犬の気持ちがわかる「イヌパシー」開発のラングレスが1億円調達、牛やイルカ、ゾウに対象拡大へ

犬の感情を5つの色で表す犬用ウェアラブルデバイス「INUPATHY」(イヌパシー)を開発・販売しているラングレスは7月2日、リアルテックファンドMistletoe(ミスルトウ)から総額1億円の資金調達を発表した。

今回の資金調達により同社は、北米を中心としたINUPATHYの海外展開を目指すほか、犬以外の哺乳類全般の心の状態を可視化・表現する研究開発体制を新たに構築していく。

INUPATHYは、心拍センシング技術と動物感情解析技術を用いたハーネス型の犬用ウェアラブルデバイス。リラックス状態や好奇心状態といった犬の感情を5つのLED色で可視化できるのが特徴だ。同デバイスは、ノイズに極めて強く、体内の音声から心音のみを拾うことができる特殊な心拍センサーを内蔵。同社によると、同センサーから取得した犬の心拍情報から犬の状態を可視化できるとのこと。具体的には、心拍の分散値(HRV)から自律神経の活性状態を推測するというパターン分類アルゴリズムによって実現しているという。さらに、独自技術による心拍変動解析「HRVシステム」によって体調の変化を察知し、健康管理に役立てることも可能としている。

同デバイスは2018年11月より販売を開始しており、国内で600台を販売。同社ではペット産業はもちろん、畜産業における家畜の体調管理や研究分野での応用を期待している。

さらに同社は「Langualess LABO」(ラングレスラボ)を設立。INUPATHYで蓄積した、リアルタイムの心拍変動解析技術とデータの分析結果を他の動物へ応用することを考えており、今後は人や牛、イルカ、ゾウなどの大型動物や海洋生物を対象として他社との共同研究プロジェクトも進めていく。

Drone Fundがスペースリンクに出資、急速充電と大容量を両立した蓄電池の量産化が加速

Drone Fundは2月25日、キャパシタ(蓄電池)開発のスペースリンクへの出資を発表した。Drone Fund1号(千葉道場ドローン部1号投資事業有限責任組合)とDrone Fund 2 号(千葉道場ドローン部2号投資事業有限責任組合)からの出資となる。Drone Fundのほか、リアルテックファンド、加賀電子、デンソー専務取締役の加藤光治氏が第三者割当増資の引受先となり、スペースリンクの調達総額は1.3億円、累計で9.5億円に達した。

スペースリンクが開発した「グリーンキャパシタ」は、急速充電が得意なキャパシタの特性を生かしつつ、カーボンナノチューブとグラフェンを利用したことで従来の5〜10倍となる大容量化に成功。さらに、不燃性の電解液によってリチウムイオン電池の欠点である発火リスクをなくしたほか、形状の自由度も高いという利点もある。カーボンナノチューブは耐久性が非常に高いので、繰り返し使用による劣化も抑えられるという。

同社は今回の資金調達によって、このグリーンキャパシタの量産化を進め、2021年に量産販売を開始したいとしている。なおスペースリンクは、経済産業省の官民共同のスタートアップ集中支援プログラム「J-Startup」の特待生企業として選定されている企業だ。

Drone Fundは、「ドローンやエアモビリティの社会実装を進めるためには、バッテリーテクノロジーの進化が不可欠です。スペースリンクのグリーンキャパシタが実装されると、短時間での安全な充電が可能となり、ドローンやエアモビリティの運用に変革をもたらします」とプレスリリースで述べている。