海上ドローン船でハリケーン中心部の様子を米海洋大気庁が初撮影、将来の予報用データも取得

海上ドローン船でハリケーン中心部の様子を米海洋大気庁が初撮影、将来の予報用データも取得

Saildrone Inc

アメリカ海洋大気庁(NOAA)が水上ドローンを使って、初めてハリケーンの中心近くの様子を映像に捉えました。風速54メートル、波高15mという激しい嵐になっているハリケーン「Sam」の内部を海上から捉えたのはSaildrone Explorer SD 1045と名付けられたウィンドサーフィンのようなドローン船で、海上でのハリケーンの様子をデータとして収集しました。

SD 1045は、ハリケーンシーズンに大西洋に配備していた5艘のうちの1つ。これらのドローン船は、研究者がハリケーンについて寄り詳しく分析するためのデータを常時記録するようになっています。そして収集した情報は、将来のハリケーンに関する予報の精度向上のために役立てられ、ハリケーンの上陸予測を寄り確かなものにすることで、犠牲者が出るのを抑えることが期待されます。

「ハリケーンは数時間で急激にその勢力を増すこともあり、沿岸地域の人々にとっては深刻な脅威になり得ます。NOAAの科学者であるグレッグ・フォルツ氏は、NOAAが使用しているSaildroneやその他の無人機器が収集する新しいデータは、ハリケーンの勢力変化をより正確に予測し、早期にハリケーンの予想進路上のコミュニティに警​​告を発するのに役立ちます」と述べました。

ちなみに、ハリケーン「Sam」に関しては、予報では米国本土に上陸する可能性は低いと予測されています。しかし、今回の映像でみられるような激しい波がこの週末には米国東海岸沿い打ち寄せ、場所によっては非常に危険な離岸流を起こす可能性があると、米国立ハリケーンセンターが注意喚起しています。

(Source:NOAAEngadget日本版より転載)

SpaceXがドローン船を使ったFalcon 9ロケットの回収に成功

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SpaceXは土曜日に行われたFalcon 9の打ち上げで、ロケットの1段目を回収することに成功した。これで今までに回収したロケットの数は7台になったほか、「Just Read The Instructions」と名付けられたドローン船でのロケット回収は今回が初だった。回収の様子はロケットに取り付けられたカメラにも収められており、着陸までのプロセス全体を映像で見ることができる。

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SpaceXが初めてドローン船を利用して、洋上でFalcon 9の一段目を回収したのは昨年4月8日のことだった。そして最後にドローン船での回収を行ったのが同年8月で、その後9月1日に件の爆発事故が起きた。これまで5度の回収を成功させた無人で航行するドローン船は、海の状況にあわせて動き、ロケットとやりとりをしながら着陸場所まで向かうようになっている。

宇宙飛行のコスト削減というSpaceXのミッションにおいて、ロケットの回収は大きな鍵を握っており、最終的にはこれが人間の惑星への移住というもっと大きなゴールに繋がると考えられている。現在SpaceXは打ち上げ一回あたりにかかる料金を約6000万ドルに設定しており、これは同じように商業宇宙飛行を行っている他社の水準と比べるとかなり低いが、その結果SpaceXのマージンもかなり薄い。

回収したFalcon 9の一段目を複数のミッションで利用できれば、宇宙に何かを送り届ける度に全く新しいロケットをつくる必要がなくなるので、SpaceXの利益が大幅に増えることになる。同社はまだ回収済みのFalcon 9の一段目を再利用していないが、回収プロセスの効果を最大化するために機体の調査は行っている。そして本日SpaceXは、”近いうちに”回収したロケットを使った初めてのミッションを行う予定だと語った。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter