セブン-イレブンが10月から公式アプリにPayPay採用へ、独自コード決済の夢潰える

ソフトバンクグループでキャッシュレス事業を展開しているPayPayは8月11日、10月以降にセブン‐イレブンの公式アプリ内からPayPayを利用できるようにすると発表した。もちろんセブン‐イレブンでは、10月以降もクレジットカードや交通系ICカード、各種コード決済サービスなど、PayPay以外のキャッシュレス決済も引き続き使える。

具体的には、「セブン‐イレブン」アプリ上にPayPay用の支払いバーコードが表示され、国内のセブン‐イレブン店舗にて決済が可能になる。注目はこのバーコードで、アプリ会員コードの提示で得られるバッジやセブンマイル(税抜200円購入で1マイル)と、PayPay残高を使った支払いで得られるPayPayボーナス(支払額の最大1.5%)を同時に受け取ることが可能な点。一方、「セブン‐イレブン」アプリ上のPayPayのバーコードはセブン-イレブン専用仕様のため、ほかの店舗では使えないので注意。

「セブン‐イレブン」アプリでのPayPay残高へのチャージは、セブン銀行ATMを利用する。セブン銀行ATMはほとんどのセブン‐イレブン店舗内に設置されているので、現金を持っていればチャージに困ることはないだろう。別途「PayPay」アプリを同じスマートフォンにインストールして設定・登録を済ませている場合は、銀行口座などからのチャージも可能だ。

PayPay残高は共有されるとはいえ、正直いって2種類のPayPayを使い分けるのは面倒極まりないが、近所でよく使うコンビニがセブンイレブンであればうれしいニュースだ。「セブン‐イレブン」アプリ上のPayPay決済で、各種特典がもれなく得られるという省力化メリットは大きい。

セブン-イレブンは、昨年7月に独自のコード決済サービス「7pay」をデビューさせたが、セキュリティ対策が甘く不正利用事件が発生。2カ月後の9月に事業を停止した苦い思い出がある。今回、PayPayの決済機能を独自バーコードとして公式アプリに取り込んだのは、もともと7payで計画されたものだったかもしない。

とはいえ7payが問題なく事業展開していても、大量の資金を投入したキャンペーン施策でシェア急拡大を進めたPayPay、そしてZホールディングスとLINEの大型合併により、将来的にPayPayとLINE Payが統合もしくは連携する可能性を考えると、単独で事業を成立させるのは難しかったはずだ。対抗馬として残っているのは、NTTドコモとメルカリの連携によるd払い/メルペイ陣営しかない状態で、セブン‐イレブンがPayPay経済圏に加わるのは無難な選択肢だったのだろう。

8月後半のコード決済はd払い一択から変化あり、1000円未満のセブン決済はLP→MP→PPの順に週1使い分け

8月もそろそろ後半に差し掛かるが、コード決済各社の熾烈な戦いは続いている。既報のとおり、8月後半はコンビニエンスストアで20%還元キャンペーンを実施しているd払いを優先的に使えばいい。しかし、少しだけ風向きが変わってきた。

関連記事:8月に使うべきコード決済、前半はメルペイ70%還元、後半はd払い20%還元

d払いという名称からドコモ回線のユーザーしか使えないと思われがちだが、他キャリアやMVNOのユーザーでもdアカウントを登録すれば利用可能だ。チャージ元は各種クレジットカードを使える。還元上限は5000円相当(5000ポイント)で、2019年9月30日以降にdポイントとして付与される。ドコモ回線を使っている場合は、月々の利用料金とのまとめ払いも可能だ。ほかのコード決済とは異なり、d払いアプリで事前にエントリーしないと還元が受けられない点だけは注意。

一方、d払いに対応していないセブン-イレブンに関しては、11~14時のランチタイム時に10%の還元が受けられるPayPayの「ワクワクPayPay」キャンペーンを使うのが常道だ。

ただし、ワクワクPayPayの適用条件はほかのコード決済に比べると複雑なので注意してほしい。金融機関の口座もしくはYahoo!マネー、Yahoo!カードからチャージした場合は10%還元を受けられるが、Yahoo!カード以外のクレジットカードからチャージした場合はたった0.5%しか還元受けられない。また最大の20%還元を受けるには、PayPay残高を金融機関の口座かYahoo!マネーからチャージしつつ、月額498円のYahoo!プレミアム会員に入っている場合か、ソフトバンクもしくはワイモバイルの回線を利用している場合に限られる。

