Alibabaが車向けARダッシュボードメーカーのWayRayに投資

昨年その最初の自動車を発表して以来、Alibaba(阿里巴巴)は自動車業界へ深く入り込みつつある。この中国のインターネットならびに電子商取引の巨獣が、スマートカーテクノロジーの開発企業であるWayRayの1800万ドルに及ぶシリーズBラウンドで、トップ投資家となったことを、WayRayが発表した。

2012年に設立されたWayRayは、ホログラフィックナビゲーションシステムを製造している。その資金調達に関する発表によると、WayRayは前回調達した1000万ドルを既に、運転者が見る道路の視野上に指示や様々な情報を表示するARダッシュボードであるNavionの技術開発のために費やした。同社は消費者が手にすることのできるNavionを、2017年中に出荷する計画だ。

事前に用意されていた発表文書の中で、Alibabaグループのシニア投資ディレクターであるEthan XIeは「拡張現実のような先端技術の開発には巨大な可能性があり、様々な分野への応用、例えば自動車分野におけるWayRayのARナビゲーションのような応用があると信じています。拡張現実の可能性がその分野をエキサイティングで有望な分野にするのです」と述べている。

Alibabaは昨年の夏に、SAIC(上汽集団:中国の4大国有自動車製造会社の1つ)と共同開発したスマートカーRX5のプレオーダーを開始し、自動車業界へのデビューを果たした。RX5はAlibabaのYun OS(雲OS)を使っているが、同社はこの車をIoTエコシステムの一部にすることを狙っている。このエコシステムには同社の他のハードウェアや、Alipayなどのインターネットサービスが含まれている。

しかし、Alibabaのスマートカーには既にいくつかのライバルが現れている。例えばまた別の中国の巨大テクノロジー会社であるLeEchoが「初めての車両移動式エコシステム」として電気自動車のLeSeeを売り込んでいるし、またBaidu(百度)は、また別の中国4大国有自動車製造会社の1つであるBAIC(北汽集団)と共同でスマートカー技術と自動運転車を開発している。

WayRayはまた、AlibabaグループとSAICによるジョイントベンチャーであるBanmaテクノロジーズと提携を行うと発表している。Banmaによって2018年にローンチされるARナビゲーション並びに車内エンターテイメントシステムを開発するためだ。WayRayはこれは「世界初の、車向け量産ホログラフィックARヘッドアップディスプレイだ」と主張している。

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(翻訳:Sako)

クルマを降りずにガソリン代を支払い ― JaguarがShellと共同で新機能をローンチ

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車内で利用できる便利な機能の第一弾として、JaguarはShellと共同で新しいペイメント機能をローンチした。この機能を利用することで、クルマの運転手は車内にいながらApple PayやPay Palでガソリン代を支払うことができるようになる(近日中にAndroid Payにも対応する予定)。この機能はイギリスで最初に利用可能となるが、その後、全世界にも導入される予定だ。

この機能を利用するためには、あらかじめJaguarのインフォテイメントシステムにShellのアプリをインストールしておく必要がある。しかし、いったんインストールを済ませれば、そのアプリがタッチスクリーンに表示されるようになっている。その後、前述したようにPayPalかApple Payを使ってガゾリン代を支払うことが可能になる。この機能がイギリスで利用できるようになるのは現地時間の水曜日からだ ― ただし、Jaguar XE、XF、F-PACEの新しいモデルを所有していることが条件となる。

必要なガソリンの量はアプリで指定できる仕組みになっていて、その量に従って事前支払いをすることが可能だ。支払いのレシートもディスプレイに表示され、その後登録したEメールアドレス宛にコピーが送付される。

確かに、すでに多くのガソリンスタンドではクレジットやデビットカードでの支払いを受け付けている。しかし、このシステムでは財布をポケットから取り出す必要もないことを考えれば、従来より便利なサービスだと言えるだろう。そして、このシステムは来たるべき未来を暗示している。つまり、小売店やサービスプロバイダーが提供する車内アプリを使い、Apple PayやAndroid Payなどのデジタルペイメントシステムによってその支払いを済ませるという未来だ。また、クルマがネットワークとつながり、その位置情報を手に入れることが可能になったいま、インスタントなレシートや取引履歴なども大きな可能性を持っている。

近い将来、Jaguarオーナー以外もこの贅沢な機能を楽しむことができそうだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter