデビットカードとTポイントカードが一体化したタイプがある。

Tポイントを貯められて、クレジットカードもしくはデビットカードで支払いできる店舗では、店舗スタッフがクレジット・デビットカード付きのファミマTカードをPOSレジに一度スキャンするだけで、Tポイントの付与とクレジット・デビットカードでの決済が可能だ。

クレジットカードタイプのファミマTカードの場合、ファミリーマートであれば税込み200円でTポイントが1ポイント付与されるだけでなく、期間限定のキャンペーンポイント、1カ月間の買い物金額に応じてポイントレートが変わり、より効率的に貯められる。さらには、毎週火曜・土曜のカードの日は、カードの提示で3倍、クレジットカード払いでさらに2倍のポイントが付く。25歳以下ならファミマTカードのクレジットカード払いでポイントが2倍、女性の場合は毎週水曜日のレディースデーにポイントが2倍になる。ファミマTカードの提示でレジ前の揚げ物など、一部の商品が通常価格より20〜30円ほど安くなる特典もある。デビットカードタイプのファミマTカードの場合、一部の特典はないものの、クレジットカードタイプとほぼ同じメリットを享受できる。

今回のPayPayとモバTの連携で、ユーザーはファミマTカードに比肩する利便性を享受できることになる。事前に、Yahoo!アカウントと連携させておき、Tポイントカードの番号と生年月日を入力すれば、PayPayの決済(コード)画面からワンタップ でモバTのコードを表示できるようになる。モバTのコードを読み取ったあと、すぐにPayPayのコード画面に切り替えられるので、店舗側のオペレーションもスムーズだ。なおモバTが使えるのは、「ファミリーマート」「エディオン」「ウエルシア」など、またモバTで決済、つまり支払い代金をTポイントで充当した場合はPayPayボーナスは付与されない。

残念なのは、PayPayがクレジットカードタイプのファミマTカードのカードブランドであるJCBに対応していない点。PayPayをファミマ最速の決済手段とするには、ジャパンネット銀行発行のVISAデビット付きファミマTカードを作るしかない。ソフトバンクグループのエコシステムにどっぷり浸かることになるが。

宅配ドライバーシェアで実現、神奈川と千葉の「魚べい」で出前可能に

ネット注文可能なフードデリバリーのポータルサイト「出前館」を運営する夢の街創造委員会は、2月25日から神奈川県と千葉県の「魚べい」の2店舗で宅配サービスを始めると発表した。

これらの店舗は宅配担当のスタッフが在籍していないが、出前館がシェアリングデリバリーと呼ぶ方法でサービスを提供する。具体的には、出前館が用意する配達機能を使って出前が可能になる。

今回、シェアリングデリバリーで出前が可能になったのは、寿司レストランチェーンを展開する元気寿司の「魚べい」業態の相模原富士見店(神奈川県)とピアシティ稲毛海岸店(千葉県)の2店舗。配達受付時間は11時~21時。配達料金は300円だが、5000円以上の注文の場合は無料となる。

「Uber Eats」の出前館版、新聞配達員が出前担当に

出前館に注文が入ると、店舗や配達拠点に注文が入り、店舗は指定時間までに注文された料理を調理。それを配達専門の外部スタッフがピックアップして注文者に運ぶ仕組み。一般人がドライバーとなって料理を届ける「Uber Eats」のようだが、配達拠点は新聞販売店などが担っており、新聞配達員がバイクや電動自転車で運ぶ。配達エリアは、出前館のデータベースによって適切に設定されるとのこと。地域の地理に熟知した新聞販売店、新聞配達員が宅配ドライバーとなるため、迅速かつ正確な配達を期待できる。

出前館はシェアリングデリバリーを2017年より本格的に開始しており、現在首都圏や関西、中京、福岡エリアで展開。出前可能な店舗としては、かっぱ寿司(千葉幸町店、松戸店)、日高屋(首都圏10店舗)、ぼてぢゅう(ナンバ店)、餃子の王将(西中島店)などがある。さらにこのシステムを活用して、メガネスーパー(ビジョナリ―ホールディングス)のコンタクトレンズの宅配を首都圏42店舗で手がける。

そのほか、出前館はキャッシュレス決済も進めており、カード決済、Amazon Pay、Apple Payなどで代金を支払える。2018年8月には、キャリア決済とLINE Pay決済にも対応した。

ウェブメディアの影響もあり、新聞の発行部数は右肩下がり。日本新聞協会による2018年の発行部数は一般紙とスポーツ紙を合わせて3990万1576部で、2017年の4212万8189部からは4%減、2000年の5370万8831部と比べると26%も減っている。シェアリングデリバリーは、部数減によって売上が落ちている新聞配達所の新たな収益減になるかもしれない。