とはいえ、これら諸条件をクリアしている利用者なら、d払いよりもPayPayをメインに使うのがお勧めだ。セブン-イレブン以外のコンビニや飲食店、スーパーマーケットなどでも、毎日11~14時の間に最大20%の還元を受けられる。首都圏在住者は、低価格の商品が数多く揃っているOKストアやロピアで使えるのは大きなアドバンテージだろう。20%還元の条件をクリアしている場合、還元上限は1回あたり2000円、期間合計上限は3万円なので、ワクワクPayPayのキャンペーンをスーパーでの買い物に限定すれば、家庭のエンゲル係数が凄まじく低下するはずだ。主夫や主婦は特に要チェック。

なおセブン-イレブンでは、8月12日の月曜から毎週100円オフのクーポンがもらえるキャンペーンも始まった。こちらはPayPayのほか、LINE Payとメルペイも加わった3社合同企画で、8月12日から1週間ごと5週にわたって実施され、9月15日の日曜に終了する。各社のコード決済でそれぞれ支払うごとに毎週100円がお得になるというキャンペーンだ。つまり、1週間で合計300円ぶん、5週間合計で総額1500円が還元される。

少額だが101円以上の決済で使えるので、セブン-イレブンで1000円未満の買い物をするならワクワクPayPayよりも実質お得だ。ワクワクPayPayの20%還元の条件を満たしている場合でも500円未満の決済なら100円オフクーポンのほうが還元率は高い。

100円オフの条件は各社で異なる点には注意。PayPayは金融機関の口座やYahoo!マネー、Yahoo!カード、セブン銀行ATMからのチャージの場合のみ100円オフクーポンがもらえる。Yahoo!カード以外のクレジットカード経由のチャージは対象外だ。100円オフは翌月20日前後にPayPayボーナスとして付与される。そのほかPayPayの場合、「ペイペイチャンス」の対象にもなり、20回の1回の確率で最大1000円の還元も受けられる。

メルペイでは「本人確認」を完了した利用者のみが対象だが、金融機関の口座からのチャージ、もしくはメルペイあと払いでの決済で翌日に100円ぶんがメルペイポイントとして付与される。

LINE Payは3社の中で唯一、事前に100円引きのクーポンがもらえる。期間中の毎週月曜に100円クーポンが配布されるので、これを取得して101円以上の決済の際に利用すればいい。注意したいのは、クーポンは自動発行されず、専用サイトにLINE Payを利用するスマートフォンでアクセスして手動発行する必要がある点。

100円ぶんが付与されるタイミングを考慮すると、LINE Pay→メルペイ→PayPayの順に使うのがお勧めだ。

そのほか忘れてはならないのは、Origami Payが8月18日まで実施しているビックカメラグループでの最大3000円オフキャンペーン。実際には10%還元のキャンペーンで、3万円以上の買い物で最大3000円の割引が受けられる。こちらはOrigami Payを初めて使う店舗であれば何度でも3000円割引となるので、ビックカメラやコジマ、ソフマップのグループ各店を回って3万円以上を決済すればそのぶん3000円がお得になる。

Origamiでは、同じく8月18日までサーティーワンアイスクリームのレギュラーシングルが何度でも半額(最大250円引き)になるキャンペーンも実施中だ。

セブン-イレブンの独自コード決済「7pay」の詳細判明、複数クーポンのまとめ使いも可能に

セブン-イレブンは6月30日夜。「セブン-イレブン」アプリをアップデートし、同社独自のコード決済「7pay」に対応した。7payが始まるのは7月1日からだが、会員登録すれば6月30日の時点でチャージなどが可能だ。

チャージ方法は、各種クレジットカード・デビッドカード、セブン銀行ATM、nanacoポイント、レジで現金が選べる。同日から始まるファミリーマートの「FamiPay」は、レジでの現金とファミマTカードの2種類しかチャージ方法が用意されておらず若干ハードルが高かったが、7payは先行する汎用コード決済サービスと同等以上の多彩なチャージ方法を用意している点はうれしいポイントだ。

チャージ先をクレジットカードにした場合の決済方法はPayPayとは異なる。7payでは金額を指定してクレジットカードから事前チャージする方式。PayPayでは、支払金額がクレジットカードから即時チャージされるて決済される方式で、事前チャージは不要だ。

セブン-イレブンアプリでは7pay対応に併せて、複数のクーポンを同時に利用できる機能も搭載した。クーポンの画面の各クーポンに用意されている「まとめて使う」ボタンをタップしたあと、右上の「まとめて使う」をタップすれば複数のクーポンのバーコードを一覧表示できる。ここから7payのバーコードを呼び出すことも可能で、複数クーポンの使用と7payの決済がスムーズに行えるようになっている。

コード決済方法はほかと同じで、セブン-イレブンのレジでバーコードを見せればいい。