1人暮らし世代のTechCrunch読者の中には、「外食や飲み会が増えたのでお腹まわりが気になってきたが、自炊をして健康的な生活を送るための時間や気力がない」という悩みをもつ人も多いのではないだろうか(僕もその1人だ)。そんな悩みを解決してくれるのが人工知能(AI)アシスタントの「CALNA(カルナ)」だ。
日本のmeuron(ミューロン)が提供するCALNAは、ユーザーが入力した身長や体重などのデータとアンケート診断の結果をもとに、AIがユーザーに最適なダイエットメニューを提案してくれるというアプリ(2016年10月のリリースはTechCrunch Japanでも紹介している)。
当初からCALNAはユーザーの目的に合わせていくつかのダイエットプログラムを用意する計画だった。リリース時から提供している「外食中心ダイエットプログラム」では、大手コンビニや飲食チェーン店(「ガスト」などのホームレストランや「ほっともっと」などの弁当チェーン)など、計13店舗のメニューをデータベース化しており、約700万点あるメニューから適切な組み合わせを提案してくれる。
そのmeuronは3月13日、これまで提供していたプログラムに加えて、CALNAに「あっという間の作り置きプログラム」を追加すると発表した。
平日は自炊する時間はなくても、「休日ならばできるかも」という人も多いだろう。平日に食べるご飯を休日にまとめて作り置きしておけば、より健康的な生活も送りやすい。
この新プログラムでは、レンジで簡単につくれるレシピなど、1品あたり5〜10分で調理できる作り置きレシピを毎月配信する。月額480円でレシピ本1冊分のボリュームのあるコンテンツが配信されるようだ。レシピの幅も広く、カレーやシチューなどの定番作り置きメニューだけでなく、ハーブチキンや魚を使ったメニューなどもあるそうだ。
なお、既存の「外食中心ダイエットプログラム」は今後も無料で提供を続けるとのこと。
新プログラム開発の背景について、meuron代表取締役の金澤俊昌氏は「CALNAを利用するユーザーから『簡単にできる自炊のプログラムを作ってほしい』という要望があったのがきっかけでした。また社内からの意見でも、『すべての食事を外食で済ませるダイエットユーザーはいないよね』という声もあり、ユーザーが簡単に調理可能で、かつ作り置きができる料理に特化したプログラムを開発することに決めました」と語る。
料理レシピを見るだけならクックパッドでも事足りる。しかし、あくまでも「作り置き」にフォーカスしたこの新プログラムでは、ユーザーの好みを学習したAIが何品分ものレシピをまとめて提案し、それをすべて考慮したうえで作業工程を最適化。買い物リストや調理手順まで教えてくれる。西澤氏は、「料理を何品も作るときには、例えば5品分の野菜をまとめて切って、つぎに野菜を切ってという作業になる。CALNAでは、そういった『まとめて作る』という作業工程をシステム側で再設計することで、『料理を作る』という体験をアシストすることが目的です」と語る。
リリースから約5ヶ月が経過するいま、CALNAは累計で8万ダウンロードを達成。「リリース当初に比べると、ユーザーの継続率は2倍程度まで伸びている」という(西澤氏)。2014年10月に創業のmeuronは、これまでに累計で1億8000万円の資金調達を完了している。