ホワイトハウスが暗号通資産に関する大統領令を発表

バイデン大統領のホワイトハウスが米国時間3月9日に、暗号資産の規制に関する新しい大統領令を発表しました。大統領令は基本的に、政府が消費者保護のバランスを取りながら、米国がこの分野のイノベーションのための空間であり続けることを保証する計画について幅広い戦略を打ち出している。

政府の強力な介入を懸念していた業界人にとって、この大統領令の言葉遣いは、バイデン政権が包括的な短期の改革には関心がなく、むしろ暗号資産産業の国防にとっての含意の調査と観察で全省庁が確実に歩みを揃えることを重視していると映るだろう。

ホワイトハウスが発行したファクトシートでは「デジタル資産の登場で、世界の金融システムと技術の最前線における米国のリーダーシップを強化する機会が生じている。しかしそれはまた、消費者保護と金融の安定性、国防そして気候の危機に関する重要な意味も持っている」と述べている。

この大統領令のプレスリリースは、7つの主要目標を詳しく挙げている。

  • 米国の消費者と投資家と企業を保護する
  • 米国と世界の金融の安定を保護し内在的なリスクを軽減する
  • デジタル資産の不法な使用による金融と国防の不法なリスクを軽減する
  • テクノロジーと経済的競争力における米国のリーダーシップを増進し、世界の金融システムにおける米国のリーダーシップを強化する
  • 安全で誰もが利用できる金融サービスへの公平なアクセスを振興する
  • 技術の進歩を支援しデジタル資産の責任ある開発と利用を確保する
  • 米国の中央銀行デジタル通貨(U.S. Central Bank Digital Currency、CBDC)の検討

暗号資産技術の投資家はこぞって安堵の吐息を漏らしたかもしれないが、この分野に対して厳しく批判的だったElizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏などは、納得しなかったかもしれない。最近ウォーレン氏は業界を批判し、特に暗号資産の環境への影響と、いわゆるステーブルコインの発行者とDeFi(分散化金融)のエコシステムのプレイヤーに対する緩い規制がもたらす、投資家のリスクへの注意を促している。

この大統領令に関するホワイトハウスのコミュニケーションは概して、特定のコインやプロジェクトへの言及を、Bitcoinの価格の乱高下を除いては避けているようだ。またDeFiやNFTのような、特定の技術分野への言及もない。

一部の業界人が特に気にしていたのは、裕福なロシアのエリートが制裁を逃れるために暗号資産を利用して取締りを招くことだが、報道陣向けの説明会に登場した某政府高官は「特にロシアでは、暗号資産の利用が、我々がロシア経済全体およびその中央銀行に科した一連の金融制裁に対する有効な回避策になることは考えられない」とそのその可能性を否定した。。

今回の大統領で特に目立つのは、いくつかの政府省庁に対して公式に、国定の暗号資産(CBDC)の開発に関する調査研究の開始を指示していることだ。これについてホワイトハウスの高官は「この調査研究は、国際的な参加と競争性に関して我々が今後開発するフレームワークとともに、世界の金融システムにおける米国の重要な役割を私たちが確実に保全することを支えるだろう」と述べている。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領はこの大統領令に本日、米国時間3月9日に署名する。

画像クレジット:撮影:Al Drago/Bloomberg, Getty Imagesより/Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

米ホワイトハウスがオープンソースソフトウェアセキュリティサミット開催、GoogleがOSS保護に官民の協力を呼びかけ

米ホワイトハウスがオープンソースソフトウェアセキュリティサミット開催、GoogleがOSS保護に官民の協力を呼びかけ

Google

Googleは1月13日(現地時間)、オープンソースソフトウェアを保護するために官民の協力が必要だと訴えました。これは、2021年12月から大きな話題となっているオープンソースライブラリのLog4jに見つかった脆弱性の問題を受け、Linux FoundationApacheソフトウェア財団(ASF)も参加する形で米ホワイトハウスが開催した、オープンソースソフトウェアセキュリティサミットで発表したもの。

この中でGoogleは、重要なインフラや国家安全保障のシステムで採用されているオープンソースソフトウェアは、そのセキュリティを維持する作業のほとんどをボランティアが行っていると指摘。オープンソースソフトウェアはコードが広く公開されており、その透明性と多くの目が監視しているために、一般的に安全だという前提で使われています。しかし、いくつかのプロジェクトには多くの目が向けられているものの、それ以外のプロジェクトにはまったく目を向けられていないとしています。

実際、SteamやiCloud、Amazon、Twitter、Mincraftなどでも利用されているロギングライブラリのLog4jの場合、Github上のメンテナはわずかに3人だったとも伝えられています。

「私たちの生活におけるデジタルインフラの重要性を考えると、そろそろ物理的なインフラと同じように考えてもいいのではないでしょうか。オープンソースソフトウェアは、オンライン世界の多くの部分をつなぐ組織であり、道路や橋と同じように注目し、資金を提供する必要があります」と、業界と政府が協力して、重要なオープンソースプロジェクトを支援すべきだと呼びかけます。

なお、オープンソースのセキュリティの優先順位を管理し、脆弱性の修正を支援するOpen Source Security Foundation(OpenSSF)がすでにありますが、Googleはこうした組織をサポートするために1億ドル(約114億円)を支出しているとのことです。

