Googleはロボット事業を縮小し、方針転換を図る

2013年、Google(グーグル)はロボティック分野に大々的に進出した。Androidの父ことAndy Rubin(アンディ・ルービン)氏のもと、Boston Dynamicsなど複数社を買収したのだ。ブレードランナーにあやかってReplicantと名付けられたこの部門は、親会社となるAlphabetの下で密かに運営されていたが、数年以内にシャットダウンされることとなる。

近日、GoogleはNew York Timesに対して、主任サイエンティストのVincent Vanhoucke氏のもとで本社内のラボにて開発が進められている、ロボット部門の様子を公開した。

結局、Googleはルービン氏が推し進めていた壮大なロボット開発から離れることにした。そこには人型ロボットも、Big Dogs(四足歩行するロボット)もない。むしろ、製造業や倉庫運用などに必要なハードウェアに注力しているのだ。これは、Amazonの倉庫用ロボットを連想させる。どうやら、Googleはより身近な問題、とくにオートメーション分野でよく話題に上る「単調で、汚く、危険な(dull、dirty、dangerous、Ds)」を解決しようとしているようだ。

重要なことは、ソフトウェアのサービスに関わるハードウェアというカテゴリは、ずっとGoogleらしいアプローチだということだ。Google Brainとマシンラーニングは、同社が研究し開発しているイノベーションのコアとなる分野だ。たとえGoogle Xの目標だったムーンショット(壮大な挑戦)でなくなったとしても、Googleが強みとなる部門に注力するのは賢い選択なのだ。

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(文/塚本直樹 Twitter