ものづくりワークショップが見つかるプラットフォーム「Craftie」が正式ローンチ

旅行におすすめの宿泊先やアクティビティなどの情報を集約する予約サイトは多くあるが、ものづくりのワークショップや教室情報を集約している予約サイトはあまりない。Craftie(クラフティ)は、そうしたウェブ上に点在しているワークショップや教室情報を集約し、予約までできるウェブサービスだ。これまでベータ版を提供していたが、本日よりサイトをリニューアルして本格展開を始めると発表した。

Craftieを見てみると、バスソルトや陶器、アクセサリー作りなどのワークショップが並ぶ。詳細画面では当日のワークショップの流れや持ち物、開催日時、場所といった情報をチェックできる。参加したいワークショップを見つけたら、Craftie上でワークショップの参加予約が可能だ。現状ではウェブサービス内に決済方法はなく、当日主催者に料金を支払う。

ハンドメイド作品の教室やワークショップを運営する個人は多いが、お客さんとして友人は呼べても、そこから先の集客を行うことが難しかったとCraftieの代表取締役社長を務める康瑛琴氏は話す。Craftieでは、そうした先生を支援するため、教室内容の掲載から予約管理まで簡単にできる管理画面を提供するという。

同じように教室やワークショップとユーザーをマッチングするサービスには他にもスキル学習のマーケットプレイス「ストリートアカデミー」プライベートコーチを探せる「サイタ」などがある。そうしたサービスとの違いは、現状ではハンドメイドやものづくりに特化している点だけと康氏は言う。しかし、そこに特化することでUIやUXの作り方が変わり、打ち出す世界観が差別化につながると考えているという。「Craftieはこれを学ぶとタメになるという切り口ではなく、ユーザーや先生がかわいいと感じて、愛されるようなデザインを意識しています。生活を彩るワークショップや体験を直感的に選べるようにこだわっています」。

康氏はアクセンチュアを経て、楽天のシンガポール法人のグローバルマーケティング部で経験を積んだ人物だ。康氏は2016年4月にCraftieを創業し、2016年11月末からサービスのベータ版を運営している。Craftieを立ち上げた理由について康氏は、もともと美術部でものづくりやアートに関心があり、自身でもワークショップを見つけるのに課題を感じていたためという。ワークショップ情報を見つけても日程が過ぎていることもあり、旅行やグルメであるような情報サイトを立ち上げようと考えたと話す。また、昨今ハンドメイド作品のC2Cマーケットが増えてきてユーザーはハンドメイド作品に慣れ親しんできている状況もあり、自分でハンドメイド作品を作ることにも関心が高まると考えている。

今回の正式版のリリースにあたり、教室を運営する事業主向けの管理画面の改善とユーザーページのリニューアルを実施した。これまでに約60の事業主が登録し、ワークショップの登録数は100件以上で開催ワークショップは550件以上になったという。

今後のビジネス展開としてはユーザーと先生とのマッチングする他に、ワークショップと例えばアパレルブランドや小売店の持つスペースとのマッチングをすることも計画しているという。ショップにある遊休スペースは、会議室や自宅の一室よりブランド価値があるだろう。単に時間単位で場所を貸し出すのではなく、Craftieではブランドイメージと合ったコンテンツと合わせてユーザーに提供することで、より価値の高いスペースの活用法になると考えている。この事業の一環として、3月31日には千葉県柏市にある柏の葉T-SITEで、Craftieものづくりワークショップマルシェを開催する予定だ。

スキルのC2Cサービス「ココナラ」が物販にも進出ーー今春からハンドメイド作品の取り扱いを開始

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個人のスキルのマーケットプレイス「ココナラ」は、本日ハンドメイドのEC領域に進出することを発表した。「ココナラ ハンドメイド」は2017年3月8日に正式ローンチする予定で、出品者の登録は本日より受け付ける。

2012年にサービスを開始したココナラは、ユーザーが自身の知識・スキル・経験を売買できるC2C型のマーケットプレイスだ。もともと出品サービスは一律500円だったが、現在は購入者がおひねりを追加したり、価格設定も5万円を上限に変更したりできる。人気の商品は占いやイラスト作成などだが、ビジネス用途でもリサーチ代行やプレスリリースのチェック作業といったサービスの出品がある。