(Source:GoogleEngadget日本版より転載)

バイデン新大統領就任でホワイトハウスのウェブサイトも刷新、ダークモード採用などアクセシビリティが大きく向上

米国大統領の行動や取り組みをまとめた公式サイト「WhiteHouse.gov」は、就任したばかりのバイデン大統領の下で、まず最初に変更されるものの1つだ。最近流行のダークモードが用意されたほか、読みやすいように大きな文字に切り替えられるなど、ウェブ管理者はサイト全体を最新のアクセシビリティガイドラインに適合させることを約束している。

見た目は前政権時代のサイトとそれほど変わっていない。どちらもかなりモダンでミニマルなデザインで、大きな写真をトップに掲げ、カテゴリを掘り下げていくと優先事項やお知らせのリストが整然と並んでいる。

画像クレジット:White House

しかし、多くの人が喜びそうな新政権による大きなデザインの変更点は、ダークモード(ハイコントラストモード)と大きな文字に切り替えるトグルが用意されたことだ。

ダークモードというものはずっと前から存在していたが、Apple(アップル)が少し前にiOSmacOSのシステム全体に採用したときから、一般的なものになった。目が疲れにくいといわれているが、実際の効果はともかく、ユーザーに選択肢が与えられるのは歓迎すべきことだ。

WhiteHouse.govのダークモードは、見出しの文字が愛国的なブルーから目に優しいオフホワイトに変更され、リンクは落ち着いたからし色になる。ホワイトハウスのロゴ自体も、背景がダークブルーから、ホワイトの縁取りがついたブラック一色に変わる。すべて非常にセンスの良い配色ではあるものの、どちらかというとハイコントラストというよりも、ローコントラストモードのように見える。

大きな文字のモードは、「Large Font Size(大きなフォントサイズ)」とあるように、すべての文字がかなり大きくなり、タップやクリックが簡単になる。表示を切り替えるためのトグルが目立ちすぎるともいえるが、そのうち調整されるだろう。

スペイン語版も用意された。それを母国語としている何百万人もの米国人から歓迎されることは間違いない。これは以前のホワイトハウス / カサブランカ(スペイン語で「白い家」という意味)のページにはなかった。

より前向きなのは、アクセシビリティのセクションにある公約だ。

すべての人に向けたアクセシビリティへの取り組みは、このサイトのすべての機能とすべてのコンテンツが、すべての米国人にとって確実にアクセシブルにするための我々の努力から始まります。

我々の継続的なアクセシビリティへの取り組みは、Web Content Accessibility Guidelines(WCAG)バージョン2.1、レベルAA基準に準拠することを目指しています。

WCAGガイドラインは、視覚に障害を持つ人、聴覚に障害を持つ人、マウスやタッチスクリーンを簡単に使用できない人でもコンテンツに簡単にアクセスできるように、ウェブサイトをデザインするためのベストプラクティスを列挙している。このガイドラインを満たすことは特に難しいわけではないが、多くの人が指摘しているように、最初からアクセシビリティを考慮してウェブサイトをデザインするよりも、既存のウェブサイトを後からアクセシブルにすることの方が難しい。政府機関のサイトはアクセシブルであることが求められるが、その適合レベルはサイトによってばらつきがある。

私が気づいた点の1つは、ホワイトハウスのウェブサイトに掲載されている写真の多くには、altテキストや目に見えるキャプションが添付されていることだ。これは視覚に障害を持つ人が画像の内容を理解するのに役立つ。以下はその一例だ。

画像クレジット:White House

このaltテキストは通常、画像に達するとスクリーンリーダー(音声による画面の読み上げ機能)で読み上げられるが、一般には見えないようになっている。以前の管理者が制作したサイト(ここにアーカイブされている)は、メタデータが削除されたのでなければ、私がチェックした写真には説明文がなかったので、これは大きな改善だ。ただし、残念なことに一部の写真(フロントページの大きなトップ画像など)には説明文がないので、これは修正されるべきだろう。

それ以外のアクセシビリティに関しては、ガバナンス項目やお知らせにプレーンテキスト版(PDF版やその他の形式ではなく)を速やかに用意すること、公式動画やその他のメディアにキャプションを加えること、そしてチームが指摘しているとおり、サイトを訪れるすべての人にとってより良いものにするための多くの小さな改善を続けることだ。

政権交代にともなうさまざまな変更に比べれば、ある意味では小さなことではあるが、小さなことが積み重なって大きなことになるものだ。

Microsoft(マイクロソフト)のIsaac Hepworth(アイザック・ヘップワース)氏が指摘しているように、まだまだやるべきことはたくさんある。だからこそ、米国政府デジタルサービス (USDS)は、ソースコードに小さなメッセージを隠しているのだ。

画像クレジット:White House

もしあなたがこれを読んでいるなら、より良いサイトに作り直すためにあなたの力を貸してください。https://usds.gov/apply

興味のある方は、こちらから申し込みを

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:ジョー・バイデンアクセシビリティホワイトハウス政治・選挙

画像クレジット:White House

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(翻訳:TechCrunch Japan)