グーグルが「Android 12」ベータ版第2弾リリース、シャープなどが対象端末リストに追加

Google(グーグル)は米国時間6月9日、Androidの次期メジャーバージョン「Android 12」のベータ版第2弾をリリースした。2021年5月に開催されたGoogle I/O開発者会議で公開された最初のベータ版では、Googleの新しいデザインシステム「Material You」を垣間見ることができたが、約束された新機能やデザイン微調整の多くは、第1弾ベータにはまだ含まれていなかった。今回の新しいベータ版では、Googleはこれらの機能をテスターに提供する(ベータ版への登録はこちらから)。その中には、携帯電話のマイク、カメラ、位置情報を最近使用したアプリをユーザーが簡単に確認できる、新しいプライバシーダッシュボードも含まれている。

その他の新機能として、アプリがマイクやカメラを使用しているかどうかを表示するマイク・カメラインジケーターや、アプリによるこれらのアクセスを無効にするクイック設定トグルも追加された。アクセスをオフにすると、アプリは空白のオーディオとカメラフィードを受け取ることになる。これに関連してGoogleは、アプリがクリップボードの内容を読み取っているときに読者に表示するクリップボード読み取り通知もAndroidに導入する。

画像クレジット:Google

また、第2弾ベータでは新たにインターネットパネルが追加され、ISPやWi-Fiネットワークなどを簡単に切り替えることができるようになった。

画像クレジット:Google

今回のリリースにより、Googleは8月のプラットフォーム安定化までにあと1回のベータリリースを残すところとなった。開発者にとっては今が、互換性テストを完了し、アプリ、SDK、ライブラリの互換性を確保したバージョンをリリースするのに適した時期であると同社は指摘している。現在の毎月のリリースサイクルを考えると、Android 12の最終リリースは9月になると思われる。

これまでと同様、ベータ版を導入するには互換性のあるデバイスが必要だ。以前のいくつかのプレビューリリースとは異なり、今回のリストには多くのGoogle以外のデバイスが含まれており、例えばシャープも6月9日よりベータプログラムに参加している。対応機器の全リストと、Google以外のデバイスでベータ版を導入する方法は、こちらからご覧いただける。

画像クレジット:Google

関連記事
グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
ファーウェイ独自OS「HarmonyOS 2.0」のオープンソース版がIoT機器向けに公開、Linuxか独自カーネルを選択可能
グーグルがAndroidユーザーの位置情報取得に関しアリゾナで訴訟、設定項目を見つけにくくしたと報じられる

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleAndroidAndroid 12ベータ版シャープOS

画像クレジット:SpVVK / Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

5G、OLED、トリプルカメラを搭載し約6.5万円の高コスパスマホ「AQUOS zero5G basic」

シャープはリフレッシュレート240Hzの有機ELディスプレイを搭載したAndroidスマホ「AQUOS zero5G basic」を10月1日にソフトバンクより発売した。本製品には5Gモデムを統合したSoC「Qualcomm Snapdragon 765G 5G mobile platform」が採用されており、端末価格は6万5520円と比較的低価格に抑えられている。

有機EL、5Gという特徴に加えて、超広角、標準、望遠のトリプルカメラを搭載するなど、価格を含めたトータルバランスを重視した端末だ。今回はフラッグシップモデルとどのぐらい処理性能、クオリティー、ユーザー体験に差があるのかという視点から評価したい。

シャープ「AQUOS zero5G basic」の価格は6万5520円

SoCはミドルクラス、トリプルカメラを搭載するも手ブレ補正は電子式

AQUOS zero5G basicはOSにAndroid 10、SoCに前述のとおりQualcomm Snapdragon 765G 5G mobile platform(8コア、2.3GHz+1.8GHz)を採用。メモリーは6GB、ストレージは64GBを搭載している。

ストレージ容量を物足りなく感じるかもしれないが、最大1TBのmicroSD/SDHC/SDXCメモリーカードを装着可能だ。写真、動画をメモリーカードに保存し、使わないアプリを定期的にアンインストールすれば、ストレージ容量に困ることはないだろう。

ディスプレイはリフレッシュレート240Hzの約6.4インチ フルHD+(2340×1080ドット)有機ELディスプレイを搭載。HDR10、HLG、VP9、YouTube HDRなどのHDRコンテンツの再生に対応している。なお生体認証システムとして、ディスプレイ内蔵型指紋認証センサーを採用。またIR(赤外線)カメラではないが、顔認証も利用可能だ。

カメラは、背面の超広角(約1310万画素、F2.4、15mm)、標準(約4800万画素、F1.8、26mm)、望遠(約800万画素、F2.4、79mm)と、前面カメラ(約1630万画素、F2.0)という構成。手ブレ補正はすべてのカメラで光学式ではなく電子式が採用されている。