ココナラ自体は無形サービスに特化したマーケットプレイスだが、「ココナラ ハンドメイド」のローンチでモノの出品もできるようになる。ココナラのユーザーとハンドメイド作品のマーケットプレイスのユーザーの親和性が高いとココナラ代表取締役の南章行氏は話す。

例えば、これまでココナラでは結婚式のウェルカムボード用のイラストを作成するサービスなどの出品があり、完成した作品を郵送したいというニーズがあった。これまでは商品の郵送には対応していなかったが、「ココナラ ハンドメイド」ではそれができる。「ココナラ ハンドメイド」はココナラとは別サイトで運営するが、ココナラのカテゴリーの1つのように見せ、相互送客していくという。

ココナラの創業当初から、ハンドメイド作品を扱う構想はあったと南氏は話す。ただ、ココナラのミッションは、個人の知識・スキル・経験を可視化し、必要とする人に結びつけるプラットフォームを提供することだ。それを体現するのが無形サービスのマーケットプレイスと考え、ココナラを開始したという。今回、ハンドメイド作品のマーケットプレイスへの需要を感じ、「ココナラ ハンドメイド」を開始するに至った。

ココナラの最終的な目標は「相談のゲートウェイ」になることと南氏は説明する。「何か相談したいことがある場合、人はその先のソリューションを求めていて、それは大きなマーケットです」と言う。例えば人間関係で悩んでいる人は、まずは弁護士に相談し、その先で弁護士に調停の依頼するといったようにだ。悩みがあるとき、これまで多くの人はGoogleを使ってソリューションを検索することが多かっただろう。一方、ココナラでは、悩んだときは誰かに相談してから、ソリューションを決めるという流れを作り出したい考えだ。

人は様々な悩みを抱えている。ココナラは分野に特化してサービスを展開するのではなく、様々な分野を取り揃えることで、どんな悩みでも「悩んだときはココナラ」という立ち位置を確立する戦略だという。

ココナラは2016年8月、「ココナラ法律相談」サービスをローンチしているが、これも相談のゲートウェイの先にあるソリューションとユーザーをつなぐ位置付けにある。ココナラ法律相談では、ユーザーは登録弁護士に無料で法律相談ができる。ココナラは、ユーザーが弁護士に有料の法律サービスを依頼するときに送客手数料を得るモデルを採用している。現在、250名ほどの弁護士が登録しているという。

ココナラの出品数は10万件を超え、流通高は創業以来、毎年約3倍の成長率で伸びていると南氏は説明する。単価は低くても、このような売上が立つのは継続課金率が高いためで、この継続課金率の高さも、多様な分野を取り揃えていることが貢献しているという。ユーザーはずっと同じカテゴリーの出品サービスを購入するのではなく、異なるカテゴリーの出品サービスを購入する傾向にあるそうだ。今回の「ココナラ・ハンドメイド」は、ココナラの間口を広げ、集客エンジンを強化する位置付けと南氏は説明する。

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ハンドメイドのC2Cサイトには、Creemaやminneなどが先行している。他サービスと競合することについて南氏は、ハンドメイド領域は一社総取りではなく、ユーザーは欲しいと思えるモノがある場所を訪れるため、後発でも十分にマーケットを取れるだろうと話す。また、ココナラには、ハンドメイド作品のマーケティングやノウハウの相談やアドバイスをするサービスとして出品しているユーザーもいるそうだ。ココナラではモノとサービスの両方を提供していくことで、ハンドメイド作家を生み、育てられるマーケットになることを目指すと南氏は話している。

経済圏の拡大に向けてハンドメイド作品のマーケットプレイス「Creema」が総額11億円を調達

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ハンドメイド作品のマーケットプレイス「Creema」を運営するクリーマが総額11億円の資金調達を実施したことを発表した。グロービス・キャピタル・パートナーズをリードインベスターとし、既存株主のKDDI Open Innovation Fund、SMBCベンチャーキャピタル、そしてクリーマ創業者の丸林耕太郎氏が出資している。今回、ファウンダーで代表取締役社長を務める丸林氏に話を聞いた。

Creemaはクリエイターがハンドメイド作品を掲載し、買い手は気に入った商品をサイト上で購入できるC2Cマーケットプレイスだ。作品カテゴリーや素材、モチーフ別に240万点以上の掲載作品からお目当てのものを探したり、気に入った作家をフォローしたりすることができる。アクセサリーや時計などのファッション雑貨が多いが、陶器や家具、アート作品などもある。2016年4月からは食品の取り扱いも始めている。

