オンライン教育は、2020年のテクノロジー業界におけるホットスポットの1つだ。人々はeラーニングツールを利用して、新型コロナウイルスのパンデミックにより閉鎖された学校、閉鎖されたオフィス、ソーシャルディスタンス、以前より増えた自宅での時間などから生じた隙間を埋めている。そしてそれが教育のスタートアップに大きな衝撃を与えた。複数の会社が成長のチャンスを生かすために資金を調達しようとしている。
その最新の動きとして、Udemy(ユーデミー)が最大1億ドル(約105億円)を調達しようとしている。同社はPython(パイソン)の学習やより良い写真の撮影方法、マインドフルネスやビジネスアナリティクスの習得に至るまで、現在65の言語で約13万のビデオベースのコースを用意するマーケットプレイスを提供している。今回のシリーズFラウンドの資金調達で、同社は最大33億2000万ドル(約3490億円)のバリュエーションがつきそうだ。
同社はデラウェア州で資金調達のための書類を提出した。Justin Byers(ジャスティン・バイヤーズ)氏とPrime Unicorn Index(プライム・ユニコーン・インデックス)のチームが最初に気づいた。ラウンドが完了したかどうか、また全額が(または実際にはそれ以上)が調達されたのかどうかははっきりしない。
回答を求められたUdemyは報道を否定しなかったが、現在のところコメントを拒否している。「当社は憶測についてコメントしないという方針です」と広報担当者は電子メールで筆者に述べた。「現時点でコメントはありませんが、何か変化があればご連絡いたします」。
資金調達はUdemyにとって強力な動きになると思われる。同社は2020年初めにシリーズEを終了したばかりだ。5000万ドル(約53億円)のラウンド(ベネッセが出資)で、ポストマネーで20億ドル(約2100億円)以上のバリュエーションとなった。
だがそれは新型コロナが実際に世界を支配する前の2月のことだった。その後、教育分野のスタートアップは今年の春からビジネスが急増した。その結果、新星を支援する良いタイミングだと見る投資家からの注目も急増した。
最近の取引をいくつか見てみよう。Udacity(ユダシティ)は先週、7500万ドル(約78億円)の負債ラウンドを発表し、ついに利益を計上したと述べた。10月にはKahoot(カフート、未訳記事)がソフトバンクから2億1500万ドル(約230億円)を調達するラウンドを発表した。そして9月、Outschool(アウトスクール)が4500万ドル(約47億円)を調達した(そして現在は利益を上げている)。Homer(ホーマー)は戦略的投資家から成る華々しいグループから5000万ドル(約53億円)を調達した(未訳記事)。Unacademy(アンアカデミー)は1億5000万ドル(約160億円)を調達し(未訳記事)、大手のByju’s(ビジュス)はSilver Lake(シルバーレイク)から5億ドル(約530億円)を獲得した。
これらは大規模な取引のほんの数例にすぎない。多くの小規模な資金調達があり、新しいエドテックのスタートアップが立ち上げられており、他にも勢いの兆候(未訳記事)が見られる。ちなみにPrime Unicornによると、Duolingo(デュオリンゴ)も資金調達中だ。22億1000万ドル(約2320億円)のバリュエーションで、すべての株式が発行される場合、最大3500万ドル(約36億円)の資金調達となる。TechCrunchはこのニュースを掘り下げているところだ。
Udemyにとって直近の資金調達となった2020年初め、事業部門の社長が筆者にUdemyには5000万人の学生がアラカルト形式でコースを購入しており、また企業の顧客(Adidas、General Mills、トヨタ、Wipro、Pinterest、Lyftなど合計約5000社)はサブスクリプションモデルを使用していると語った。
同社のウェブサイトに掲載されている数字によるとビジネスユーザーは増加して現在7000人を超えており、現在までに合計4億のコースが登録されているようだ。Udemyが現在、多くの資金を使って模索している機会はここに示されているのかもしれない。
しかし、はっきりさせておくと、書類からは最新のラウンドに誰が参加したのか、また資金調達の目的が何なのかは詳述されていない。
2月のラウンド時に書いたように、その時の資金調達はUdemyと提携している日本の教育出版社であるベネッセホールディングスという戦略的投資家1社からのものだった。ベネッセのビジネスには、オンラインと対面の両方に対応する子供向けの教育コンテンツと大人向けの教育コースの開発が含まれている。同社の傘下にあるBerlitz(ベルリッツ)のようなブランド向けの開発もある。Udemyはベネッセのそうしたさまざまな取り組みのためのコンテンツ開発を支援している。
同社の他の投資家にはStripes、Naspers(現在はProsus)、Learn Capital、Insight Partners、Norwest Venture Partnersなどがいる。
Prime Unicorn Indexによると、この最新のシリーズFの条件には「通常の転換権がある他のすべての優先株式に対する均等な残余財産優先分配権、つまり、資金が残っている場合は普通株式に参加しない」が含まれるとある。また、Udemyの直近の1株当たり価格は24.13ドル(約2530円)であり、シリーズEで設定した15.57ドル(約1630円)から上昇した。
詳細がわかり次第続報する。
関連記事
・教育プラットフォームのUdemyがベネッセから約56億円調達
・ユダシティがデットファイナンスで78億円を調達、技術系教育ビジネスが好調
・新型コロナ禍で急成長、小グループのバーチャル教育クラスを展開するOutschoolが47億円調達
・インドのオンライン学習大手Byjuが約530億円を調達、アプリ登録者6400万人超、有料購読者420万人超
カテゴリー:EdTech
タグ:Udemy、ベネッセホールディングス、資金調達
画像クレジット:DrAfter123
[原文へ]
(翻訳:Mizoguchi)