通信機能は、5G、4G、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)、Bluetooth 5.1に対応。5Gの通信速度は下り1.8Gbps、上り103Mbps、4Gの通信速度は下り722Mbps、上り46Mbpsとされている。

本体サイズは約幅75×高さ161×厚さ9.0mm、重さは約182g。防水はIPX5/IPX8、防塵はIP6Xに対応。4050mAhのバッテリーを内蔵しており、連続通話時間は約2000分、連続待受時間は約480時間と謳われている。

ワンセグ、フルセグには非対応だが、FMラジオの受信は可能で、おサイフケータイにも対応している。

今回借用したのはブラックモデルだが、ブルーモデルも用意

本体上面には3.5mmイヤフォン端子、本体下面にはUSB Type-C端子が用意されている

トレイにはnanoSIMカードとmicroSD/SDHC/SDXCメモリーカードを装着できる

パフォーマンスはフラッグシップモデルの約48%

AQUOS zero5G basicで総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」を実施したところ、総合スコアは295256となった。記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングトップ「ROG Phone 3」の総合スコアが615289なので、AQUOS zero5G basicはその約48%のパフォーマンスということになる。

とはいえAQUOS zero5G basicの総合スコアは、「Snapdragon 845」を搭載していた2018年のフラッグシップスマホと同等。グラフィックを高画質に設定しなければ、現時点でも3Dゲームをまずまず快適にプレイできるパフォーマンスを備えている。

総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは295256、CPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは1932、3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1は2981

「PUBG mobile」のフレーム設定は、低、中、高、ウルトラ、極限、そしてその上に「90fps」が存在するが、AQUOS zero5G basicはクオリティーを「スムーズ」に設定しても、ウルトラまでしか選択できなかった

有機ELならではの美麗映像を楽しめるが、NetflixのHDR再生に非対応

輝度や色域、コントラスト比などは公表されていないが、有機ELディスプレイの画質はハイレベル。鮮やかな色彩、締まった黒色で静止画や動画を堪能できる。しかし残念な点がひとつある。NetflixでHDRコンテンツを再生できないのだ。Netflixでは多くのHDRコンテンツが配信されている。ソフトウェアアップデートで改善されることを強く要望したい。

有機ELディスプレイならではの鮮やかな色彩、締まった黒色の表現は、立体感さえ感じさせる

YouTubeではHDRコンテンツを選択できるが、Netflixでプレミアム(ULTRA HD)を契約していてもHDRコンテンツは再生できなかった

電子式ながら強力に手ブレを補正、夜景モード非搭載は残念

AQUOS zero5G basicは超広角(約1310万画素、F2.4、15mm)、標準(約4800万画素、F1.8、26mm)、望遠(約800万画素、F2.4、79mm)、イン(約1630万画素、F2.0)カメラを搭載している。全カメラの手ブレ補正機構が電子式だったので手ブレが心配だったが、実際に撮影してみるとデジタルズーム24倍で撮影した写真や、夜間に標準カメラで撮影した写真もほとんどぶれていなかった。電子式ながらかなり強力に手ブレを補正してくれるようだ。

ただし、光学式手ブレ補正機構を搭載したスマホと比べると、デジタルズーム10倍以上で撮影する際にプレビュー画面が揺れてフレーミングしづらかった。高倍率で撮影する際には手すりなどに手首を乗せて撮影することをオススメする。

本製品には夜景モードは搭載されていないが、外灯がひとつしかない公園の暗がりでも、かなり明るく撮影できた。ただし、ノイズは多めで、白飛びも目立つ。シャープ製フラッグシップ端末にも夜景モードは搭載されていないが、全シリーズで夜間撮影機能が強化されることを期待したい。

超広角カメラで撮影

標準カメラで撮影

望遠カメラ(光学3倍)で撮影

望遠カメラ(デジタルズーム24倍)で撮影

手ごろな価格を実現した高コスパモデル

AQUOS zero5G basicはミドルクラスのSoCや光学式手ブレ補正機構を省いたカメラを採用することで、ユーザー体験に大きな影響を与えずに6万5520円という比較的手頃な価格を実現している。コスパに優れた5G対応スマホとして魅力的な1台だ。

なお、本製品には兄弟モデルとして、auから発売された「AQUOS zero5G basic DX」が存在する。こちらはメモリーが8GB、ストレージが128GBとスペックに余裕があるが、そのぶん価格は8万1315円とソフトバンク版より1万5795円高い。販売するキャリアが異なるので比較対象とはならないかもしれないが、もしどちらを購入するか悩んでいるならこの点を踏まえて最適な1台を選んでほしい。