Instagramがコンテンツの連鎖を生み出す「Add Yoursステッカー」を提供、日本でもテスト

米国時間11月1日、Instagramはストーリーズの中に公開スレッドを作れる「Add Yours」ステッカーの導入を発表した。この新しい機能でユーザーは、他のユーザーのストーリーズに、プロンプトや何かのトピックにフォローして応答できる。この機能は2021年11月、日本とインドネシアテストを行い、その後グローバルにローンチする。

このインタラクティブなステッカーを使ってコンテンツの連鎖を作り、そこに各ユーザーは自分のストーリーを加えることができる。たとえばあるユーザーが「今日のおしゃれ」というストーリーをポストし、フォロワーたちにステッカーを使って自分のおしゃれストーリーを加えるよう、促すことができる。

Add Yours = ストーリーズの中に公開スレッドを作るステッカー  カスタムのプロンプトと公開の応答でステッカーをシェアし、自分のストーリーズに誰が応答しているか見ることができる。

上のツイートでInstagramは「カスタムのプロンプトと公開の応答でステッカーをシェアし、自分のストーリーズに誰が応答しているか見ることができる」と述べている。

この新しい機能は、コンテンツを自分のストーリーに捕捉またはアップロードするとき、上部のナビゲーションバーからステッカーツールを選んで利用できる。そこからさらに「Add Yours」をセレクトすると、公開スレッドがスタートする。また「Add Yours」ステッカーへの応答のやり方は、その上をクリックして自分のストーリーを加え、そのコンテンツ連鎖に加わる。

この機能の目的はユーザー同士のコラボレーションだが、そこから新たにフォローしたい人を見つけることもできる。誰かのストーリーのステッカーをクリックすると、そのスレッドに参加している全員を見られるし、その人たちのストーリーズも見られる。

なお、このステッカー機能はTikTokの「duet(デュエット)」機能にやや似ていて、こちらはユーザーがオリジナルビデオをフィーチャーしたコンテンツを作れる。Instagramの方がやや違うのは、コンテンツ連鎖(コンテンツチェーン)中にあるみんなの追加したポストを1カ所で見られることだ。TikTokの機能は現在、オリジナルからポストされた、つまりデュエットされたビデオを、1カ所で見ることはできない。

この最新のステッカーのローンチのちょっと前の先週には、ストーリーズのLinkステッカーを全ユーザーが利用できるようになった。それはこれまで、企業や高名なクリエイターに利用が限られていた。

2つの新しいステッカーを全ユーザーが使えるようになり、コラボレーションや関心を全員が共有できるようになった。ソーシャルメディアも最近は競争が激しいから、Instagramもその競争から落ちこぼれるわけにはいかない。

画像クレジット:Instagram

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

好きなアプリでの「会話的メディア」を実現するHollerが40億円調達

創設者にしてCEOのTravis Montaque(トラビス・モンタキュー)氏が「会話的メディアの企業」と呼ぶHoller(ホラー)が、シリーズB投資3600万ドル(約40億円)を調達したことを発表した。

会話的メディアとは聞き慣れない言葉かも知れないが、みなさんがすでにHollerのテクノロジーを使っている可能性は十分にある。例えばVenmo(ベンモ)での支払い時にGIFステッカーを貼り付ける際、、ステッカーの検索や、アプリ上での話の内容に則したおすすめステッカーの提示は、実際にはHollerが行っている(ウィンドウの下を見ると小さくPowered by Hollerと書かれているのがわかる)。

モンタキュー氏は、2016年にメッセージングに軸足を移したが、そもそも同社はニュースと動画コンテンツのアプリの企業としてスタートしたと同氏は語る。彼は、メッセージングは「オンラインで最も重要なエクスペリエンス」だと主張する。なぜなら「親しい人たちとコミュニケーションを行う場所だから」という。

さらに彼は「1992年に最初のメッセージが送信されて以来、テキストメッセージというエクスペリエンスにイノベーションが起きていないのが不思議だ」と語る。

そこでHollerは、PayPal(ペイパル)が所有するVenmoやThe Meet Group(ザ・ミート・グループ)などの提携企業と協力し、それらのアプリのメッセージ部分に、より魅力的なコンテンツを導入する事業を行っている。つまり同スタートアップは、モンタキュー氏の言葉を借りれば「至る場所で会話を豊かにする」ことを目指しているという。

画像クレジット:Holler

そこにはアートと科学が関わってくると彼はいう。アートは、上質なステッカーやGIFアニメの制作とキュレーション。科学は、Hollerの「おすすめ」AIテクノロジーというかたちで示されている。これは、ユーザーの会話や話の流れに沿った最適なコンテンツを提案するというものだ。デートアプリで送るようなステッカーやGIFアニメを、仕事のチャットで使うのは場違いだ。モンタキュー氏は、こうしたその場の状況に応じたアプローチにより、ユーザーのプライバシーを尊重した形で賢い提案ができるのだと話す。

「未来はアイデンティティではなくコンテンツにあると思っています」と彼はいう。「なぜなら、私はアンソニーのことを知る必要はなく、ただランチに行きたい人を知りたいだけだからです。あなたがメキシコ料理を食べたい気分だということさえわかれば、過去にメキシカンレストランに行った10回すべての彼の局面を知る必要はないのです」。

Hollerは、HBO Max、IKEA(イケア)、Starbucks(スターバックス)などのブランドと提携し、ブランドのステッカーやGIFアニメを制作してコンテンツの収益化を図っている。これらは同社のコンテンツライブラリーに加えられる。モンタキュー氏によれば、同スタートアップは、それらブランドのために、数々の指標を用いて、それらのキャンペーンの効果の測定も行っているという。

Hollerのコンテンツは、現在、月あたり7500万ユーザーが利用している。1年前は1900万ユーザーだった。収益は226パーセント増加したと彼は話している(どうやら2020年は、同社でも初めての収益の急激な伸びを経験したようだ)。

今回の投資により、同スタートアップの総調達額は5100万ドル(約56億4000万円)に達した。このシリーズBラウンドは、CityRock Venture PartnersとNew General Market Partnersが共同で主導し、 Gaingels、Interplay Ventures、Relevance Ventures、Towerview Ventures、WorldQuant Venturesが参加した。

「Hollerは、単に革新的テクノロジーの企業というだけではありません」とCityRockの経営パートナーOliver Libby(オリバー・リビー)氏は声明の中で述べている。「トラビス・モンタキュー氏の洞察力に優れたリーダーシップの下、Hollerは、ソーシャルメディアにおける倫理の新時代を大胆に象徴し、本質的な多様性、包括性、帰属感を反映しています」。

モンタキュー氏(テック企業の黒人CEOとして、2020年TechCrunchに、業界の多様性を高める方法について寄稿してくれた)は、Hollerは今回の資金を、製品と広告モデルの継続的な開発に使うと話している。ステッカーとGIFアニメの制作もその1つだが、現在は新しいメディア形式を作り出そうと模索している。

「私たちは新しい種類のコンテンツ消費パラダイムを発明したいのです」と彼は話していた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Holler資金調達メッセージGIFステッカー

画像クレジット:d3sign

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(文:Anthony Ha、翻訳:金井哲夫)