クリーマ創業者の丸林耕太郎氏

クリーマ創業者の丸林耕太郎氏

Creemaの理念は「ものづくりを頑張っている人がフェアな評価を受けられるサービスであること」と丸林氏は言う。丸林氏は学生時代、DJや楽曲製作など音楽活動に打ち込んでいたと話す。そこでは音楽やファッション関係のクリエイターとの接点が多くあったが、実力があって努力していても、必ずしもそれが収入や評価に結びつくものではないという状況に違和感を感じたという。丸林氏はセプテーニ・ホールディングスを経て、独立した。新規事業を考える際、数あるアイディアの中からハンドメイド作品のマーケットプレイスに取り組むことに決めたのは、クリエイターの才能や頑張りが正当に評価される環境ができると感じたからだと話す。作品の評価は主観的なもので、見る人によって価値を感じるものは違うだろうが、買い手と作品が直接つながることで、より多くの作品が評価されることになると丸林氏は説明する。

Creemaで掲載している作品の一部

Creemaには現在6万人ほどのクリエイターが登録している。クリエイターは趣味としてものづくりをしている人や美大生などが多いそうだ。中には、趣味と副業を兼ねて作品をCreemaに出品していたものの、人気が出て、ものづくりを専業にするために独立した人もいると丸林氏は話す。ハンドメイド作品と言えば低価格だと思われがちだが、Creemaには高額商品も多いそうだ。サービスを開始した当初、インターネットで作品を買う人なんていないと思われていたと丸林氏は言う。しかし、今ではCreemaの作品は安いから購入されているのではなく、良い作品であれば5万円、10万円でも購入につながることが分かってきたと丸林氏は話す。

Creemaバッグ特集

上記はCreemのバッグ作品の特集だが、5000円の帆布トートバッグから2万円のカゴバッグといった高単価のものも並んでいて、どの作品のデザインも仕立ても良さそうな印象だ。

Creemaは2010年5月にローンチし、2014年6月にはKDDI Open Innovation Fundから1億円を調達した。Creemaはクリエイターの売上高に基づき、8%から12%の成約手数料を得るモデルで運営している。出品自体は無料でできる。Creemaの流通総額は年間450%以上成長し、5年連続の成長を果たしたと丸林氏は説明する。

この成長の理由は、買い手のハンドメイド作品に対する価値観が変わってきていることも影響しているのではないかと丸林氏は話す。例えば時計を買うにしても、ブランド商品より世界に1つしかない作品やクリエイターのこと、あるいは作品のストーリーを知った上で気に入った商品を購入することに価値を感じる人が増えているのではないかという。Creemaでは、買い手がクリエイターに連絡を取ることもでき、作品に関する質問をしたり、オーダーメイドや発注数の相談したりといったコミュニケーションを通じてクリエイターのファン構築にもつながっているという。Creemaでは他にも5000名以上のハンドメイド作家が集まるイベント「HandMade In Japan Fes」を東京ビッグサイトで主催したり、常設ショップ「クリーマストア in ルミネ新宿2」を商業施設内に出店したりなど、リアルの場でも買い手とクリエイターの接点を作る施策を行ってきたという。

今回の資金調達ではマーケティング、開発、採用に力を入れる計画だという。クリエイターを支援する新規事業やサービスの海外展開も視野に入れているそうだ。ハンドメイド作品のC2Cサービスと言えばGMOペパボが展開する「minne」やNASDAQに上場し、日本からも利用できるニューヨーク発の「Etsy」などがある。競合は何社かあるが、丸林氏はこれまでCreemaがクリエイターにとって価値のあるサービスとして確立するためのサービス開発に注力してきたという。今回の資金調達、そしてリピーターからの購入が流通総額の大半を占めるようになったことを機に、今後マーケティング活動を強化してCreemaの経済圏を広げていく計画という。また、Etsyに関しては世界で初めてハンドメイド作品の経済圏を作ったことは尊敬しているとしつつも、C2Cでは買い手とクリエイターのコミュニケーションも重要であり、各地域に密着したサービスが台頭する余地もあると考えていると丸林氏は話す。