中国の配車サービス大手Didiがニューヨーク証券取引所の上場廃止へ

中国の配車サービス大手Didi(滴滴出行)は米国時間12月3日朝、ニューヨーク証券取引所の上場を廃止し、代わりに香港での上場を申請する手続きを開始したことを、Weibo(微博)への投稿で発表した

この決定は、中国政府が安全保障上の懸念からDidiに米国での上場廃止を要請したとBloombergが報じてから数日後のことだ。その際、TechCrunchはDidiにコメントを求めようとしたが、連絡が取れなかった。

上場廃止の動きは驚くべきことではない。ソフトバンクが支援するモビリティ企業Didiは、7月の超大型IPOの前に、データ処理の安全性を中国政府に保証できなかったことから、規制面で大きな圧力を受けていた。

ここ数カ月、中国はユーザーのプライバシー保護を強化したり、国境を越えたデータ転送を制限したりするなど、多くの新しいデータ規制を導入してきた。Didiの幹部は以前、同社がデータを中国国内に保存しており「他の多くの米国上場の中国企業」と同様に、米国にデータを渡したことは「絶対にあり得ない」と述べていた。

Didiの時価総額は現在376億ドル(約4兆2540億円)だ。同社の株式は、デビュー時には1株あたり15ドル(約1700円)を超えていたが、12月2日時点では7.8ドル(約880円)まで大きく落ち込んでいる。

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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi

最終的にニューヨーク証券取引所は中国の通信大手3社を上場廃止に

ニューヨーク証券取引所(NYSE)は米国時間1月6日朝、中国の大手通信事業者3社の上場廃止を発表した。この動きは先週発表されたものだが、1月4日には撤回されるとみられていた

これは、中国軍部を支援する企業への米国からの投資を禁止するトランプ政権の広範な命令を受けたものだ(トランプ大統領は別の命令でTikTokを禁止しようとしている)。

なぜ判断は二転三転したのだろうか?ニューヨーク証券取引所は公平を期するために、執行命令が適用されるかどうかを評価する間、通信キャリアの取引継続を許可するとだけ最初は述べていた。

しかし、判断は完了したようだ。本日の発表でニューヨーク証券取引所はChina Telecom(中国電信)、China Mobile(中国移動通信)、China Unicom(中国聯合通信)の3社に行政命令が適用されることを確認した「具体的な新ガイダンス」を受け取った後、この決定を下したと述べている。

この結果、米国東部時間1月11日午前4時からこれらの3銘柄すべての取引が停止されることになった。ニューヨーク証券取引所を経由した同通信キャリアの取引高は、取引可能な株式全体に占める割合が小さいことから、この動きは象徴的なものとなるとみられている。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

中国の通信大手3社上場廃止計画をニューヨーク証券取引所が撤回

誰にとっても予想外だったが、米国時間1月4日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、2020年12月31日に発表された中国の大手通信事業者3社の取引除外を撤回するという声明を出した

除外は、中国の軍部や諜報および安全保障部門に供給とサポートを提供しているとみなされる企業への投資を禁じる(The White Houseリリース)トランプ政権の政策の一環としてChina Mobile、China Unicom、China Telecomの3社を対象にしていた。

現在のブラックリストには35社が掲載されており、その中には上記3社の通信企業の親会社やHuawei(ファーウェイ)、中国の大手チップメーカーであるSMICなどが含まれている。

ニューヨーク証券取引所は除外取消の理由として「関係規制当局とのさらなる協議の結果」を挙げている。発表によると、3社の上場と取引は継続するが、彼らへの大統領令の適用可否と彼らの上場状態についての評価は続けるという。

ニューヨーク証券取引所で約20年もの間取引されていた通信大手3社の除外を、一部の専門家は象徴的意味合いに過ぎないと考えている。これら企業のニューヨークにおける取引量は、取引可能量のごく一部でしかない。したがってニューヨーク証券取引所からの除外は、企業の成長と一般的なマーケットパフォーマンスに大きな影響を与えない、とChina Securities Regulatory Commission(中国証券監督管理委員会)は米国時間1月3日の声明で述べている(CSRCリリース)。

同委員会は続けて「米国の一部の政治的勢力による最近の動きは、米国市場に上場している外国企業を継続的かつ根拠なく抑圧し、グローバルな資本市場における自らの立場をも損壊しようとしており、米国の規則と機関が恣意的で無責任で気まぐれでありうることを示している。米国側がマーケットへの尊敬の念と法的規則への敬意を示し、グローバルな金融市場の秩序と投資家の正当な権利および世界経済の安定性と育成に貢献することを望みたい」と述べている。

最近では米国で上場している中国企業の多くが、香港におけるセカンダリー上場を選択している。すでにAlibaba(アリババ)とJD.com(Reuters記事)とNetEaseが香港でデビューし、他にも多くのテクノロジー企業が帰郷を検討している。中国のテクノロジー大手は米国政府による締めつけの可能性を憂慮しており、また、アリババの香港における成功を自分も経験したいと願っている。また、中国の優良テクノロジー企業を呼び戻すために2019年に導入されたNASDAQ方式の取引所(未訳記事)にも、彼らは資金調達の機会を見出している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa