8月10日出荷のGalaxy Tab S4を解剖する――Samsungはタブレットとノートの完璧な2役を期待

 

コンバーチブル型タブレットは困難なマーケットだ。スタートしてから数年たつが、ジャンルをまたいで優秀なノートパソコンと優秀なタブレットの二役をこなせるデバイスを開発することにはまだ誰も成功していない。しかしタブレットの普及が一巡し需要が頭打ちになっている現在、これが唯一成長を期待できるセグメントとなっている。SamsungはTab S4で難しい開発に果敢に挑戦した。

成否は別として、Tab S4はコンバーチブル型タブレットというカテゴリーへのもっともアグレッシブなアプローチといっていいだろう。 Samsungではこの製品はタブレットとノートパソコンの両方の役割を十分に果たせる――少なくともある種のユーザーのニーズは完璧に満たすと確信している。製品の価格は650ドルからとなっている。

パソコンモードのOSは既存のDeXをリニューアルしたものだ。以前はスマートフォンのドッキングステーションだったが、S4では新しいプラットフォームの名称となった。このDeXがTabのコンバーチブルの多様な能力のカギだ。S4は単独で使用されるときは通常のAndroidモードだが、キーボードケースを接続すると自動的にDeXモードにスイッチされる。

これは興味深い戦略だ。パソコンモードのOSならWindows 10、Chrome OSその他いくつかの選択肢がある。しかしSamsungはAndroidのドッキングステーションとして出発したDeXに賭けた。

なぜだろうか? 理由(少なくともその一部)は開発の自由度にあったのではないかと思う。たとえばWindows 10はMicrosoftのOSであり、利用者は多くの機能の実装をMicrosoftに頼らねばならない。Androidで作動するGalaxyブランドのスマートフォンのアプリとユーザー体験を一貫させるにも障害となる。しかしDeXベースであれば、SamsungはOSを自分の好きなようにできる。つまりGalaxy NoteのセールスポイントであるS-Penを使ったAir Commandインターフェイスなども自由に実装できる。

私は最近の中国出張でコンピューターとしてはChromebookだけを持っていったので体験から証言できるが、デスクトップに最適化されていないモバイルアプリを使って仕事をするのは大変だ。不可能ではない。しかし非常に煩わしい制限を感じることになる。

たとえばアプリが小さい窓でスタートする。フルスクリーンに切り替えることはできるが、そのつどリスタートさせる必要がある。 この10.5インチの場合、デスクトップモードとモバイルモードの差は、たとえばPixelbookほどではないだろうと思う。しかし解決しなければならない問題はかなり残っているはずだ。その一つは、Google Play StoreはあくまでAndroid向けであってデスクトップ向けではないという点だ。そのためデスクトップで重要な役割を果たしている多くのアプリが利用できない。私はAudacityの代わりを務められるChromebookのオーディオ・エディターを探し回ってえらく時間を使ってしまった。13時間の空の長旅の間にポッドキャストを編集しておこうと思ったのだ(こう言うと「今そういうアプリを開発中だ」というデベロッパーからのメールが800通くらい来そうだが)。

この方面で朗報はSamsungはいくつかの有力なデベロッパーと提携してアプリ・メニューのセクションに“App for Samsung DeX”のセクションを追加したことだ。中でも注目はMicrosoftが加わっている点で、S4でDeX版のOfficeが利用できるようになる。他にもTripadvisorのような人気アプリが登場するはずだ。ただしゲームに関しては、ほとんどの場合、モバイル版で我慢することになるだろう。

Tab S4はSamsungのプロダクトのいいとこどりをした製品だ。 Galaxy TabにDeXベースのOSが付加され、S-Penも使える。このスタイラスは10.5インチのフォームファクター向けに大型化、最適化されている。キーボードケースのサイドにはS-Penを保持するスロットがあるのはナイスタッチだ。Samsung自身の製品も含めてスタイラスが付属する製品にはホルダーがないことが多く、スタイラスを失くしやすかった。こういう製品では使わないときペンをどこに収納しておくべきか私はいつも悩んでしまう。

Air CommandsがAndroidでも使えるようになり、動くGIFイラストをサポートするLive Messagesもやってきた。不思議なことにDeXモードでは使えなくなってしまう。しかしSamsungに尋ねたところ、この問題には気づいており、対策を検討しているということだった。

もうひとつ特徴的なのは、キーボードケースにトラックパッドが欠けている点だ。カーソル移動などの操作は画面タッチとペンで行うのがS4の基本だ。慣れてしまえばこれで問題ないと思うが、当初、頭の切り替えに苦しむかもしれない。われわれはキーボードのホームポジションに指を置くと、習慣で(そこにない)トラックパッドを探してしまう。

キーボード自体は(少なくともタブレット付属版としては)上出来だ。 実のところ、私はSurfaceのような指にもっとかっちりしたフィードバックを感じられるタイプの方が好みだ。S4の場合ソフトなのはよいが、スプリングっぽい感触がいまいちだ。私はメインのノートパソコンをS4に置き換える予定は当面ないが、それは私が大量の文章を書く職業的ライターだからだ。タイプ入力がFacebookへの投稿やメール程度の使い方ならこのキーボードで十分実用になるだろう。

もうひとつ付け加えると、このキーボードケースはしっかりした作りで、膝の上に載せてタイプできる。他のコンバーチブルのように潰れてしまうことがない(Surface Go、しっかりしてくれ)。

バッテリーも7300mAhと十分な容量がある。Samsungでは16時間連続でビデオ再生ができるとしている。Appleが10インチのiPad Proの駆動時間を10時間としていることから考えるとこの数字はいささか楽観的だと思うが、どんな長いフライトでも保つことは確かだ。

その他のスペックも健全なものだ。CPUは8コアのSnapdragon 835、RAMは4GB、ストレージは64か 256GBが選べる。 またmicroSDスロットがあってストレージを拡張できる。また(当然キャリヤ契約が必要だが)LTE接続を内蔵したモデルもある。通常の利用で困るような場面はまずないだろう。

ただし他の機器との接続性は頭の痛い問題だ。S4にはキーボードを接続するPogoドックとUSB-Cポートが一つあるだけだ。ノートパソコンを置き換えようとすると多くの周辺機器の接続に困難を感じることになる。もちろんBluetoothでマウスなどを接続することはできる(実際SamsungはGalaxy Tab向けにそういうマウスを用意している)。

WiFi版とVerizon LTE版のTab S4は8月10日に出荷される。 Sprint、US Cellularなど他のキャリヤのモデルも9月末までに揃うはずだ。価格はキャリヤによって異なることになる。

Galaxy Tab S4はコンバーチブル・タブレットの決定版というわけではない。Samsungはそう望んでいるかもしれないが、ノートパソコンを完全に置き換えることができる製品ではない。しかしコンバーチブルというジャンルに新しいパラダイムを作り出す野心的な試みであることは確かだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのタブレットPixel Cが引退してその座を最新のPixelbookに譲る

今朝(米国時間12/28)のAndroid Policeによると、Googleは同社のオンラインストアにおけるPixel Cの販売を停止した。同社の好評だったタブレットの、とくに発表もない、しかし予想できなくもなかったご最後により、Googleの今後の最新製品に場所を譲った形だ。

Googleが本誌TechCrunchに確認したところによると、販売の停止はそのデバイスの製品寿命の終わりでもある。ただし、ハードウェアのサポートは今後もずっと続けるそうだ。

同社がくれた声明はこう言っている: “ハードウェア製品がわずか数年で廃番になることは、よくあることであり、今回弊社はPixel Cを引退させ、その販売を停止する。ただし、同製品のアップデートとサポートは継続し、最近のAndroid 8.0へのアップデートも行うので、顧客はご自分のデバイスを今後も引き続き、最良の状態に維持できる”。

そして当然ながらこの声明は、重要な画竜点睛、すなわちChromebook高級機への言及を忘れていない: “弊社がこのたび新たにローンチしたGoogle Pixelbookは、ラップトップとタブレットの長所を併合して、多機能なデバイスを求める需要に応えている”。

本誌のFrederic Lardinoisは2015年にこのタブレットを高く評価しながらも、“その市場は小さいだろう”と述べている。Googleブランドのデバイスは、どれもそうみたいで、いわば同社はマーケットシェアの小さなかけらをめぐって、自分自身と競合しているのだ。

CからPixelbookへのシフトは、近年の業界の大きなトレンドである、単機から多様機(コンバーチブル)への移行にも沿っている。Pixelbookは単機のタブレットほどスリムではないから、ユーザーは何かを我慢しなければならないかもしれないが、でもタブレットの代替機として十分使い物になるし、コンピューターとしての機能は豊富だ。

ただしお値段は、Pixel Cの599ドル(+キーボード)に対しPixelbookの最低価格は999ドルだ。未来の、より多機能になったタブレットは、お値段もそれ相応なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa